債務整理

家族が借金できないようにする方法はある?方法の注意点や相談窓口は?

家族の借金で困っている。家族が借金をできないようにしたい。

自分の金銭問題ではなく、家族や親族のお金の問題に振り回されてしまうことがあります。自分の借金問題ではなく、家族の借金問題。だからこそ一層悩んでしまうのではないでしょうか。

家族の借金問題で悩んでいる場合、どこに相談したらいいのでしょう。家族がお金を借りられないようにする方法はあるのでしょうか。

家族の借金で悩んでいる人が知っておきたい「家族が借りられなくする方法」「方法ごとの注意点や相談窓口」について詳しく解説します。

目次

家族の借金の相談「家族が今後借金をできなくする方法」はある?

日本ではお金の貸し借りは自由にできることになっています。「貸して欲しい」という人がいて「貸しますよ」という人がいる。法律に則っていれば、自由なお金の貸し借りが可能です。

世の中にはカードローンやキャッシング、フリーローンなど、いろいろなお金を貸してくれるサービスがあります。融資サービスを利用することも、もちろん自由です。お金を貸してくれるサービスは、急な冠婚葬祭などで資金が必要なときに、自分や家族の強い味方になってくれることでしょう。

しかし、家計の強い味方になってくれるのは「計画的に借りた場合」です。

家族がとにかくお金を借りてしまう。家族に借金癖がある。家族がお金を計画的に借りないタイプだと、家族は返済などの対応に追われることになります。

家族の借金に困っているケースでは、「そもそも家族が借りられないようにできればいいのでは」と考えるはずです。家族が借金できないように手続きなどで止めることは可能なのでしょうか?

家族が借金できないようにする方法は4つあります。方法ごとに注意点や相談窓口がありますので、順番に見て行きましょう。

方法①家族が借金に使うカードなどを破棄する

家族が物理的に借金できなくする方法です。

カードローンやキャッシングなどでお金を借りるときは、専用のカードやクレジットカードが必要になることが少なくありません。借金するために道具を破棄すれば、借金ができなくなります。物理的に破棄することで、家族本人が借金できなくするのです。

家族が借金に使う道具を処分する方法の注意点

たとえ家族でも、私物を勝手に処分することは許されません。民事責任や刑事責任を問われる可能性があります。ローンカードなどは破棄しても基本的に再発行できる点にも注意が必要です。

家族が借金に使うローンカードなどを処分する場合、家族の協力や承諾が得られたことが前提になります。家族本人が借金癖に悩んでいる場合は、方法のひとつとして検討してもいいかもしれません。

家族本人が借金に使う道具を処分するときは、個人情報にも注意が必要です。カード類は情報の山。処分するときはハサミやシュレッダーを用いるなど、他者の目に情報が触れないよう注意しましょう。

なお、すでに作ってしまった借金は、カードなどを処分しても残ります。カード類を処分しても口座への直接入金や親族から借りるなどの方法で借金が可能です。カード類は再発行も可能なので、根本的な解決にならない可能性が高いと言えます。

方法②カードローンなどの借金サービスを解約する

融資を受けるサービスは基本的に借金に先立って契約が必要です。サービスに申し込み、審査が行われ、審査パスを経てサービスに沿った融資が行われるという流れです。契約が前提になっているため、契約自体を解約すれば、借りることはできません。家族本人が契約したお金を借りる系のサービスを残らず解約することにより、家族が借金できなくなります。

お金を借りるサービスを解約するときの注意点

カードローンなどを解約することで家族の借金に対処するときは、3つのポイントに注意することが重要です。

解約し忘れのサービスを残さないことが、注意点の1つ目。解約を忘れたサービスがあると、お金を借りることができてしまいます。家族の融資サービスを確認して、徹底的に解約しましょう。解約手続きについては、サービス提供先の銀行や消費者金融の窓口に相談すれば教えてくれます。

注意点の2つ目は、解約者。

お金を借りることのできるサービスは、本人が契約して本人が借りることが基本です。解約も基本的に家族本人になります。家族本人を説得し、解約してもらいましょう。家族本人がサービスを解約する場に立ち会うことは差し支えありません。家族の解約の場に立ち会って、しっかりと解約状況を把握することが重要です。

注意点の3つ目は、解約しても再び契約できるという点になります。

解約しても再契約して借金する可能性があるため、注意が必要です。金融機関などから借りず家族が知人や親族から借りるケースもあります。これについても注意が必要になります。

