債務整理

債務整理における4種類の手続き方法、メリット・デメリットを比較

債務整理は法律にもとづく手法であるため、弁護士のアシストを踏まえて行うことが大切です。任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の手法のどれが適しているかは、自分だけで考えるのではなく、弁護士資格を有する専門家のアドバイスを元に検討することでよりよい策を見つけやすくなります。住宅ローンがある、債務に連帯保証人がいるといった事情がある場合は、特に専門家の意見が重要です。

目次
  1. 1. 借金問題は、早めの債務整理で解決できる!
    1. 1.1. 債務整理で借金を法律上適正に整理できる
  2. 2. 債務整理には4つの種類がある
    1. 2.1. 任意整理
    2. 2.2. 特定調停
    3. 2.3. 個人再生
    4. 2.4. 自己破産
    5. 2.5. 任意整理はどれくらい借金が減り、手続は
    6. 2.6. 特定調停はどれくらい借金が減り、手続は
    7. 2.7. 個人再生はどれくらい借金が減る?手続は?
    8. 2.8. 自己破産の手続き・注意点は
  3. 3. 債務整理の4手法による手続の違い
    1. 3.1. 任意整理の手続き方法とは
    2. 3.2. 任意整理のよくある質問
    3. 3.3. 特定調停の手続き方法とは
    4. 3.4. 個人再生の手続き方法
    5. 3.5. 自己破産の手続き方法とは
  4. 4. 債務整理のメリットとは?
    1. 4.1. 任意整理のメリット
    2. 4.2. 特定調停のメリットとは?
    3. 4.3. 個人再生のメリットとは
    4. 4.4. 自己破産のメリットとは
  5. 5. 債務整理のデメリットとは
    1. 5.1. 任意整理のデメリット
    2. 5.2. 特定調停のデメリット
    3. 5.3. 個人再生のデメリット
    4. 5.4. 自己破産のデメリット
  6. 6. 任意整理に向いている人とは
  7. 7. 特定調停に向いている人とは?
  8. 8. 個人再生に向いている人とは
  9. 9. 自己破産に向いている人
  10. 10. 債務整理は自分でできるのか?
  11. 11. 債務整理以外の返済方法はあるのか?
  12. 12. 債務整理で発生する費用の仕組みは
  13. 13. 法テラスを利用したときの債務整理の費用額はいくら?
    1. 13.1. 任意整理
    2. 13.2. 自己破産
    3. 13.3. 民事再生(個人再生)
  14. 14. 債務整理の費用を抑えるために
    1. 14.1. 各都道府県の法テラス窓口で申し込むこと
    2. 14.2. 各都道府県の法テラス弁護士事務所に申し込むこと
    3. 14.3. 弁護士事務所に法律扶助制度の利用ができるか確認する
  15. 15. 法律扶助の教示義務とは
  16. 16. ヤミ金被害とその対策とは
  17. 17. 困ったときは弁護士に相談しよう

借金問題は、早めの債務整理で解決できる!

借金問題に直面すると、お金の工面・返済日・今後の返済など、さまざまな部分で大変悩まれるかと思います。法的整理=自己破産で、家や車、その他あらゆるものを差し押さえられるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、任意整理・個人再生・自己破産・特定調停と4種類の債務整理方法が存在します。債務の状況や返済能力などにより複数の手段の中から、一番有効な手法を適用することで、家や車を手放さずに、借金を大幅減額する手法も存在します。

また、債務が大きく、やむなく自己破産をする場合であっても、生活に必要な動産や一定の現金など、最低限必要なものは残しておける仕組みとなっております。借金は、法的な対処をせずにいると、そのままふくれあがっていきます。

たとえば、銀行のカードローンは年利15%以下のケースが多いですが、年利15%で計算すると単純に300万円の借り入れがあれば、年間で45万円、毎月の金利だけでも37,500円を払い続けることなります。さらに支払いができず延滞している場合は、遅延損害金(会社によりますが20%と定めているケースが多い)がそのまま積み重なっていき、膨大な債務となるため、一刻も早い法的整理が必要です。

債務整理のデメリット・リスクとは?

債務整理で借金を法律上適正に整理できる

借金問題となると、任意整理・個人再生・自己破産・特定調停ではなく、法的な手法を用いない解決方法もあります。

ですが、借金問題においては、法的に対応をするのが望ましいでしょう。

金融業者にとっても借り手が法的整理を用いれば、むしろ好都合です。その後は相手側も法律にのっとり、保証会社に代位弁済の手続きを行うなど、スムースに手続きを進められます。しかし、連絡ができない、夜逃げなどの「逃げた」状態になると、一歩踏み込んだ対応を取らざるを得なくなります。

確かに債務整理の手法によっては、個人信用情報に事故情報が掲載されてしまう(いわゆるブラックリスト)問題やクレジットカードを作成できなくなるなどの問題があります。

とはいえ、債務整理が必要な状況で借り入れを考えること自体が望ましくないですし、現在はデビットカード・各種キャッシュレス決済も存在します。店舗・ネット決済など多くのケースで、クレジットカードがなくても問題ないケースも増えてきました。

また信用情報に問題があっても、手元預金の中であれば決済ができるデビットカードは作成できます。

このように、クレジットカードがなくても問題がないケースも増えてきました。

クレジットカードの借金問題解決なら弁護士による任意整理がおすすめ

債務整理には4つの種類がある

債務整理を行う上で、任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4つの方法について知っておくことは大切です。それぞれ特徴・かかる時間・メリット・デメリットに大きな違いがあります。

任意整理

任意整理は裁判所が介入することなく、債権者と債務者が話し合い、双方で合意した上で返済計画を変更する方法です。建前上は、債権者と債務者の話し合いとなっております。しかし実務上は、法律の専門家である弁護士の助力がないと、相手側を交渉のテーブルにつけることはかなり厳しいです。

