債務整理

多重債務に陥る人は?特徴・原因・解決方法を解説!

複数からお金を借りる状況を多重債務といいます。

多重債務に陥る人の特徴としては、真面目すぎるか、ルーズであるかという一見異なる特徴があります。真面目な人の場合は、目の前にある借金を返済しようと、他の金融機関・貸金業者や親族などから借り、返済をしようとしてしまいます。逆にルーズな人の場合は、他社からも借りられる状況を、あたかも自分の口座残高が増えたかのように、様々な使途に使い、借金が膨らみます。

どちらのケースでも、解決方法としては、「早急な債務整理」が必要です。

目次

多重債務者に陥りやすい人の特徴とは?

多重債務者に陥りやすい人の特徴として、

  • 真面目すぎたり、人とのコミュニケーションが苦手で抱え込んでしまう
  • ルーズであり、自制心が弱かったり、逃げ癖がある

という2大特徴があります。
前者の真面目、コミュニケーションが苦手なパターンに関しては、

  • 真面目すぎるゆえに、毎月の返済を返そうとするために、借金を重ねてしまう
  • 第三者、公的機関、弁護士などの専門家のような、外部に対する相談やヘルプが出せない

という特徴があります。後者の、ルーズなパターンに関しては、

  • 欲しい物があるとすぐにカードやキャッシングなどで買おうとしてしまう
  • 目先の行動を後先考えずおこし、「後からなんとかなる」と根拠なく楽天的になってしまう
  • しんどい、つらい状況を紛らわしたり、現実への逃避として、荒いお金遣い、浪費や飲酒・喫煙、その他遊興費にお金を費やしてしまう

さらに、両者の共通項目として、「プライドが高い」ということが挙げられます。
どちらも、客観的に考えると、債務整理を行わないと傷口がどんどん広がっていくだけなのですが、多重債務に陥る人に限って、なかなか現実を直視したり、第三者に状況をさらけ出すことを避けてしまいます。

多重債務に陥る典型的パターンとは?

多重債務に陥るパターンとして、3つが挙げられます。

自転車操業型

真面目な人、プライドが高い人にありがちですが、なんとか毎月の借金返済に間に合わせようとして、追加でお金を借りたり、新しくローンを組んでしまい、借金ばかりが増えていくというケースです。

リストラ・生活苦

こちらも現代では非常に多いパターンです。リストラだけでなく、ボーナスの削減や、近年の働き方改革で残業が抑制され、結果として残業代が大きく減ったというケースも散見されます。特に、片方が働き、片方が専業主婦(主夫)の場合で、貯蓄がなく、ローンでギリギリの生活をしている状態だと、非常に危険です。
何らかの理由で収入源・リストラなどがあると、すぐに生活が傾き、そのためにお金を借りる・・・という多重債務状態に陥りがちです。

第三者からの被害型

断りきれずに名義貸しをしてしまったり、他者の連帯保証人になったりしてしまい、主債務者が返せなくなったことで、自分に借金の返済が回ってくるケースです。

悪徳金融被害型

金融業者の名前を語った悪徳業者にだまされてしまうパターンです。多いのは、融資のDMやFAX、サイトを通した勧誘を行い、融資の際に審査料・保証料などの名義で一定の金額を振り込ませ、その後は貸さないというケースです。

貸さないだけならまだしも、一度だまされてしまうと、「カモリスト」に載せられ、様々な悪徳業者から勧誘、詐欺的行為を仕掛けられる恐れもあります。よく、ブラックOKという名目の貸金業者が存在しますが、このような業者には特に注意したほうがよいでしょう。

きちんとした金融会社は、厳正な審査を受けた上で、信用情報機関という組織(全国銀行協会・CIC、JICCの3社が存在)に登録し、ローンやクレジットの利用状況は記録されています。

また、基本的には借入は年収の3分の1という「総量規制」があります。住宅・車・療養のための貸付や、年収の3分の1を超えていても、返済能力があると認められれば、借入をすることができる規制が2006年以降より段階的に導入され、2010年6月に完全施行されました。

ただし、銀行のカードローンなどは総量規制の対象外であったため、総量規制を超える債務があっても、銀行のカードローンでは借りられてしまうという状況がありました。

多重債務を放置した厳しい末路とは?

