特定調停

特定調停をした際は何回裁判所いけばいい?

債務整理の一つである特定調停ですが、任意整理とは異なり裁判所を介して債権者(借金相手)と話し合います。つまり裁判所(簡易裁判所)へ行く必要があるのです。

そこで気になってくるのが、裁判所へ何回訪れなければならないのか、という部分です。1回や2回で済むのであれば、それほど大きな負担にはならないかもしれません。一方で、5回や10回訪れなければならないとなると、仕事を休むなど都合をつけなければならないでしょう。

当記事では、特定調停では裁判所に何回行くのかを徹底解説します。訪問した裁判所では何が行われるのか、さらに特定調停全体の流れについても明らかにします。

目次

特定調停のために何回裁判所へ行かなければならないのか?

特定調停のために、最低でも4回は裁判所へ訪れることになります。

  • 1回目・・・特定調停申立書をもらう
  • 2回目・・・申立書を提出する
  • 3回目(1回目の調停期日)・・・調停委員から家計の状況などについての事情聴取を受ける
  • 4回目(2回目の調停期日)・・・調停委員と債権者(借金相手)と共に交渉し合意を目指す

ここで注意してほしいのが、「最低4回」という部分です。つまり状況によっては、5回や6回になることもありますし、それ以上の回数に及ぶ可能性もあるわけです。

では、どのような状況になると裁判所へ訪れる回数が増えてしまうのでしょうか。

  • 債権者が多いケース
  • 話し合いがなかなかまとまらなかったケース

以上の、2つのパターンが考えられます。

特定調停では、債権者それぞれとの合意にむけた調整を行わなければなりません。2社や3社の借り入れであれば、それほど回数は増えないかもしれません。しかし5社や10社など、多くから借り入れを行っている場合には、訪問回数が増えてしまうことも考えられるのです。

必ずしもスムーズに話し合いがまとまるわけではありません。裁判所の合意案に難色を示す債権者がいることも確かであり、結果として何度も話し合いを持たなければならないこともあります。話がまとまらなければ、その分裁判所へ行く回数は増えます。

簡易裁判所へ訪れるのは平日ってホント?

本当です。そもそも簡易裁判所は平日しか対応していません。よって土曜日や日曜日、そして祝日に書類を取りに行ったり提出したりはできません。

特定調停の調停期日には何をするの?

特定調停では、最低でも4回は裁判所へ行かなければなりません。しかし最初の1回目と2回目は、書類の受け取りと提出のみです。多くの方が知りたいのは、3回目以降のことでしょう。

こちらでは、調停委員からの事情聴取(1回目の調停期日)、および調停委員・債権者(借金相手)との交渉(2回目の調停期日)の内容について詳しく解説します。

1回目の調停期日で行われることとは?

特定調停の申立人のみが裁判所へ呼ばれます。よって債権者(借金相手)と顔を合わせることはありません。

1回目の調停期日には、弁護士資格を持つ民間人から選ばれた調停委員との話し合いが持たれます。申立時に提出した書類をもとに、調停委員より内容に関する質問を受けるのです。

1回目の調停期日の最大の目的は、「毎月の返済額の調節」です。申立人にどれだけの返済能力があり、毎月どのくらいの額であれば返済ができるのかを確認してくるわけです。

返済できるギリギリのラインで決定されないように注意してください。失業することもあるかもしれません。病気などがあり、収入が減る恐れもあります。悪い状況も加味した上で、返済できる金額を決定してもらうべきです。

2回目の調停期日で行われることとは?

申し立て人だけではなく、債権者も裁判所に呼ばれます。ただし債権者と顔を合わせるのは調停案が合意された場合のみであり、交渉中に会うことはありません。

2回目の調停期日では、調停委員が1回目の調停期日で作成された返済計画をもとに債権者に意見を求めます。債権者が返済計画を認めたら、調停を成立させるために調停調書を作成します。調停成立時には債権者と顔をあわせますが、短時間なので安心してください。

ちなみに、2回目の調停期日に債権者が出席しないことも珍しくありません。債権者が出席しなかった場合は、調停委員が電話などで話を聞きながら協議します。

特定調停の流れ|申し立てから解決まで

特定調停の大まかな流れについて明らかにします。書類の入手から調停の成立までを、順を追って解説するので特定調停を検討している人は必見です。

特定調停申立書を入手する

特定調停申立書は、各簡易裁判所で入手可能です。受付時間は午前8時30分から午後5時15分までとなっており、説明も受けることになるのでなるべく早い時間帯に訪問しましょう。

各書類を入手・準備する

提出する書類は、特定調停申立書だけではありません。

  • 資産の一覧表・・・不動産、自動車、預貯金など
  • 借金の関係者や担保に係る一覧表
  • 収入や支出がわかるもの・・・家計簿、給与明細、通帳、家計表など
  • 借り入れの内容が分かる書類・・・契約書の写しなど
  • これまでの返済内容がわかるもの・・・領収書の写し、明細など

