民事再生(個人再生)

個人再生の再生委員との面談では何が聞かれるの?乗り切るコツは?

個人再生委員の面談で何を聞かれるのかを気にする債務者は多いです。

個人再生委員と話す機会など、人生でそう何度も無いでしょうから、不安や緊張を感じるのも無理はないと思います。

実際、個人再生委員が個人再生手続きで担う役割は大きく、手続きの成否に大きな影響を与えます。その意味でも、個人再生委員との面談は重要なイベントと言えるでしょう。

この記事では、個人再生委員との面談で聞かれやすいポイントや守っておきたい事項をまとめてありますので、参考にして頂ければと思います。

目次

個人再生委員との面談で聞かれること

個人再生委員との面談で何が聞かれるか。収入や支出に関する質問は定番ですが、不意に予想していなかったことを聞かれることだってあります。

とはいえ、聞かれる内容は裁判所に提出した申し立て書類の中身が中心になるのは間違いないです。ほとんどの面談は、申し立て書に事前に目を通しておくことで対応できるでしょう。

個人再生委員との面談に備えて申し立て書の内容を確認しよう

個人再生委員は申し立て時に裁判所に提出した書類をもとに質問事項を考えますので、申し立て書に目を通しておくことは、面談対策の基本と言えます。

弁護士に書類作成を任せた場合でも任せっきりにせず、面談の前日までには内容をしっかり頭に入れておくことが大切です。

申し立て書の記載内容と本人の記憶が食い違っているときは、すみやかに依頼した弁護士に伝えるべきです。面談の場で食い違いが明るみになると、個人再生委員の印象が悪くなってしまいます。

個人再生手続きに至った事情

借金の借り入れから返済不能に陥るまでの事情が、陳述書に記載してあるかと思います。

それらの記載を確認し、当時の心理状態も含め、借金返済不能までの経緯を答えられるようにしておきましょう。反省の意思をしっかり伝えることも大切です。

申し立て書類は全ての項目に目を通しておくべきですが、以下で特に注意すべきであろう箇所について解説しておきます。

債権者の確認

お金の借り入れ先は申し立て書に記載したもので、全てを面談で聞かれる可能性があります。債権者一覧表を見なおして、もう一度お金を借りた相手方はこれで全てかを確認しましょう。

特に注意したいのは個人間の借り入れです。

親や兄弟などの親族、友人知人、会社の同僚など、借りた相手が個人であっても債権者として扱う必要があります。他には、会社の前借り制度を利用している人は、勤務先からの借り入れにあたるので、勤務先を債権者として扱うことになるでしょう。

個人から借りた過去があり、お金が口座に入金されていた場合、通帳には振り込み人名が印字されるはずです。通帳名に個人名が印字されていると、借り入れを疑われる可能性がありますので、問われた際には何が理由で振り込まれたお金か、答えられるようにしておきましょう。

また、誰かの保証人になってなかったか。この点も見落としがちです。直接借りたわけじゃなくても、将来の債権者として書類に記載する必要があるからです。

仮にもし債権者が漏れていた場合は、債権者を追加することになります。

家計簿の確認

収入と支出は、今後の返済の見通しに大きな影響を与えます。個人再生では履行可能性(返済していけるかどうか)が最重要ポイントになりますので、ほとんどの個人再生委員が気になる項目でしょう。

それゆえ家計簿の詳細を把握しておくことは必須項目と思っておくべきです。

もちろん、家計簿はできる限り正確につけられていることも大事です。いい加減な家計簿では個人再生委員に厳しくつっこまれますし、印象も悪くなってしまうでしょう。

また、支出の状況も詳しく聞かれる可能性があります。

個人再生の手続きを開始してから、日々のお金の使い方や管理の仕方がどのように変化・改善したかも大事なポイントです。支出に関して改善した点、反省すべき点、今後注意した点など、頭のなかで整理しておきましょう。

