民事再生(個人再生)

個人再生後に住宅ローンは組める?審査に申し込む際の注意点は?

このページでは、個人再生後の住宅ローンについて解説します。

「そもそも個人再生とは何か?」に軽く触れた後、個人再生と住宅ローンの関係や、個人再生後に住宅ローンを組む際の注意点をお伝えしています。

ポイントになるのが「信用情報機関への事故情報の登録」です。

通常、事故情報が登録されている間は審査に通りませんが、消えた後は通る可能性がアップするでしょう。

最後に住宅ローンの借り換えについても記載していますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

目次

個人再生後に住宅ローンは組めるの?

個人再生後に住宅ローンを組めるか、気になりますよね。

「個人再生すると住宅ローン関連でメリットがある」と認識されている方も多いと思います。

この場合のメリットとは、あくまでも個人再生前の住宅ローンのことです。

住宅ローンを滞納し、保証会社が代位弁済を行っても、「6ヶ月以内なら住宅を残せる可能性がある」というものです。

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)と言いますが、確かにその点はメリットでしょう。

しかし住宅ローン特則と、「個人再生後に住宅ローンを組めるかどうか」は別問題です。

個人再生も自己破産も任意整理も、共通して信用情報機関に事故情報が登録されます。

事故情報が消えるまで、通常5年~10年はかかるので、その間に住宅ローンを組むことは難しいのです。

逆に言うと、「信用情報機関から事故情報が消えれば、住宅ローンを組める可能性がある」ということですね。

しかし5年~10年は決して短い期間ではありません。「10年後に自分が何歳なのか?」も重要なポイントですね。

これから詳しく解説します。

そもそも個人再生とは?

まずは個人再生について軽く触れておきます。

債務整理(借金の整理)には任意整理、自己破産、特定調停と種類がありますが、個人再生もその一つです。

再生計画が認可されれば、減額された借金を3年~5年で返済することになります。

自己破産のように債務が免除されるわけではありませんが、原則5分の1に圧縮できるため、その後の返済が楽になります。

任意整理と比較すると、よりメリットが明確になります。

任意整理しても、元本の減額は基本的にありません。金利と遅延損害金はカットされますし、残った元本を分割払いできますが、過払い金がなければ効果は限定的です。

しかし個人再生は借金を大きく減らせます。

その分、裁判所に申し立てる必要があり、手続きも複雑です。

「自己破産よりも個人再生の方が難解」という見解もありますし、実際に必要な書類も多くなります。

以上が個人再生の概要です。

個人再生後と住宅ローンの関係性

前述したように、個人再生を行えば、信用情報機関に事故情報が登録されます。

いわゆるブラックリストと呼ばれるものですが、そのようなリストが世間一般に出回っているわけではありません。

「あくまでも信用情報機関に登録される」ということです。

信用情報機関には以下の3種類があります。

  • 株式会社日本信用情報機関(JICC)
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

上記に事故情報が掲載されますが、その期間は「5年~7年」とも「5年~10年」とも言われます。

共通しているのは、事故情報が載っている間、「住宅ローンに通る可能性は極めて低い」ということです。

銀行などの金融機関は、住宅ローン申請者の情報を、信用情報機関に照会します。そして照会することで、過去に個人再生したかどうかが分かります。

「個人再生や自己破産した人間は絶対に住宅ローンに通らない」と法律で決まっているわけではありませんが、金融ブラックに陥った人間が「住宅ローン」や「自動車ローン」に通過する可能性は低いでしょう。

カードローンもキャッシングも同じ扱いなので、クレジットカードの作成も難しいですね。

金融機関としては、融資しても戻ってこないリスクがあるわけですから、当然と言えば当然かもしれません。

そのため、信用情報機関に登録されている5年~10年は、住宅ローンを組むことは現実的ではないのです。

個人再生後に住宅ローンを組める可能性もある

いまお話ししたように、一般的に個人再生後5年~10年は住宅ローンが難しいのですが、連帯保証人を付けることで組める可能性があります。

特に経済力があり、社会的に信用性が高い人間を立てることが出来れば、本人に事故情報があっても組めるかもしれません。

そもそも連帯保証人には、催告の抗弁権も、検索の抗弁権もないので、

「まずは本人に支払いを請求して下さい」

「本人の財産を調べてから連絡して下さい」

と言うことが出来ないのです。

つまり、本人と同じ借金を背負うに等しい制度と言えますから、経済的に安定している人間が連帯保証人になれば、住宅ローンが通る可能性もゼロではないでしょう。

あくまでも可能性の問題なので、基本的には5年~10年待ってから、住宅ローンに申し込むことになります。

個人再生後、事故情報が消えた後の住宅ローン

信用情報機関から事故情報が消えれば、「過去に個人再生をしたから」という理由で住宅ローンの審査に落ちることはまずありません。

個人再生を行うと官報に掲載されるので、過去の官報を辿れば知られますが、それ以外に知られるリスクも低いでしょう。

ただし気を付けなければならないのは、社内ブラックです。

金融機関(銀行、信販会社、消費者金融など)の返済を滞納した場合、その情報が社内ブラックとして社内で共有されますから、滞納経験がある銀行に申し込むのは難しいですね。たとえ信用情報機関から事故情報が消えていても困難です。

