過払い金の時効とは?期限が切れた場合の請求と消滅時効を防ぐ方法を解説

近頃、テレビCMや車内広告などで目にする機会の多い「過払い金」。本来払う必要がないにもかかわらず払いすぎてしまった利息のことで、過払い金請求をすることで100万円以上戻ってきた、現在ある借金と相殺されてゼロになった、などの話もあります。

元は自分の払ったお金とはいえ、お金が手元に来るというのは嬉しいもの。過払い金があるなら請求したい!と考えている方も多いでしょう。

しかし、過払い金には時効があるということはご存知でしょうか?本記事では、過払い金の時効はいつなのか、時効が切れたときの請求方法や消滅時効を防ぐ方法をご紹介します。完済してから10年経っている方、10年経ちそうな方はチェックしてみてください。

過払い金の時効・期限について

過払い金とは、キャッシングやローンなどの借金を返済するときに発生した「貸金業者に返しすぎたお金」のこと。金融機関がお金を貸すときに守らなければならない「利息制限法」と「出資法」の2つの法律で定められていた金利に差があったことから、規定以上の高い金利が設定されていたことに起因します。

2010年(平成22年)6月17日に法改正がされて、2つの法律の金利の差は埋まったため、それ以降に借入をしても過払い金は発生しませんが、2010年(平成22年)6月17日よりも前に借入をした場合は要注意。過払い金が発生している可能性があります。

そんな過払い金は返還請求ができますが、請求には時効があるので注意が必要です。ここからは、過払い金請求の時効はいつなのか、いつを基準に計算したら良いのかを見ていきましょう。

過払い金の時効・期限は最後に取引をした日から10年以内

実は2010年(平成22年)6月17日以前に借り入れをして、過払い金が発生していると確認できたにも関わらず、請求できない場合があります。それは、過払い金請求の時効を過ぎてしまった場合。

過払い金請求の時効は10年以内と定められています。ここで注意しておきたいのが、借り入れしたから10年で時効というわけではなく、最後に取引(借入や返済のこと)をした日から10年で時効になる、ということ。例えば、2010年1月24日に借り入れをし、完済したのが2015年12月31日だった場合、過払い金請求の時効は2025年12月31日になります。

最終取引日(完済した日)から10年経過すると過払い金の返還手続きができなくなる 最終取引日(完済した日)から10年経過すると過払い金の返還手続きができなくなる

既に完済した場合はもちろん、現在借金を返済中であっても、借り入れした日が2010年(平成22年)6月17日以前で過払い金が発生している場合は返還請求が可能です。ぜひ1度チェックしてみてください。

しかし、最後の取引から10年を1日でも超えてしまうと時効という扱いになり、過払い金の返還請求は大変難しくなってしまいます。さらに、借り入れをしていた貸金業者が倒産していても、過払い金の返還請求はできません。

過払い金がある事が分かっていても、請求の準備に手間取っている内に時効を過ぎてしまった、金融業者が倒産してしまった……なんてこともあるので、過払い金があると分かったら1日も早く請求しましょう。

複数回同じ業者から借入・返済を繰り返した場合も請求できる

最後の取引日から10年経つと時効となり、過払い金請求は大変難しい、と上述しましたが、完済から10年以上経っていても時効にはならず過払い金が請求できるケースもあります。時効にならないのは、同じ貸金業者から断続的に借り入れと返済を繰り返していた場合。

過払い金の計算は、貸金業者と利用者間の全ての取引が対象になるため、1度借金を完済していてもまた新たに借り入れをしていた場合、2つの取引ではなくて1つの大きな取引として捉えることがあります。

その場合、1度目の借り入れの完済日から10年以上経っていても、2つ目の取引の最終返済日から10年経っていなければ、時効とはならず過払い金の請求は可能なこともあります。

10年以上前の借金であっても過払い金請求ができるケースもある 10年以上前の借金であっても過払い金請求ができるケースもある

ただし、借り入れ金額や借りる目的、空いた期間の長さなどによっては連続した1つの取引と認められないこともあるので、自分で判断するのではなく弁護士に相談して判断を仰ぐのが得策でしょう。特にクレジットカードのキャッシング枠における最終取引日は、裁判官によっても判断が分かれる難しい問題です。必ずプロに相談してください。

