債務整理

債務整理を弁護士・司法書士に依頼をする場合の費用について知ろう

銀行や消費者金融から借りたお金が返済できなくなった時に、債務整理を検討する際に気になるのは、どの程度のお金がかかるか、ではないでしょうか。
自己破産や個人再生をする場合には裁判所という機関を使うので、手数料のようなものが発生することになりますし、債務整理は通常弁護士や司法書士といった専門家を利用することになるので、専門家に依頼をする費用も発生します。
このページでは債務整理に関する費用についてお伝えします。

目次

弁護士・司法書士に対して支払う費用について知る

まず、弁護士・司法書士に対して支払う費用の基本を知りましょう。

債務整理は弁護士法72条に規定されている法律事務ですので、報酬を得て債務整理の依頼を受けることができるのは弁護士と司法書士(認定司法書士)が依頼を受けることができます。

逆に言うと、それ以外の専門家が費用の請求をして債務整理の依頼を受けることはできません。

弁護士・司法書士は報酬を受け取って債務整理に関する業務をすることができます。この報酬ですが、かつては報酬規程という形で一律に設定されており、弁護士はその枠の中でのみ報酬を設定することができるにとどまりました。

しかし、平成16年4月から規制緩和の流れの一環で弁護士報酬は自由化されました。その結果、その業務分野について高い知見を持っているような場合には、高い報酬を請求することもできるようになりましたし、逆に業務の見直しを行ってコストを下げて低い報酬で案件を受注するということもできるようになっています。

債務整理を弁護士に依頼する際にかかる費用の種類を知る

債務整理を弁護士・司法書士に依頼をする場合の報酬や費用の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。

まず、弁護士や司法書士などの専門家に何らかの相談をする際には「相談料」がかかります。次に、弁護士・司法書士に案件を依頼すると、依頼に着手した段階でかかる「着手金」が必要になります。

任意整理について弁護士・司法書士が新しい内容の契約をまとめた段階で「報酬金」が発生します。

この報酬金には1件あたり定額の「解決報酬金」と、減額に成功した額に応じて請求されることになる「減額報酬金」、債権を調査した結果過払い金を取り戻した場合には、「過払い金報酬」の3種類があります。

たとえば、自己破産の申し立てをする場合に、弁護士が裁判所・管財人の事務所に赴くなどで交通費がかかるような場合や、弁護士が依頼者に向けてする郵送にかかる切手代などは「実費」として請求することがありますが、債務整理に関しては請求しないことのほうが多いです。

自己破産・個人再生の手続をする場合には、印紙を貼って切手と一緒に納付をする必要があり、さらに「予納金」の納付が必要になります。

債務整理を弁護士・司法書士に依頼した場合の報酬・費用の相場

では、債務整理を弁護士・司法書士に依頼した場合の費用の相場はどのようになっているのでしょうか。

まず、相談料については債務整理に力を入れている事務所ほど無料としていることのほうが多いです。債務整理の相談には約1時間程度はかかることになるので、30分5,000円かかる場合には1回の相談に1万円かかることになります。

返済ができなくて困っているにも関わらずこのような費用が請求されるのであれば、債務整理を諦めなければなりません。そのため、債務整理に力を入れている事務所は、相談料を無料としているところがほとんどです。

あとは手続きによって費用は変わってきます。任意整理の場合には1社あたりいくら、という形での着手金がかかることになります。弁護士会・司法書士会では任意整理の着手金は基本的には1件あたり5万円となっており、相場も4万円~5万円となっています。

報酬金のうち解決報酬金は1件あたり2万円が相場となっています。また、減額報酬金については減額した分×10%が相場です。

もし、交渉の結果50万円の借金が20万円になった場合には、30万円を減額したことになるので、10%の3万円が費用となります。過払い金があった場合には裁判をしないで解決をした場合には20%が上限となっています。

このとき弁護士・司法書士に対する費用の計算が少し複雑で、もし50万円の借り入れをしていたものが、30万円の過払い金を取り戻した場合には、50万円が0円になったところまでは減額報酬として10%、30万円を取り戻した部分については20%、解決報酬金が別途2万円と計算するため、(50万円×10%=5万円)+(30万円×20%=6万円)+2万円=13万円が報酬となります。

自己破産手続については弁護士会・司法書士会で報酬の上限を定めておらず、相場としては20万円~50万円が相場です。

また、収入印紙として1,500円(法人の場合は1,000円)郵券(裁判所による:東京地方裁判所の場合には4,000円分)の納付が必要です。

別途、予納金を納めなければならず、東京地方裁判所の場合には同時廃止の場合には14,170円、少額管財となった場合には、管財人に支払をする予納金の納付が必要で、東京地方裁判所管轄で20万円がかかります。

個人再生の場合の弁護士・司法書士の報酬の上限を定めておらず、相場としては30万円~50万円が相場です。自己破産同様に収入印紙として10,000円、裁判所ごとに設定されている郵券(2,000円前後)が必要となります。

債務整理の弁護士・司法書士の費用はどうやって払うの?