なお、家計簿は申し立て後も継続してつけるように指示する個人再生委員もいます。

今後の返済の見通しについて

申し立て時に提出する家計簿は2ヶ月〜3ヶ月分です。

しかし個人再生は3年〜5年かけて完済に至る手続きです。未成年の子供がいるなら、子供の成長とともに家計の支出は変化するのが普通でしょう。

例えば受験です。来年受験を控える子供を抱えているのなら、今年の支出より来年の支出は大きくなることが予想できるはずです。

直近3ヶ月分の家計簿が仮に黒字だったとしても、お子様の受験でお金がかるであろう来年は大丈夫なのか?乗り切れるのか?という不安や疑問は残ります。

個人再生委員から聞かれた今後の返済の見通しに対して答えるには、ある程度長期のスパンで考える必要があります。今後3年〜5年に起こるであろうライフイベントも見越し、それでも返済できるのかまで答えられるようにしておくべきでしょう。

ルール違反は個人再生委員との面談の事前に報告!

多くの債務者は個人再生をすすめるにあたり、担当の弁護士からいくつかの禁止事項を受けると思います。

例えば、以下の禁止事項です。

  • 新たな借り入れの禁止
  • 偏波弁済の禁止
  • 高額な財産の処分

以上の行為は、返済額が上がってしまう原因にもなりますし、再生手続も否定され兼ねないルール違反と言えます。もし仮に違反してしまった場合には、隠さずに正直に再生委員に伝えましょう。

とはいえ上記の違反が再生委員との面談の場で明るみになるのは、依頼している弁護士からの信頼を大きく損ねる恐れがあります。面談の場で、再生委員から指摘されてはじめて違反が明るみになるのは、弁護士としても痛手でしょう。

面談の前の段階で、担当弁護士に打ち明けることが重要です。

新たな借り入れの禁止

債務整理の手続きをする以上、これ以上借りてはいけないことは当然のことです。

しかし、生活が困窮するなど何らかの事情でお金を借りてしまったり、クレジットカードを使ってしまったり、残念ながら、あり得る話ではあります。

クレジットカードは例え一括払いであっても利用してはいけません。

偏波(へんぱ)弁済の禁止

個人再生をすると決めた以上、特定の債権者のみに返済することは禁止されています(偏波弁済の禁止)。親や友人や会社など、関係を悪くしたくないからという理由で返済してしまう危険がありますが、他の債権者への不公平になるため、そのような返済はルール違反です。

高額な財産の処分の禁止

個人再生をすると決めた以上、債務者本人の財産を自由に処分することは、基本的には控えるべき行いです。自動車の売却や積み立式の生命保険の解約など、モノや商品を現金化する行為を債務者本人の判断で勝手にやってはいけません。

節約にも繋がるためか、保険類を勝手に解約してしまう人は案外多いです。もし解約を検討するのであれば、担当の弁護士に事前に相談・報告をしましょう。

個人再生委員との面談場所

個人再生委員との面談は、個人再生委員の事務所で行われるのが一般です。

個人再生委員は、申し立てを受理した裁判所付近に事務所をかまえる弁護士から選ばれますので、面談が行われるのも裁判所近くの場所に位置する事務所になります。

場所が分かりづらく辿り着けるかどうかに不安がある人は、依頼した弁護士と同行したい旨を伝えれば確実に到着することができるはずです。

遅刻は厳禁なので、面談場所までの道のりや交通状況は必ず確認しておきましょう。

個人再生委員との面談にかかる時間は?