特定調停

裁判所を通して行う債務整理で、借金の額が数百万円など極端に大きくない場合に有効です。こちらも弁護士の助力が不可欠で、簡易裁判所での交渉を通し、合意が得られれば、減額や返済計画の変更などの形で支払っていくこととなります。

個人再生

一定の収入があり、債務額が5,000万円(住宅ローンなどの被担保債権は除く)を超えない場合に利用できます。元の債務より大きく減額された一定の金額を3年~5年にわたり支払うことで、自宅を手放さずに再生することができます。手続きが複雑なため、こちらも弁護士への委任が必要です。

自己破産

法的手段としては、最後に残された手法です。借り入れは全てなくなりますが、破産管財人の確認のもと、生活用品・一定の金額(原則99万円だが、裁判所の判断により拡張される場合もある)を残し、自宅・財産価値がある車・その他生活に不必要なものは差し押さえられます。郵便物も破産管財人に確認されるなど、複数の生活上の制限が生じます。

銀行と消費者金融の違いとは?

任意整理はどれくらい借金が減り、手続は

任意整理の特徴は、債権者と債務者(及び弁護士)間で、どこまで返済できるかの金額・期間(基本的に3年~例外的に5年)をお互いに交渉して決めるという点です。

そのため、任意整理で一律これだけ借金が減額できるという明確な基準は、ないと考えた方がよいでしょう。

任意整理を行うための条件として、現在の借入では返済が不能であるが、返済計画を見直せば、正常に返済できる見込み、収入があることを立証できるのが不可欠です。

借金の総額はいくらで、現在何社から借りており、毎月この額、この期間なら返済していけるというように、返済可能な額を根拠を用いて示さなければなりません。

債権者と債務者だけの話し合いですと、根拠を厳しく問われたり、そもそも交渉のテーブルについてさえもらえない可能性があります。

そこで、法律の専門家である弁護士に依頼し、事前にきちんと返済可能額・期間を計算、根拠を持って説明できるようにすることが望まれます。

任意整理の費用としては、法テラス埼玉の基準では、1社 実費10,000円、着手金32,400円~21社以上 実費35,000円、着手金194,400円となっています。法テラスは、収入・財産が一定の以下であることが利用要件であり、通常の弁護士に依頼する場合とは費用が異なります。

弁護士に依頼をすれば、債権者側からの取り立てができなくなり、借りている側としても心理的に冷静になれます。の意味でも法律の専門家である弁護士に依頼することは重要といえます。

多重債務に陥る人は?特徴・原因・解決方法を解説!

特定調停はどれくらい借金が減り、手続は

特定調停の特徴としては、裁判所が関与するため、債権者を話し合いのテーブルにつかせやすいこと、借金の使途が原則どのようなものであったかは問われないこと、破産ではないので財産を手放す必要がないことなどが挙げられます。

個人再生・自己破産をするほどの大きな債務額ではないが、現状では月々の支払負担が大きく、支払不能におちいる可能性がある場合に、特定調停を用いるケースが多いです。

こちらも、費用はそれぞれ異なりますが、法律の専門家である弁護士に委任することで、取り立てが止まり、手続きもスムースに行くため、個人だけで行うより、弁護士に委任することをおすすめします。

特定調停の場合、簡易裁判所の調停委員会が調停にあたり、原則としては各債権者の債権について、利息制限法所定の上限金利に直すことで現在の債務額を算出、残元金及び未払いとなっている利息・遅延損害金を、原則3年で返済していくという手法です。

利息・遅延損害金も含むため、特定調停を選択するのであれば、返済ができなくなり、利息・遅延損害金が膨らんでいく前に手続きをすることで、特定調停成立後の支払負担を軽減できる可能性がありますので、いずれにせよ早めに弁護士に相談、委任を行い、特定調停の手続きに着手することが大切となってきます。

個人再生はどれくらい借金が減る?手続は?

個人再生は、債務整理の中でも大きく返済額を減額できる可能性のある手続です。債務総額と債務者の収入によりますが、返済額を5分の1~10分の1まで圧縮できるケースもあります。

具体的に書きますと、最低弁済額は、借入債務総額1,500万円までの場合は総額の5分の1または100万円のいずれか多い額、1,500万円~3,000万円までの場合は300万円、3,000万円~5,000万円以下の場合は総額の10分の1となります。

仮に3,000万円の借入がある場合は、その10分の1である300万円(債務者の収入により、増える場合もあります)を3年か5年の期間で分割し、各債務者に返済していくことになります。

個人再生にかかる費用は、概ね30万円~50万円前後が目安となります。特にマイホームのある方は、「住宅資金特別条項」という制度を用いることにより、自宅を守ることができる可能性があります。

ただし、住宅ローンの返済期限や一部元本の弁済猶予などの措置は望めますが、ローンそのものが免除・減額されることはありません。

自己破産と個人(民事)再生は、下記のような違いがあります。

  • 自己破産の場合、住宅・自動車・高価な品などの動産は差し押さえ・競売にかけられ、換価され債権者に分配されます。個人再生の場合は、所有財産の差押えなどはありません。
  • 自己破産の場合、一切の債務の弁済義務はなくなりますが、個人再生の場合、前述の通り一定額の弁済が必要です。
  • 自己破産の場合、一部職業に就けないなどの制約が生じますが、個人再生の場合には制約はありません。

個人再生には2つの手続きがあり、どちらも債務者に安定的な収入があることが要されます。

小規模個人再生

一般的に多く用いられる手法です。返済額が圧縮しやすいですが、債権者に再生計画案を提示する必要があります。同意しない債権者が2分の1未満または不同意者の債権額の合計が2分の1以下の場合には再建計画が否決されます。