過払い金の時効が過ぎても返還請求できるパターン

過払い金の時効である10年を過ぎると、基本的に過払い金の請求はできません。借り入れと返済を同じ貸金業者で繰り返した場合は10年過ぎていてもOK、と上でご紹介しましたが、取引を連続した1つと捉えると「最終取引日から10年」という部分には変わりありません。そのため、「完済してから10年以上経っているから、時効となり過払い金請求はできない」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、最終取引日から10年以上経っていても、過払い金請求できるケースはあります。以下の2つに当てはまるかどうか、確認してみてください。

現在、貸金業に返済している場合

上述したように、過払い金請求の時効は「最終取引日から10年」です。決して借り入れした日から10年ではないので、借り入れから10年以上経っていたとしても、現在返済中であれば時効にはなっていません。時効は、直近の返済日か借入日から10年経ったときに迎えます。

ただし、途中で返済を延滞、もしくはそのまま放棄してしまった場合は、最後に取引した日から10年が時効になるので注意が必要です。直近の取引日が10年以内であることを確認してから、過払い金請求を行ってください。

貸金業者が不法行為していた場合

また、完全に完済から10年以上経っていても、過払い金請求ができるケースもあります。それは、貸金業者が取引において不法行為を行っていた場合。以下の5つに代表される不法行為があった場合は、時効かどうかに関わらず過払い金の返還請求ができる可能性があるので要チェックです。

  • 1日4回以上の電話による取り立て
  • 午後9時~午前8時の間の電話や訪問
  • 3人以上での訪問
  • 暴行や脅迫による督促
  • 法的根拠がないと知っているにも関わらず行った請求

ただしこれらは、具体的な事例に過ぎません。民法709条には「社会通念に照らして著しく相当性を欠く」場合が不法行為として扱われると書かれています。上でご紹介した以外の行為であっても心当たりがある場合は、ぜひ弁護士に相談してみてください。不法行為として認定される可能性があります。

不法行為があった場合は「過払い金請求」ではなく、不法行為による「損害賠償請求」という扱いになります。そのため時効は最後の取引から10年ではなく、「損害を知った時」つまり、過払い金の発生を知った時から3年に変化。損害を知った時を貸金業者への取引履歴の請求をした日、と捉える場合が多いので、取引履歴をまだ請求していなければたとえ時効を迎えている案件でも過払い金の返還は充分可能性があります。時効を迎えていたとしても諦めずにまずは弁護士に相談してみましょう。

過払い金の消滅時効を防ぐ2つの方法

過払い金があることが判明したので返還請求をしたいけれど、もうそろそろ10年経って時効が成立してしまう!という時におすすめなのが、時効を止めるために「請求」すること。

時効を止めるには「裁判上の請求」「裁判外の請求」の2種類があり、どちらも請求することで過払い金請求の時効のカウントダウンを一時的にストップさせることができます。ただし、方法によって時効をストップさせる期間が異なるので、以下でそれぞれの方法について詳しく見ていきましょう。注意点も併せて説明しているので、チェックしてみてください。

裁判上の請求とは

裁判上の請求とは、裁判所を通じて貸金業者に請求を行う行為のこと。主に、裁判所を介した以下の3つの手段をとることで、過払い金請求の時効を一時的にストップさせます。その後判決などで結論が出たら、時効期間はプラス10年されるので、時間的な猶予は十分できると言って良いでしょう。

時効を止めるための裁判上の請求には民事訴訟を起こす方法と支払い督促の申し立てをすることの2種類があります。ここでは、それぞれの概要を利点と注意点と併せてご紹介します。自分にはどの手段が適しているか考えながら、確認しておきましょう。

訴訟の提起

訴訟の提起とは、裁判所に過払い金の返還請求の民事訴訟を起こすことです。訴訟金額が60万円以下の少額訴訟か、通常訴訟になります。

訴訟を提起すればほぼ間違いなく過払い金は返還されますが、コストや時間がかかるというのが難点。訴状や証拠説明書、登記謄本など準備しなければならない書類が数多くあり、全て自分で揃えようとするととても大変です。また、書類に不備があれば受理されないため、自分で行うのではなく最初から弁護士に依頼しておくと良いでしょう。

支払督促

支払い督促とは、裁判所に申し立てをすることで、裁判所から貸金業者に督促状を送ることができる方法です。書類審査のみで請求手続きができるため、裁判所にわざわざ行く必要がありません。貸金業者から2週間以内に異議の申し立てがなければ、強制執行をすることができます。

