特定調停

特定調停を申し立てる方法と流れとは?

特定調停の申し立ては管轄の簡易裁判所で行うことになります。

申し立てをする際には「特定調停申立書」などの書類が必要です。

指定の書式は簡易裁判所の窓口に行けば貰えますが、必要書類は自分で作成しないといけません。

ただ、はじめて特定調停をする場合には、分からないことがたくさんありますよね。

この記事では申立書の書き方、費用、手続きの流れなど特定調停の基本事項についてまとめました。

これから特定調停をしようと思っている方はぜひ参考にしてください。

目次

特定調停の申し立てはどこの裁判所で行うの?

まず、特定調停の申し立てをする裁判所について説明していきます。

特定調停は基本的に簡易裁判所で扱われますが、管轄は債権者の住んでいる地域を受け持つ簡易裁判所です。

相手が金融機関の場合には、インターネットなどで本店の所在地を調べると良いでしょう。

ただし、自分が住んでいる場所を管轄する簡易裁判所に相談しても大丈夫です。

特定調停については移送、自庁処理というものが認められており、本来の管轄ではない裁判所で申し立てができることもあります。

また、債権者が多数いると、管轄の裁判所も複数になるケースがあります。

その場合には、もっとも多数の債権者がいる管轄裁判所で申し立てをするケースが多いようですが、いずれかの債権者のいる地域を受け持つ簡易裁判所であれば問題はありません。

どこの裁判所に申し立てをすれば良いのか不安という人は、最寄りの簡易裁判所に問い合わせをすれば間違いないでしょう。

特定調停の申し立てと手続きの流れ

特定調停の手続きは数ヶ月かけて行われ、調停の成立後は残りの債務を原則3年で完済することになります。

特定調停の成立までは、大まかに次のような流れになります。

【特定調停の流れ】

①申し立ての準備

資料などを集め、申し立てに必要な書類を作成します。

②管轄の簡易裁判所で申し立て

特定調停に必要な書類をそろえ、申立手数料(収入印紙)、手続費用(予納郵便切手)と一緒に管轄の簡易裁判所で申し立てをします。

③申し立ての受付

書類に不備がなければ申し立てが受け付けられます。

特定調停によって問題の解決が見込める場合には、すぐに調査期日、調停期日の日程が決まります。

④裁判所から債権者への通知

受付から数日後に裁判所から相手方(特定調停で協議をする債権者)へ特定調停の申し立てがあった旨を通知する書類が発送されます。

相手方が金融機関である場合には取引履歴なども請求され、この通知を受け取った後で債務者に督促をすることはできません。

⑤調査期日(裁判所と債務者間での話し合い)

債務や家計の状況をもとに特定調停によって問題を解決できるのか判断されます。

事情聴取日ともいい、調停委員によるヒアリングと返済計画の作成が行われます。

⑥調停期日(債権者との協議)

債権者との協議が行われ、調査期日で作成した返済計画を債権者ごとに調整していきます。

複数回の調停期日が設定され、通常は1ヶ月間隔です。

3回前後の調停で手続きが終了するケースが多く、目安としては3ヶ月〜4ヶ月ほどになります。

調停期日に出廷しない債権者も多く、その場合には電話で協議が行われます。

⑦特定調停の成立/ 不成立

債権者との協議が十分に行われた時点で特定調停は終了になります。

調停が成立すると調停調書が作成されますが、不成立になると別の債務整理の方法を検討するなどが必要です。

⑧調停調書にもとづき返済

作成された調停調書にもとづき、原則3年で債務を完済します。

特定調停の申し立てに必要な書類の入手方法

特定調停の申し立てには様々な書類が必要になります。

管轄の裁判所によっても書類や書式などが異なるので、詳細は各簡易裁判所に問い合わせをすると良いでしょう。

東京簡易裁判所の場合には、次のような書類が必要です。

【特定調停に必要な書類】

  • 特定調停申立書 2部(正本・副本)
  • 特定債務者の資料等 1部
  • 関係権利者一覧表 1部
  • 資格証明書 1部

特定調停の必要書類はインターネットで書式、記入例を確認することができ、簡易裁判所の窓口へ行けば所定の用紙を貰えます。

申し立ての書類を自分で作成すると考えると専門的な知識が必要なように感じますが、記入例を見ながら書類を作成すれば難しくはありません。

次章では「特定調停申立書」の書き方について詳しく説明するので参考にしてください。

特定調停の申し立てに必要な「特定調停申立書」の書き方

特定調停の申し立ては、管轄の裁判所に対して「特定調停申立書」という書類を提出することによって行います。

前述の通り、他にも提出する書類はありますが、ここでは特定調停申立書の書き方を具体的に説明していきます。

【特定調停申立書の内容】

  • ①特定調停申立書の提出年月日
  • ②申立人について
    ・住所
    ・送達場所(書類の送り先)
    ・氏名とフリガナ
    ・押印
    ・契約時の氏名と住所
    ・生年月日
    ・電話番号
    ・FAX番号
  • ③相手方について
    ・住所(法人の場合には本店)
    ・氏名(法人の場合には会社名・代表者氏名)
    ・支店、営業所の名称、所在地
    ・電話番号
    ・FAX番号
  • ④紛争の要点
    ・債務の種類(該当するものにチェックを入れる)
    ・契約の状況(契約年月日、借受金額、現在の残高など)

