特定調停

特定調停はブラックリストに登録される?

返済能力を超えたしまった借り入れは、特定調停をすることで返済条件を債権者と話し合うことができます。

特定調停は裁判所の仲裁のもとで協議するため、調停が上手くまとまれば無理のない返済スケジュールに調整することができるのです。

ただし、特定調停にはデメリットもあります。

特定調停をするとブラックリストに登録されるため、しばらくはクレジットカードやローンなどの利用はできなくなるのです。

特定調停をするとブラックリストに何年間、登録されてしまうのでしょうか?

この記事では任意調停でブラックリストに掲載される期間とその影響についてまとめました。

目次

特定調停をするとブラックリストに登録される!

特定調停をすることでブラックリストに登録されてしまいますが、そもそも「ブラックリスト」とはどのようなものなのでしょうか?

実は、ブラックリストという名前の名簿が本当にあるわけではありません。

一般的には、信用情報機関に異動情報(金融事故の情報)が登録されている状態をいいます。

クレジットカードやローンの審査をする金融機関は、審査の過程で申込者の信用情報を確認します。

そのときに異動情報が登録されていると、その申込者を審査に通すことはほぼないでしょう。

信用情報に異動情報が載っていることで審査に通すべきではないと判断できるため、ブラックリストと呼ばれることがあるのです。

特定調停以外でも債務整理をするとブラックリストに載る?

ブラックリストに登録されるのは特定調停だけではありません。

日本には株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3社の指定信用情報機関があります。

登録される内容は信用情報機関によっても異なりますが、特定調停だけでなく債務整理の手続きは異動情報にあたるため、ブラックリストに載ることになるのです。

例えば、自己破産、個人再生、任意整理をしても信用情報に傷がつく、ブラックリストに載った状態になります。

一方で、過払い金の返還請求は信用情報機関に登録されないので安心してください。

特定調停をする前からブラックリストに登録されている可能性も?

信用情報には債務整理以外にも様々な情報が登録されています。

債務整理をすることで信用情報はブラックになりますが、特定調停などを行う前からブラックリストに登録されている可能性もあるのです。

信用情報にはクレジットカードやローンの支払い状況が載っています。

そのため、異動情報ほど深刻な影響ではなくても、1ヶ月でも支払いに遅れが出ているなら信用情報に傷がついています。

そして、信用情報機関によって違いはあるものの、2ヶ月〜3ヶ月以上の長期延滞になれば債務整理と同様に金融事故の扱いになるのです。

つまり、長期延滞の後、特定調停を考えているという人は、債務整理をする前からブラックリストに登録されているのです。

併せてチェック!

すでに返済ができない状態であれば、特定調停を検討した方が良いでしょう。

特定調停でブラックリストに登録される期間

特定調停をするとブラックリストに載りますが、その影響はずっと続くわけではありません。

信用情報機関で管理されている情報には登録期間が決まっています。

そのため、たとえ異動情報であっても一定期間が経過すれば信用情報からは削除されるのです。

では、特定調停の場合にはどのくらいの期間、異動情報が登録されるのでしょうか?

特定調停をすると5年間はブラックリスト入り

特定調停の記録が信用情報に登録される期間は5年が目安です。

JICCの場合には「5年を超えない期間」とされていますが、基本的に最低でも5年は信用情報に特定調停の事実が登録されると思ってください。

異動情報が信用情報に残る期間は内容にもよりますが、5年間〜10年間になります。

個人再生や自己破産といった官報(国が発行する新聞のようなもの)に掲載されるような情報については、KSCで10年間は記録が残るのです。

それに比べると特定調停の5年は短いかもしれませんが、その間はクレジットカードやローンの利用が難しいでしょう。

特定調停によるブラックリスト入りは起算日に注意

特定調停をすると5年間はブラックリストに登録されますが、起算日については注意しましょう。

起算日とは、5年間という期間がいつの時点からカウントされるかということです。

つまり、特定調停の申し立てが受け付けられてから5年なのか、調停が成立してから5年なのか、手続き後に債務を完済してから5年なのかということです。

どの時点を起算日とするかによって、実際に信用情報から記録が消えるまでの年数は大きく異なります。

JICCの場合には、裁判所に特定調停の申し立てをしてから5年です。

一方、CIC、KSCの場合には「契約期間中および契約終了後5年以内」とされています。

これは特定調停の申し立てを行った日付ではなく、調停後の債務を完済してから5年ということです。

そのため、JICCからは特定調停の異動情報が削除されても、その後、しばらくはCICとKSCに記録が残っているのです。

特定調停は、協議後の債務を原則3年以内に完済していきます。

いつ完済したかにもよりますが、長ければ特定調停の申し立てをしてから8年ほどはブラックリストに載っている状態になるので覚えておきましょう。

特定調停後、ブラックリストからの削除を確認する方法

特定調停をすると5年間はブラックリストに登録されることは分かりましたが、本当に異動情報が消えているか不安に思いますよね?