そもそも再契約が可能な時点で、方法①と同じく根本的な解決には至りません。すでに作った家族の借金も消えないため、今後の返済という点でも不安要素が残ります。

方法③貸付自粛制度を利用する

貸付自粛制度とは「お金を貸す側(貸金業者)側にお金を貸すことを自粛するよう要請する制度」になります。

家族が貸金業者にお金を貸して欲しいとお願いしても、貸す側が承諾しなければ借金できません。貸す側に対して「貸さないでくれ」「本人が来てお願いしてもお金を渡さないでくれ」とコメントしておけば、そのコメントを見たお金を貸す側が「貸してはダメなのか。なるほど」と了解して、お金を貸すことがなくなります。貸す側が貸してくれないわけですから、家族は借金しようにもできなくなってしまうのです。

家族が借金を作って困る。家族本人も自分の借金癖に悩んでいる。ギャンブル癖があり、どんどん借りてしまう。このようなケースでは、貸付自粛制度によって借金抑止効果が期待できます。

コメントがなぜ借金の抑止になるのか

「貸さないでくれ」というコメントでなぜ家族の借金を止めることができるのでしょう。コメントだけで借金抑止効果が得られるのはなぜだろうと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

コメントによって家族の借金をやめさせられるのは、「信用情報」が関係しているからです。信用情報とは、「お金の貸し借りについてその個人が信用できるか」の情報になります。借金やお金、契約のパーソナルデータのようなものです。信用情報を統括する機関のことを「信用情報機関」といいます。

たとえば、金融機関でお金を借りても長期間返済しませんでした。いわゆる滞納状態です。信用情報機関には個人の滞納や債務整理など、借金についてのその人の情報を蓄積します。滞納などがあると「この人はお金を貸したら滞納しましたよ」というかたちで信用情報に記録されるのです。

「お金を貸さないでください」と自粛要請すると、信用情報に「この人に貸さないでください」というコメントが記載されます。信用情報に自粛コメントの記載があると、コメントをチェックした金融機関などが貸付を控えるというわけです。

貸付自粛制度の手続きとは

貸付自粛制度を利用するためには、手続きが必要になります。手続き自体は非常にシンプルです。日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターのどちらかに「貸さないでください」という自粛を要請します。方法は2つです。

  • 最寄りの窓口に足を運んで手続きする
  • 必要書類を郵送して手続きする

窓口での手続き

最寄りの窓口に足を運んで手続きする方法です。必要な持ち物は、本人確認書類になります。本人確認書類はコピーではなく、原本が必要です。

足を運ぶ前に、窓口の対応状況や開設状況をチェックするように日本貸金業協会が呼びかけています。日本貸金業協会の貸付自粛制度の相談電話窓口に連絡し、窓口について確認してから足を運びましょう。

相談電話窓口については、「貸付自粛制度の相談窓口」の項目をご確認ください。

郵送による手続き

貸付自粛制度は郵送でも手続き可能です。郵便で申告書と本人確認書類、返信用切手(404円分)を送付します。申告書は日本貸金業協会のホームページからダウンロード可能です。

日本貸金業協会の担当窓口に書類が到着したら、電話にて本人確認があります。不備や漏れのないように手続きしましょう。

必要書類や手続き、送付先の確認などは貸付自粛制度の相談電話窓口で確認できます。相談電話窓口については、「貸付自粛制度の相談窓口」の項目をご確認ください。

貸付自粛制度の手続き対象

貸付自粛制度の手続きは、本人が行うことが基本です。家族が勝手に手続きすることはできません。ただし、法定代理人は手続きが可能です。また、貸付自粛制度の対象者の配偶者または二親等以内の親族は、条件を満たすことによって手続きできるとされています。

  • 条件①本人が所在不明になっている
  • 条件②本人が「借金問題」により所在不明である可能性が高い
  • 条件③貸付自粛が本人の命や財産を守るために必要だ
  • 条件④本人の同意を得るのが困難である

手続きの可否について分からないことがあれば、貸付自粛制度の相談電話窓口に確認しておきましょう。

家族の借金での貸付自粛制度の相談窓口

日本貸金業協会には、貸付自粛制度について相談できる電話窓口があります。手続きの必要書類や手順なども教えてくれますので、制度の利用で迷うことがあれば、まずは相談窓口に問い合わせてみてください。

TEL:0570-051-051
受付時間:9:00~17:00(土・日・祝休日・12/29~1/4を除く)
引用: https://www.j-fsa.or.jp/personal/trouble/way/

