債務整理

代位弁済の意味とは?

金融系のサービスを契約するときに「代位弁済」という言葉を耳にして、首を傾げた経験はありませんか。漢字四文字で、金融系サービスでよく耳にする。どうしても「難しい用語」という印象があるかもしれません。

代位弁済とは、どのような意味なのでしょうか。ローンを普通に利用していても、縁のある手続きなのでしょうか。信用情報などに影響やデメリットはあるのか、疑問は少なくありません。

今回の記事では、「代位弁済って何?」という初心者に、知っておきたい意味からデメリット、信用情報などの利用上の注意までまとめて解説します。ローンを利用する上でも知っておきたい知識です。

目次
  1. 1. 代位弁済の意味とは?
  2. 2. 代位弁済の「第三者」は誰?
    1. 2.1. どのようなときに第三者が代位弁済を行うのか
  3. 3. 代位弁済の流れとは?
    1. 3.1. 代位弁済の流れステップ①滞納や未払いが発生する
    2. 3.2. 代位弁済の流れステップ②督促が届く
    3. 3.3. 銀行やクレジットカード会社の督促の頻度や期間とは
    4. 3.4. 代位弁済の流れステップ③催告状が届く
    5. 3.5. 代位弁済の流れステップ④期限の利益の喪失予告通知が届く
    6. 3.6. 代位弁済の流れステップ⑤代位弁済が行われる
    7. 3.7. 代位弁済の流れステップ⑥保証会社が債権者に代わる
  4. 4. 代位弁済のわかりやすいデメリットは7つ
    1. 4.1. 代位弁済のデメリット①クレジットカードなどが使えない
    2. 4.2. 代位弁済のデメリット②クレジットカードやローンの申し込みで審査落ちする
    3. 4.3. 代位弁済のデメリット③任意整理や個人再生のように信用情報に傷がつく
    4. 4.4. 代位弁済のデメリット④遅延損害金が発生する
    5. 4.5. 代位弁済のデメリット⑤差し押さえや競売のリスクが高い
    6. 4.6. 代位弁済のデメリット⑥保証人や連帯保証人への督促
    7. 4.7. 代位弁済のデメリット⑦返済苦に悩まされてしまう
  5. 5. 代位弁済が行われるときの対処法をわかりやすく7つ紹介
    1. 5.1. 代位弁済への対処法①借金を約束通り弁済する
    2. 5.2. 代位弁済への対処法②債権者に返済の相談や交渉をする
    3. 5.3. 代位弁済への対処法③親族にお金を借りて返済する
    4. 5.4. 代位弁済への対処法④競売される前に任意売却を検討する
    5. 5.5. 代位弁済への対処法⑤弁護士や司法書士に相談して任意整理する
    6. 5.6. 代位弁済への対処法⑥個人再生による巻き戻しを利用する
    7. 5.7. 代位弁済への対処法⑦弁護士などの専門家に相談する
  6. 6. まとめ

代位弁済の意味とは?

代位弁済とは、債務者に代わって第三者が返済することです。難しそうな言葉ですが、漢字の意味を見て行けば非常に分かりやすいのではないでしょうか。「代位(位を代わる)」「弁済(返済する)」です。

ローンなどを借りたとします。住宅ローンでも、カードローンでも構いません。住宅ローンやカードローンは、借りた人がお金を返すのが基本です。しかし、何らかの理由で返済できない事案が発生することがあります。踏み倒しや返済無視をする可能性だってあるはずです。

債務者が返さないときに、債務者に代わって返済する。これが代位弁済になります。難しそうな言葉ですが、漢字を分解していけばわかりやすいはずです。

代位弁済の「第三者」は誰?

