特定調停

特定調停はギャンブルが原因でもできる?

借金の原因には、やむを得ない状況だけでなく、パチンコや競馬などのギャンブルが原因の場合もあるでしょう。債務整理は、債務者を助ける手段のひとつですが、方法によっては、借金の原因を問われ、申し立てられない場合があるので注意が必要です。

本記事では、債務整理の中でも、特定調停はギャンブルが原因でもできるのかについて解説します。その他のメリット・デメリットも解説するので、特定調停をするか検討に役立ててみましょう。

目次

特定調停とは

特定調停はギャンブルが原因でもできるのかを解説する前に、特定調停はどのような手続きなのか、目的があるのかについておさえておきましょう。

特定調停とは、簡易裁判所に申し立てを行い、債務者と債権者で交渉を行い、借金の減額や返済条件の調整などを実現する債務整理の方法です。減額後3年程度で返済できる借金額であること、返済するための継続的収入があることが条件となります。

特定調停の目的は、債務者の生活を立て直すことであり、簡易裁判所が間に立って交渉を進めることで、借金に苦しむ債務者を救済することを目指します。

特定調停は借金の原因がギャンブルでもできる

借金をする理由は、奨学金や住宅ローン、自動車ローンなどさまざまです。中にはパチンコや競馬などのギャンブルで借金をしている方もいるでしょう。ギャンブルで借金がかさんでしまった場合、やむを得ない借金とは言えないので、ギャンブルでも債務整理できるのかという疑問を持つ方が多いです。

借金の支払い義務を免除する自己破産においては、ギャンブルや浪費が原因だと免責は許可されませんが、特定調停では借金の原因を問いません。ギャンブルで多額の借金をつくったとしても、特定調停を進め、債務整理を成功させられます。

ただ、債権者への印象が悪いのは事実です。特定調停は、簡易裁判所が仲裁役になるものの、債権者との交渉をまとめる必要があるので、ギャンブルが原因の場合、債権者との関係が悪化したり、折り合いがつかなかったりして、交渉が難航する可能性があります。借金の原因は問われませんが、しっかり反省・改心の意思を示すことが特定調停の成功に必要です。

ギャンブルでできる以外にも特定調停にはメリットが多い

ギャンブルや浪費など借金の原因を問わないのは、特定調停のメリットのひとつです。特定調停には、他にもメリットがあります。特定調停のメリットを見ていきましょう。

少ない費用で申し立てられる

特定調停は、自分で申し立て書類を作成したり、必要書類をそろえたりすることで自力で行える債務整理です。自分で手続きを行う場合、手続きに必要な費用は債権者1社あたり数千円で済みます。数千円の内訳は、500円の手数料と数百円の郵便切手代です。複数の債権者が対象でも1社あたりの費用が少ないので、大きな負担にはならないでしょう。

自己破産や個人再生など弁護士依頼が一般的な債務整理では、弁護士費用が数万円かかります。できるだけ少ない費用で手続きしたい、弁護士費用を捻出できない方に、特定調停をおすすめします。

財産を失わずに借金減額できる

自己破産や個人再生では、借金帳消しまたは大幅な減額を実現できますが、その代わり住宅や自動車などの財産を回収され、返済に充てられます。一方、特定調停や任意整理なら残したい財産に合わせて、債権者を選ぶことができます。

住宅ローンが残っている自宅を残したい、自動車がどうしても必要といった場合には、それぞれの債権者を避けて、他の債権者と交渉すれば、財産を残しつつ借金を減額できるでしょう。

強制執行を停止できる

特定調停の手続きが終了すると、返済額や返済方法を決めた公正証書が作成されます。内容を履行しなかった場合に強制執行する権利が債権者にありますが、不当な強制執行だった場合、債務者には停止を申し立てる権利が認められています。裁判所の判断で認められない場合があることには注意が必要です。

調停委員によって円滑に交渉できる

特定調停では、簡易裁判所が任命した調停委員が交渉の間を取り持ってくれます。そのため、債務者と顔を合わせて交渉するものの、言い争いになったり、折り合いがつかなかったりすることを防いでくれて、円滑に交渉を進められます。

特定調停のデメリットを理解しておこう

特定調停には、借金の原因を問わない以外にもいくつかのメリットがありますが、デメリットも存在します。デメリットに関わって、成立件数が減っている傾向があるので、デメリットもしっかり理解しておきましょう。

書類作成が面倒

特定調停は少ない費用で手続きを行えるものの、書類作成は煩雑で、法律をあまり知らない人や初めて債務整理する人にとっては面倒でしょう。

申立書類の他に、経済状況を報告する書類や債権者との関係を報告する書類などを作成する必要があり、時間と手間がかかることを覚えておきましょう。書類の書き方や手続き方法については、簡易裁判所で相談することができるので、わからないことを聞きつつ準備するのがおすすめです。

取立てが止まるまで時間がかかる

特定調停と任意整理は、共通する部分が多いですが、取り立てが止まるタイミングに差があります。任意整理なら弁護士に依頼した時点で取り立てを止められますが、特定調停は申し立てが完了するまで取り立てが止まりません。

書類作成にはある程度の時間がかかり、初めての債務整理なら時間がかかるでしょう。その間も取り立てが続き、借金がかさんだり、精神的なストレスがかかったりするので、一刻も早く取り立てを止めたい方には向かない債務整理の方法です。

最低2回出廷しなくてはならない

特定調停は、簡易裁判所に出廷する必要があります。1回目は調停委員との打ち合わせ、2回目は債務者との交渉となります。簡易裁判所の出廷日は平日に設定されているので、仕事をしている方や家事などで外出が難しい方にとっては調整が大変です。複数の債権者と交渉を行う場合、出廷する日が増えるので、より負担になってしまいます。

大幅な減額ができないことも

特定調停は、引き直し計算という方法で減額幅を算出します。金利を参考に払いすぎた返済分を減額するのですが、正しい金利で借金をしていた過払い金は発生せず、期待していた減額を実現できないおそれがあります。

また交渉が不調に終わると、遅延損害金を請求される場合もあり、かえって借金が増えるリスクも考えられます。

まとめ

特定調停では、借金の理由は問われないので、ギャンブルで借金をつくったとしても利用可能です。ただ、債権者への印象はあまり良くないため、ギャンブルがきっかけで借金をしたことには反省の意をしっかり示しましょう。

また特定調停には、少ない費用で申し立てられる、財産を失わないなどのメリットがあります。一方で、書類作成や手続きの煩雑さや出廷しなくてはならないこと、必ずしも大幅な減額を実現できないといったデメリットも存在します。

ギャンブルが原因で借金に苦しんでいる方は、メリット・デメリットを十分に検討した上で、特定調停を利用してみましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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