給与所得者等再生手続き

再生計画案に関し、債権者の決議を得る必要がないのが特徴で、最低返済額は、大まかにいえば、可処分所得の約2年分を原則3年間から5年間で返済します。小規模個人再生より返済額が多くなるケースがあります。

債務超過=倒産?原因と判断基準、解決の方法を解説します

自己破産の手続き・注意点は

自己破産では、破産手続き後に裁判所の「免責許可」を得ることで、一切の借金がなくなります。

逆にいうと、破産手続きを行っても、手続きに問題があったり、極端に債務者側に問題がある場合は免責不許可となり、破産者となったが借金は残るというケースがありえます。

破産手続きを行うことで、住宅・車(名義がローン会社の場合は、ローン会社が時価で引き取る)・生命保険・有価証券やそれに類する物(株式・国債など)、その他の財産は全て競売にかけられたり、現金に換価されたりします。

また、サラリーマンの場合、退職金に関し、退職金規程などで算出した、将来の退職金請求権のうち、4分の1が破産財団に算入されます。

最小限生活に必要な現預金・生活必需品を除いて、手元に残すことはできません。

自己破産にかかる費用としては、法テラス埼玉の基準の場合、債権者が1~10社では実費23,000円、着手金129,600円から21社以上では実費23,000円、着手金183,600円となっています。

こちらも、収入・財産が一定以下の人向けのものであり、通常通りに弁護士に依頼する場合とは異なります。

自己破産は、「債務者の収入・資産額と負債を比較し、支払い不能の状態にあると裁判所が判断する」ことが条件です。

また、遊興費、ギャンブル、FXなど債務者自身の責任で生じた負債の場合でも、一概に免責不許可となるわけではありません。債務者の更生のため特別に免責を許可したり、1~3割程度の任意弁済を勧告したりすることで、弁済終了後、裁量的に免責を許可するケースもあります。

上記のような債務者側に問題がある場合でも、弁護士と相談、連携し事情を正直に説明、反省の意思を明確に示すことで、免責許可を得られる可能性が高まる可能性があります。

債務整理の4手法による手続の違い

債務整理では、利用する手法によって、手続方法や、メリット・デメリットが大きく異なります。

また、過払い金が存在し、その額が債務を上回る場合、過払い金返還請求を先に行うことで、借金が過払い分と相殺されることがあります。

その場合、借金が減額、消滅したり、ケースによっては過払い分が返還されたりすることで個人再生や自己破産を免れる可能性もあります。

このような手続を行う上では、取引履歴を貸金業者から取得することがまず必要ですが、弁護士に過払い金返還請求を受任してもらい、弁護士側から請求しないと業者側が対応しないケースもあります。

取引履歴取得後、以前借りていた高い金利から、利息制限法に基づく計算のし直し(10万円未満→年20%超、10万円以上100万円未満→18%超、100万円以上→15%を超える金利分の返済を過払い金と扱う)を行い、払いすぎている分を返還してもらうことが可能です。

ただし、借金返済、取引の終了時から10年を超えている場合、時効として返還の対象外になります。

何をもって取引終了とみなすかは、取引の内容により異なります。

そのため、弁護士と相談することで、自分ではもう取引終了と思っていても、実はまだ時効に至っていなかったケースもあります。

債務整理ってどんな手続きなのかを知ろう

任意整理の手続き方法とは

自力で任意整理の手続きを行うことは難しいので、弁護士に相談することを検討した方が良いでしょう。

弁護士に任意整理の手続きを受任してもらった後、弁護士の側から貸金業者に取引履歴の開示を請求します。

取引履歴を確認し、利息が利息制限法の上限を上回っていた場合、現在の金利への引き直し計算を行い、貸金業者側へ和解案を提示します。

また、計算結果をふまえ、債務が既に完済されていたにもかかわらず、返済の請求が続いていた場合は、「債務不存在の確認」にかかる調停・訴訟を提起することが可能です。

弁護士と貸金業者で和解交渉を行い、双方で合意に至れば、和解に基づく支払い開始となります。

現在の債権分より過払い金が大きい場合は、完済扱いとなり、残りの払いすぎていた部分に関しては、債務者側に返還されます。

任意整理のよくある質問

Q 任意整理を行うと、信用情報に問題が生じませんか?

A 信用情報機関(全国銀行個人信用センター、シー・アイ・シー、日本信用情報機構)によって、任意整理の扱いは異なります。

日本信用情報機構は、任意整理後5年間、任意整理の事故情報を登録します。

全国銀行個人信用センター、シーアイ・シーは、任意整理そのものについては登録しませんが、任意整理の結果、保証会社による代位弁済が行われた場合は、「異動」扱いとなり、5年間事故情報として登録されます。

保証会社から代位弁済の通知が来た!?どんな意味?対処法を教えて

特定調停の手続き方法とは

特定調停の手続きは、任意整理と同様、弁護士との相談、契約、取引履歴の開示手続、過払い金の確認を行った後、下記のような流れで行います。

まず、弁護士が受任した後、弁護士の側から

  • 借りている相手の一覧表
  • 負債状況の確認
  • 家族状況に関するヒアリング
  • 収入・支出・資産に関するヒアリング
  • 契約書など関係書類の提出

を依頼されます。

その後、弁護士の側で、申立相手の住所地の簡易裁判所に特定調停の手続きを申し立てます。(過払い金が存在する場合は、それも踏まえて交渉します)
弁護士に委任している場合は、その後の調停委員会(裁判官・調停委員で構成)により、債権者・債務者(の代理人弁護士)で意見調整がなされます。