代位弁済は第三者が代わって借金を返すことです。債務者以外がローンなどの返済を行うからこそ、手続きの流れの中に「第三者」が登場します。この第三者とは、誰のことなのでしょう。

第三者の代表例は保証会社です。住宅ローンを契約するとき、保証人を立てて欲しいと言われます。しかし、親族や友人に「借金の保証人になってくれ」とは、なかなかお願いできません。言い難いことももちろん、借金のために親族関係や友人関係に亀裂が生じる恐れもあります。

そこで登場するのが保証会社です。

保証会社は、保証料(手数料)をもらって、保証人代わりをしてくれる会社になります。保証人とは、債務者が返済しないときに、代わって借金を返済する担保のような存在です。親族や友人にお願いしにくいからこそ、保証を専門にしている会社にやってもらうのです。保証会社を使っても「保証人を立ててください」と言われることもありますが、最初からすべて友人や家族にお願いするより、精神的に楽でしょう。

保証会社が登場したことで、住宅ローンなどを結ぶときの心理的負担が緩和されたと言われます。住宅ローンやカードローンなどでは、保証が必要なときは保証会社にお願いすることが、よく行われているのが現状です。

住宅ローンやカードローンでお金を借りた場合、基本的に債務者本人が返済しなければいけません。しかし、返済しない場合や、返済できないケースもあります。保証会社は債務者が返済しないという事態が発生すると「第三者」として登場し、債務者の位に代わって弁済するという流れです。

どのようなときに第三者が代位弁済を行うのか

代位弁済が行われるのは、主に債務者が返済できないケースや、返済しないケースです。わかりやすく言うと、滞納や未払いが発生しているケースになります。

借りたお金を返す責任のある本人(債務者)が返せない。だから、第三者(保証会社など)が代わって返済するわけです。第三者が返済するのは、あくまで滞納や未払いが発生したとき。ローンを借りても順調に返済できている(約束を守れている)ときは登場しません。普通に返済している段階では、あまり意識しなくても問題なしです。

ただ、未払いや滞納が発生している場合や、発生しそうなケースでは「代位弁済」という言葉を意識したいもの。保証会社などの第三者が出てきて、代位弁済が行われる可能性があるからです。

代位弁済の流れとは?

債務者の視点で見ると代位弁済は「自分以外の第三者が返済してくれるからお得!」と感じるかもしれません。返済しなければいけない借金を代わりに払ってもらえるのですから、こんなにうれしいことはないはず。債務者の懐も痛みません。まさに借り得です。しかし、本当にそうでしょうか。

代位弁済は普通に返済している段階では、発生しません。返済できるなら、第三者が代わって返済することはないでしょう。滞納や未払いが起きた段階で「仕方ないから(保証をしなければいけないから)払います」という流れになります。最初から誰かが払ってくれるわけではない。そう上手い話ではないということです。

代位弁済についてさらに話を進める前に、流れについて解説しておきましょう。代位弁済が起きたら、どのような流れで進むのでしょうか。

1.滞納や未払いが発生する
2.督促が届く
3.催告状が届く
4.期限の利益の喪失予告通知が届く
5.代位弁済が行われる
6.保証会社が債権者に代わる

代位弁済の流れには、以上の6つのステップがあります。

滞納や督促など、不穏な言葉が並んでいるので、不安を覚えることでしょう。自分がどの段階にいるのか。代位弁済までのカウントダウンがどこまで進んでいるのか。それぞれのステップには特徴的な出来事があります。出来事をチェックしてみると、どのステップにいるかがわかりやすくなるはずです。

代位弁済の流れステップ①滞納や未払いが発生する

代位弁済は普通に返済できている、要はローン契約などの約束を守れている段階では発生しないという話をしました。

借りたお金は基本的に借りた人が返済するもの。代位弁済をする第三者が登場するのは、実際に滞納や未払いなどが起きてからです。なので、代位弁済の流れとしては、第一ステップに「滞納や未払いの発生」があります。ただ、滞納や未払いが発生しても、それがごく短期の場合は、まず代位弁済は行われません。

金融機関からお金を借りていると、返済日に返済分が口座引き落としされることが基本です。税金の口座引き落としなどと運悪く重なってしまうと、返済分を準備していたつもりでも足りなかったという事案が発生しがちになります。うっかり返済分の金額を間違えて口座に入金しており、数円足りなかったなどのケースも少なくありません。

返済するつもりがあり、現に順調に返済していた。それでも、うっかりで返済が遅れてしまう可能性があります。このようなケースにまで代位弁済を行っていると、日本は代位弁済だらけになってしまうはず。保証会社も潰れてしまいます。

「ちょっとしたうっかり」や「極めて短期の滞納」でいきなり代位弁済が行われるようなことは、基本的にありません。代位弁済の対象になるのは、長期の滞納や未払いが基本です。