家族の借金で貸付自粛制度の利用や相談するときの注意点

貸付自粛制度は家族の借金に対する抑止力になる制度です。正しく使えば、家族の借金に困っている人や、借金に悩んでいる人にとって大きなメリットがあります。ただし、貸付自粛制度にはデメリットもあるため注意が必要です。

貸付自粛制度ですべての借金をやめさせることはできません。すでに作った借金は返済することが基本です。貸付自粛制度の手続き前の極度方式基本契約などについては、借り入れできることもあります。貸付自粛制度はすでに作った借金と既に契約した分については対応外ということです。基本的に家族が手続きできず、手続きは本人がしなければならないという点も要注意になります。

また、貸付自粛制度の撤回と有効期限にも注意が必要です。貸付自粛制度の手続きをしても、記録までに3営業日ほどの時間が必要です。この間に借金の申し入れが通ってしまう可能性があります。

貸付自粛制度の自粛申請は5年間有効です。ただし、自粛要請から3カ月が経過すると、撤回が可能になっています。せっかく自粛要請を出しても、お金を借りたくなって撤回の手続きをする。この流れで借金できてしまうため、家族の借金を完全に封じることは不可能になっています。

方法④家族本人が借金の相談をして債務整理をする

家族の借金をやめさせる4つ目の方法は、債務整理です。

債務整理とは、読んで字の如く「債務(借金)を整理する方法」になります。債務整理は「任意整理」「民事再生」「自己破産」などの借金を整理する方法の総称的な位置づけです。

債務整理は、弁護士や司法書士などの借金問題の専門家に本人が相談して進めます。本人の借金履歴などを確認しながら進める必要があるため、借金を作った本人の協力が不可欠です。

本人さえ相談してくれれば、過去に作った借金を整理できると共に、将来的な借金の抑止にもなります。債務整理をしたことが信用情報に記載されるためです。

家族の借金の相談での「任意整理・民事再生・自己破産」の違い

借金の整理に使われる債務整理の主な方法には、「任意整理」「民事再生」「自己破産」の3つがあります。

借金で困っている人が方法の細部まで理解して司法書士や弁護士に相談する必要はありません。弁護士や司法書士が借金の状況から適切な手続きを提案してくれるからです。

簡単に3つの違いをおさえておきましょう。

家族の借金の相談での任意整理

任意整理は弁護士などの法律の専門家が利息の引き直しや減額交渉を行うことで借金を整理する方法です。

利息を引き直すと、返済額が少なくなる可能性があります。借金の減額や返済しやすい分割などを専門家が交渉の上で整理してくれるのです。あくまで交渉や引き直しによる借金整理なので、裁判所を使いません。

家族の借金の相談での民事再生

民事再生は裁判所を使った借金の整理方法です。裁判所に借金で苦労していることを申し立て、減額してもらった借金を分割返済する手続きになります。住宅などを維持したまま借金を整理できる方法が民事再生です。

家族の借金の相談での自己破産

自己破産とは、裁判所に返済が難しいことを申し立てて、借金を免責してもらう方法になります。

不動産などの価値の高い財産は基本的に手放す必要があるのですが、保証人になっているなどの事情がなければ家族への影響が小さい方法です。

自己破産は官報に掲載されますが、だからといって仕事を辞めさせられるなどの不利益はありません。家族の借金が雪だるまのように膨らんでいる場合は、解決策として有効です。

家族の借金の債務整理の相談窓口

債務整理の窓口は弁護士や司法書士などの、借金や法律の専門家になります。

任意整理の場合は、貸金業者と交渉の必要があります。民事再生や自己破産は裁判所手続きになるため、法律や手続きについて熟知している専門家を選ぶことが重要です。家族の借金問題に悩んでいる場合は、法律に専門家に相談して状況整理をすることもポイントになります。

借金をしている家族本人が乗り気でない場合は、相談に行くように説得してみてください。同席したい場合は、先にその旨を弁護士や司法書士に伝えておくと安心です。

まとめ

家族が今後借金をできなくする方法は4つです。4つの方法の中で今後の借金を防ぐ方法には、貸付自粛制度の利用があり、今後の借金を防止すると共に過去の借金を整理する方法には債務整理があります。ローンカードの破棄や解約は根本的な解決には至らないため、注意が必要です。

家族の借金で困っている場合、すでに借金が膨らんでいることも少なくありません。今後の借金問題を防ぎ、過去の借金問題を解決するためには、早めの相談が重要です。

弁護士や司法書士への相談によって、家族の借金問題解決の糸口を見つけましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

債務整理で気になる項目を徹底解説!へ戻る

債務整理で気になる項目を徹底解説!

借金問題の解決方法