民事再生(個人再生)

個人再生は自分でできる?裁判所に自分で申し立てることは可能?

「個人再生は自分でできるの?」と思っているあなたへ。

個人再生を自分で行うことは不可能ではありません。

しかし任意整理や自己破産と比べて、手続きが非常に複雑なので、弁護士に依頼するケースが多いです。

準備段階で借金額をしっかり調査する必要がありますので、借入れ先の銀行、信販会社、消費者金融などに連絡が必要です。

また、裁判所に申し立てる際は、様々な書類が必要になります。

申し立て以後も、選任された個人再生委員と連絡を取り合って書類を作成し、期限内に提出することになります。

さらに自分で個人再生を行う場合、金融機関からの請求がすぐに止まらないケースが多いので、メンタル面の負担も大きいでしょう。

このページでは、「個人再生は自分で手続きができるの?」を中心に詳しく解説します。

目次

【自分で個人再生が難しい理由1】必要書類の多さ

自分で個人再生が難しい理由として「必要書類の多さ」が挙げられます。

裁判所に提出する書類が非常に多いのです。自己破産よりも多いのではないでしょうか。

一例を挙げますね。

  • 再生手続き開始申立書
  • 陳述書
  • 収入一欄及び主要財産一欄
  • 債権者一覧表
  • 財産目録
  • 家計収支表
  • 戸籍謄本
  • 住民票
  • 給与明細書
  • 確定申告書
  • 課税証明書
  • 預貯金通帳のコピー
  • 保険証券
  • 解約払戻金額証明書
  • 退職金額証明書
  • 不動産の査定書
  • 賃貸借契約書
  • 車検証
  • 自動車の査定書
  • 住宅ローンの契約書
  • 可処分所得額計算シート
  • 清算価値算出シート

上記の全てが必要なわけではありませんが、用意するだけで大変な手間が掛かるでしょう。

個人再生は自己破産(免責)と違って、借金を減額する手続きですから、返済を続けるための継続収入も必要になります。

自分で行う場合、仕事に就きながらの手続きが一般的ですが、必要書類の多さだけでも両立は難しいのではないでしょうか。

ただ書類を取得して提出するだけでなく、申立書、陳述書、債権一覧表などは、しっかり内容を記載する必要があるからです。

また、本人申請の場合、「書類に記載した内容が正しいかどうか」も分かりません。

内容に誤りがあれば裁判所や個人再生委員に指摘されますし、そうなれば二度手間、三度手間になるでしょう。

その点、個人再生に詳しい弁護士事務所なら、スムーズに書類を用意してくれますので、安心して任せられるのではないでしょうか。

【自分で個人再生が難しい理由2】手続きが複雑

自分で個人再生が難しい理由の二つ目に「手続きが複雑」があります。

個人再生手続きは、申し立てから認可まで4ヵ月~6ヵ月は掛かります。

東京地方裁判所に申し立てれば、必ず個人再生委員が選任されますので、通常6ヵ月前後はかかると言われています。

その場合、個人再生を申立ててから、個人再生委員と面談を行い、個人再生の開始決定、債権届出の期限、債権諾否一覧表期限、異議申述の期限、評価申立の期限、再生計画の提出期限、書面決議実施の決定、債権者の回答書期限、再生計画の認可決定へと進みます。

つまり、非常に手続きが複雑なのです。

大阪地方裁判所の場合は約100日で手続きが終了しますが、東京地方裁判所と共通する流れも多く、決して楽ではありません。

さらに「マイホームを残したい」という場合は、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用することになりますが、事前に住宅ローンの債権者(銀行や保証会社)と打ち合わせを行う必要もあります。

すでに保証会社が代位弁済(住宅ローンの一括返済)を行っていれば、自宅を競売にかける手続きが進んでいる可能性が高いので、よりスムーズな打ち合わせを行わなければなりません。