以上の書類を裁判所に提出しなければならないのです。

各書類を提出する

簡易裁判所に訪れ、必要書類を提出します。特定調停申立書の記入も忘れないでください。

各書類が提出されると、裁判所が債権者(借金相手)に対して通知します。この通知をもって、債権者の取立ては禁止されるのです。特定調停中の取り立ても禁止されるので、電話や郵送物などによる督促も行われません。

※家族が代わりに特定調停を申し立てることは禁止されています。当事者本人しか、特定調停を申し立てられないのです。

1回目の調停期日

簡易裁判所にて、申立人に対する事情聴取が実施されます。返済可能額を見極めるための事情聴取であるため、収入に関する資料や支出に関する資料を持参してください。

  • 収入に関する書類例・・・給与明細、源泉徴収票
  • 支出に関する書類・・・返済領収書、契約書の写し

裁判所から専任された弁護士資格を持つ調停委員より、生活状況や収入、そして今後の返済方針などを聞かれます。答えた内容や収入や支出の内容から、調停委員が返済期間や毎月の返済金額などを検討します。

2回目の調停期日

調停委員が主導となり、債権者と交渉します。債権者の意見も聞かれることになり、調停委員の作成した調停案と調整していくことになるのです。

債権者と申し立て人が直接交渉することはありません。必ず間に調停委員が入って交渉を進めていくことになるのです。

話し合いの結果、合意に至ると調停調書に記載されます。

調停調書の実行

調停調書が出来上がると、双方はその内容を守らなければなりません。つまり、申立人は決まった返済額を決まった返済期日に支払っていかなければならないのです。

仮に、調停調書に記載されている通りの返済が行われなかった場合は、債権者による強制執行の申し立てが可能になります。強制執行とは、その名の通りに強制的に取り立てる手続きのことを言います。簡単に言ってしまえば、差し押さえられてしまうのです。

土地や建物といった不動産や自動車、さらには給与なども差し押さえの対象となる恐れがあり、極めて大きな影響を受けます。土地や不動産も競売により売却されてしまうので、強制執行されると持ち家には住み続けられないのが一般的です。

返済の実施

調停をした月の給料日後に、特定調停成立後はじめての返済が開始されます。特定調停後の返済に関しては、銀行口座への振り込みが一般的です。

特定調停にかかる費用とは?

借入先1社あたりで、1,000円弱が目安になります。ただ、簡易裁判所によって費用が異なることも事実であり、前もって確認しておきましょう。

東京簡易裁判所の費用について、以下に詳しく解説します。

  • 申し立て手数料(収入印紙)・・・1社あたり500円
  • 手続費用(郵便切手)・・・1社あたり420円

つまり、東京簡易裁判所であれば1社あたり920円で特定調停の手続きができるのです。特定調停は、借金問題の専門家である「弁護士」や「司法書士」も利用しません。弁護士費用も司法書士費用もかからないため、「1社あたり1,000円弱」プラス「裁判所への交通費」くらい済むでしょう

たとえば5社に対して特定調停をした場合ですが、東京簡易裁判所の場合は「920円×5社」なので4,600円プラス交通費しかかからない計算です。

では、債務整理の一つである任意整理の場合はどの程度の費用がかかってくるのでしょうか。

任意整理にかかる費用とは?

任意整理に関しては、基本的に弁護士や司法書士といった専門家に依頼するため、弁護士費用および司法書士費用が発生します。

各法律事務所によって費用は異なりますが、固定報酬または成果報酬を取り入れていることが一般的です。

固定報酬の場合は、1社あたり20,000円から30,000円が費用の目安になります。つまり5社の任意整理をしたら、100,000円から150,000円程度の費用がかかるわけです。

成果報酬の場合は、減額分の10%から20%が費用の目安です。つまり借金が100万円減ったのであれば、100,000円から200,000円が費用となります。

特定調停では裁判所へ最低でも4回行かなければならない!

特定調停では、簡易裁判所に最低でも4回は訪問しなければなりません。さらに、平日以外は対応していないため仕事を休むなどの調整が必要です。

特に特定調停の場合は、債権者(借金相手)側が調停案に賛同してくれないことも多く、期間が長くなることも珍しくありません。債権者の数が増えれば増えるほど複雑化し、裁判所へ何度も何度も行くことになるかもしれないのです。

特定調停以外にも借金を解決する方法(債務整理)はあります。自己破産や個人再生、そして任意整理でも借金を解決できるわけです。特定調停以外の債務整理であれば、弁護士や司法書士に対応をお願いできます。債権者との話し合いを弁護士に代理で行ってもらうことも可能ですし、裁判所での対応も弁護士に依頼できます。

特定調停をおこなう意向がある人も、まずは弁護士や司法書士に相談しましょう。無料相談に対応しているところもありますよ。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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