特定調停

特定調停するとクレジットカードは何年間作れないの?

自己破産や個人再生、さらには任意整理といった借金を減額したりゼロにしたりするような債務整理を実施すると、クレジットカードが一定期間作成できなくなります。そこで気になってくるのが、同じく債務整理の一つである特定調停です。

特定調停は、債務者(借金をしている側)と債権者(貸金業者側など)が交渉をして借金の返済額を決定します。裁判所は関わりますが、あくまで交渉による和解を目指すわけです。「特定調停であれば、クレジットカードの審査に影響を与えないのでは?」と思っている人も多いでしょう。

当記事では、特定調停によるクレジットカード審査への影響について詳しくお伝えします。特定調停をしてもクレジットカードを作れるのでしょうか。

目次

特定調停をするとクレジットカードが作れないってホント?

特定調停をすると、クレジットカードの審査に通過できなくなります。よって特定調停も、自己破産や個人再生と同様にクレジットカードの審査に大きな影響を与えてしまうわけです。

特定調停をすると、信用情報機関に事故情報として登録されます。特定調停するということは、約束した返済ができなくなり、結果として返済額を減額したことになります。お金を貸す側から見ると、「要注意人物」になってしまうわけです。

「信用情報機関に事故情報で登録される=ブラックリストに載る」ということです。クレジットカードの審査では、必ず個人信用情報を確認されます。特定調停の事実がカード会社に必ず発覚するので、審査落ちしてしまうわけです。

何年間クレジットカードを作れないのか?

特定調停をしてから、8年間はクレジットカードの作成が難しくなります。登録された事故情報が削除されるまでには、8年程度かかるとされているからです。

もう少し詳しく解説すると、特定調停した借金を完済してから5年間で個人信用情報から事故情報が削除されます。つまり時効までの期間は5年となるわけです。

8年間クレジットカードが作れない、という理由ですが、特定調停後の返済期間が大きく関わっています。通常、特定調停では調停後3年間は返済を行います。事故情報の登録解除は特定調停した借金を完済してから5年なので、3年+5年ということになり、あわせて8年間となるのです。

ちなみに特定調停後の返済期間が5年間とされることもあります。返済期間が5年間とされた場合は、5年間+5年間となるので、クレジットカードが作れるようになるまでには10年間かかる計算です。

ローンも組めないってホント?

特定調停後は、クレジットカード以外にもローンの審査にも通過できなくなります。住宅ローンや自動車ローン、消費者金融や銀行カードローンの利用も難しくなるのです。

一般的に、各種ローンの審査でも信用情報機関の情報は利用されます。クレジットカードに限らず各種ローンやキャッシング、割賦購入や奨学金といった信用取引と呼ばれるもの全体が難しくなるのです。

ただ中小の貸金業者の一部に関しては、独自の審査基準を設けていることもあり、数万円程度であれば融資してくれた例もあります。

特定調停直後でも作れるクレジットカードはないの?

特定調停の直後は、クレジットカードを作成できません。信用情報機関の事故情報が削除されるのを待つほかありません。

しかし、クレジットカードのない生活は不便です。仕事に使っている人もいるのではありませんか。

こちらでは、クレジットカードの審査に通過できなかった場合の対処法についてお伝えします。

デビットカードを利用する

デビットカードとは銀行の口座と紐付けされており、利用すると即座に引き落としが実行されます。通常のクレジットカードは一時的にカード会社にお金を借りてショッピングを楽しみますが、デビットカードは自分のお金を使っているわけです。つまりデビットカードの会社にとってはリスクがありません。よって、特定調停直後でもデビットカードは取得できるのです。

デビットカードには、VISAなどの国際ブランドが付帯しています。つまりVISAのブランドのデビットカードであれば、VISAの加盟店で買い物できます。使い方はクレジットカードと全く同じです。海外の加盟店でも利用可能できます。

デビットカードに関しては、特定の銀行口座を持っていなければ作れません。ただ、多く金融機関がデビットカードを取り扱っています。あなたが普段から利用している銀行で発行している可能性は高いでしょう。

【デビットカードの一例】

  • ジャパンネット銀行Visaデビットカード
  • GMOあおぞらネット銀行Visaデビット付キャッシュカード
  • セブン銀行デビット付きキャッシュカード
  • ソニー銀行デビットカード
  • 楽天銀行ベーシックデビットカード

ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードは、有料道路の支払いに利用できるカードです(後払いでETCレーンを通過できます)。ETCカードの一種です。

通常のETCカードはクレジットカードの追加カードとして発行されるため、クレジットカードを取得しなければ保有できません。しかしETCパーソナルカードはクレジットカードとは関係なく取得できるのです。