ただし、支払督促をした場合、貸金業者が異議申し立てをしてくるのがほとんど。異議申し立てがあると民事訴訟に移行するので、最初から訴訟を提起しておいた方が二度手間にならずおすすめです。

裁判外の請求とは

裁判外の請求とは裁判所を介さず、過払い金請求者が直接貸金業者に請求する行為のことです。方法としては特に決められておらず、電話でもメールでも良いとされています。つまり「過払い金として、○○円請求します。」との旨を何らかの形で貸金業者に伝えれば、時効を6ヶ月間延長できるのです。

しかし電話やメールでは、貸金業者が確認したかどうか、後々証明することが困難になってしまいます。そこで有効なのが「内容証明郵便」を送付すること

内容証明郵便とは「いつ、誰が、誰宛てに、どんな内容の手紙を出したのか」を郵便局が証明してくれる郵便のことです。過払い金を請求した旨を送付したことが証明されるので、後に貸金業者に時効の成立を盾に返還を拒否されても簡単に論破することができます。

料金も1,000円~2,000円程度(枚数によって多少金額が変わります)と安価で、紙や封筒などの指定もないので、証明材料を確保する方法としてはとても手軽。郵便局に行って、内容証明郵便を出したい旨を伝えれば、簡単に送付することができます。ただし、文字数や使える文字について一部制限があるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

裁判外の請求は、簡単に過払い金請求の時効をストップさせることができるので、気軽に行いがち。しかし、6ヶ月の時効延長ができるのは、1度だけです。時効の期間を延長している間に裁判上の請求など、何らかの対処をしないと時効が過ぎてしまうので、裁判外の請求はあくまでもその場しのぎの方法だと覚えておきましょう。

過去10年以内に借金をしたことがある方は時効の前に相談してみると良いでしょう。

過払い金の請求は自分でも行うことができますが、貸金業者に取引履歴の開示請求をすることに始まり、過払い金がいくらあるのかの計算や貸金業者との和解交渉など、時間や労力がかかり、とても大変です。

また、弁護士や司法書士ではないということから、本来戻ってくる金額よりも不当に低い金額を提示されたり、そもそも話し合いに応じてくれなかったりする貸金業者も少数ですが存在します。それこそ和解交渉がスムーズにいかず裁判に発展すれば、訴状の作成が必要になり、時間と労力だけではなく専門知識やコストも必要になります。

最初から弁護士に依頼すれば手間が大幅に減るのはもちろん、自分で行うよりも早期に解決したり、より大きい返還金額を受け取れたりする可能性もあるので、結果的にお得になることもあります。弁護士に依頼した場合には最後の最後まで対処してくれるので、過払い金の振り込み予定日に振り込まれないなどの自分では対処が難しい予想外のトラブルが起きても安心です。

きわみ事務所では相談は何度でも、全て無料でさせていただいております。少しでも気掛かりな部分があればお気軽にフリーダイヤル・メールフォームからお問い合わせください。

弁護士を上手に活用して、自分に合った過払い金請求を行いましょう。10年以内に貸金業者と取引経験があり、過払い金について疑問や不安のある方は是非弁護士事務所に相談してみてください。

過払い金請求についての料金表
過払い金
相談・着手金
過払い金
報酬
過払い金 無料 過払い金の報酬 事務手数料2万円
+基本報酬4万円
+返還額の20%~(税別)

※過払い金返還請求において訴訟を行った場合、返還額の25%をいただきます。過払い金が発生しなければ費用は一切かかりません。

まとめ

過払い金の返還請求をすると、完済した借金であってもお金が返ってきたり、今ある借金が圧縮されたり、金銭的にメリットが発生したりするケースが極めて多いので、少しでも可能性があるようでしたら手続きする事をお勧めします。しかし、最終取引日から10年以内に請求しなければならない、と時効が決まっているので注意が必要です。

原則として10年を過ぎてしまうと過払い金の返還請求はできません。時効が迫っている場合には訴訟を起こすなどして時効をストップさせる手段もありますが、時効まで時間的な猶予があるなかで請求するのが安心です。

過払い金があるかもしれない……と思ったらすぐに弁護士事務所に相談して、1日も早く過払い金請求をしましょう。プロに任せておけば、過払い金が返ってくるのを待つだけ。手間をかけずに過払い金請求ができますよ。

弁護士法人きわみ事務所 代表弁護士:増山晋哉
  • 弁護士法人きわみ事務所 代表弁護士
  • 増山晋哉

大学卒業後、大阪市内の法律事務所で経験を積み、独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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