過払い金

過払い金の時効とは?消滅時効を防ぐ方法と期限が切れでも請求する方法

過払い金請求には10年で時効という制限がありますが、条件次第では10年以上経ったものでも請求できる場合もあります。

本記事では、過払い金の時効はいつなのか、消滅時効を防ぐ方法や期限が過ぎた場合の請求方法をご紹介します。

目次

2020年に過払い金請求は時効を迎えることはない

過払い金に関して、「2010年6月18日」に法改正がありました。その内容は、過払い金請求の時効を10年にするというものです。そのことから2020年6月18日に過払い金の時効になると思っていらっしゃる方も多いようです。しかしこれは、大きな間違いです。

過払い金の消滅時効は最後の取引日から10年です。借金を完済している場合には最後の返済日から10年で時効になり、借金を返済中であれば時効は10年先です。

仮に2007年の借金を10年掛けて2017年に完済した場合には、過払い金の時効を迎えるのは2027年であり、2020年に時効となることはありません。

ただし、2010年に完済した人の場合には2020年が消滅時効ですので、早めに請求するようにしましょう。

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過払い金の時効について

過払い金とは、キャッシングやローンなどの借金を返済するときに発生した「貸金業者に返しすぎたお金」のこと。金融機関がお金を貸すときに守らなければならない「利息制限法」と「出資法」の2つの法律で定められていた金利に差があったことから、規定以上の高い金利が設定されていたことに起因します。

2010年(平成22年)6月17日に法改正がされて、2つの法律の金利の差は埋まったため、それ以降に借入をしても過払い金は発生しませんが、2010年(平成22年)6月17日よりも前に借入をした場合は要注意。過払い金が発生している可能性があります。

過払い金は返還請求ができますが、請求には時効があるので注意が必要です。ここからは、過払い金請求の時効はいつなのか、いつを基準に計算したら良いのかを見ていきましょう。

過払い金の請求期限は最後に取引をした日から10年

過払い金請求の期限は10年と定められています。ここで注意しておきたいのが、借り入れした日から10年ではなく、最後に取引(借入や返済)をした日から10年、ということ。

例えば、2010年1月24日に借り入れをし、完済したのが2015年12月31日だった場合、過払い金請求の期限は2025年12月31日になります。

最終取引日(完済した日)から10年経過すると過払い金の返還手続きができなくなる

すでに完済した場合はもちろん、現在借金を返済中であっても、返還請求が可能です。ぜひ1度チェックしてみてください。

最後の取引から10年を1日でも超えてしまうと時効になり、過払い金の請求は大変難しくなってしまいます。借り入れをしていた貸金業者が倒産している場合も請求できません。

過払い金があるとわかっていても、請求の準備に手間取っているうちに期限を過ぎてしまった、金融業者が倒産してしまった……なんてこともあるので、過払い金があるとわかったら1日も早く請求しましょう。

同じ業者から借入・返済を繰り返した場合の時効

最後の取引日から10年経つと時効になるので過払い金請求は大変難しいですが、完済から10年以上経っていても時効にならず過払い金が請求できる場合もあります。時効にならないのは、同じ貸金業者から借り入れと返済を繰り返していた場合。

過払い金は、貸金業者と利用者間の全ての取引が対象になるため、1度借金を完済したあとに新たに借り入れをしていた場合、2つの取引ではなくて1つの大きな取引として捉えることがあります。

その場合、1度目の借り入れの完済日から10年以上経っていても、2つ目の取引の最終返済日から10年経っていなければ、時効とはならず過払い金の請求は可能なことがあります。

最終取引日(完済した日)から10年経過すると過払い金の返還手続きができなくなる

ただし、借り入れ金額や借りる目的、空いた期間の長さなどによっては連続した1つの取引と認められないこともあります。自分で判断するのではなく弁護士に相談して判断を仰ぐのが得策でしょう。特にクレジットカードのキャッシング枠における最終取引日は、裁判官によっても判断が分かれる難しい問題です。必ずプロに相談してください。

時効に影響する契約の「一連」と「分断」の違いとは

時効の考え方に「一連」と「分断」という2つの概念があります。一連というのは、文字通りいくつもの借入が一体化していると考えるのです。カードローンを例にすれば、ローン契約が終わるまでは時効が始まりません。なぜなら、完済しても再度借りることができる状態になっているからです。解約するまでは「残高ゼロ」として借入は続いています。