双方の意見を踏まえ、利息制限法所定の上限金利で金利を計算し直し、基本としては3年程度の分割を前提に毎月の返済額を決めます。

ここで双方が合意すれば、調停成立となり、調停調書を作成し、合意または決定に基づく返済がスタートしますが、どちらかが合意しない場合は、2つの着地点があります。

一つは、調停に代わる決定として、裁判所が適切と思われる返済方法を示すケース、もう一つは調停不成立となるケースです。

特に後者の場合には債務不存在の確認訴訟、債務の確認訴訟、過払い金の返還訴訟など「訴訟」を踏まえた次の策を検討する必要があるので、弁護士とどのように対処するか話し合う必要があります。

個人再生の手続き方法

個人再生(小規模個人再生)の場合は、住宅ローンの負債を除いた負債額が5,000万円以下であることが前提となります。

まず、弁護士が個人再生を受任した後、債権者の一覧等各種取引をもとに、債権者全体に連絡し、これまでの取引履歴の開示を求めます。

取引履歴を元に、利息制限法の上限を上回る金利が生じていないかを確認し、利息制限法に基づく金利への引き直し計算を行います。

その他、特定調停同様のヒアリングを行い、申立書面を準備します。その後弁護士から裁判所へ個人再生の申立を行います。

すると、裁判所では当該債権にかかる他の法的手続きの中止命令、調整執行などの包括的禁止命令、仮差押え・仮執行その他の保全処分を行うこともあります。

裁判所で、個人再生の要件に書類上合致することを確認後、各地方裁判所により運営が異なりますが、個人再生委員(弁護士が就任するケースが多い)が就任し、個人再生委員からのヒアリングが生じるケースも多くあります。

弁護士に依頼している場合は、弁護士も同席しますので、非常に心強いでしょう。

個人再生委員からは、「再生計画通りに支払えるか」「各種借入・通帳の確認・財産の確認」などの、書類に間違いがないか、再生計画が認可されたとして、今後問題なく支払っていけるかのヒアリングがあります。

個人再生委員から問題がないと判断された場合や、個人再生委員が就任しない場合は、再生債権の届け出、再生計画案の提出を行い、債権者全社に対し、再生計画案の書面による決議を行います。

不同意の議決権者が2分の1未満かつ、その額が2分の1未満であれば、再生計画案は可決され、再生計画認可決定となります。

その後正式に再生計画認可決定の確定が裁判所より通知されますので、再生計画に沿った返済の開始を行い、再生計画(3ヶ月ごとの返済)を遂行、全額を完済すると再生計画の履行完了となります。

お金を借りる人が知っておくべき利息制限法についての基礎知識

自己破産の手続き方法とは

自己破産については、同時廃止の場合と、破産管財人が就任する場合があります。

同時廃止の場合

まず、債務者が弁護士へ自己破産手続きを依頼し、弁護士が受任します。

弁護士は、受任後、債権者一覧を依頼者からのヒアリングにより作成し、債権者全社に対し、受任通知と取引履歴の開示依頼を送付します。

債権者からの取引依頼の開示を元に、弁護士で利息制限法の法定金利への引き直し計算を行います。(ここで、過払い金が大きく存在し、自己破産が避けられる場合は過払金請求を行うケースもあります)

弁護士が申立書類を準備し、債務者の住所地の地方裁判所へ破産手続開始申立書を提出します。

東京地方裁判所などの場合、申立日に即日(もしくは数日以内)に即日面接があるか、申立後約1ヶ月で、裁判所からの呼び出しがあり、審尋が行われるかのどちらかがあります。

この審尋で、破産申立人にこれといった財産がない場合は、破産手続開始決定と同時に破産手続の廃止、つまり同時廃止の決定がされます。

この後、官報に破産を公告、2週間以内に高等裁判所への抗告がない場合は、破産手続開始が確定します。

あわせて、弁護士が免責許可の申立を行います。ここで免責審尋という裁判所に出頭しての審尋があります。免責許可決定が出ると破産者・債権者等に通知が行われ、抗告がない場合は免責許可決定が確定します。

少額管財の場合

少額管財など、管財事件となるケースは、債務者にある程度の財産がある場合に行われ、破産管財人(裁判所より選任された第三者の弁護士)が就任します。

原則は同時廃止の流れに近く、弁護士受任後、ヒアリングや債権者の連絡、取引履歴の取得、利息制限法の法定金利への引き直し計算などを行い、申立書類の準備を行います。

その後、裁判所へ自己破産を申し立てると、即日面接もしくは後日の審尋があり、問題がなければ破産手続開始が決定します。

その後、破産管財人面接、債権者集会(任意となっており、書面投票などとなるケースもあります)があり、官報に破産を公告後2週間以内に抗告がない場合、破産手続開始が確定し、破産者の財産は破産財団として処分・換金され、債権額に応じ平等に分配されることで破産手続は終了します。

破産手続終了後、破産続き開始決定が確定すると、1ヶ月以内に弁護士を通して免責許可決定を申し出て、審尋を受け。免責許可決定の確定を得ることで、一部の債務・税金・社会保険料(滞納分も含め)を除き、支払い義務がなくなり、公私の資格制限など破産者の不利益もなくなります。

受任通知で取立てがストップするって本当?気をつける7つの注意点

債務整理のメリットとは?

債務整理の一番のメリットは借金がなくなることで、借金問題を根本的に解決できることでしょう。

債権者からの請求がストップするため、借り入れている側は、精神的にも落ち着くことができます。

また、債権者への支払いが止まるため、出費がストップすることにより、毎月の負担が軽くなり、金策を考えなくても良くなります。

あわせて、後ほど詳しく述べますが、任意整理であれば、利息カットができる、支払期間を変更することにより月々の支払いが楽になる、任意整理の対象とする債権者を選べるなどのメリットがあります。

過払い金が存在する場合は、まず過払い金請求からおこなうため、過払いの額が大きい場合は、債務整理の手続自体をすることなく、借金を過払い金と相殺したり、過払い金が返ってくるケースも想定されます。

このように毎月の請求が止まるため一旦落ち着いて考えられることや過払い金が存在するかもしれない点は債務整理のメリットといえます。さらに債務整理を弁護士に依頼することにより、債権者との書類のやりとりや裁判所への手続など、数ヶ月のタイムラグが発生するため、その間は債務の支払いに充てていた費用を、手元に貯めておくことができます。

債権者・債務者の関係とは?債権ってどんな権利?

