特定調停

特定調停の申し立てはどこの裁判所が管轄になる?

特定調停をするためには裁判所への申し立てが必要です。

特定調停は弁護士などの専門家には依頼せずに手続きをすることが一般的なので、自分自身で準備と申し立てをします。

しかし、特定調停の申し立てはどこの裁判所でも良いわけではありません。

特定調停の管轄裁判所には決まりがあるので、申し立てはその裁判所で行う必要があるのです。

この記事では特定調停の管轄裁判所はどこなのか、どうやって調べれば良いのかについて説明していきます。

目次

特定調停の申し立ては管轄の簡易裁判所で行う

特定調停の申し立ては債権者の所在地を管轄する簡易裁判所で行います。

裁判所には、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所の5種類があります。

裁判所の種類によって取り扱う事件が異なり、特定調停の申し立ては簡易裁判所で行うのです。

最高裁判所は東京の1ヶ所だけですが、高等裁判所は全国に8ヶ所(東京都・大阪市・名古屋市・広島市・福岡市・仙台市・札幌市・高松市)、地方裁判所と家庭裁判所は全国50ヶ所、簡易裁判所はなんと438ヶ所もあります。

他の裁判所に比べてかなり数が多いですが、特定調停の申し立てをするのはその中の債権者の所在地を管轄する簡易裁判所です。

必ずしも自分の住んでいる地域にある簡易裁判所とは限らないので注意してください。

基本的には特定調停の申し立て先は、自分ではなく、相手方がいる地域を管轄している簡易裁判所になるのです。

次の章では、より具体的に特定調停の管轄裁判所について説明していきます。

特定調停で管轄となる簡易裁判所はどこ?

特定調停は民事調停法という法律にもとづくもので、その法律の中では管轄の裁判所について次のように記載されています。

調停事件は、特別の定めがある場合を除いて、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所若しくは簡易裁判所の管轄とする。

民事調停法 第3条

債務者と債権者の間で合意がある場合にはついては後述するので、まずは条文の前半について見ていきましょう。

債権者の住所を管轄する簡易裁判所

債権者の住所を管轄する簡易裁判所というのは分かりやすいですね。

例えば、相手方が東京23区内に住んでいる場合には、管轄する簡易裁判所は東京簡易裁判所です。

また、簡易裁判所は1つの都道府県に1つというわけではありません。

神奈川県内には横浜簡易裁判所、川崎簡易裁判所、相模原簡易裁判所、横須賀簡易裁判所、小田原簡易裁判所などのように計11ヶ所も の簡易裁判所が設置されているのです。

債権者の居所を管轄する簡易裁判所

居所というのは、住所ではないものの、生活の拠点になっているような場所を指します。

例えば、大学への進学などで一時的に住んでいる下宿先は居所といえるでしょう。

もちろん、住民票を移していれば現住所となります。

特定調停の申し立て先は、必ずしも相手の住所を管轄する簡易裁判所には限定されず、居所がある地域を管轄している簡易裁判所でも良いのです。

債権者の営業所、または事務所の所在地を管轄する簡易裁判所

特定調停の相手が金融機関である場合には、債権者の営業所や事務所の所在地を管轄している簡易裁判所でも構いません。

債権者が消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者であれば、金融庁の登録貸金業者検索サービスで営業所の所在地を調べられます。

金融機関の公式ホームページでも確認できると思うので、比較的、簡単に調べることができるでしょう。

特定調停の債権者が複数いる場合の管轄はどこになる?

特定調停を行う場合、債権者が複数いる場合も多いでしょう。

債務整理をするくらいの借金があるのであれば、1社だけでなく、複数社からの借り入れがあってもおかしくありません。

そのようなケースでは、どこが管轄の裁判所になるのでしょうか?