これに対し、分断というのは、借入から完済までを1つの借入と考えるのです。そのため、契約が続いていても一度完済すると時効がスタートします。正にフリーローンを何度も借りたようなものです。

一連と判断すれば過払い金の範囲が広がる

判例では事実関係によって判断を分けているようです。原則として、契約が続いているなら「一連」として判断してくれます。ただ、1年以上も残高ゼロが続いたり、利率などの契約内容が変わったりすれば別です。この場合は「分断」と判断されます。

もし、一連と判断されれば10年どころか、もっと昔まで一気に過払い金請求の対象です。過払い金の訴訟では、この解釈論がかなり大きな論点となります。

過払い金は時効が到来すると請求ができません。請求期限があるためです。しかし、時効の解釈ひとつで請求期限を延ばすことができます。

時効の起点には複数の説がありますが、大別すると一連と分断という二つになるでしょう。どちらの説を取るかで過払い金を多く請求できるかどうか決まります。時効の起点が遅ければ遅いほど時効が到来する時期が遅くなるからです。

そのため、利用者は複数の借金をひとまとめにして時効が始まる一連としたいでしょう。こうすることで、過払い金を多く請求できます。

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貸金業者は一連と判断されやすい

これに対し、貸金業者のローン商品は、昔も今もカードローンが主流です。使い勝手がいいし、貸金業者の手間もかからないからでしょう。

しかし、信販会社がクレジットカードのキャッシングサービスをする際は1回払いが多いです。キャッシングサービスは限度額が低く、分割返済の意味がないからでしょう。

また過払い金請求期限という観点からは、キャッシングサービスは不利になります。なぜなら、借りた金額を次の支払日に返済するからです。この場合、借入と返済を単一のセットとする「分断」と判断されやすいでしょう。

ただし、中小貸金業者にはキャッシングサービスのようなケースもあります。

この場合、カードローンは一連と判断されやすいです。契約は引き続いていますし、いつでも借入ができる状態にあるからでしょう。一般的には365日の空白があるか否かで一連と分断の判断を分けているようです。

そのため、貸金業者に対する過払い金請求は一連と判断されることが多くなります。もっとも、裁判所の判断はケースバイケースです。一般論だけでは判断できないので、弁護士への相談は欠かせません。

過払い金の請求期限は時効の判断で変わる

過払い金の請求は、時効があるため制限があります。しかし、時効の考え方は一つではありません。その理由として法解釈上の違いがありますが、ローン商品による解釈の違いもあります。

フリーローンのように契約と共にお金を貸し、後は返済だけなら問題はありません。しかし、カードローンのように借りたり返したりを繰り返すことができると厄介です。いつ取引がスタートし、いつ終わったのかわかりません。

貸金業者はローン残高がゼロになった瞬間から時効が始まると主張するでしょう。その方が過払い金の対象となる貸付金が減るからです。でも、自分としては解約していないのに時効が始まっていないと主張したいですね。

借入と完済を繰り返した場合は注意

カードローンのように借入と返済を繰り返すローンは、時効の考え方が難しいでしょう。借入と返済を繰り返すことで、一つずつの借入契約と判断できるからです。フリーローンを何度も契約したような形になっているようなものでしょう。

ただ、カードローンはタイムリーに借入と返済ができる契約を結んだローンです。返済したからと言って契約がなくなってしまうわけではありません。フリーローンを何度も繰り返したようなものだと言われても納得できないでしょう。

このように、借入と返済を何度も繰り返すカードローンは時効の判断に注意が必要です。

過払い金の時効が過ぎても返還請求できることがある

過払い金は期限である10年を過ぎると時効になり、基本的に過払い金の請求はできません。借り入れと返済を同じ貸金業者で繰り返した場合は10年過ぎていてもOK、と上でご紹介しましたが、取引を連続した1つと捉えると「最終取引日から10年」という部分には変わりありません。

しかし、最終取引日から10年以上経っていても、過払い金請求できることがあります。以下の2つに当てはまるかどうか、確認してみてください。

現在、貸金業者に返済している場合

借り入れから10年以上経っていたとしても、現在返済中であれば時効にはなっていません。時効は、直近の返済日か借入日から10年経ったときです。

ただし、返済を途中で延滞したり放棄してしまった場合は、最後に取引した日から10年で時効になるので注意が必要です。直近の取引日が10年以内であることを確認してから、過払い金請求を行ってください。