特定調停申立書は、相手方1人(1社)につき正本と副本をそれぞれ2部ずつが必要になります。

債権者が複数いるケースでは書類の作成に時間がかかりますが、難しい内容はないので迷わずに書類を作成できるでしょう。

提出年月日の書き方

特定調停申立書には日付を書く場所が書式の上部にあります。

ここには書類の記入日ではなく、提出する日付を記入してください。

事前に書類を作成して、いつ管轄の裁判所に書類を持参するか決まっていない場合には、日付だけをあけておきましょう。

そして、書類を提出する前に年月日を記入すれば大丈夫です。

申立人の書き方

申立人の欄には自身の氏名、住所、生年月日、電話番号などを記入して、氏名の隣に捺印もします。

シャチハタと呼ばれるようなスタンプ式のものは使えないので、ちゃんとした印鑑で押印をしてください。

特定調停の手続きでは、様々な書類が債務者(申立人)にも届くことになります。

基本的にそれらは自宅に送られますが、送達場所を指定した場合にはそこに書類が届きます。

自宅に裁判所からの書類が届くのは都合が悪いという人は、送達場所を指定すると良いでしょう。

また、結婚や離婚、引越しで債権者との契約を結んだときとは、氏名や住所が変わっている場合には注意が必要です。

契約時の氏名、住所を記入するため、いつの契約だったのかを調べなくてはいけません。

債務の状況を整理するときに、契約を時系列で並べると分かりやすいでしょう。

相手方の書き方

特定調停の相手方が個人の場合には、その人の氏名、住所、電話番号などを記入するだけで大丈夫です。

ただ、相手方が消費者金融や銀行などの法人の場合には、本店の住所を記入してください。

取り引きをしているのが支店や営業所というケースもあると思いますが、特定調停申立書には本店の住所、および会社名、代表者の氏名を書きましょう。

特定調停の申し立てには「資格証明書」という書類も必要です。

法務局で現在事項全部証明書、もしくは代表者事項証明書のいずれかを入手すれば良く、この書類で確認しながら相手方の欄を埋めると間違いがありません。

紛争の要点の書き方

紛争の要点とは、どのような種類の債務がいくらあるのかを記入する欄です。

債務の種類は次の4種類の中から該当するものにチェックを入れてください。

【債務の種類】

  • 借受金債務
  • 保証債務(該当する場合は借受人も記入する)
  • 立替金
  • その他(具体的な内容をカッコ内に記入する)

複数の選択肢に該当するケースでは、該当するものすべてにチェックを入れましょう。

そして、契約の状況では、契約日、借受金額、現在の借入残高などを記入していきます。

関係権利者一覧表でも同じ内容を記入するため、別の資料で確認ができる場合には「別紙のとおり」と書かれた部分にチェックを入れれば大丈夫です。

特定調停の申し立てにかかる費用

特定調停の申し立てには申立手数料(収入印紙)、および手続費用(予納郵便切手)がかかります。

特定調停申立書の書式の下部には「貼用印紙欄」や「予納郵便切手」と書かれた箇所がありますが、ここの記入は不要なので準備だけしておきましょう。

特定調停申立書とあわせて収入印紙と予納郵便切手を提出してください。

管轄の簡易裁判所によって差もありますが、東京簡易裁判所での費用は次の通りです。

相手方1名あたりの特定調停の費用(東京簡易裁判所の場合)

費用 納付方法 金額
申立手数料 収入印紙 500円分
手続費用 予納郵便切手 430円分

予納郵便切手は相手方1名につき430円分が必要なので、84円切手を5枚、10円切手を1枚用意しましょう。

また、追加で必要になった場合には、手続費用も増えるので注意してください。

上記の費用は相手方1名につきなので、複数の債権者に対して手続きをする場合には、それに応じてかかる費用は変わります。

繰り返しになりますが、裁判所によっても違うため、管轄になる簡易裁判所で確認をしておくと正確です。

特定調停の申し立てで分からないことは最寄りの簡易裁判所で確認を!

特定調停の申し立ての方法や流れ、申立書の書き方について説明してきましたが、手続きのイメージはできたでしょうか?

記事の前半でも説明しましたが、特定調停は相手方がいる地域を受け持つ簡易裁判所が管轄になります。

管轄の裁判所が離れている場合などは、自分が住んでいる地域を管轄する簡易裁判所でも良いので、まずは窓口で相談してみると良いでしょう。

特定調停に必要な書式なども配布しており、手続きに関する説明も受けられます。

特定調停は、弁護士などに依頼をしない分、自分で行う手続きがどうしても増えます。

管轄の簡易裁判所の窓口で質問をすれば正確な情報を入手できるので、分からないことがあればぜひ問い合わせをしてみてください。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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