任意整理のメリット

メリットとしては、大きく4つが挙げられます。

1 利息カットができる

貸金業者との話し合いになりますが、任意整理を行うことで利息がカットできる可能性があります。

2 月々の支払いが楽になる

返済期間を、貸金業者との話し合いで、概ね3年から5年程度で返済できるような形で元本カット・利息引き下げ等を提案することにより、毎月の支払いが楽になります。

3 対象とする債権者を選べる

任意整理は整理する対象を選ぶことができます。

例えば、住宅ローンや自動車ローンを組んでいる業者に対して任意整理を行うと担保となっている自動車を引き揚げられたり、住宅を競売に掛けられたりすることがあります。この場合には住宅ローンや自動車ローンは返済を続けたまま、ローン以外の債権者に対して任意整理を行うということができます。

4 借金の理由が何かは問われない

自己破産手続の場合、遊興費やギャンブル、投資などにお金を利用していると、裁判所に認められない可能性があります。しかし、任意整理手続の場合は、借りたお金の理由が問われることはありません。

住宅ローンの「連帯債務者」と「連帯保証人」はどのように違う?

特定調停のメリットとは?

一番大きなメリットは、これまで述べた4つの手続の中で、一番手続が簡単と言える点でしょう。

任意整理は、債権者の合意がないと、話し合いのテーブルに着いてもらうことすらできませんが、特定調停の場合は、弁護士が受任した後、簡易裁判所に特定調停の申立を行うことで、債権者側を確実に話し合いのテーブルに着かせることができます。

また、話し合いのプロセスでは調停委員が間に入ってくれることで、債権者側のペースではなく、両方平等な立場で話し合いをすることができ、裁判所・調停委員もできるだけ調停を成立させる方向で話を進めたり、調停不成立にならないよう調停に代わる決定を行い、できるだけ裁判に頼らず借金問題が解決するよう、裁判所・調停委員がリードしてくれます。

また、他の手続に比べ弁護士費用など諸費用が安価なケースが多く、費用が節約できる点もメリットです。

ただし、特定調停にかかる資料の作成自体は大変な手続ですので、弁護士に依頼するのが確実と言えます。

なお、特定調停で合意や決定が為された場合、調停調書は確定判決などと同じ「債務名義」の効力がありますので、万一支払いが滞った場合、差押え・仮執行などの手続も行われますので、必ず支払いの約束を守る必要があります。

個人再生のメリットとは

一番大きなメリットは、借金を大きく(場合によっては10分の1など)減らし、返済可能な額、期間に調整してくれる点です。

仮に、住宅ローンを除く借金(利息・遅延損害金含む)がちょうど3,000万円であれば、申立人の財産や収入状況にもよりますが、一番圧縮できるケースで、10分の1の300万円を3年か5年で返済することとなるため、2,700万円分が帳消しになるのです。(ただし、返済が滞ると、この帳消しが無効になるケースもありますので、3年~5年、期限に遅れることなく、確実に返済を行うことが重要です)

次に、住宅ローン特則が使えるのもメリットです。住宅ローン特則を利用すると、住宅ローンを払い続けながら、住宅を守ることができます。

住宅ローンの返済に関しては、元本・利息の免除はありません。(遅延損害金については、減免を受けることができる場合がある)ただ、条件変更などの措置・元本の一部返済の猶予など、返済しやすいような措置が取られます。同時にそれ以外の債権に関しては、元本・利息・遅延損害金を含めた大幅なカットも可能です。

あわせて、弁護士が受任し、個人再生を裁判所に届け出た時点で、強制執行を止めることが可能です。財産の没収もなく(ただし、マイカーローンを返済中で、所有権が信販会社・カーディーラーなどにある場合は、車を引き上げられる可能性がある)、自己破産のように資金使途が問題とされることはないため、浪費やギャンブルが原因でも問題にならないというメリットがあります。

自己破産のメリットとは

最大のメリットは、「破産手続をし、免責許可を受ける」ことで一切の借金をなくしてもらえることです。ただし、破産手続を行っても、免責不許可となれば、他の再生方法を選ぶしかありません。また、税金・社会保険料などはなくなりません。

同時に、強制執行の手続も、弁護士が受任、裁判所に申立をした時点で、止まることになります。

個人再生の場合は、債務者に一定以上の安定した収入が得られる見込みが必要ですが、自己破産の場合は、無職無収入でも手続できます。

また、借金・財産があると、生活保護を受給する上で障害になるケースがありますが、自己破産手続を行い、財産も借金もないという状態になれば、生活保護を受給する障害にはならなくなります。

このように、破産手続を行い、その後免責許可を受けることで全ての借金が帳消しになりますが、同時に生活に必要な最低限度の物、お金を除いては、全てお金に換えて、債権者に分配することになります。

個人再生や任意整理、特定調停と異なり、手続き後何年も返済を続けるという負担はなくなりますので、いくら借金を減免してもらっても、今後払い続けられる見込みがないと言う場合は、自己破産を選択するのが無難でしょう。

債務整理のデメリットとは

債務整理で多くの方が気になるのが、いわゆる「ブラックリスト」問題だと思います。信用情報機関に事故情報が登録されることを、俗にブラックリストに載ると呼ぶことがあります。

債務整理を行うと信用情報機関(日本信用情報機構、全国銀行個人信用センター、シー・アイ・シー)に事故情報が登録されるため「ブラックリストに載った」状態になります。

債務整理を行うとブラックリストに載るので、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの発行、ローンカードの契約、携帯電話の分割支払いなどが一定期間の間できなくなります。さらに、個々の整理方法に関して、下記のようなデメリットがあります。