貸金業者が不法行為していた場合

完済から10年以上経っていても、以下の5つに代表される不法行為があった場合は、時効かどうかに関わらず過払い金の請求ができる可能性があります。

  • 1日4回以上の電話による取り立て
  • 午後9時~午前8時の間の電話や訪問
  • 3人以上での訪問
  • 暴行や脅迫による督促
  • 法的根拠がないと知っているにも関わらず行った請求

これらは、具体的な事例に過ぎません。民法709条には「社会通念に照らして著しく相当性を欠く」場合が不法行為として扱われると書かれています。上でご紹介した以外の行為であっても心当たりがある場合は、ぜひ弁護士に相談してみてください。不法行為として認定される可能性があります。

不法行為があった場合は「過払い金請求」ではなく、不法行為による「損害賠償請求」という扱いになります。「損害賠償請求」の時効は、最後の取引から10年ではなく、過払い金の発生を知ってから3年になります。過払い金の発生を知った時は、貸金業者に取引履歴の請求をした日とみなされる場合が多いです。まだ取引履歴を請求していなければ、期限を過ぎた場合でも過払い金を取り戻せるは可能性が充分あります。期限を過ぎていたとしても諦めずに弁護士に相談してみましょう。

時効まででも過払い金が請求できなくなるケース

過払い金の請求期限は基本的に10年です。また、時効の概念や契約内容、更にローン商品の内容によって時効の起点が変わります。これにより過払い金の請求期間に影響が及ぶでしょう。

過払い金請求をする上で、このようなリスクはできる限り抑えた方が賢明です。また、最近は貸金業者が倒産したり廃業したりすることもあります。倒産や廃業した貸金業者に過払い金請求をしても意味がありません。

過払い金請求にはいろいろな障害が立ちはだかります。早めの対応が吉と出るのです。

倒産したら時効前でも回収不能

また、過払い金請求にはもう一つリスクがあります。倒産や廃業です。貸金業者が倒産や廃業をするのかと思われるかもしれません。しかし、実際に武富士は倒産しています。武富士を利用していた人たちはもう過払い金を請求することができません。たとえ時効を迎えていなくても、相手がいなければ意味がないのです。中小の貸金業者は過払い金請求により、倒産や廃業をしている例が案外あるのです。

合併と倒産は違う

ちなみに合併と倒産は違います。合併は貸金業者が他の銀行などと一緒の法人になることです。貸金業者が銀行の傘下に入る形になります。

従来、大手と呼ばれた消費者金融は、ほぼすべて銀行の傘下に入りました。社名やブランド名を変えたケースもあります。そのため、自分が使っていた貸金業者は倒産か廃業で消滅したのかと思うかもしれません。

しかし、合併であれば債権も債務も全て新しい銀行などが引き継ぎます。そのため、過払い金請求は引き続き可能です。合併と倒産は違います。

過払い金の消滅時効を防ぐ2つの方法

過払い金請求をしたいけれど、そろそろ10年経って時効が成立してしまいそうな時におすすめなのが、時効を止めるために「請求」すること。

時効を止めるには「裁判上の請求」「裁判外の請求」の2種類があります。どちらも請求すれば過払い金請求の期限を延ばすことができます。ただし、方法によって延長できる期間が異なるので、以下でそれぞれの方法について詳しくご紹介します。注意点も併せてチェックしてみてください。

裁判上の請求

裁判上の請求とは、裁判所を通じて貸金業者に請求することです。具体的には、以下の2つの手段をとることで、過払い金請求の時効を一時的にストップさせます。その後、判決で結論が出たら時効期間はプラス10年されます。

時効を止めるための裁判上の請求には民事訴訟を起こす方法と支払い督促の申し立てをすることの2種類があります。ここでは、それぞれの概要を利点と注意点と併せてご紹介します。自分にはどの手段が適しているか考えながら、確認しておきましょう。

訴訟の提起

訴訟の提起とは、裁判所に過払い金の返還請求の民事訴訟を起こすことです。訴訟金額が60万円以下の少額訴訟か、通常訴訟になります。

訴訟を提起すればほぼ間違いなく過払い金は返還されますが、コストや時間がかかるというのが難点。訴状や証拠説明書、登記謄本など準備しなければならない書類が数多くあり、全て自分で揃えようとするととても大変です。また、書類に不備があれば受理されないため、自分で行うのではなく最初から弁護士に依頼しておくと良いでしょう。

支払督促

支払い督促とは、裁判所に申し立てをすることで、裁判所から貸金業者に督促状を送る方法です。書類審査のみで請求手続きができるため、裁判所にわざわざ行く必要がありません。貸金業者から2週間以内に異議の申し立てがなければ、強制執行をすることができます。