また、系列会社の銀行や消費者金融にも注意して下さい。

三井住友銀行の関連会社にモビットやプロミスがありますし、新生ファイナンシャル(新生銀行)の関連会社はレイクです。

他にも、三菱USJ銀行とアコム、三井住友銀行とSMBCモビットなどがあります。

つまり、プロミスの支払いを滞納した経験があれば、三井住友銀行の住宅ローンは困難ということです。

特に1ヶ月~2ヵ月以上の滞納は気を付けて下さい。

社内ブラックの情報は確認できませんが、信用情報機関に開示請求を行うことは可能です。

気になる場合は、株式会社日本信用情報機関(JICC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)それぞれに開示請求を行うと良いでしょう。

郵送や窓口で対応してもらえます。

個人再生後の住宅ローン審査に通るためには?

個人再生後の住宅ローンでは、確かに「事故情報があるかどうか」は大切な判断材料です。

それと共に重要なのは、住宅ローンの返済を続けるための信頼性でしょう。

個人再生の認可を受けたのが40歳であれば、最短の5年後で45歳です。45歳なら50歳ですし、55歳なら60歳ですね。

事故情報が消えるのに10年かかれば、個人再生の申込み時点で40歳だった方は50歳になっています。

住宅ローンの与信審査では、年齢も重要な判断材料ですから、50代で長期ローンを組むのは現実的とは言えません。

ローン期間を短縮するには、自己資金を多く用意することですね。

つまり、頭金を貯めておくことが、住宅ローンを組むポイントと言えるでしょう。

「個人再生後に頭金を貯められるのだろうか…」と思われるかもしれませんが、個人再生すれば借金を大幅に減らせるので、返済の負担が軽くなります。

また新たな借入れも出来ないので、強制的に収入の範囲内で生活することになります。

もし個人再生前に金銭感覚が狂っていれば、個人再生後に修正できる可能性が高いですし、収入を貯蓄に回す習慣も身に付くのではないでしょうか。

「将来住宅ローンを組むために頭金を貯める」という目標が明確にあれば、自然に行動できると思います。

個人再生後の住宅ローンの借り換えは可能?

個人再生後に住宅ローンに申し込むケースもあれば、個人再生前の住宅ローンの借り換えもあるでしょう。

個人再生を利用しても住宅ローン自体の減額はありませんし、その後の返済も必要です(70歳まで返済期間を延ばすことは出来ます)。

では、住宅ローンの借り換えは可能なのでしょうか?

この場合も、返済期間を延長したという理由だけで、借り換えが出来ないわけではありません。

借り換え時点の年収、職業、信用力、借り換えの金額などを総合的に判断した上で、金融機関も判断すると思われます。

個人再生後の住宅ローンが不安なら弁護士相談

個人再生後の住宅ローン申請が不安な時は弁護士に相談すると良いです。信用情報機関に詳しい弁護士事務所なら、個人再生後の住宅ローンに関するアドバイスも行ってもらえるでしょう。

大切なのは、自分一人の考えに固執しないことです。

「個人再生したから住宅ローンは絶対に通らない」と考えてしまうと、否定的な情報ばかり集めてしまいます。

ネガティブな思い込みはマイナスの結果に繋がることが多いので、まずは住宅ローンや法律に詳しい専門家の意見を聞いてみて下さい。

インターネットでも情報収集できますが、玉石混交で真偽のほどは分かりません。

債務整理体験者に話しを聞いても、「専門家に相談することで視野が広がった」と言っていましたし、まずは弁護士や司法書士に相談すると良いでしょう。

まとめ

以上、個人再生後の住宅ローンについてお伝えしました。

個人再生前の住宅ローンに関しては返済期間を伸ばせますが、個人再生後の住宅ローンとは関係がありません。

個人再生後、住宅ローンの審査をクリアするには、まず信用情報機関から事故情報が消えることが大切です。

他にも年収や職業など各種条件がありますが、大切なのは専門家の意見なので、個人再生や信用情報機関に詳しい弁護士に相談しながら進めると良いでしょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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