流れのワンポイント!滞納や未払は「信用情報に記録されるくらい」が目安

代位弁済が行われる滞納や未払いは、どのくらいの期間の滞納や未払いを指すのでしょう。「長期」と言われても、年単位を指すのか、それとも数週間程度なのかが判別できません。滞納や未払いから代位弁済になるときの目安的な期間はあるのでしょうか。

滞納や未払いが具体的にどのくらい長期に渡っていれば代位弁済が行われるか、という厳格なルールはありません。滞納や未払いが長引けば、それだけ代位弁済が行われる可能性が高まります。ローンなどを貸した金融機関が「これは返してもらえないな」と見切りをつける可能性が高くなるからです。

ひとつの目安としては、信用情報に記録されるくらいの滞納期間。信用情報とは、任意整理やクレジットカード事故、任意整理などがあった場合、金融事故として記録される個人の金融系サービス情報の集大成的な存在です。ある程度の期間の滞納などがあると、信用情報にトラブル(事故)として記録されてしまいます。

信用情報に滞納歴が記録されるのは、大よそ2、3カ月くらいが一般的な目安。金融機関的にも、信用情報的にも、2、3カ月という期間を長期滞納のひとつの目安にできるのではないでしょうか。

滞納後に督促が行われ、代位弁済リスクが高まって行く。2、3カ月経ったあたりでリスクはかなり高い状態になっており、滞納3カ月から半年で、そろそろ代位弁済という段になる。もちろん、これより早く代位弁済の流れが来る可能性もあります。

長期滞納と言われたら信用情報に記録される期間をひとつの目安にして、代位弁済のリスクがかなり高まっている状況だと把握する。長期滞納する前の段階で対処を検討したいものです。

代位弁済の流れステップ②督促が届く

滞納や未払いが発生すると、銀行や消費者金融などの借入先から督促が届きます。

銀行や消費者金融は、いきなり強固な手段で回収を進めることはまずありません。うっかり返済分の金額を間違えて、口座に少ない額を入れていた。税金などの引き落とし期日を読み難い支払いと重なってしまい、今月に限ってスムーズに返済できなかった。債務者自体はしっかり返そうと思って準備していたのに、うっかりしていた。このような事案が実際に考えられるためです。

銀行や消費者金融も、代位弁済を必ずしも進めたいわけではありません。督促などの穏便な方法で債務者が「忘れていました」「ミスしました」と対処してくれれば解決です。わざわざ面倒な手続きをしなくても良いという点で、銀行や消費者金融も助かります。

まずはていねいな文面で督促を送ってくるのが代位弁済の流れです。なお、督促については、金融機関によってかなり差があります。

督促の流れや方法は「電話」や「手紙」が基本的な方法

銀行や消費者金融のローンを返済しない。クレジットカード会社にクレジットカード利用料を支払わない。金融機関やクレジットカード会社は、滞納や未払いのときに督促を行います。督促の流れや方法は大体決まっているので、金融機関やクレジットカード会社はおおむね同じような流れと方法で督促することが多いでしょう。

金融機関やクレジットカード会社の基本的な督促方法は、「電話」や「手紙」です。「支払いをお忘れではないですか」と電話してきたり、督促状(手紙)を送ってきたりするのが、主な督促方法です。

滞納や未払いという言葉から「玄関に黒ずくめの人がくる」「玄関先にビラを貼られる」などの怖い想像をする人もいることでしょう。お金の取り立てについては厳しいルールがあるため、銀行やクレジットカード会社などはしっかりルールを守って督促しています。怖い督促をするのは、あくまで闇金などのルールを逸脱している会社です。

督促も初期の段階では、かなりていねいになっています。手紙や電話での「お忘れではないですか」というソフトなところから入るのが基本です。

銀行やクレジットカード会社の督促の頻度や期間とは

どのくらいの滞納期間で督促をするかは、銀行やクレジットカード会社によって異なります。

滞納してすぐに手紙や電話でコンタクトを取る銀行やクレジットカード会社もあれば、少し様子見する会社もあります。手紙を使うか。それとも電話かという点も、銀行やクレジットカード会社の方針によって違っています。

督促の頻度についても、銀行やクレジットカード会社によって違っているのが現状です。滞納が長引けば、その分だけ手紙や電話などで督促を受ける回数が増えるのが基本になります。

