過払い金の請求を裁判と示談で比較!裁判の流れや期間、費用について

過払い金請求には、「裁判」と「示談」があることをご存知ですか?

裁判を行う場合のほうが、一般的に返還金額が大きくなりやすいです。

しかし、「裁判」と聞くと多くの方は馴染みがなく、どうしていいか分からないというのが本音ではないでしょうか。

今回は、過払い金請求の中でも、特に弁護士の専門分野である裁判について、メリットや流れについて解説していきます。

過払い金の請求には「裁判」と「示談」がある

過払い金の請求には、「裁判」と「示談」の2種類があります。

示談による過払い金請求は裁判を起こさずに、消費者金融や信販会社などと、お互いの落とし所を調整します。裁判を起こさないため、よりスピーディに完結します。

裁判による過払い金請求は、その名の通り裁判を起こし、裁判官に判断を仰ぎます。また、裁判官の判決には法的な強制力があるため、従わなくてはなりません。

そのため、裁判を行うほうが時間はかかりますが、金額的に返還額が大きくなりやすくなります。詳しく見ていきましょう。

示談よりも裁判の方が返還金額が大きい場合が多い

裁判のほうが、示談を行うよりも返還額が大きくなりやすい傾向にあります。

これは消費者金融や信販会社(クレジット会社)などの賃金業者が、手間と労力を削減するために、示談で落とし所を探ろうとするためです。過払い金請求を完結させる期間を短縮させるメリットを提供する代わりに、裁判を行うよりも支払いが少ない条件を出そうとしています。

例えば、現在借金を返済中の方が、専門家を通さずに、自分で過払い金請求を行おうとした場合、「残りの借金を0にします」と言った提案(ゼロ和解)がよくされるのが正にこのケースです。

賃金業者側からすれば、持ち出すお金がないわけで、こちらとしても残りの借金が0になるなら歓迎したいところです。しかし、向こうからそう言ってくるということは、裁判を行った場合には借金の残高以上に過払い金が発生することが見えているから、と言い換えることも出来ます。

過払い金請求を行う方の現状もあると思うので、どちらがいいというよりは、一人一人の状況に合わせたベストな選択をとってもらえたらと思います。

示談と裁判を比較すると、以下の通りです。

過払い金請求を示談した場合、裁判した場合の比較
示談 裁判
過払い金 返還額(目安) 元本の50~90%程度 元本+利息分
期間 2~5ヶ月程度 4~8ヶ月程度
利息部分の返還 なし あり
裁判所への情報提出 なし あり(名前、住所等の個人情報)
裁判所への出廷 なし あり(弁護士・司法書士が代理に出廷)
裁判所とのやり取り なし あり(弁護士・司法書士が対応)
税務署への申告 なし あり(20万円以上の利息分返還があった場合)
役所への申告 なし なし

弁護士であればすべての案件に対応可能ですが、司法書士に依頼する場合には140万円以上の案件を取り扱うことはできません。また、簡易裁判所は司法書士でも対応可能ですが、地方裁判所以上の裁判所での対応は弁護士しかできません。ご注意ください。

過払い金を裁判で解決する際にかかる費用と期間

裁判に馴染みのない方からすると、裁判で過払い金を解決する場合の費用と期間が一番気になる部分だと思います。費用については、過払い金請求する額、つまり、借金の額によって変動します。

費用の項目については、以下のようなものが挙げられます。

  • 裁判所までの交通費、予約郵券:裁判所によって変動(数千円程度)
  • 訴訟報酬:弁護士・司法書士によって変動(5%の成功報酬など)
  • 収入印紙:訴訟金額による(数千円~2万円程度)
  • 登記簿謄本:500円

これらと照らし合わせて、裁判を行ったほうが総合的に見て良いか判断を行います。

また、期間については、先ほどの表に4~8ヶ月程度と記載したものの、かなりケースバイケースです。賃金業者側が裁判に慣れているか、徹底的に争う姿勢なのか。裁判官の性格、裁判の回数。そして、弁護士・司法書士の裁判の経験値など、変動に関わる要素が非常に多岐に渡ります。

示談より長くかかる上、期間や裁判回数の上限がないため、裁判を行う際には、長期戦を覚悟して行う必要があるのです。

過払い金請求についての料金表
過払い金
相談・着手金
過払い金
報酬
過払い金 無料 過払い金の報酬 事務手数料2万円
+基本報酬4万円
+返還額の20%~(税別)

※過払い金返還請求において訴訟を行った場合、返還額の25%をいただきます。過払い金が発生しなければ費用は一切かかりません。

きわみ事務所では何度でも過払い金について相談無料で行っております。実際に手続きを取る場合でも着手金は無料で開始でき、成果報酬とさせていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください。