債権者全員が同じ管轄の簡易裁判所にいる場合

もし債権者が複数いても、全員の住所や居所、営業所・事務所の所在地が同じ地域にあるなら迷うことはないでしょう。

前述の通り、相手方が東京23区内にいる場合には、管轄は東京簡易裁判所となります。

債権者が多いと住所などを調べる手間はかかりますが、全員が同じ地域にいるのであればそこを管轄する簡易裁判所に申し立てをすれば良いのです。

債権者が別々の管轄の簡易裁判所にいる場合

一方、複数の債権者が別の管轄地域に散らばっているケースはどうすれば良いのでしょうか?

実際には1つの都道府県に複数の簡易裁判所が設置されていますが、ここでは分かりやすいように管轄を都道府県単位で考えていきます。

例えば、5人(5社)の債権者がいて、3人は東京、1人は大阪、1人は北海道に住所があるとします。

この場合、東京、大阪、北海道の3つの管轄裁判所でそれぞれ申し立てをする必要はありません。

基本的には債権者がもっとも多い東京の簡易裁判所で申し立てをすれば良いのです。

債権者が別々の管轄地域にいる場合には、1つの簡易裁判所で別の地域にいる債権者への申し立ても関連事件として扱うことができるのです。

また、東京2名、大阪2名、北海道1名のように同数の債権者がいる地域があるケースでは、東京か大阪のどちらかで申し立てをするのが一般的でしょう。

債権者がもっとも少ない北海道の簡易裁判所で申し立てをすることも可能なので、まずは最寄りの簡易裁判所で確認してみてください。

特定調停の申し立て先を変更できる「管轄の合意」とは?

特定調停の申し立ては、相手方の住所などを管轄する簡易裁判所で行いますが、事前の取り決めがあれば管轄の裁判所を変更することも可能です。

このような取り決めを「管轄の合意」といいます。

債権者と債務者の間で「この簡易裁判所(または、地方裁判所)で行いましょう」という合意があるのであれば、本来の管轄以外の裁判所で特定調停を行うこともできるのです。

本来の管轄でない裁判所で調停を進めるためには、「管轄合意書」という書類を作成し、任意の裁判所に対して提出します。

当たり前ですが、管轄合意書には申立人だけでなく、相手方の住所、署名、捺印も必要です。

特別な理由がなければ管轄合意書を提出するということはありませんが、念の為、覚えておくと良いでしょう。

特定調停の申し立てで管轄の簡易裁判所が分からない場合は?

特定調停をスムーズに進めるためには、しっかりと管轄の簡易裁判所を調べて申し立てを行うことが重要です。

ただ、債権者が多かったり、個別の事情があったりして、どの簡易裁判所に申し立てをすれば良いのか分からないという人もいるでしょう。

もし管轄の裁判所がどこか分からないという場合には、まずは最寄りの簡易裁判所に問い合わせをしてみてください。

その際は債権者の一覧表を簡単にでも良いのでまとめておくと、相談しやすいと思います。

また、特定調停は移送や自庁処理が認められています。

管轄でない簡易裁判所に申し立てをした場合には本来の正しい管轄の裁判所に事件を移送する、または、申し立てが行われた裁判所で事件を取り扱うこともできるのです。

特定調停は手続きのために何度か裁判所に出廷しないといけません。

相手方の管轄裁判所が遠方にあるとスムーズに手続きを進めるのが難しいので、最寄りの簡易裁判所で相談してみましょう。

特定調停は債権者のいる地域で管轄が決まる!まずは最寄りの簡易裁判所で相談

特定調停は基本的に相手方がいる地域を受け持つ簡易裁判所が管轄裁判所になります。

引っ越しなどをしている場合には、自分の最寄りの裁判所が管轄にならないケースもあるので注意が必要です。

債権者を一覧にして相手方の住所や事務所の所在地をまとめると管轄の簡易裁判所を調べやすいでしょう。

ただし、特定調停は移送、自庁処理も可能なので、本来の管轄ではない簡易裁判所で手続きすることもできます。

管轄の裁判所がいずれも遠く、出廷するのが困難な場合など、特定調停を進めるためには必要であると判断されれば、最寄りの簡易裁判所での申し立てもできるのです。

そのため、まずは最寄りの簡易裁判所で相談してみると良いでしょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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