債務整理

債務整理をしたとき生命保険はどうなる?解約しないための方法は?

「債務整理をする予定だけど、生命保険は解約しなければいけない?」債務整理をするときに生命保険の取り扱いについて気になる人も、多いのではないでしょうか。日本人の生命保険加入率は8割以上と言われるので、債務整理時にも生命保険は気にしなければなりません。こちらの記事では、債務整理と生命保険の関係について徹底解説!これから債務整理をする人の中で、生命保険に加入している人は、債務整理と生命保険の関係についてしっかり把握しておきましょう。

目次

債務整理をすると保険は解約しなければいけない?

「債務整理をするときには、保険は解約しなければいけないのですか?」
この質問に対して結論から回答すると、債務整理の方法によって異なります。債務整理の方法には任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4つの方法があります。 そのうち任意整理もしくは特定調停の手続きをする場合は、生命保険は解約しなくても大丈夫です。任意整理もしくは特定調停の手続きをしたとしても生命保険は関係ないので、任意整理もしくは特定調停が成立した後でも、生命保険はそのまま契約が残ります。

一方個人再生もしくは自己破産の場合、生命保険は解約しなければなりませんが、解約しなくてもいい方法は残されています。個人再生もしくは自己破産の場合、何もしないと生命保険は解約しなければなりません。しかし生命保険は死後家族のために、お金を残すとても大切な契約です。そのため個人再生もしくは自己破産をしたとしても、生命保険の解約をしなくてもいい手続き方法が決められています。そのため個人再生もしくは自己破産をする人で、生命保険を解約したくない人は、しっかりと手続きをしていきましょう。

任意整理・特定調停の場合生命保険は解約しなくてもいい

任意整理もしくは特定調停で債務整理をする場合、生命保険を解約することはありません。任意整理と特定調停は金融機関に直接交渉するか裁判所を介するかの違いはありますが、いずれも金融機関に借金の減額を求める行為です。金融機関に交渉することによって、利息の支払いをカットしたり、月々の支払額を減額したりして、借金の完済を目指します。つまり任意整理と特定調停で対象になるのは、消費者金融や銀行カードローンやクレジットカードなど、債務や負債のみ。

生命保険は積み立てていく金融商品なので、交渉の対象になりません。そのため任意整理もしくは特定調停を選んだ場合、生命保険は解約しなくても大丈夫です。ただし借金の返済でお金がなくなってしまったからと言って、保険料の支払いができなくなってしまったら、生命保険は解約になってしまいます。保険料の滞納は債務とは見なされないので、生命保険を契約し続けたいのであれば、保険料の支払いはきちんとしておきましょう。

個人再生・自己破産の場合生命保険は財産と見なされる

個人再生もしくは自己破産を債務整理の手段として選択した場合、生命保険は財産とみなされます。生命保険には掛け捨て型と積み立て型がありますが、財産とみなされるのは積み立て型の生命保険です。掛け捨て型の生命保険に加入している場合、個人再生もしくは自己破産の手続きをしても解約対象にはなりません。

積み立て型の生命保険は毎年保険料を積み立てていき、満期になると保険料が受け取れます。満期になる前に解約したとしても、それまで積み立てた金額に対して、解約返戻金が受け取れます。つまり積み立て型の生命保険は、貯金をしているのと同じとみなされるということです。

個人再生の場合財産の処分義務はありませんが、財産がある場合最低限その分は返済しなければなりません。また自己破産の場合は財産の処分義務があるので、解約返戻金がある場合生命保険を解約して、財産を分配するように求められます。しかし個人再生もしくは自己破産をする場合でも、適切な手続きをすることで生命保険の解約を回避できます。

生命保険は保険会社がお金を運用している商品なので、満期になるまでの解約返戻金はうまみが少ないことが多いです。そのため債務整理をしたとしても、生命保険は残したいという人は多いです。そうした人のために生命保険を残す方法は存在しているので、生命保険を残したい人は確実に手続きをしましょう。

個人再生や自己破産時に生命保険を解約しないための方法

先ほど紹介したように個人再生もしくは自己破産をした場合、生命保険は解約しなければなりません。しかし生命保険を解約しないための手段があり、その手段は全部で4つあります。

  • 自由財産の拡張を認めてもらう
  • 契約者貸付制度を利用する
  • 保険法の介入権を利用する
  • 解約返戻金相当額を破産財団に組入れる

いずれかの手続きをおこなえば、個人再生もしくは自己破産をしたとしても生命保険の契約は残ります。生命保険を解約したくない人は、いずれかの方法を選択して手続きをおこないましょう。

自由財産の拡張を認めてもらう

生命保険を解約しないための方法1つ目は、自由財産の拡張を認めてもらうことです。この方法が生命保険を解約しないためにはもっとも一般的な方法でお金もかからないので、生命保険を解約したくない人はこの方法を選択することが多いです。自己破産をするときには、財産を没収され債権者に対して分配しなければなりません。しかしすべての財産を処分しなければならないとなれば、その後の生活が苦しくなってしまいます。そのため自己破産をするときには、自由財産の拡張というものが認められています。

自由財産の拡張の対象になるのは99万円以下の現金など、今後最低限の生活をするための財産です。本来生命保険は自由財産の拡張対象ではありませんが、通例として解約返戻金が20万円以下の場合は、自由財産として認められる可能性が高いです。また解約返戻金が20万円を超える場合でも、裁判所の判断で自由財産の拡張対象になることがあります。そのためまずは裁判所に生命保険が、自由財産の拡張対象になるかどうか聞いてみましょう。

弁護士がついている場合は、生命保険があることを伝えると自由財産の拡張手続きにも対応してくれます。 自由財産の拡張対象になれば生命保険の契約はそのままなので、おすすめの対応方法ですよ。