それでは、多重債務の状況を放置、もしくはどこからも借りられない状況になると、どのような末路が待っているでしょうか。

支払いを滞納する

クレジットカード会社もですが、銀行などの金融機関は、1回の引き落としミス(滞納)でも、大きくマイナスの評価をします。もし多重債務が大きくなる前に、専門家への相談や金融機関への相談をしていれば、法的整理をしたり、リスケジュールなどの措置をしてくれたりなど手の打ちようはあります。

しかし、多重債務の状況になっていると、返済ができなくなってしまいます。そうなると、目の前の返済だけで頭がいっぱいになり、

  • 借金の取り立てに耐え切れなくなる
  • 新しい借金を作ってしまう
  • 借金の全体額(金利も含めた)を把握できなくなる
  • 借りては返すを繰り返す

など、どんどん泥沼にはまります。人によって、街金、闇金などにまで手を出してしまう可能性もあります。ここで返せなくると、

  • 毎日のように携帯や自宅・職場に催促がされる

という状況になり、延滞が続くほど、督促の口調が厳しくなります。期日に入金がないと、「なぜ返せないのか」「返せる目処はあるのか」などが確認されるでしょう。

ちなみに、借金はあくまで本人の借金ですので、家族(配偶者含む)や親族に請求することはありません。

一括請求書が送られてきて裁判になる

それでも返済がない場合、「期限の利益」を喪失したとして、金融機関・貸金業者は一括の返済を求めてきます。

お金を借りる契約の際に、必ず「期限の利益喪失条項」として、「これをしてしまったら、一括でお金を返してもらいますよ」という条件が入っています。多くの場合、2~3ヶ月程度の延滞状況になると、一括請求を行います。当然多くのケースでは返済は不能です。

結果、裁判となったり、担保がある場合は差し押さえや競売、保証会社が保証している場合は「代位弁済請求」といい「一旦保証会社に立て替えてもらい、代わりに保証会社の方から債務者へ取り立てを行ってもらう」という形で、借金は膨らむことはあれ、なくなることはほぼありません。

多重債務者にならないためのポイント3つ

多重債務に陥らない点として3つのポイントがあります。

絶対に名義貸しをしない、連帯保証人にならない

どのような状況であっても、他人に免許証などを貸したり、名義貸しを行ったり、連帯保証人になってはいけません。

近年は、国の方針により、連帯保証人を極力つけないという方向の融資が増えてはいます。しかし、今でも金融機関・貸金業者で、お金の借り入れに関し、「人的担保」といって、人を担保代わりにした、連帯保証を求めるケースもあります。

しかし、連帯保証人の場合、「検索の抗弁権」「催告の抗弁権」「分別の利益」というのが存在しません。

専門用語なので噛み砕いていうと、通常の保証人であれば、債務者が返さない場合、「まず主債務者に支払ってくださいといって、主債務者からしっかりと回収して、その後になってから請求してください」と言えますし、仮に1,500万円のお金を3人で「保証人」として保証しており、債務者が返済できなくなった場合は、1人500万円ずつ返済すればいいのです。

しかし、連帯保証人の場合、「いきなり連帯保証人に、借金全額請求」ということができてしまいます。そのため、連帯保証人になるということは、その人の借金をまるごと背負う危険性があることだと心得ておくべきでしょう。

必要なお金は、給料後自動的に天引きされるようにし、最小限の出費で生活する

普段の支出を抑えるためには、引き出しにくい別口座への天引き送金など、使えないところに移し、必要最小限のお金で生活、貯金をするくせをつけることが重要です。

返済が厳しいと感じたら、すぐに専門機関・弁護士などに相談する

多重債務に陥る人の場合、返済が厳しくなっても、他で借りるなどしてなんとか先延ばしにしようとしてしまいます。

消費生活センターや市区町村の相談窓口、各種金融機関と提携する相談窓口に相談したり、返済が厳しいと感じたら弁護士に相談、債務整理を検討することが望ましいといえます。

