債務整理

保証債務について詳しく解説!保証債務の成立条件や消滅時効を知ろう

借金には大きく分けると2種類があり、保証人がついている借金と保証人がついていない借金とにわかれます。保証人がついている借金の場合、お金を借りた債務者が返済できなくなれば「保証債務」として保証人が返済を請求されます。

そこで、保証人に迷惑をかけないためにも保証債務とはどういったものなのか知っておきましょう。保証債務の成立条件や、消滅時効など保証債務について知っておくべきことを詳しく解説していきます。

目次

保証債務とはどんなもの?

借金を金融機関からしている場合、返済期限を過ぎても支払わなければ督促状が届きます。その後、無視していれば裁判になり、最悪の場合は財産の差し押さえなどが行われることになります。

しかし、借金に保証人がついている場合、債務者(お金を借りた人)が返済できなければ代わりに保証人が返済の請求をされます。このことを保証債務というのです。

これは法律にも規定されていることなので、保証人が請求されることは違法になりません。

住宅ローンにおいて連帯債務というものもありますが、また保証債務とは違ったものになります。

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保証債務が成立する4つの条件

保証債務は、どんな場合でも保証債務が成立するというわけではありません。保証債務が成立されるには、いくつかの条件があります。

まず1つ目に、保証を受ける債務があるということです。もし債務者が債権者に対して返済をすれば、保証債務も同時に消滅することになります。

2つ目は、債権者が保証人と保証契約を結ばなければ保証債務は成立しません。債務者が保証人に依頼をするので、保証人と債務者の間の契約と考えられがちですが、この契約は保証委託契約です。ですので、保証人と債権者が契約を結んでいなければなりません。そのため、債務者と保証人との間に保証委託契約があっても、債権者と保証契約がなければ成立しないことになります。

3つ目は、保証契約が成立していることを記録として残していることが条件になります。つまり、口約束では成立しないのです。

以前は口約束でも成立しており、軽い気持ちで引き受けたものが大変な債務を背負うことになった保証人も発生したことから2004年に法律が改正されました。書面や電磁的記録によって保証契約が記録されている必要があります。
ただし、勝手に他人が保証人として記入している場合は書類が残っていても無効になります。

4つ目の条件は、保証人として選任される人に保証能力があるということです。
万が一、債務者が返済できない場合には保証人が返済をするのですから、保証できるだけの経済力が必要になります。

つまり、収入がない人や未成年などは保証人になることは出来ません。
一般的には親族が保証人になるケースが多くなっています。

保証人が使える「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」とは?

債務者が返済できなくなれば、保証人は債務者の借金だけではなく利子や損害賠償などまでも支払いを請求されることになってしまいます。

しかし、保証人になっているというだけで全てを無条件で受け入れなければならないのは過酷なものといえます。そこで、保証人が一方的に不利な立場になってしまわないように与えられている権利が「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」です。

催告の抗弁権とは、債権者から保証人へ返済の請求が行われた際に、債務者へ先に請求をするよう主張できる権利です。そうすることで、一時的にはなりますが保証人は責任を回避できます。

しかし、債務者が行方不明になってしまっている場合や、債務者の破産手続きが決定しているような場合には催告の抗弁権は行使できません。

そして、検索の抗弁権も債権者から保証人へ返済の請求が行われた際に使用します。債務者に財産があるので、債務者に返済を請求するように主張する権利です。

この財産とは、現金や預金、収入といったお金のことだけではなく、不動産や車など換価価値のあるものも当てはまります。そのため、保証人へ請求する前にそれらの財産を差し押さえるよう抗議することができるのです。

ただし、検索の抗弁権を行使するには、債務者に財産があることが前提になりますし、保証人自身が債務者の財産を立証しなくてはならないのです。

保証債務の消滅時効について

債務者が返済を行わずにいながらも債権者が一度も督促など行わずに一定期間が経過すれば、債務者は消滅時効を援用することができます。つまり、借金が時効となり、返済の必要がなくなるのです。

ただし、時効を消滅させる旨を債権者に通知しなくてはならず、認められるケースはあまりないでしょう。そして、保証債務においても主たる債務が時効となれば、保証債務も時効になります。