契約者貸付制度を利用する

生命保険を解約しないための方法2つ目は、契約者貸付制度を利用することです。契約者貸付制度とは生命保険の解約返戻金の一部を、契約者に貸し付ける制度のことです。保険会社によって割合は異なりますが、解約返戻金のうちの多くを融資できます。融資されたお金が返済できなければ、生命保険が解約されてしまうという制度ですね。

先ほど紹介したように生命保険は解約返戻金が20万円以下であれば、自由財産の拡張対象になる可能性が高いです。契約者貸付制度を利用すれば解約返戻金が少なくなるので、契約者貸付制度を利用したうえで、自由財産の拡張を求めるという方法です。ただし自己破産をすることがわかっているうえで、契約者貸付制度を利用すると自己破産が認められない可能性があります。

つまり借金を意図的に増やしたとみなされれば、自己破産は認められないということですね。そのためこの方法を利用するときは、専門家に相談したうえで実行したほうがいいでしょう。

保険法の介入権制度を利用する

生命保険を解約しないための方法3つ目は、保険法の介入権制度を利用する方法です。生命保険は商品の見直しなどがおこなわれるため、場合によっては再加入できない商品が存在しています。そうした生命保険商品の契約を維持するために生まれた制度が、介入権制度です。

介入権制度とは保険金の受取人が保険契約者との同意の上で、解約返戻金と同等の額を支払うことで、保険解約を阻止する制度。つまり解約返戻金が30万円であれば、30万円を保険会社に支払えば個人再生もしくは自己破産をしても保険を解約しなくても大丈夫です。ただし保険受取人であっても介入権を利用できるのは、保険契約者及び被保険者の親族もしくは被保険者本人のみです。

保険金の受取人は親族でなくてもなれますが、介入権を行使できるのは親族のみです。保険法の介入権制度を利用する場合、保険会社に問い合わせをしてみましょう。問い合わせをして個人再生もしくは自己破産するので介入権行使したい旨を伝えると、保険会社が手続きを進めてくれますよ。

解約返戻金相当額を破産財団に組入れる

生命保険を解約しないための方法4つ目は、解約返戻金相当額を破産財団に組入れることです。自己破産をするときには保険を解約しなければなりませんが、これは破産管財人によって破産財団に組み込まれます。それを避けるため破産管財人に交渉して、解約返戻金に相当する金額を支払って、生命保険をそのまま継続させる方法があります。

ただし破産管財人が選出されるのは、自己破産の中でも管財事件のみ。そのためあまり使われる方法ではありません。解約返戻金相当額を支払うのであれば、先ほど紹介した保険法の介入権を行使するほうが一般的です。

債務整理後に生命保険は加入できる?

ここまで債務整理をするときに、生命保険を維持できるかどうかを解説してきました。それでは債務整理が終わった後は、生命保険に加入できるのでしょうか。 結論から言うと債務整理が終わった後は、自由に生命保険に加入できます。また生命保険の審査では債務整理をしたかどうかは関係ありません。

そもそも生命保険はお金の貸し借りをするのではなく、お金を積み立てるタイプの金融商品です。カードローンやクレジットカード契約時には信用情報を確認しますが、生命保険加入時には信用情報は確認されません。そのため債務整理の手続きが完了あと生命保険加入したいのであれば、問題なく加入できますよ。

大手生命保険会社は信用情報機関に加盟しているが審査には無関係

ちなみに大手生命保険会社は、信用情報機関に加盟しています。しかしそれは生命保険の審査をするためではありません。

保険会社の中にはローンやクレジットカードなど金融商品を扱っている会社があり、その審査のために信用情報機関に加入しています。生命保険の審査では信用情報がブラックかどうかは、まったく関係がありません。

生命保険の審査対象になるのは

  • 病気や怪我の有無や経歴
  • お酒やタバコを常用しているか
  • 身体に危険が及ぶリスクが高い職業かどうか
  • 契約者や受取人が反社会的勢力に該当していないか

といった内容です。
もし債務整理の手続き後保険の審査に落ちてしまったのであれば、それは健康状態や年齢が理由です。生命保険会社はアドバイザーがいますので、生命保険の審査に通るための対策は、アドバイザーに相談してみましょう。

保険料を滞納してしまうと生命保険は解約されてしまう

ただし生命保険に加入していても、保険料を滞納してしまうと生命保険は解約されてしまいます。支払期日に数日遅れたからといって、すぐに解約されるといったことはありません。 保険料の支払いが遅れた場合、担当者からの電話やはがきで保険料の支払いを求められます。その連絡で支払いをすれば、生命保険が解約されることはありません。

しかしそのまま数カ月放置しておくと、生命保険は強制的に解約になってしまいます。保険料を滞納したからといって信用情報には関係ないですが、生命保険が強制解約になってしまうので、支払いは期日通りおこないましょう。

債務整理をするときは生命保険の扱いに注意しよう

ここまで債務整理と生命保険の関係について解説をしました。債務整理の方法によって生命保険の取り扱いは異なり、個人再生もしくは自己破産をするときには注意が必要です。

個人再生もしくは自己破産をする場合でもいくつかの手続き方法で生命保険は維持できますが、手続きをしないと生命保険は解約されて解約返戻金も戻ってきません。そのため個人再生もしくは自己破産をする人は、生命保険に関する手続きを確実におこないましょう。

弁護士に依頼する場合は、財産を記載するときに生命保険があると言えば、生命保険を残すための手段を講じてくれます。破産管財人とのやりとりでも生命保険について触れてくれるので、手続きが心配であれば、弁護士に相談してみましょう。せっかく積み立てた生命保険を解約してしまっては、もったいないですよ。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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