督促の頻度や多用する方法は銀行やクレジットカード会社によりけりですが、督促を行わない会社はまずありません。督促から次の流れに繋がるからです。

代位弁済の流れステップ③催告状が届く

催告状も督促の一種のようなものです。督促を無視し続けるなど「督促をしても効果がない」と思われたときに送付される、強めの督促といった位置づけになります。

督促状では「お忘れではありませんか」「払ってください」とていねいだった言葉が、催告状になると、強めになるのが特徴です。「法的な措置をとらせていただきます」「しかるべき手段をとらせていただきます」など、強制執行や訴訟、代位弁済など、今後のことをにおわせる場合もあります。

金融機関などが催告状を使う場合は、法的手段も視野に入れている可能性があります。代位弁済へのリスクもかなり高くなっている状態です。

催告状は法的な手段も視野に入れて送るため、内容証明郵便を利用することが多くなっています。

内容証明郵便とは、郵便局に「誰が、いつ、誰に、どのような内容を送ったか」が記録される郵便です。内容や送付を郵便局が証明してくれるため、「届いていない」などの言い逃れができません。内容証明郵便は法的な手続きでよく使われています。

内容証明郵便による催告状は裁判や支払督促を申し立てる流れでも使われる

内容証明郵便での催告は、クレジットカード会社や銀行などが裁判を申し立てる流れでもよく使われています。

内容証明郵便で催告をした場合、6カ月以内に裁判や支払督促などを裁判所に申し立てることによって、時効の中断効果を得られるのが特徴です。

金融機関やクレジットカード会社などが時効対策や債権回収の流れのひとつとして使う可能性があるということ。代位弁済と合わせて簡単に知っておきたいポイントです。

代位弁済の流れステップ④期限の利益の喪失予告通知が届く

督促や催告を無視していると、ローンなどの借入先から「期限の利益」の喪失予告通知が届きます。

期限の利益とは、借りたローンなどを分割払いできる権利のことです。「分割払いを許していたけど、払ってくれないから、分割払いできないようにします」という予告通知になります。

分割払いができなくなると、基本的に一括で請求され、一括で支払うことになります。借入分を一括で支払う資金的な余裕を持っている人は少ないことでしょう。債務者にとっては、とても怖い予告だと言えます。

期限の利益の喪失予告通知には「返済分と遅延損害金を期日まで払ってください」「払っていただけないと、分割払いの利益を失います」といった内容が記載されているのが特徴です。

期限の利益の喪失予告通知が届く目安は、滞納から数カ月~半年ほどになっています。この頃になると、信用情報もブラックリスト状態になっていることでしょう。

予告通知の後に期限の利益喪失通知が届く

「期限の利益を喪失します(分割払いできなくなります)」という予告通知を放置していると、その後に期限の利益喪失通知が届くのが基本の流れです。期限の利益喪失予告ではなく、実際に期限の利益を喪失したという通知になります。

期限の利益は分割払いできる権利。権利喪失により、今まで当たり前のようにできていた分割返済ができなくなります。分割払いができないと、一括で支払わなければいけません。期限の利益喪失通知には「期限の利益を失ったので、残りを一括で返してください」といった内容が書かれています。

期限の利益喪失が来ると、代位弁済は秒読みの流れと言えるでしょう。

代位弁済の流れステップ⑤代位弁済が行われる

期限の利益を喪失により残金一括請求されると、まず債務者は払うことができません。保証会社などが債務者に代わって支払う(肩代わりする)かたちで代位弁済が行われます。金融機関などが代位弁済によって、保証会社などの第三者などからお金を受け取るということです。滞納や督促、期限の利益の喪失など、いくつかの流れを経て代位弁済に至ります。

代位弁済の流れステップ⑥保証会社が債権者に代わる

仮に代位弁済が発生したとします。債務者は「保証会社(第三者)が払ってくれて良かった」では済みません。保証会社は、当然ですが、払わなかった債務者に「肩代わりして払った分を返して」と言ってきます。

代位弁済とは「債務者の位に代わって第三者が弁済する」ことですが、「債務者に代わって弁済した第三者が債権者に成り代わる」という意味にも解釈できます。

保証会社などの第三者から債務者が肩代わり分の回収を受けるため、債務者がお金を返す(債務返済の流れ)は同じになります。返す相手が銀行やクレジットカード会社などから保証会社に代わったと思ってください。