任意整理のデメリット

  • 個人再生のように借金を数分の一から10分の1に減額するなどの大きな減額が望めない
  • 債権者それぞれの同意が必要で、不同意の場合は他の方法を検討する必要がある

特定調停のデメリット

  • 過払い金請求ができない
  • 相手を交渉のテーブルに着かせることはできるが、相手が同意(もしくは、調停に代わる決定)が成立し、調停調書の作成か確定が実現しないと、解決できない。

個人再生のデメリット

  • 安定した収入があり、3年から5年にわたり債務を弁済できる見込みがあることが立証できないといけない
  • 官報に個人再生を行ったことが公告される
  • 他の手続に比べ、要件が厳しく、手続が面倒
  • 積立テストという形で一定期間お金を返済額通りに積み立てられるかどうかのテストがある(地方裁判所の運用による)
  • 手続が複雑なため、自己破産より費用が高いケースもある(特に、住宅ローン特則を利用した場合)

自己破産のデメリット

  • 弁護士費用が高く、破産管財人の報酬も必要となるケースがある
  • 一定以上の財産が処分される
  • ギャンブルや投資など債務者に極端に問題がある場合には認可されない(免責不許可事由がある)
  • 破産手続が完了し免責されるまで資格制限(就業制限)がある
  • 自己破産したことが官報に公告される

ブラックリストとは、本当は何?徹底解説!

任意整理に向いている人とは

まず、借金がそれほど多くない(100万~300万円程度)が、現状のままだと返済が厳しいので、返済期間などを整理したい場合に、任意整理は適しています。

家族に秘密で債務整理したい人にも向いています。個人再生や自己破産の場合、官報に氏名が掲載されるため、官報を普通の人が読むことはあまりないとはいえ、できるだけ債務整理を秘密裏に行いたい人には向きません。任意整理の場合には官報に載ることも裁判手続きも必要ありませんので周囲にバレにくい手続きといえます。

保証人がついている借金がある人は、その借金を整理の対象外とする(こうすることで、保証人に弁済請求や通知が行かずに済む)ことで、保証人に迷惑をかけずに済みます。保証人がついている借金があり、個人再生・自己破産以外の方法ならなんとかなるという場合は、任意整理が適しているといえましょう。

家のローン・車のローンがある人の場合も、家のローン、車のローンを任意整理の対象外とすることで、家・車を手放さずに済みます。

日本学生支援機構などから奨学金の借入がある場合も、親族が複数保証人についているため、任意整理の対象とはしない方がいいでしょう。

そして、古くから借金している人の場合、グレーゾーン金利などの関係で過払い金が発生している可能性があり、この場合はまず過払い金請求を行い、現在の正しい利率に引き直すことで、債務が消滅するばかりか、払いすぎた過払い金が戻ってくる可能性もあります。

グレーゾーン金利とは?

特定調停に向いている人とは?

とにかく費用を節約したい場合、特定調停の債務整理が向いています。

手続については、簡易裁判所に申し立てることになりますが、個人再生・自己破産に比べ簡単な手続で、費用を節約できます。

任意整理では1社あたりの費用は安いものの、数社を同時に行う場合にはそれなりに高額な費用が掛かりますが、特定調停を行う場合には1社あたり1000円程度ですので、高額になることはありません。

また、個人再生や自己破産とは異なり、官報に載らないのもメリットといえます。

このように、特定調停の場合、安価に債務整理をしたい場合、また官報への掲載などされたくない場合などに向いています。

個人再生に向いている人とは

安定した収入が一定以上あり、3年から5年にわたり債務を返済できる見込みがあることができることが大前提となります。

その上で、

  • 借金額が大きいが、数百万円まで減額できればなんとか払える方
  • 住宅ローンがあり、住宅は手放したくないという方
  • 自己破産はしたくないし、少しでも支払うことで、最小限の誠意は行動で示したい
  • 利用したお金に遊興費・ギャンブル・投資などが入っており、自己破産手続でその点を追求されるとまずい

などの場合に、個人再生の債務整理は適しています。

個人再生の場合、特に裁判所としては、「安定的な収入があるか」や「着実に返していけるか」を重視します。

サラリーマンの場合は給料、自営業・フリーランスなどの場合は売上、事業所得や事業内容などで今後も同様に収入が保てるかなどの点が重視されます。個人再生委員をつけたり、返済額の積み立てテストなどの形できちんと返済に取り組んでいけるかどうかを厳密に確認したりするのも特徴です。

裁判所としても、せっかく個人再生を認可したのに、結局支払いができませんでした、では意味がないからです。

ただ、再生債務の支払中に失業や病気など、債務者に責任のない事由で、

  • 借金総額の4分の3以上は返済した
  • 再生計画を変更しても支払いの継続などが極めて困難

などの事情がある場合に、「ハードシップ免責」という形で、残額の支払いを免れる制度もあります。

その際は、本人に責のない事由で返済できないことの証明書類を提出し、裁判所の許可を受ける必要があります。

ハードシップ免責の許可は非常に厳しく、認められるケースは少ないため、事情で支払いが難しくなった場合、一般的には債権者との話し合いで条件変更を行うケースが多いです。

自己破産に向いている人

住宅ローンを除いた借金が5,000万円以上など、個人再生の枠を超える額の借金額をしている人の債務整理は自己破産が唯一の選択肢となるでしょう。

法人を経営している人の場合、よほど規模が大きくなっていない限り、法人の債務を経営者が個人保証しているケースが多いため、法人・個人とも自己破産手続を進めるほかありません。無職、アルバイトなど返済能力がない場合も、自己破産が選択肢となります。

