特定調停

特定調停の申し立ての必要書類とは?作成方法と提出時の注意点は?

特定調停は基本的に自分で申し立てをするため、手続きに必要な書類も自分自身で用意しないといけません。

スムーズに特定調停を進めるためには、不備なく必要書類を準備することが重要です。

特定調停にはどのような必要書類があるのでしょうか?

この記事では、特定調停で提出する書類とその作成方法について説明していきます。

また、書類を準備するときの注意点についてもあわせて説明するので、必要書類作成の参考にしてください。

目次

特定調停の必要書類一覧

特定調停の申し立ては管轄の簡易裁判所で行います。

一般的に債務整理は弁護士などの専門家に依頼するものというイメージがあるかもしれませんが、特定調停は自分で申し立てをするケースが多く、必要書類の作成や提出も自分自身で行うことになるのです。

もちろん、弁護士や司法書士などに依頼をすることも可能ですが、専門家への報酬が必要になるため、それでは費用を抑えて手続きがしやすい特定調停の意味はないでしょう。

専門家の力を借りない分、少し手間はかかりますが、特定調停をするためには以下の書類が必要になるので準備してください。

【特定調停の必要書類】

  • 特定調停申立書 2部(正本・副本)
  • 特定債務者の資料等 1部
  • 関係権利者一覧表 1部
  • 資格証明書 1部 など

特定調停で必要な書類は債権者が多いと、その分だけ用意しないといけません。

そのため、多重債務で特定調停を考えている場合には、必要書類の作成だけでも時間がかかるでしょう。

また、申し立ての際、実際の調停で必要な書類は管轄の裁判所によっても異なります。

どのような書類が必要なのかは、管轄の裁判所で確認しておくと正確です。

今回は東京簡易裁判所の場合を例に説明していきます。

特定調停申立書 2部(正本・副本)

特定調停の手続きを裁判所に対して求める書類で、債権者ごとに正本・副本の2部ずつの提出が必要になります。

特定調停申立書には次のような内容を記入します。

【特定調停申立書に記入する内容】

  • ①申立人の情報
    ・申立人の住所
    ・送達場所(書類の郵送先)
    ・氏名
    ・契約時の氏名と住所
    ・生年月日
    ・電話番号
    ・FAX番号
  • ②相手方の情報
    ・住所(相手方が法人の場合には本店)
    ・氏名(相手方が法人の場合には会社名・代表者氏名)
    ・支店、営業所の名称、所在地
    ・電話番号
    ・FAX番号
  • ③紛争の要点
    ・債務の種類(該当するのもにチェックを入れる)
    ・契約の状況(契約日、借受金額、現在の残高など)

書類を管轄の裁判所に提出する日付の記入、自身の氏名の隣には捺印も必要なので忘れないようにしましょう。

特定債務者の資料等 1部

特定調停ができるのは「特定債務者」に該当する滞納している債務の返済が困難な人に限られます。

そのため、申立人の家計の状況を裁判所に知らせる必要があるのです。

東京簡易裁判所では「財産の状況を示すべき明細書その他特定債務者であることを明らかにする資料」として、次のような内容を記入した書類を提出します。

【特定債務者の資料等に記入する内容】

  • ①申立人の氏名
  • ②申立人の生活状況
    ・職業
    ・勤務先名称
    ・勤続期間
    ・収入(手取り月収・給料日) など
  • ③申立人の資産と負債
    ・資産(土地、建物、マンション、自動車、その他)
    ・その他(預貯金、株式、生命保険等、その他)
  • ④同一生計者の状況
    ・氏名
    ・間柄
    ・職業
    ・手取り月収
    ・同居、別居
  • ⑤その他の返済に関する事項や補足説明
  • ⑥毎月の返済希望額

毎月の返済金額の希望についても記入しますが、ここには債権者ごとの個別の金額ではなく、全体の金額を記入しましょう。

例えば、毎月4万円くらいであれば返済できる場合、4万円と記入してください。

債権者が2名(2社)でもそれぞれに2万円ずつと考える必要はありません。

関係権利者一覧表 1部

特定調停は返済条件について協議をする債権者を選ぶことができます。

そのため、すべての債務を特定調停の対象とする必要はありません。

ただし、この「関係権利者一覧表」には調停をしない債権者についても記入が必要なので注意してください。

債権者の住所については特定調停申立書を見れば確認できるので「申立書記載のとおり」と書けば良く、主に債務の内容、担保権について記入していきます。

【関係権利者一覧表に記入する内容】

  • ①債権者の名称と住所
  • ②債務の内容等
    ・当初借入日
    ・当初借入金額
    ・現在の借入残高
  • ③担保権の内容等
    ・不動産などの担保の有無
    ・保証人の有無(有りの場合は氏名も記入)

中には当初の借り入れがとても前で、詳細を覚えていないということもあるでしょう。

正確な年月日、金額などを確認するためにも契約書などを手元に用意することおすすめします。

資格証明書 1部

資格証明書とは、相手方が法人である場合に必要な書類です。

本店の所在地や名称、代表者の氏名が書かれていて、法務局で入手することができます。

現在事項全部証明書、代表者事項証明書の2種類がありますが、提出するのはどちらか1つで構いません。

加えて、資格証明書の提出が必要ないケースもあるため、管轄の裁判所で確認するようにしてください。

特定調停の必要書類と一緒に納付する手数料について

特定調停では以上の書類に加えて、申立手数料を収入印紙で、手続費用を予納郵便切手で納付する必要があります。

これらも債権者ごとに必要で、管轄の裁判所による違いもあるため注意してください。

ただし、弁護士などの専門家に依頼して行う債務整理に比べると負担はとても少ないです。

先ほどの必要書類と同様に東京簡易裁判所の場合を例に説明していきます。

申立手数料(収入印紙)