ただし「有料道路月平均使用額の4倍の保証金」と「年会費」が必要になります。年会費は税込み1,257円です。

家族カード

どうしてもクレジットカードを持ちたいのであれば、家族カードがおすすめです。家族カードを発行できるクレジットカードを家族が持っていれば、取得できます。

家族カードに関しては、本会員の信用によって発行されます。よって本会員に信用力があれば、特定調停している家族にも家族カードを発行できるのです。

家族カードには注意点もあります。家族カードの利用額については、全て本会員の口座から引き落とされます。家族カードを使う場合は、前もって本会員になっている家族に伝えましょう。

特定調停後8年経過|クレジットカード作成の注意点

特定調停をしてから8年経過したら、いよいよクレジットカードが取得できるようになります。喜び勇んで申し込みしようとしている人も多いでしょう。

しかし、特定調停後のクレジットカードの申込みに関しては注意点もあります。こちらでは、気をつけておきたいポイントを3つ紹介します。

本当に時効になったか確かめよう

クレジットカードに申し込む前に、本当に事故情報が削除されたかを確かめてください。審査落ちは、さらなる審査落ちを招くこともあります。信用情報に、「審査に落ちた」情報が掲載されてしまいます。それを見た他のカード会社は、警戒を強めてしまうわけです。

自分の信用情報を確かめる方法ですが、特に難しいわけではありません。情報の開示請求をネットや郵送、または窓口で行えばよいだけです。

  • 信用情報機関名:JISS 情報の開示請求方法:ネット、郵送 窓口
  • 信用情報機関名:CIC 情報の開示請求方法:ネット、郵送、窓口
  • 信用情報機関名:KSC 情報の開示請求方法:郵送

開示請求には、500円から1,000円程度かかります。開示方法によっても手数料が異なるので、前もって確認しておきましょう。

特定調停した系列業者への申込みは避ける

ブラックリストは信用情報機関だけに該当する言葉ではありません。実は金融機関が個別で管理しているものもあるのです。

たとえば、Aというクレジットカードを特定調停前に利用していたとします。カードの返済ができなくなり特定調停をすると、A社ではあなたをブラックリストにしてしまいます。これを社内ブラックというのですが、社内ブラックには時効がありません。つまり、一生涯に渡ってその会社のカードは利用できなくなる可能性が高いのです。

系列会社やグループ会社も、社内ブラック情報を共有している恐れがあるので要注意です。

ブラックが解除されても審査に通過するとは限らない

事故情報が削除されているから、どこのクレジットカードでも取得できる、と考えるのは間違いです。確かに時効を迎えれば、時効情報はなくなります。しかし、一定期間に渡り全くクレジットカードを利用していません。ローンも利用していないので、返済履歴が真っ白になってしまうのです。いわゆる、「ホワイト」と呼ばれる状態です。

カード会社は、返済履歴を見て信用できる人物かを判断します。つまりホワイトであると判断材料がないため、審査落ちになる確率が上がってしまうわけです。

特定調停後、初めてのクレジットカードへの申込みに関しては、カードのグレードに気をつけましょう。ゴールドカードやプラチナカードは審査難易度が高いので避けるべきです。一般カード(クラシックカード)への申込みをおすすめします。

任意整理をした場合はクレジットカードを持てる?

任意整理は、特定調停とは異なり裁判所を通さずに弁護士や司法書士に依頼して借金の減額を行うものです。よって、任意整理であればクレジットカードを持てるのでは、と考えている人もいます。

任意整理でも、特定調停と同じくクレジットカードはしばらく作成できません。

任意整理をした場合も、信用情報機関に事故情報が掲載されてしまうからです。ただ任意整理の場合は、任意整理後5年間で新たにクレジットカードを作れる可能性もあります。

任意整理の場合は、業者によって事故情報の登録する時期が異なっているのです。特定調停度同様に、完済後に事故情報を登録する業者もあります。一方で、特定調調停直後に登録するケースも有るのです。

特定調停直後に事故情報に登録された場合は、特定調停から5年間でブラックリスト状態から開放されることになります。

特定調停後8年経過すればクレジットカードが保有できる

特定調停をするとクレジットカードが作成できなくなります。信用情報に事故情報として記録され、時効を迎えるまでには8年かかります(完済5年間後)。つまり特定調停から8年経過しなければ、クレジットカードは作れないのです。

クレジットカードの取り扱いに関しては、他の債務整理方法もほぼ一緒です。事故情報として記録されてしまうため、一定期間はカードの利用を諦めなければなりません。

どうしてもクレジットカードを使いたい場合は、デビットカードの利用がおすすめです。デビットカードであれば無審査で保有でき、クレジットカードと同じように使えます。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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