そのような手続きを全て自分で行うのは困難ではないでしょうか。

何よりほとんどの方が「初めての個人再生」ですから、ゼロから書類の書き方を覚え、流れを理解して進めていくことは大変です。

【自分で個人再生が難しい理由2】債権者からの請求

借金返済を滞納すれば、消費者金融や信販会社からの請求が始まります。

まずは電話で返済を促すのが基本ですが、その段階で厳しい対応をされることは基本的にないでしょう。

しかし延滞が続けば対応が変わります。一般的に1ヶ月以上滞納すると、貸金業者の対応は厳しくなると言われます。

債権回収の部門が変わることもありますし、より催促に慣れた人間から電話がくるのではないでしょうか。

それと共に、ハガキや手紙が届いたり、自宅に来たりするケースもあります。

強圧的な取り立て行為は貸金業法で禁止されていますので、以前のサラ金のような取り立ては(闇金でない限り)ありません。

深夜や早朝に取り立てを受けることもありませんが、それでも貸金業はビジネスですから、真剣に催促を行ってくるでしょう。

さらに滞納が続けば、裁判所から支払督促が送られてくるかもしれません。

そのように借金を放置すれば、段階的に状況が厳しくなりますが、個人再生を弁護士に依頼すれば、各債権者に受任通知というものを送ってもらえます。

受任通知(介入通知とも呼ばれます)とは、弁護士が依頼者の代理人になったことを債権者に知らせるための通知です。

受任通知が債権者に届いた後は、依頼者への取り立て行為がストップします。

債務整理の体験者に話しを聞いても、「あれほどしつこかった取り立てがピタリと止まった」と言っていましたね。

寝むれないほど返済で悩んでいたにも関わらず、受任通知が届いた後は、嘘のように電話がなくなったそうです。

正確には、受任通知が債権者に到達する前に電話はあったものの、「○○法律事務所に債務整理を依頼したので、今後はそちらに連絡を入れて下さい」と伝えた結果、電話が来なくなったそうですね。

そのような指示も、弁護士事務所に依頼すれば行ってもらえるでしょう。

しかし自分で個人再生を進める場合は、裁判所に申し立てるまで請求が止まらないケースが多いです。

申し立てを行えば、裁判所から債権者に対して連絡がいくので、その段階で取り立て行為はストップします。

申し立て後に取り立てを行えば、貸金業者に対して処分が下される可能性もあるからです。

処分を受けて営業停止になれば、損失も大きいですからね。

そのように個人再生を申し立てれば取り立てはストップしますが、「少しでも早く催促を止めたい」と考えるのは自然ではないでしょうか。

「明日電話が来るかも。明後日ハガキがくるかも。家族にばれたらどうしよう…」と思いながら日常生活を過ごすとメンタルに負担が掛かります。

「電話を何度か無視したけど、勤務先の会社に連絡がくるだろうか…」という不安もありますね。

実際、電話やハガキを無視し続ければ、職場に電話が掛かってくることもあるそうです。

そのくらい大きな負担を抱えていれば「今すぐ取り立てを止めたい」と考えるでしょうし、弁護士に依頼すればストップします。

しかし(繰り返しになりますが)、自分で個人再生を行う場合は、裁判所に申し立てるまで催促、督促が止まらないので注意して下さい。

弁護士に個人再生を依頼するメリット

ここまで「自分で個人再生を行うことの難しさ」をお話ししましたが、逆に弁護士に依頼するメリットには何があるでしょうか。

自分に合った債務整理が分かる

個人再生の前段階になりますが、弁護士事務所に相談すれば、自分に合った債務整理(借金整理)の方法が分かります。

「本やネットで調べて個人再生を知った」「自分には個人再生が合っているに違いない」と思っても、実際は任意整理で解決できるかもしれませんし、自己破産が必要になるかもしれません。

長年返済を続けていれば、もしかすると過払い金が発生している可能性もあります。

しかし「マイホームを残したいから個人再生にしよう」などと自分で思い込んでしまうと、他の選択肢が見えなくなります。

これも債務整理体験者に聞いた話ですが、最初は自己破産や個人再生を考えていたそうです。

「もう返済がきついから自己破産しようか。それとも個人再生が良いだろうか…」と悩みながら弁護士に相談したところ、「あなたの状況なら任意整理が合っていますよ」と言われ、任意整理で借金問題が解決したとのことでした。

そのように、「自分ではこの整理方法がベスト」と思っても、専門家の意見は異なることがあります。

経験豊富な弁護士なら、借金総額、年収、給与、財産、年齢など、総合的な観点から、自分に合った整理方法を教えてくれるはずです。

また「個人再生が良い」となっても、手続き方法は2種類に分かれます。

・小規模個人再生(主に小規模の個人事業者)