代位弁済のわかりやすいデメリットは7つ

お話したように、代位弁済が行われても、最終的に債務者が返すという本来の流れは変わりません。返せなければデメリットがあり、強制的に回収される恐れがあるという本来の流れも変わらないことに。

代位弁済には怖いデメリットがあります。知っておきたいデメリットは7つです。

  • クレジットカードなどが使えない
  • クレジットカードやローンの申し込みで審査落ちする
  • 任意整理や個人再生のように信用情報に傷がつく
  • 遅延損害金が発生する
  • 差し押さえや競売のリスクが高い
  • 保証人や連帯保証人への督促
  • 返済苦に悩まされてしまう

代位弁済のデメリットを順番に見て行きましょう。

代位弁済のデメリット①クレジットカードなどが使えない

代位弁済が行われると、クレジットカードなどの金融系サービスが高確率で使えなくなるデメリットがあります。

代位弁済まで行くということは、資金の余力や返済する財産が危ういということ。金融系サービスの代表格であるローンやクレジットカードでは、致命的です。

クレジットカードはお金の借入サービスではないため、代位弁済とはあまり関係ないと勘違いされがちです。実は、3つの点でかなり関係があります。

クレジットカードの利用料は後払い。クレジットカードを使った分は、後からまとめて口座引き落としになります。お金自体を融資していませんが、後で払ってもらう、つまり貸しです。代位弁済が発生するような状況ではクレジットカード会社もリスクを覚えることでしょう。

信用情報やキャッシングという点でクレジットカードが関係してきます。キャッシングはクレジットカードでお金を借りる方法です。クレジットカードはキャッシュレス決済だけの道具というわけではありません。クレジットカード会社も信用情報への記録や信用情報の参照を行っているため、代位弁済が発生するような事態になると「サービスの継続は難しいだろう」と判断する可能性が高くなります。

クレジットカードやローンなどの金融系サービスを利用し続けることが極めて難しくなるのが代位弁済のデメリットです。普段からクレジットカード決済を多用している人や、冠婚葬祭や教育費でよくローンを利用する人。税金や家賃などをクレジットカード決済にしている人は、デメリットをよく考える必要があります。

代位弁済のデメリット②クレジットカードやローンの申し込みで審査落ちする

代位弁済をすると、任意整理や個人再生などのように、信用情報に記録されます。任意整理や個人再生のように信用情報に記録された結果、クレジットカードやローンの利用が極めて難しくなるのがデメリットです。

任意整理や個人再生、滞納、代位弁済などが信用情報に記録されていても、ローンやクレジットカード自体の申し込みは可能になっています。

ただ、ローンやクレジットカードは審査パスしないと使うことができません。代位弁済が信用情報から確認できると、任意整理や個人再生が記録されているケースと基本的に同じで、審査パスは極めて難しいと言えます。信用情報の影響で審査パス自体が難しいため、クレジットカードやローンの申し込みをしてもお断りが基本の流れです。

金融系サービスでの扱いが極めてシビアになることは、デメリットとして知っておきたいもの。金融系サービスが使えないということは、金策がひとつ封じられるという生活におけるデメリットにもなります。

代位弁済のデメリット③任意整理や個人再生のように信用情報に傷がつく

任意整理や個人再生、滞納などがあると信用情報に傷がつくという話を耳にしたことはありませんか。

信用情報はお金に関するサービスや契約の履歴であると同時に、事故記録としての役割も持っています。債務整理や個人再生、滞納などは「お金の事故」として信用情報に記録されることに。そして、信用情報機関に加盟している会社などが、ひと目で「任意整理や個人再生をしたのか」とわかってしまうことになります。

代位弁済も同じです。代位弁済や任意整理、個人再生などで信用情報に傷がつくことを「ブラックリスト化」といいます。代位弁済や任意整理、個人再生などで信用情報がブラックリスト化すると、抹消期間が経過するまで信用情報ブラックリストとして過ごさなければいけないデメリットがあります。

代位弁済は、任意整理や個人再生のように信用情報に記録され、任意整理や個人再生などの信用情報記録のように、金融機関などがサービス提供時に参照する。これが基本の流れであり、デメリットです。