しかし、債権者側が請求を行ったり、債務者が1円でも返済したことがあったりすれば消滅時効が中断されます。消滅時効の中断とは、進行していた時効期間はリセットされて元に戻ってしまうことです。そうすれば、主債務だけではなく保証債務も時効が中断されることになります。

しかし、もし消滅時効の完成前に保証人が債務者に代わって一部返済をしているような場合には、主たる債務の消滅時効は中断しません。

これは、保証人は主たる債務の当事者ではないことから、消滅時効を援用できるのです。つまり、保証人は一度返済してしまったことがあっても、主債務の時効が認められれば保証債務も時効になるということです。

保証人が弁済後に「求償権」を使える

保証人は「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」という権利を債権者から返済請求を受けた場合に行使することができますが、それ以外にも「求償権」という権利を持っています。

求償権は、保証人が債務者に代わって全て弁済を終えた後に行使できる権利です。

保証人は自身が借りた借金ではないものを返済し、大きな負担を代わりに背負ったことになります。そのため、保証人に不利益が生じないように、後から債務者に対して返還を求めることができるのです。
この権利が求償権となり、行使すれば債務者は保証人に対して返済義務が生じます。

しかし、債務者が返済できないから保証人が代わりに返済しているのですから、求償権を行使してもすぐに全額返還される可能性は低いといえます。

通常保証以外の特殊な保証についても知っておこう

ここまでの解説は保証債務の中でも通常保証と言われているもので、一般的な保証人における内容についてでした。

しかし、保証債務には通常保証だけではなく、少し変わった条件の「特殊保証」と呼ばれるものがあります。以下のものが特殊保証と呼ばれるものです。

連帯保証

連帯保証人という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、連帯保証人と保証人は別物です。

保証人と連帯保証人は似た言葉なので一緒だと考えられがちですが、連帯保証人の方が保証人よりも責任が重いものになります。債務者が返済できなくなった場合に代わりに返済する義務があるという点では同じですが、連帯保証人は催告の抗弁権も検索の抗弁権も行使できません。つまり、債権者に請求されれば拒むことはできず、債務者と同等のような立場になってしまうのです。

債権者にとっては連帯保証人の方が保証人より都合がいいため、実際の契約では連帯保証の特約が結ばれるケースが多くなっています。

連帯保証人は、債務者が債務整理をしても返済義務がなくなるわけではないので、契約する際には注意が必要です。

継続的保証

継続的保証は根保証とも呼ばれており、信用保証や身元保証などが該当します。

一定期間のみ生じる債務を保証するものとなり、雇用時などに身元保証として発生するケースが多いものです。身元保証は就職する際に必要となるもので、一般的には親や親族などが身元保証人になります。

身元保証人は、一般的な保証人よりも軽視されがちなので簡単に引き受ける人も多いでしょう。

しかし、本人が雇用先で損害を発生させれば、身元保証人が損害賠償を請求されてしまうようなケースもあります。そのため、気軽に引き受けるのではなく、慎重に検討しましょう。

身元保証人契約の期間は、基本的には3年もしくは5年です。

共同保証

共同保障は、保証人が2人以上いるような場合の保証債務のことです。
保証人が1人の場合は単独保障といいます。

共同保障の場合、保証人の人数で債務を分割して債務者の代わりに保証することになります。例えば、共同保証人が2人いて債務が600万円であれば、保証人1人あたり300万円ずつ保証することになるのです。

つまり、1人の保証人が300万円を返済すれば、残りの300万円は返済した保証人は請求されることはなく、もう1人の共同保証人の返済義務になるということです。

ただし、共同保証人が2人とも連帯保証人になっていれば、それぞれに600万円の保証義務があるので注意が必要です。

保証債務は債務者がきちんと返済すれば保証人に迷惑をかけることはありませんが、返済が滞ってしまえば保証人に責任が生じてしまいます。保証人になるのであれば、その責任を負う覚悟で契約しなくてはなりません。
そして、債務者は保証人に迷惑をかけてしまいそうな事態になる前に、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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