弁護士費用の相場について紹介しましたが、自己破産では少なくとも20万円以上はかかります。そもそも債務整理が必要な状況になっているということはお金が無い状態になっているのであって、このような費用の支払ができない状態になっているといえるでしょう。

一般的に弁護士費用は依頼時に一括して支払こととなっています。しかし、債務整理が必要な場合には、そのような費用を捻出することが難しく、そもそも依頼ができない、と思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

債務整理に力を入れている事務所であれば、次のような方法で無理なく支払うことができるようにしています。

まず、債務整理を依頼すると、貸金業者に対する返済をしなくてもよくなります。
当然支払をしなければ債務不履行となるのですが、債務整理をするにあたっては借金がいくらなのかを確定するところから始めますので、支払を止めることなっています。

いままで貸金業者に支払い続けていたような場合には、その支払が止まることになるので、その分を弁護士費用の支払に充てることになります。

弁護士費用を分割でおさめることにしていれば、今まで消費者金融に支払っていた分を弁護士・司法書士に分割にして支払うことになるので、無理なく支払いをすることができるようになっています。

たとえば、毎月5万円の支払を貸金業者に行っていて、弁護士費用として20万円が必要であるような場合には、毎月返済していた5万円の支払を弁護士費用の支払にあてて4回の分割にしてもらう、という方法になりますので、無理なく支払をすることができます。

また、分割で報酬を納めている間は、依頼を受けた状態でも手続を進めませんので、任意整理・個人再生の返済が始まる時期とのバランスを取りながら進めてくれます。

債務整理の中でも完済しているものの過払い金請求をするような場合をはじめ、場合によっては後払いでの債務整理の依頼を受けてくれる事務所もあるので、相談をしてみましょう。

なお、分割回数・支払方法は、事前に依頼時の聞き取った収支などを参考に決定されます。

ここで本当の事を言わずに、弁護士・司法書士への報酬の支払ができなくなると、弁護士・司法書士は依頼を辞任することになり、貸金業者からの一括請求が始まることになります。弁護士・司法書士への報酬については滞ることがないように、滞りそうな場合にはどのような事情があるかをきちんと報告をするようにしましょう。

弁護士に債務整理を依頼するときにはどのような注意が必要か

弁護士・司法書士に依頼するときに注意すべき事はどのようなことでしょうか。
まず、依頼をするにあたって、弁護士・司法書士への情報提供は正確におこないましょう。

依頼前に弁護士・司法書士と借金相談を行うことになりますが、その際の情報は相談者から提供された情報に基づいて行うことになり、相談時に情報に関する裏をとることはしません。

よくあるのが、債務整理をするにあたって自己破産をしたくないから、と収入を多めに見積もったり、返済可能額を多めに伝えたりすることや、個人からの借り入れについては迷惑をかけたくないからと申告しない場合があります。結果、いざ手続をすすめようとすると、これらの嘘が障害になって手続が進まないことがあります。

例としては、返済可能額が月6万であるとの申告をうけて任意整理をすすめていても、実際には月3万しかなく、貸金業者と和解をして支払開始をしても支払えない、というようなことが挙げられます。

別の例として、返済を口座から振込をしているような場合、口座にその記録が残るのですが、自己破産・個人再生の際には口座の履歴を提出することになっているので、返済をした履歴があるのがわかります。そうなると偏波弁済(へんぱべんさい)という自己破産・個人再生では絶対にやってはいけない行為が手続に影響することになります。

どのような事情があったとしても、弁護士・司法書士には素直に申告をして、適切な対応方法を考えていくようにしましょう。

次に、弁護士・司法書士を費用だけで選ばないという事も重要です。お金がないからこそ債務整理をするのであって、費用がなるべくかからない弁護士・司法書士を選びたいというのは当然です。

しかしながら、費用が安いのは必ずしも良いことばかりではありません。債務整理のスキルが無く、安い金額で引き受けているような場合に、何か債務整理をするにあたって気を付けるべき事があるにもかかわらず、それに気づかず手続をしたために、債務整理が思うようにいかなくなってしまうということがあります。
ある程度実績のある弁護士・司法書士であれば、適正な相場で依頼をうけているので、過度に報酬が安すぎるような場合には、実績・経験がきちんとあるかをホームページなどで確認するようにしましょう。

弁護士・司法書士に依頼する費用を抑えるためには?