多重債務を解決する2つの方法について

多重債務を解決する上で、取りうる方法は2つあります。

おまとめローンの活用

金融機関では、各種のローンを一括してまとめる、「おまとめローン」という商品を用意しています。ただし、条件が厳しく、金利もそれなりに高いケースが多いです。

また、土地家屋などの不動産を担保に取るケースもあり、返済できない場合は自宅など担保に入れた土地が競売にかけられることとなります。そのため、おまとめローンについては、よほど返済の目処があるか、事情がある場合以外は、問題の先送りでしかありません。

債務整理

弁護士など法律の専門家が入り、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などの手続きを行います。

債務の状況に応じ各種法的整理を、法律家の観点から提案してくれるとともに、以前貸金業者と高金利で取引していることが、依頼後の調査で判明した場合は、過払い金の請求をしてくれるケースもあります。

また、債務整理を行うと、お金は借りられなくなりますが、借金も大幅に減額、もしくはゼロになるケースもありますので、「借りることができなくなり、返すお金も減るかなくなる」という形になりますので、根本的に借金問題を解決することが見込めます。

おまとめローンで、根本的な解決は不可能?

おまとめローンは、先程も述べたように、各種ローンを一括して一つにまとめる金融機関の商品です。おまとめローンのメリット・デメリットをみてみましょう。

メリット

  • 返済先、返済日が一本化できる
  • 金利が安くなる場合がある
  • 目先の法的整理は避けられる

デメリット

  • 債務整理で発見できたはずの過払い金が発見できない
  • 余計に借金を重ねてしまう可能性がある
  • 金利が高い
  • 連帯保証人が要求される
  • 公正証書の作成を要求される
  • 不動産担保を要求される

※公正証書を作成すると、裁判書の確定判決と同じ効力があり、公正証書に記した不動産・財産であれば即差し押さえができます。

など、正直なところデメリットのほうが大きいと言えます。あえておまとめローンを選ぶ場合の業者選びは、「金利の安さ」を基準とし、できるだけ連帯保証人・担保・公正証書の作成を条件としない業者が望ましいと言えます。

多重債務者を法的・確実に救済する債務整理

前項でおまとめローンの特徴、課題を記しましたが、やはり借金を確実に整理するという観点では、弁護士などの法律専門家に債務整理を依頼することが確実です。

債務整理の4つの種類として、「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」があり、過払い金が存在する場合は、過払い金請求ができます。

任意整理

裁判所を通した法的手続きです。債権者・債務者の交渉に、裁判官・調停委員が加わり、双方の主張を踏まえ、返済額・返済条件などを変更します。

特定調停

裁判所が介入することなく、債権者と債務者(+弁護士)で話し合い、3年から5年で債務を完済できるよう、交渉する手続きです。借金の額がさほど大きくない場合におすすめです。

個人再生

家・車などの資産を守りたく、安定した収入はあるが、借金が数百万、1千万単位など莫大となり、通常の返済では返しきれない場合に、元金・利息を含め大幅に圧縮できます。

自己破産

借金は全てなくなりますが、財産も現預金99万円と生活に最小限必要なものを残しなくなります。

家・車(一部財産価値がない場合は除く)・保険・その他金銭的価値のある動産は差し押さえ、競売の形で換価され、債権者に分配されます。

債務整理全般を通し、信用情報機関への登録が行わるケースやお金が借りられなくなるなどデメリットはありますが、総じてメリットのほうが大きい救済措置と言えます。

あなたに合った債務整理を選ぶポイントは?