信用情報がブラックリスト状態だと、友人や親族の保証人になろうとしても断られる可能性があります。保証人になることが難しくなるという点もデメリットです。

代位弁済のデメリット④遅延損害金が発生する

代位弁済は支払いに少し遅れただけでは行われません。数カ月くらいの滞納や未払いが発生した末に代位弁済に発展するのが基本の流れです。代位弁済が行われる時点で、すでに払うべきお金は払われていないのですから、当然ですが「遅延損害金」が発生します。

遅延損害金とは、約束を守らなかった(支払を遅延した)ことによって加算される賠償金です。遅延賠償や遅延利息、延滞利息などとも呼ばれます。支払いが遅れたことや延滞したことのペナルティ的なものだと考えれば分かりやすいのではないでしょうか。

代位弁済が行われるころになると、遅れた分の遅延損害金も発生しています。遅延損害金が発生することにより、返済額が膨れ上がるのがデメリットです。代位弁済後に滞納や督促無視を続けると、さらに遅延損害金が膨れ上がるという点で恐ろしいデメリットになります。

代位弁済のデメリット⑤差し押さえや競売のリスクが高い

代位弁済による差し押さえや競売のリスクも、考えておきたいデメリットです。

代位弁済が行われる時点で、一括請求も行われていることでしょう。一括請求に応じる資力がないからこそ、代位弁済に発展したと言えます。

代位弁済後も、借金の返済の流れは変わりません。ただ応じることは難しいと保証会社側も理解しています。保証会社は差し押さえや競売といった強制的な債務回収の流れに入るのが基本です。一括請求や代位弁済になっている時点で、差し押さえや強制執行といった債務者にとって恐ろしいデメリットが着々と準備進行しています。

代位弁済のデメリット⑥保証人や連帯保証人への督促

代位弁済でデメリットを受けるのは、債務者本人だけではありません。借入の保証人や連帯保証人になっている親族や友人などもデメリットを受けます。

保証人や連帯保証人は、債務者の借金を担保する人間です。債務者が払えないときや滞納したときは、保証人や連帯保証人が督促される可能性が高くなります。特に連帯保証人は保証人より責任が重いため、それだけデメリットも大きくなります。

代位弁済は債務者だけの問題ではありません。保証人や連帯保証人の問題にもなることも、知っておきたいものです。

代位弁済のデメリット⑦返済苦に悩まされてしまう

代位弁済までの流れでも、「弁護士に相談した方がいいか」「滞納している。どうしよう」といった悩みがあるはずです。

代位弁済によって保証会社などの第三者が支払い、借金が片付くと思うかもしれません。すでにお話した通り、次は保証会社などの代位弁済した第三者から支払いを求められることになります。返済苦は代位弁済前から続き、代位弁済された後も続くのがデメリットです。この返済苦の悩みや不安感は、平穏に生活する上での大きなデメリットになることでしょう。

代位弁済前または代位弁済後など、どこかの時点で任意整理や個人再生などの流れで対処しないとデメリットは続きます。

代位弁済が行われるときの対処法をわかりやすく7つ紹介

代位弁済が行われそうだ。代位弁済まで秒読み段階になっている。代位弁済されてしまった。実際に代位弁済のリスクがある場合や、代位弁済が行われてしまった場合、どのように対処したらいいのでしょう。

代位弁済への対処法は7つあります。

代位弁済への対処法①借金を約束通り弁済する

最も簡単な解決方法です。任意整理や個人再生をすべきか等と悩む必要はありません。借りた分を返済して終了です。任意整理や個人再生などでの解決の流れと比較すると、シンプルで非常にわかりやすいのではないでしょうか。

お金を貸した金融機関も、返済してもらえるなら、無理に代位弁済を進めることはありません。保証会社だって、代位弁済という保証すべき事態が発生しないに越したことはないはずです。任意整理や個人再生などの手続きを悩むより、約束通り返済できないか、自身の金銭状況を見直ししてみましょう。

住宅ローンなどは返済額が高額になっていることが多いのですが、その他のローンは預金などを利用すれば返済できるケースもあるのではないでしょうか。

返済に苦しくなっている段階で、約束通りの返済が可能かどうかや、返済計画などを再考しておきましょう。実行可能なら、返済によって代位弁済のリスクを消しておくことをおすすめします。