弁護士・司法書士に依頼する場合の報酬・費用を節約する方法はあるのでしょうか。

印紙代・予納金・郵券などの実費についてはどうしても必要なものになるので、節約する方法はありません。自己破産をする場合に、少額管財になると管財人が選任されることになり、東京地方裁判所では20万円以上の費用の支払が必要になります。自己破産をする場合にはなるべく管財事件にならないようにするのが、予納金を節約するための方法といえます。

管財事件になるケースとしては、申立人に配当すべき財産がある場合や、免責不許可事由がある場合です。借入原因がギャンブルや遊興というような場合には少額管財になるのは仕方ないのですが、同時廃止で手続できるケースであったにもかかわらず、手続にあたって前述したように特定の債権者にだけ返済するような偏頗弁済をしたり、財産を隠匿するような行為によって少額管財になることもあります。

自己破産においては、手続を弁護士・司法書士と協力をしてきちんと行うことは節約になると考えておきましょう。弁護士・司法書士に対する報酬については節約をするための余地があります。

次に借金相談を無料で行うことです。借金相談をするような場合には30分5,000円程度の相談料がかかる場合もあるのですが、債務整理に積極的に取り組んでいる事務所であれば相談料は無料で対応をしています。債務整理に強い弁護士・司法書士を探すことがそもそもの相談費用の節約になるといえます。

債務整理において一番お金がかかるのが、弁護士・司法書士に依頼をする報酬です。この報酬については法テラスが行っている民事扶助を受けることができれば、大幅に支払いが楽になります。

民事扶助というのは、弁護士・司法書士へ依頼をする費用を一括して支払ってもらって、法テラスに毎月返済をしていく公的な制度です。公的な制度の利用になるので、費用自体が安く抑えることができる上に、月々の返済も毎月5,000円程度、生活保護を受けなければならない状態ですと返済が不要となるものなので、弁護士に依頼する費用が非常に楽になります。

法テラスの利用をする方法にはいくつかあるのですが、3つの方法があり、法テラスに常勤している弁護士に依頼をする、法テラスから紹介してもらう弁護士に依頼して行う、法テラスに登録している弁護士・司法書士を介して民事扶助をしてもらう「持ち込み方式」の3つがあります。

法テラスでは法律に関する公的な機関として、弁護士が無料で相談を受けており、そのまま依頼をすることもできます。そこで、民事扶助の手続をしてもらえれば、弁護士費用を立て替えてもらうこともできます。法テラスでは弁護士を紹介していることもあります(紹介していない方テラスもあります)ので、この場合に紹介をしてもらった弁護士・司法書士に依頼することも可能です。

最後に、弁護士・司法書士の中には法テラスに登録をしていると、受けた依頼について民事扶助を利用することができます。この「持ち込み方式」ですが、注意が必要なのは、必ず相談の際に法テラスの民事扶助の利用をして欲しい旨を相談者のほうから伝えなければなりません。

弁護士・司法書士の側から民事扶助の利用を持ちかけてくれることもありますが、通常の報酬と法テラスでの報酬の額が違うため、制度としては利用できるものの積極的に利用してくれるとは限りません。そのため、相談・依頼の際や、借金相談の予約をとる際に法テラスの民事扶助の利用が可能かを問い合わせしておくことが重要であるといえます。

法テラスの利用ができるかを調べる方法としては、各都道府県の法テラスのホームページ上で弁護士・司法書士・事務所が掲載されている場合もあります。しかし、一番確実なのは、弁護士・司法書士に直接問い合わせることになります。

弁護士費用の支払いに不安があるならば

以上を読んだとしても、弁護士・司法書士に対する費用の支払が心配であるという方もいらっしゃるでしょう。その場合に考えておくことにはどのような事があるでしょうか。

債務整理をすることを親族に話しておいて、いざとなった時には助けてもらえる人を増やしておきましょう。

たとえば、夫が妻に内緒で借金をしたとして、その原因がキャバクラや風俗などの遊興であるような場合には、妻にバレてしまうと離婚という事になりかねないという場合があります。

自己破産をする際には管財事件になり郵送物の管理がされて妻にバレてしまうので、任意整理を希望するとしても、月々の支払をギリギリに設定しているような場合には、たとえば身内に不幸があったような場合に急な出費があるような事で、返済が滞ってしまうような事もあります。

そのような時に助けてくれる人が一人でも多ければ、途中で失敗しなくてすみます。

このように援助してくれる方がいる事は、きちんと弁護士に話しておきましょう。
弁護士が知らないうちに、振込でお金を入れてもらっているようなことがある場合には、個人的な貸し付けの返済を受けたというような認定をされることもあり、注意が必要であるためです。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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