さらに、生活保護を受給した場合、自宅や借金があると、生活保護を受けられないケースが多いです。そのため、自宅など資産を手放し、あわせて自己破産で借金も帳消しにすることで、財産も借金もないという状態をつくりだすことにより、生活保護の受給要件に当てはまる場合があります。

このように、自己破産を選択する場合は、後ろ向きな状況でやむを得ず、というケースが極めて多いです。

しかし、自己破産という状況から、地道に努力をし、復活を遂げる人もいます。2009年に、エスグラントコーポレーションというマンション販売会社が経営破綻、民事再生をし、経営者の杉本宏之氏は自己破産に追い込まれてしまいました。ただ、その屈辱をバネに逃げずに同じ不動産業界で戦い、現在はシーラホールディングスとして複数の会社を率いる会長のポジションにまで返り咲きました。

杉本氏のケースは極めて例外的かもしれませんが、日本でこのように自己破産まで追い込まれても、復活できるケースは存在します。

債務整理は自分でできるのか?

たまに、債務整理は自分でできると書いてある本やサイトがありますが、実際のところは、よほどの暇と根気がないと、自分だけで債務整理をするのは難しいでしょう。

自分で債務整理すると不利益が及ぶ可能性が高い理由として、下記が挙げられます。

  • 弁護士に委任すれば、債権者に連絡してくれるため、取り立てや返済が確実に止まるが、個人が連絡しても相手にしてくれない可能性がある
  • 過払い金請求などができるはずなのに、自分だけで行うからできなかったり、個人で取引履歴の開示請求をしても相手にしてくれない可能性もある
  • 裁判所は平日しか動いていないので、普通の社会人が平日に休みを取り裁判所に行くことは難しい

という点が挙げられます。

また、個人再生や自己破産は、事実上、債務者が一人で進めるのはより難しいといえます。理由として、

  • 提出書類が莫大かつ書き方が複雑
  • 弁護士がついていないと個人再生委員が就任する。同時廃止になるケースであっても管財事件として扱われるおそれもある。
  • 個人再生委員に報酬を支払ったり、最低20万円の予納金(一般管財の場合は最低50万円の予納金)として預けたりする必要がある(状況によります)

以上の理由により、自分での債務整理はお勧めできません。

債務整理を依頼する事務所の探し方

債務整理以外の返済方法はあるのか?

債務整理以外の返済方法としては、まず第一に日々の暮らしを見直すことです。

  • 遊興費・無駄遣いの削減
  • 格安SIMへの変更など固定費の削減
  • 延滞が生じていない場合は、債権者と返済条件の変更(リスケジューリング)について話し合う
  • 保険を解約する(積立型の保険の場合は、保険から貸し付けを受けることも可能なケースがありますので、保障の必要性や金額なども踏まえ、解約か貸付か検討しましょう)

次に、おまとめローンで借金を一本化するという方法もあります。ただし、注意点として、おまとめローンの金利は総じて高めであることは念頭に置いた方がよいでしょう。

退職金で一気に返済するという方法もあります。もちろん、退職まで待つ必要があります。

他にも、リバースモーゲージという形で、資金使途が自由の商品であれば自宅を担保にお金を借り、借金の返済に充てたり、自宅を売却しつつ、リース料を支払う形のリースバックを活用することで、自宅に住み続けることもできます。(自宅を買い戻すことも可能ではありますが、金額・条件面で厳しい場合もありますので、よく確認することが重要です)

ただ、リバースモーゲージや自宅のリースバックは、根本的な解決とは言いがたく、問題の先送りに過ぎないという考え方もできます。理想的なのは、きちんと借金を法的に処理することでしょう。

債務整理で発生する費用の仕組みは

費用としては、次の2つに大別できます。

  • 裁判費用(裁判に伴う実費や予納金、官報掲載費・郵送費など)
  • 弁護士への報酬

弁護士に委任する場合は、専門家費用・実費共にまとめて支払うこととなり、分割に応じてくれるケースも多いです。(弁護士が債務整理を受任すると、各債権者に通知を行い、その間数ヶ月返済がストップするため、その間浮いた費用を弁護士費用に積み立てるという手法もあります)

また、「民事法律扶助制度」という仕組みが存在します。経済的に余裕がない人が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う制度で、国の機関である「法テラス」が関与しています。

制度利用には経済的に厳しいことを示すために、資力が一定以下、収入が一定以下である必要があり、収入等を証明する書類(給与明細・課税証明など)や住民票、関連書類を提出する必要がありますが、要件に当てはまる場合は、低廉な費用での法的サービスの利用、分割払いなどの措置が望めます。

弁護士によって、民事法律扶助制度を扱う弁護士と扱わない弁護士が存在します。ただし、民事法律扶助制度の存在について知らせ、説明する努力義務(強制ではない)は存在し、事務所から民事法律扶助制度が適用できる場合は教えてくれるケースもありますので、もし先方から「制度が使えますよ」という提案があれば応じてみるのも一つの案です。

債務整理を弁護士・司法書士に依頼をする場合の費用について知ろう

法テラスを利用したときの債務整理の費用額はいくら?