代位弁済への対処法②債権者に返済の相談や交渉をする

返済に苦しんでいるときは、任意整理や個人再生などを検討することも重要ですが、もっと先にしておきたいことがあります。債務者以外の当事者、つまりお金の貸し手(債権者)に相談してみることです。

返済が苦しいことを債権者に打ち明けると、トラブルになるだろうと想像する債務者がいます。確かに相談するタイミングによっては、トラブルになることでしょう。お金をまったく返せず代位弁済という段階になって「返済に困っています」と相談されても、債権者側の怒りに油を注ぐだけです。もっと早く相談して欲しかったと思うことでしょう。

返済が苦しい等、ごく初期の段階で金融機関などの債権者に相談すれば、代位弁済に至らずに済む可能性があります。ローンの返済期間や支払額の見直しをしてもらえる可能性があるからです。

ごく早い段階で解決したいなら、金融機関などの債権者に相談することも対処法として考えてみましょう。

代位弁済への対処法③親族にお金を借りて返済する

代位弁済に発展しそうな借金がひとつだけという場合や、借金が数個あっても合計額が小さめという場合は、親族などにお金を借りて返済することも可能です。親族などが金融機関と話して弁済となると話がややこしくなるため、債務者本人が親族などの親しい人にお金を借りて返済するという流れが基本になります。

親族がお金を貸すことを承諾した場合、利息不要で貸してくれるケースも多いことでしょう。たとえば両親に10万円借りるとして、利息という話になるでしょうか。親しい間柄の場合は、利息不要で満額を返せばいいというケースがほとんどのはずです。

借金額が小さい場合や、借金数契約の総額が小さい場合、両親や親族などに借入をお願いできるのであれば、お金を借りて対処することもひとつの方法です。親族などが貸してくれる可能性が高いなら、任意整理や個人再生より先に検討するのも良いかもしれません。

代位弁済への対処法④競売される前に任意売却を検討する

住宅ローンの代位弁済の対処法として有効な方法が任意売却です。

任意売却とは、住宅ローンなどが残っている不動産を「任意で売却する方法」になります。任意で売却し、売却金で住宅ローンなどの借入金を清算するという流れです。普通の不動産売却では、基本的に住宅ローンの残っている不動産は売却できません。だからこそ、住宅ローンで困っているときに使える任意売却を活用します。

住宅ローンの場合は最終的に競売が実施されることも少なくありません。競売は強制的に換金し、売却金から貸したお金を回収する方法です。手続きは裁判所が厳格に管理します。競売は通常の不動産売却よりも売却相場が低く、裁判所が介入するために任意で売却を進められないというデメリットも。

任意売却は競売より売却相場が高く、手続きも任意で進められます。強制的に回収される前に、自主的に清算のために動く。任意売却も、代位弁済への対処法のひとつになります。

リースバックを選択すれば自宅に住み続けることもできる

借金への対処法には、リースバックという方法もあります。

リースバックとは、自宅を売却してもそのまま済み続けられる方法です。

たとえば、リースバックで親族に自宅を売却し、借金を清算するための資金を捻出したとします。普通の不動産売却では、自宅を売却すると出て行かなければいけません。リースバックの場合は、自宅の買主から自宅を賃貸するかたちで住み続けることが可能です。

自宅を売却し、賃料を払って住み続けるのがリースバックという方法になります。

任意売却を対処法として使うときの注意点やデメリット

任意売却を使うときは、オーバーローンに注意する必要があります。

任意売却のオーバーローンとは、任意売却しても住宅ローンが残ってしまう状態のこと。残債が僅かなら、こつこつ返済することもできるでしょう。しかし、任意売却をしても多額の残債が出てしまうのは困りもの。今後の生活が破綻しかねません。

任意売却で借金を清算しても、生活が続くことを考える必要があります。

新しい住居代に生活費など、生活するためにはお金が必要です。任意売却やリースバックでは、今後の生活も考えて計画を立てることが重要になります。

借金の状況によっては、弁護士や司法書士に相談して任意整理や個人再生を検討してもいいかもしれません。「任意売却を検討している」と弁護士などに相談することも方法のひとつです。

代位弁済への対処法⑤弁護士や司法書士に相談して任意整理する

代位弁済の原因になる借金の解決方法として、債務整理があります。

債務整理とは、弁護士や司法書士などの法律の専門家にサポートしてもらい、借入を整理する方法です。ひとまとめに債務整理と呼ばれますが、自己破産や任意整理、個人再生などの方法にわかれます。