ただし、支払督促をした場合、貸金業者が異議申し立てをしてくるのがほとんど。異議申し立てがあると民事訴訟に移行するので、最初から訴訟を提起しておいた方が二度手間にならずおすすめです。

裁判外の請求とは

裁判外の請求とは裁判所を介さず、過払い金請求者が直接貸金業者に請求する行為のことです。方法としては特に決められておらず、電話でもメールでも良いとされています。つまり「過払い金として、○○円請求します。」との旨を何らかの形で貸金業者に伝えれば、時効を6ヶ月間延長できます。

ただ、電話やメールで伝えた場合、貸金業者が内容を確認した事実を証明することが困難になってしまいます。そこで有効なのが「内容証明郵便」を送付すること。

内容証明郵便とは「いつ、誰が、誰宛てに、どんな内容の手紙を出したのか」を郵便局が証明してくれる郵便のことです。過払い金を請求した旨を送付したことが証明されるので、後に貸金業者に時効の成立を盾に返還を拒否されても簡単に論破することができます。

料金も1,000円~2,000円程度(枚数によって多少金額が変わります)と安価で、紙や封筒などの指定もないので、証明材料を確保する方法としてはとても手軽。郵便局に行って、内容証明郵便を出したい旨を伝えれば、簡単に送付することができます。ただし、文字数や使える文字について一部制限があるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

裁判外の請求は、簡単に過払い金請求の時効をストップさせることができるので、気軽に行いがち。しかし、6ヶ月の時効延長ができるのは、1度だけです。時効の期間を延長している間に裁判上の請求など、何らかの対処をしないと時効が過ぎてしまうので、裁判外の請求はあくまでもその場しのぎの方法だと覚えておきましょう。

過去10年以内に借金をしたことがある方は時効の前にご相談を

過払い金の請求は自分でも行うことができますが、貸金業者に取引履歴の開示請求をすることに始まり、過払い金がいくらあるのかの計算や貸金業者との和解交渉など、時間や労力がかかり、とても大変です。

また、弁護士や司法書士ではないということから、本来戻ってくる金額よりも不当に低い金額を提示されたり、そもそも話し合いに応じてくれなかったりする貸金業者も少数ですが存在します。それこそ和解交渉がスムーズにいかず裁判に発展すれば、訴状の作成が必要になり、時間と労力だけではなく専門知識やコストも必要になります。

最初から弁護士に依頼すれば手間が大幅に減るのはもちろん、自分で行うよりも早期に解決したり、より大きい返還金額を受け取れたりする可能性もあるので、結果的にお得になることもあります。弁護士に依頼した場合には最後の最後まで対処してくれるので、過払い金の振り込み予定日に振り込まれないなどの自分では対処が難しい予想外のトラブルが起きても安心です。

きわみ事務所では相談は何度でも、全て無料でさせていただいております。少しでも気掛かりな部分があればお気軽にフリーダイヤル・メールフォームからお問い合わせください。

弁護士を上手に活用して、自分に合った過払い金請求を行いましょう。10年以内に貸金業者と取引経験があり、過払い金について疑問や不安のある方は是非弁護士事務所に相談してみてください。

過払い金請求についての料金表
過払い金
相談・着手金
過払い金
報酬
過払い金 無料 過払い金の報酬 事務手数料2万円
+基本報酬4万円
+返還額の20%~(税別)
※過払い金返還請求において訴訟を行った場合、返還額の25%をいただきます。過払い金が発生しなければ費用は一切かかりません。

過払い金請求の時効まとめ

過払い金の返還請求をすると、完済した借金であってもお金が返ってきたり、今ある借金が圧縮されたり、金銭的にメリットが発生したりするケースが極めて多いので、少しでも可能性があるようでしたら手続きする事をお勧めします。しかし、最終取引日から10年以内に請求しなければならない、と時効が決まっているので注意が必要です。

原則として10年を過ぎてしまうと過払い金の返還請求はできません。時効が迫っている場合には訴訟を起こすなどして時効をストップさせる手段もありますが、時効まで時間的な猶予があるなかで請求するのが安心です。

過払い金があるかもしれないと思ったらすぐに弁護士事務所に相談して、1日も早く過払い金請求をしましょう。プロに任せておけば、過払い金が返ってくるのを待つだけです。手間をかけずに過払い金請求ができますよ。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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