そこで、自身の信用情報を確認する方法を紹介します。

他人の信用情報を見ることができるのは、各指定信用情報機関の会員である金融機関などだけです。

ただ、自分自身の信用情報については開示の手続きをすることでチェックできます。

指定信用情報機関ごとに行うので、すべてを確認するためには3社で開示の手続きをしてください。

おおむね登録期間が終了していると思われる場合には、確認のために1社だけ開示の手続きをしても良いでしょう。

自身の情報を開示するのにも手数料がかかるため、理由もなく開示の手続きをするのは無駄です。

手続きの方法は各信用情報機関の公式ホームページで詳細を確認できますが、窓口や郵送だけでなく、インターネットでの開示にも対応しています。

できるだけ早く自身の信用情報を確認したいという人はインターネットを利用することをおすすめします。

特定調停でブラックリストに載るとどんな影響がある?

特定調停をすることでその記録が信用情報に載ります。

そうなるとクレジットカードを新しく作れなくなったり、カードローンや住宅ローンなどの各種ローンが組めなくなったりするという影響があるのは説明の通りです。

ただ、他にも様々な影響が生活に出るので注意してください。

例えば、信用情報に傷がつくと次のようなことが難しくなります。

  • スマホの端末代金を分割払いすること
  • 家電や宝飾品などを分割払いすること
  • ローンなどの保証人になること

スマホや家電、宝飾品を分割払いする場合には、そのお店と提携している信販会社とショッピングローンの契約を結ぶケースが多いです。

販売店が信用情報を閲覧することはなくても、分割払いの審査をする信販会社は信用情報を確認するのです。

そのため、分割での購入はできず、一括での支払いになるでしょう。

また、ローンの保証人になる場合には、保証人の信用情報もチェックされます。

審査をするのが金融機関であれば信用情報機関の会員になっているはずなので、ローンの申込者だけでなく、保証人の信用情報も見るのです。

いずれも一定期間、我慢すればブラックリストからは削除され影響がなくなりますが、生活で不便を強いられることもあるでしょう。

特定調停でブラックリストに登録されている間はお金を借りられない?

節約しながら生活をしていても、予想外の出費があったり、仕事が上手くいかなかったりで、また借り入れが必要になることもあるでしょう。

そのときにブラックリストに登録されていると、絶対にお金を借りることはできないのでしょうか?

実は、特定調停をしたからといって100%審査に通らなくなるわけではありません。

信用情報機関で確認できる情報はあくまでも参考情報の1つで、審査に通すかどうかは金融機関が判断することになります。

ブラックリストに登録されている間は、かなり審査通過が厳しいことは確かですが、今の収入が安定しているなら少額の借り入れが認められるというケースもあるのです。

また、信用情報を確認することのない個人間での借り入れにも基本的には影響しないでしょう。

生活をしていくためにどうしてもお金が足りないという場合には、親族などを頼るのも1つの手かもしれません。

ただし、特定調停で返済条件を見直してもらったのですから、できるだけ借り入れをせずに生活するべきです。

「返せなくなったら、また債務整理をすれば良い」という考え方は絶対に駄目です。

ブラックリスト以外の特定調停のデメリット

特定調停などの債務整理をするとブラックリストに5年間〜10年間ほど登録されますが、他にもデメリットがあるので注意が必要です。

【特定調停のデメリット】

  • 債権者との協議がまとまらない可能性もある
  • 遅延損害金などがカットされないケースもある
  • 任意整理よりも督促が止まるまでに時間がかかる
  • 特定調停後の返済が滞ると差し押さえられる など

まず、特定調停は裁判所の仲裁のもとで債権者と返済条件について協議をする債務整理の方法ですが、必ずしも債権者が応じてくれるわけではありません。

債権者側に返済条件の見直しに応じる気がそもそもなかったり、提案された返済計画に納得がいかずに調停が成立しなかったりということもあります。

また、任意整理と違い督促が止まるまでに少し時間がかかり、手続き中に発生した遅延損害金についてもカットされないケースが多いので覚えておきましょう。

さらに、特定調停が成立すると調停調書が作成されますが、これには裁判の判決と同じような効力があり、特定調停後の返済に遅れが出るようなことがあれば、債権者はすぐにでも差し押さえを行えるのです。

ブラックリストに登録されるということだけでなく、特定調停に特有のデメリットも把握した上で手続きをしてください。

特定調停をすると5年はブラックリストに!情報の削除は開示手続きで確認しよう

特定調停をすると5年間はブラックリストに登録され、その間はクレジットカード、ローンの申し込みをしても審査には通らないでしょう。

ただ、長期延滞になっているなら、すでに信用情報に金融事故として登録されている可能性が高いです。

借金は督促を無視していれば解決できるわけではないので、返せないレベルになっているのであれば特定調停をするのは有効です。

一定期間が経過すれば信用情報から特定調停の記録は消えます。

起算日によっては5年が経過しても信用情報がブラックのままというケースもあるため、債務整理後、新たにローンなどを申し込むときは開示手続きをして自身の信用情報を確認してください。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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