個人再生委員との面談時間は30分〜1時間が目安です。

面談の時間帯は、個人再生委員に選任された先生の事務所の営業時間内で指定されるのが通常です。

個人再生委員は申し立てがあってから3週間以内という短い期間で、申し立て書の確認や債務者との面談を経たうえでの意見書を提出する必要があります。

債務者側からの時間の指定や要望は、個人再生委員が了承すれば問題ないものの、基本的には向こうに合わせるべきと考えたほうが無難でしょう。

場合によっては、面談のために仕事を休む必要もあるかと思います。

個人再生委員との面談に相応しい服装

服装については特に決まりはないです。男性ならスーツ、女性ならカジュアルな服装が一般的かと思いますが、襟や袖が真っ黒など、清潔感のない身なりは避けるべきです。

逆に、ひと目で高級ブランドだと判断できるような洋服もそれはそれで避けたほう無難かもしれません。一般論ですが、服装や小物でお金の使い方を判断する人もいますので、女性の債務者は注意です。

結局、普段の仕事で着用する服装で面談にのぞむのが一番と言えるでしょう。

なお、個人再生委員への手土産を考える人がいますが、やめておきましょう。個人再生委員は第3者で仕事をする立場にあり、債務者と債権者の間にいる人たちです。

一方からお土産を受け取ることを、好ましいと思わない人もいるはずです。

服装や持ち物も含めて、細かいことであっても、気になることがあれば依頼している弁護士に相談するのがいいでしょう。

個人再生委員との面談の心構え

気になる面談の内容ですが、冒頭でも触れた通り、何が聞かれるかはその案件や個人再生委員の性格によってまちまちです。

弁護士であれば、ある程度聞かれそうなポイントを心得ていますので、弁護士に依頼している方であれば事前にアドバイスをもらえるでしょう。

面談に備えて依頼者と事前に打ち合わせをする弁護士もいますので、そのアドバイスに沿えば何の問題もなく乗り切ることができるのが通常です。

ときには担当の弁護士でさえも予想していなかった点を問われることもありますが、記憶にあることをそのまま正直に答えれば大丈夫ですので、必要以上に身構えることはないでしょう。

予想外のことを聞かれるとうろたえてしまうかもしれませんが、個人再生委員との面談なんて初めての経験でしょうから動揺して当然です。

変な言い方ですが、動揺してしまったことに動揺しないようにしましょう。何かあっても面談には依頼した弁護士が横についてくれているので安心です。

一番良くないのは焦りから嘘をついてしまうことです。個人再生委員は破産の実務経験豊富な弁護士から選ばれた人たちなので、下手な嘘はすぐに見破られてしまいます。

面談での個人再生委員に対する言動には注意

個人再生委員も人間なので言動には注意が必要です。

必要以上にかしこまる必要もないですが、かといって相手を不快にさせるような態度を取ってしまってはいけません。

例えばですが、公務員や大企業の職員で、特に管理職に就いておられる方のなかにはプライドが高い債務者が多く、やや反抗的、攻撃的な態度を取ってしまう人もいるようです。

仮に何か意見することがあるとしても、言い方や表現には気をつけましょう。

多少、人としてのイメージが良くないからと言って、それだけで個人再生手続きが不認可に終わるとも思えません。しかしそうは言っても、個人再生手続きにおける個人再生委員の影響力はそれなりに大きいものです。

仮に結果的に認可が下りるとしても、不用意な言動がたたって手続きまでの時間が伸び兼ねません。手続きの進みが遅くなれば、それだけ借金完済までの道のりも長くなってしまいます。

間違っても、個人再生委員を言い負かしてやろうなんて思わないでください。

個人再生委員との面談のまとめ

個人再生委員が個人再生手続きで担う役割は大きく、手続きの成否に大きな影響を与えます。

その意味で、個人再生委員との面談は重要なイベントと言えるでしょう。

面談を上手く乗り切るためには、前提として申し立て書類にはしっかりと目を通しておくことが不可欠で、特に今後の返済の見通についてはしっかり考えておくことが大事です。

個人再生が認可されたにもかかわらず、その後に債務者本人が返済できませんでしたということになれば、担当した個人再生委員の責任とも取られかねません。個人再生委員が返済の見通しについて気になるのは当然だと思います。

個人再生委員との面談を通して、今後の3年〜5年でどのような道筋で借金完済に至るのか、他人に説明できるようにしておくことが求められるのでしょう。情報の整理が難しければ、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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