では、前述の民事法律扶助制度を活用、つまり法テラスを利用する場合の費用はいくらでしょうか。

都道府県により基準はことなり、多くの法テラスのホームページには価格が掲載されていませんが、法テラス埼玉については、「目安として」ではありますが、価格を提示しています。

任意整理

1社 実費10,000円、着手金32,400円
2社 実費15,000円、着手金48,600円
3社 実費20,000円、着手金64,800円
4社 実費20,000円、着手金86,400円
5社 実費25,000円、着手金108,000円
6~10社 実費25,000円、着手金151,200円
11~20社 実費30,000円、着手金172,800円
21社以上 実費35,000円、着手金194,400円

自己破産

1~10社 実費23,000円、着手金129,600円
11~20社 実費23,000円、着手金151,200円
21社以上 実費23,000円、着手金183,600円

民事再生(個人再生)

1~10社 実費35,000円、着手金162,000円
11~20社 実費35,000円、着手金183,600円
21社以上 実費35,000円、着手金216,000円

それぞれ、過払い金がある場合は別途報酬が必要であり、そちらの額に関する記載はありません。また、ホームページ上でも「あくまで目安」と注釈していますので、状況により異なるケースも想定しておくことが望ましいです。

債務整理の費用を抑えるために

法テラスを利用するには3つの方法があります。

各都道府県の法テラス窓口で申し込むこと

法テラスは各都道府県に法テラスを設置していますので、在住する都道府県の法テラスに相談することで、適任の弁護士などを紹介してくれます。

各都道府県の法テラス弁護士事務所に申し込むこと

都道府県には、法テラスが運営する「東京法テラス弁護士事務所」のような、法テラス直営の弁護士事務所が存在します。在籍するのは若手の弁護士が多い傾向ですが、このようなところに依頼することでも、法テラスの安価な料金で、法的サービスの利用ができます。

弁護士事務所に法律扶助制度の利用ができるか確認する

弁護士事務所は、前述の通り民事法律扶助制度を教えることが努力義務とされています。ただ、向こうから積極的には言わないケース(民事法律扶助制度は経済的に苦しい人のための制度かつ、受任・着手まで時間がかかるケースもあるので、あえて表に出さない人もいます)もあります。

依頼する弁護士事務所が、法テラスと民事法律扶助制度に関する契約を結んでいる場合は、基本的に民事法律扶助制度を利用できます。そのため、最初のうちに制度が使えるか聞いてみるとよいでしょう。

法律扶助の教示義務とは

先ほども述べたとおり、弁護士・司法書士は、法テラスや法律扶助制度の存在を教示する規定があります。

司法書士に関する規定としては、「司法書士倫理」が存在します。

司法書士倫理規定の(法律扶助制度等の教示)第66条にて、「司法書士は、事案に応じ、法律扶助及び訴訟救助制度を教示する等、依頼者の裁判を受ける権利が実現されるように努めなければならない。」という規定が存在します。

弁護士に関する規定としては、「弁護士職務基本規定」の第33条(法律扶助制度等の説明)にて、「弁護士は、依頼者に対し、事案に応じ、法律扶助制度、訴訟救助制度その他の資力の乏しい者の権利保護のための制度を説明し、裁判を受ける権利が保障されるように努める。」と、こちらも法律扶助制度、訴訟救助制度など、資力に乏しい人をサポートするための制度を説明することを規定しています。

このように、原則として法律扶助制度のように、助けが必要な人のためのサポート制度を積極的に説明することが、法律専門家の弁護士・司法書士には求められているのです。

ヤミ金被害とその対策とは

ヤミ金融とは、国や都道府県の許可を得ず、借主に法外な金利を請求し、悪質な方法で取り立てを行ったり、その他悪質な行為をする団体・個人を総称していいます。特徴・手口としては、下記の方法がよく挙げられます。

  • 低金利で大口融資をうたい、最初に融資額の十数パーセントを手数料として振り込ませ、約束手形などを送るが、会社は既に存在しておらず、手数料をだまし取られる結果になる
  • 法定金利以上の金利でお金を貸す
  • 回収の際に、本来は連帯保証人でなく、支払い義務がない親や兄弟、子どもから取り立てる
  • 家の入り口への張り紙やスプレーでの落書きなど、非常識な行為をする
  • 取り立て時に暴力・脅迫などを行う
  • その他貸金業法21条1項にかかる、人を威迫する取立行為を行う
  • 口座に勝手に振り込み、勝手に金利を請求する押し貸しを行う

など、手口に関しては枚挙に暇がありません。

対処としては、弁護士への相談、委任し、同時に警察とも連携し、財産面だけでなく、身体・家族・親族への危害が及ばないようにする必要があります。

また、脅迫などを受けた場合は、必ず動画・録音・スマホ撮影などで記録し、「このようなことがあった」ということを客観的に証明できるよう、証拠保全が必要です。

保証債務を負うとどうなるの?法律・実務の基本知識を知ろう

困ったときは弁護士に相談しよう

借金問題に関しては、そのままにしておいて事態が良い方向に進む可能性は極めて薄いといえるでしょう。

そのままにしていると、利息・遅延損害金も積み上がり、利息が利息を呼ぶ状態となり、莫大な額に膨れ上がります。

その前に、早急に弁護士に相談し、債務整理に着手することで、毎月の返済からの解放、取り立ての電話や連絡というプレッシャーからの解放されます。

ヤミ金など違法な業者に借りていた場合は、弁護士の側からヤミ金業者に警告、必要な場合は刑事・民事で訴訟を起こすことが可能です。

国や都道府県の認可を受けた業者であっても、貸金業資格を取得したばかりの業者には、取り立てのルールから逸脱した手法を行う業者もおり、このような場合には認可の取り消しを申し立てるなど、悪質な金融業者への対抗措置をとることが可能です。

いずれにせよ、悩んで何も行動しない状況では、事態は改善しません。弁護士に状況を率直に話し、最善策を協議、受任後は各債権者に対ししかるべき対応を取ってもらうことで、借金問題の解決の糸口が見えてきます。

特に、債務の返済や取り立ての連絡などがあると、冷静に対応することは難しいかもしれません。

しかし、貸金業者も仕事でやっていますので、弁護士に法的措置を一任すると、業者側も淡々と事務的に対応するようになり、今までのあらゆる不安・負担が一気に軽減される可能性があります。

ぜひ、勇気を出して、弁護士事務所に問い合わせてみましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

TOPへ戻る

債務整理における4種類の手続き方法、メリット・デメリットを比較

借金問題の解決方法