債務整理の手法を選択する上で、重要なポイントは下記のとおりです。

自宅を守りたいか

家や車などを守りたい場合は、自己破産以外の手段を選ぶ必要があります。借金の額が大きい場合でも、住宅ローン特則という制度を利用して個人再生を行えば、住宅のローンを条件変更して返済しつつ、他のローンの返済を大幅圧縮できます。

安定的な収入はあるか

特定調停・任意整理・個人再生を利用する場合は、安定的な収入の存在が必要です。安定収入がない場合は、自己破産しか選択肢がありません。

住宅ローンなど有担保ローンを除いた借金の総額はどれくらいか

借金の額が、条件変更すれば払えそうな場合は、特定調停・任意整理などを行うことで、いわゆるブラックリストに掲載されることはあっても、債務整理を行ったことが官報に掲載されずにすみます。

借金に連帯保証人がついているか

特定の債務だけこれまでと同じように返済したい場合は、整理する債務とそうでない債務を選べる、特定調停か任意整理が望ましいといえます。

自己破産と個人再生を行うと保証人がついている借金に対しても手続きをする必要がありますので、保証人に対して一括請求がされます。保証人が支払いできない場合には最悪、保証人も債務整理をする必要がある場合もでてきます。

過払い金が存在するか

2008年より前に、消費者金融など金利の高い業者で借入をした場合は、過払い金が発生している可能性があります。

払いすぎた過払い金だけでなく、5%の利息もつけて返還請求ができるケースがあります。ただし、請求先が倒産など破綻処理をしていると請求ができなくなります。上記の5つを基準に考えてみましょう。

多重債務脱出後に注意すべきこと

まず、基本的なこととして、

  • お金の収入と支出について細かく把握する
  • 借入機能を持つカードが残っている場合解約する

という点が重要です。お金の管理の基本として、毎月の収入以上の支出はしない、年間の収入以上の支出はしないというのは大原則です。

ですが、多重債務に陥ってしまったということは、「稼ぐ以上に使ってしまった」ということに根本的な原因があります。

毎月の固定費削減・定期購読の解約・格安SIMの活用・天引き貯金などを必ず行い、そのお金には、よほどのことがない限り手を付けないなど、自己管理・家計管理のあり方やお金の使い方、各種付き合いを見直すことが必要です。特に、見栄のための消費は何も生み出しません。

投資うんぬん以前に、節約・貯金をし、ある程度のまとまったお金を作れるようになることが大切です。

また、自己破産以外のケースでは、当然返済が発生しますので、返済分は必ず収入が入った際に、別口座へ移動されるように設定するなど、手をつけにくい口座へお金を置くことが大切です。

任意整理・特定調停の場合、クレジットカードやその他のカードの貸金枠が残る場合がありますが、借り入れできるカードは解約し、当座貸越などの貸越枠がある場合も、解除しましょう。

多重債務者が取るべき行動のすべて

シンプルに、「まずは弁護士などの法律専門家に相談しよう!」この一言につきます。

多重債務が悪化すると、様々な金融機関・業者から返還請求が増えるかと思います。電話や手紙などの連絡がひっきりなしに来ることも考えられます。そうすると、正常な判断ができず、どんどん泥沼にはまっていきます。

そうなる前に、なんとか時間を作り、弁護士などの法律専門職に相談し、対策を検討、そして債務整理に着手するべきです。弁護士に依頼することで、弁護士が債務者の代理人として、債権者に対し受任通知を送ることで、債権者から債務者に直接の連絡はいかなくなります。

代わりに、弁護士の方で債権者と連絡をとってくれますので、もし債権者の連絡が相次いでいた人の場合、連絡がぱたっと止まり、一旦の平穏を取り戻すことができるかと思います。

あれこれ自分でなんとかしようとしても、時間は過ぎ、利息は膨らみ、どんどんと身動きが取れなくなる恐れがあります。そうなってしまうと、正常な判断が取れず、取ってはならない行動を行ってしまう可能性さえあります。

その前に、然るべき専門家に相談、早めに法律に基づいた、適切な処理を行うことで、借金問題を解決し、後々まで引きずることを防げるでしょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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