自己破産は裁判所で手続きし、債務の免責を受ける方法です。個人再生も裁判所手続きですが、自己破産とは異なる手続きになります。個人再生は計画を立てて、減額を受けた借金を少しずつ返済する方法です。

任意整理は裁判所を使いません。任意整理は弁護士や司法書士が借金関係を整理し、借金の引き直し計算を行います。弁護士などが債権者と交渉し、返済しやすい金額で分割払いなどを行う手続きです。債務整理の中でも任意整理はややソフトな手続きで、個人再生がもう少し強い手続き。自己破産が債務整理の中で最も強力な手続きという位置づけでしょうか。

代位弁済まで秒読み段階の債務者は、他にもたくさんの返済を抱えていることが少なくありません。代位弁済の対象になっている借金だけを片付ければ解決するという状況ではないわけです。

たくさんの返済や借金を抱えて困っているときは、任意整理や個人再生などの方法で借金をまとめて解決する方法を模索してはいかがでしょう。

債務整理には任意整理や個人再生などいくつかの方法があるため、適切な方法を選択することが重要です。弁護士や司法書士に相談して、どの方法が現状の解決に合っているかアドバイスを求めるところからはじめましょう。

代位弁済への対処法⑥個人再生による巻き戻しを利用する

債務整理の中の個人再生では、一定条件のもと住宅ローンの巻き戻しが可能です。

住宅ローンの巻き戻しとは、言葉通り、代位弁済が行われる前の状態に住宅ローンを巻き戻すことを言います。家が競売されそうなときに、競売を止めることも可能です。債務が巻き戻ることにより、保証会社から銀行などの金融機関に戻ります。債務が銀行などの金融機関に戻ることで今までのように支払うことができ、家にも住み続けることが可能です。

個人再生の巻き戻しを利用するための条件とは

住宅ローンの巻き戻しをするためには、住宅特別条項の制度を利用しつつ個人再生をすることになります。個人再生さえすれば自動的に巻き戻るのではなく、住宅特別条項記載の条件を守る必要がある点に注意が必要です。

巻き戻しのための主な条件は以下のようになっています。

  • 代位弁済から半年以内に申し立てを行う
  • 住宅が自分の名義である
  • 裁判所から個人再生の認可をもらう
  • 個人再生の計画を守れ、住宅ローンの返済が可能な状態である

個人再生や個人再生の住宅ローン巻き戻しは複雑です。弁護士などに条件を満たしているか確認してもらいながら、ミスなく進めることをおすすめします。

代位弁済への対処法⑦弁護士などの専門家に相談する

弁護士や司法書士に早い段階で相談することも、ひとつの対処法です。

弁護士や司法書士などの法律の専門家は、トラブルが起きてから相談する専門家という印象があるかもしれません。金融サービスでは、返せなくなってから相談する。代位弁済や強制執行、差し押さえなどで現実的に困っているときに相談するという印象があるのではないでしょうか。

弁護士や司法書士にはどの段階で相談しても差し支えありません。住宅ローンなどの返済が苦しい時点で相談しても大丈夫です。任意整理や個人再生を行う必要はないと思っている段階で相談しても、もちろん問題ありません。

任意整理や個人再生を行うまでもない場合でも、弁護士や司法書士に相談すれば、今後のリスクについての対処法を教えてくれます。医師が病気を未然に防ぐ方法を教えてくれるのと同じです。

現に返済で困っている場合は、すぐに任意整理や個人再生の手続きに入ることも可能になっています。ローンも含めて借金の返済に困ったら、弁護士や司法書士へと相談して、段階に合った方法で対処しましょう。

まとめ

代位弁済とは、第三者が代わって返済することを言います。第三者とは、保証会社などです。

代位弁済は第三者が払ってくれるという点でメリットがあるのではと勘違いしがちなシステムになります。保証会社などが代位弁済した後は、保証会社へ返済しなければいけません。返済義務もなくならず、デメリットもあるのが代位弁済です。

代位弁済への対処法は7つ。借金や返済に苦しんでいる場合は、任意整理や個人再生などで対処できる可能性があります。弁護士や司法書士に相談し、状況に合った方法で対処しましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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