特定調停の申立手数料として、相手方1名(1社)につき500円分の収入印紙が必要です。

1名なら500円で済みますが、5名なら2,500円分、10名なら5,000円分の収入印紙を準備しましょう。

また、元本が高額な場合には、それ以上の申立手数料が発生することもあります。

個人の申し立てでは債権者1名の元本が1,666,666円を超える場合には、追納となるケースもあるそうです。

手続費用(予納郵便切手)

特定調停では裁判所が相手方に書類を郵送するため、それにかかる費用を予納郵便切手で支払います。

基本的には1名なら430円分で済みますが、手続きの内容次第で追加で費用を負担しないといけないケースもあるので覚えておきましょう。

特定調停の手続きで用意するその他の必要書類など

特定調停の申し立てをするには、ここまでで説明してきた次のものがあれば大丈夫です。

【特定調停の申し立てで必要なもの】

  • 特定調停申立書
  • 特定債務者の資料等
  • 関係権利者一覧表
  • 資格証明書
  • 収入印紙
  • 予納郵便切手

ただし、申し立てや手続きに際しては本人確認書類や印鑑などが必要になるでしょう。

本人確認書類には住民票の写し、運転免許証、パスポートなどがあれば問題ありません。

必要書類を提出するとき、裁判所に出廷するときには本人確認書類を準備しておきましょう。

書類の作成が完璧であれば印鑑が不要なケースもありますが、念の為、持参しておくと安心だと思います。

特別な準備が必要なものではありませんが、申し立てをする際、調停のために裁判所に出廷する際には本人確認書類と印鑑も忘れずに持っていくようにしてください。

また、前述の通り、管轄の裁判所によっても必要書類は異なります。

管轄となる簡易裁判所の窓口で確認した上で手続きすると確実です。

特定調停の必要書類を作成するときにあると便利な資料

特定調停の手続きでは債権者との協議に入る前に、債務者と裁判所で返済計画について話し合います。

そのため、裁判所との話し合いをする前に自身の債務や家計の状況が分かる資料を用意しておくと良いでしょう。

それらは、申立書類の準備にも役立つはずです。

例えば、特定調停の準備を開始した段階で次のような資料を集めておくと良いと思います。

【特定調停の準備のためにあると良い資料】

  • ①自身の家計の状況が分かる書類
    ・給与明細(直近、数ヶ月のもの)
    ・源泉徴収票や確定申告書(過去2年程度のもの)
    ・預貯金が分かるもの(通帳など)
    ・所有する不動産に関する資料
  • ②債権者との取引内容が分かる書類
    ・ローンの契約書
    ・債権者からの請求書
    ・債権者からの督促書 など

金融機関との取引履歴については裁判所が開示を求めるため、個人で取り寄せる必要はありませんが、上記のような資料を事前に準備しておくと手続きがスムーズでしょう。

特定調停の必要書類を準備するときの注意点

最後に特定調停の必要書類を準備するときの注意点についてもまとめました。

必要書類の作成に入る前に確認しましょう。

特定調停の必要書類は鉛筆書き不可

特定調停の申立書などを作成する場合には、簡単に消せてしまう鉛筆やシャープペンシルでの記入は不可です。

必ずボールペンなどで記入してください。

また、正しいフォーマットであればパソコンで作成することもできます。

特定調停の必要書類は個人と法人で異なる

この記事では主に特定調停を個人が申し立てるケースについて説明してきました。

法人や事業者が特定調停の申し立てをする場合、必要書類や申立手数料が違ってくるため注意が必要です。

取引の領収書、貸借対照表、損益計算書、資金繰り表といった財務諸表などの提出が必要になることも多いので準備しましょう。

特定調停の必要書類の雛形は窓口で交付される

特定調停の必要書類は、自分で一からすべてを作成するわけではありません。

基本的には雛形があるので、その記入箇所を埋めていけば良いのです。

管轄の簡易裁判所に行けば必要な用紙を貰えますし、記入方法の相談などもできます。

東京間裁判所では記入例をインターネットで確認することも可能なので、参考にしてみてください。

特定調停の必要書類をしっかりと準備してスムーズに手続きを進めよう

特定調停では、様々な書類を自分で作成しなければいけませんが、記入例を参考にしたり、管轄の簡易裁判所の窓口で相談したりして準備を進めれば難しくはありません。

債権者が多い場合などは書類作成のための資料を集めるのに時間がかかるかもしれませんが、専門的な知識がなくても自分で書類の準備をすることは十分に可能です。

弁護士などの専門家に依頼をしない分、自分でしなければいけないことは増えますが、しっかりと必要書類の準備をしてから申し立てを行なってください。

特定調停は簡易裁判所で行うため、分からないこと、確認したいことは最寄りの簡易裁判所、管轄の簡易裁判所に問い合わせをしましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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