・給与所得者等再生(会社員のような給与所得者)

会社員であっても小規模個人再生を利用できますし、「給与所得者等再生と比べて小規模個人再生の方が利用しやすい」という側面もあります。

しかし自分で個人再生を申請する場合、「自分はサラリーマンだから給与所得者の方だろう」と思って申請する可能性がありますね。

個人再生の実績が豊富な弁護士なら、小規模個人再生と給与所得者等再生に詳しいので、どちらが依頼者に合っているかをしっかり教えてもらえます。

そのようなメリットが弁護士への依頼にはありますね。

個人再生手続きがスムーズに進む

前述したように、個人再生で用意する必要書類は膨大ですし、手続きも複雑です。

必要書類は「記入や作成が必要な書類」と「収集が必要な書類」に分かれますが、「記入や作成が必要な書類」の多くを弁護士に任せることができます。

弁護士に依頼せず、自分で個人再生を行う場合は、当然ながら全て自分で作成しなければなりません。

「収集が必要な書類」は自分で集める必要がありますが、弁護士の指示を受けながら動くことで、スムーズに収集できるでしょう。

特に個人再生手続きに関しては、ケースによって必要な書類が変わります。

住宅ローン特則を利用するなら「住宅ローンの契約書」が必要になりますし、給与所得者等再生を利用するなら「可処分所得額計算シート」が必要になるでしょう。

そのような書類を的確に集めることができる、というメリットがありますね。

さらに個人再生に関しては、「どのタイミングでどの書類が必要になるのか?」も大切です。

申し立てに必要な書類もあれば、「債権届出期間」や「異議申述期間」に必要な書類もあります。

申し立て前に債権者と協議したり、計画弁済額の算定、分割予納金の準備も行ったりしなければなりません。

自分で個人再生を行う場合、「今どのような行動が必要なのか?」を常に考える必要がありますし、的確に書類作成して提出する必要もありますが、弁護士に依頼することで、負担が軽くなります。

特に給与の差し押さえを受けていたり、自宅が競売にかけられていたりすれば、まずは専門家の意見を聞いてみて下さい。

無理のない再生計画案をお願いできる

弁護士に依頼する3つ目のメリットとして「無理のない再生計画案をお願いできる」があります。

自分で個人再生を行う場合、無理な返済計画を立ててしまうかもしれません。

往々にして人間は過信しますから、「これくらいの金額なら分割払いできる」と思いがちです。

しかし計画的な返済に頓挫して今があるわけですから、第三者の客観的な助言が必要ではないでしょうか。

弁護士に個人再生を依頼すれば、正確かつ冷静な判断で再生計画案を考えてもらえるでしょう。

それが第三のメリットです。

個人再生を弁護士に依頼するデメリット

個人再生を弁護士に依頼するメリットをお伝えしましたが、当然ながらデメリットもあります。

それが弁護士費用です。

弁護士に個人再生を依頼すると、40万円~60万円はかかります。

さらに住宅ローン特則を利用すれば、プラス5万円~10万円が相場です。

しかし費用面については、法テラスを利用できる場合もありますので、弁護士相談の際に合わせて聞いてみて下さい。

他にも、弁護士と相性が合わないケースが考えられます。弁護士も人間ですし、性格は様々ですからね。

弁護士のホームページを見て「良さそうな所長だな」と思っても、個人再生の手続きは別の弁護士だった、というケースもあります。

もちろん同じ法律事務所に所属している弁護士だと思いますが、それでも事務所全体の雰囲気が合わない、担当弁護士と性格が合わない、ということも往々にしてありますよ。

そのようなデメリットを防ぐには、いくつか弁護士事務所に問い合わせてみて、その中から印象が良かったところにお願いしてみてはどうでしょうか。

今は無料相談を行っている弁護士事務所が多いですからね。

まとめ

以上、「個人再生は自分でできるの?」をテーマにお伝えしました。

自分で個人再生手続きを行うことは不可能ではありませんが、手続きが複雑なので、弁護士のような専門家にお願いする方が良いでしょう。

弁護士費用がかかるのはデメリットですが、それを上回るメリットを感じられるのではないでしょうか。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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