過払い金請求でお悩みの方はお気軽に無料相談をご利用ください。
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過払い金を裁判で解決する際の流れ

では、実際に過払い金を裁判で解決する際の流れについて見ていきたいと思います。ポイントとしては、請求する過払い金の金額と、裁判までに用意する書面・資料です。

過払い金請求は簡易裁判所か地方裁判所で行われる

過払い金請求は、元本が140万円以下であれば簡易裁判所へ提訴します。140万円を超える場合は、地方裁判所へ提訴します。

また、裁判所の区分とは別に、司法書士が扱える金額は140万円までというものも存在します。司法書士と弁護士が連携を取っているケースが多いので、相談しやすい方がいればどちらに相談しても構いませんが、仲介料を多く請求する事務所も存在します。

金額の線引きがあることも押さえておくと、よりスムーズに相談先を選べるでしょう。

訴状、取引履歴書、引き直し計算書、証拠説明書を提出する

裁判には下記4つの資料提出が必要です。

  • 訴状
  • 取引履歴書
  • 引き直し計算書
  • 証拠説明書

それぞれについて説明します。

訴状

裁判所窓口か、HPからダウンロードしたフォーマットに内容を記入します。
「日本弁護士連合会(日弁連)HP 各種フォーマット ダウンロードページ」

取引履歴書

消費者金融や信販会社(クレジット会社)などの貸金業者に開示請求を行い、提出してもらう取引の履歴です。

取引履歴書の取寄せは、個人でも可能ですが、専門家に任せれば複数の貸金業者への開示請求、取寄から任せることが可能です。引き直し計算書の根拠の一つとなる書類です。

引き直し計算書

法定内の利息で計算し直したものと、実際に払っている(もしくは払う予定の)利息を対比させた表です。

計算ソフトなどで求めることも出来ますが、裁判所に提出し、過払い金請求の根拠となる書類の一つでもあるため、弁護士が作成するほうが無難です。

証拠説明書

裁判所へ提出する証拠がある場合に必要となる書類です。 項目や趣旨などを記入します。 こちらも、日弁連のHPからダウンロードできます。

裁判費用の予納金は収入印紙・郵券(切手)で納める

裁判費用は、「予納金」と言って予め納める必要がありますが、現金で振込等を行うわけではありません。

訴訟の費用は、収入印紙で支払います。請求金額が100万円未満の場合は、10万円ごとに1,000円。100万円~500万円未満の場合は、20万円ごとに1,000円となっています。

予納郵券は、裁判所からの書類を郵送するために使われるもので、裁判所ごとに決められていますが、5,000~6,000円前後です。

これらの費用は、裁判で勝った場合、賃金業者側に請求することが可能です。

貸金業者から「答弁書」が届くので、「準備書面」を作成する

訴状の提出後、第1回期日が裁判所から指定されます。約1ヶ月程度後の平日が指定され、いよいよ最初の裁判の日が決まるわけです。そして、賃金業者から「答弁書」が届きます。

今回、こちらからグレーゾーン金利は違法であり、遡ってその返還を請求し訴えていますので、それに対しての賃金業者側の言い分が示されています。
この「答弁書」への反論として、「準備書面」を作成し裁判所へ提出します。

準備書面も同様に、日弁連のHPからダウンロード可能です。

決まった時間と指定された法廷へ向かいましょう

第1回期日で指定された時間に、指定された法廷へ向かうと、いよいよ最初の裁判が始まります。

ここでは、こちらからの訴えとなる訴状の内容確認となる「訴状陳述」と、賃金業者側の言い分の確認となる「答弁書陳述」が行われます。

裁判では、お互いの主張を確認することが主になるため、争点が複雑でなければ5分程度で終了します。

2回目以降も同様の流れとなりますが、裁判では公の場でお互いの主張を確認しているに過ぎません。その後、2回目の期日前に和解条件の提示がなされ、判決前に和解条件を模索するというのが一つの流れです。

和解条件の折り合いがつかない場合は裁判官が判決を下す

裁判を重ね、和解条件の折り合いがつかない場合、裁判官が判決を下します。

この判決を賃金業者側が納得すればこれで解決となりますが、判決に不服を申し立てることが出来ます。判決に異議がある場合、「控訴」と言って再度裁判を行う流れになります。

まとめ

過払い金の請求には「裁判」と「示談」があり、裁判のほうが費用と期間がかかりますが、返還額は大きくなるケースが多いです。

現在の状況や借金の額に合わせて、示談と裁判のどちらのほうがメリットがあるか、まずは弁護士に相談してみるのも手ですね。

裁判の流れのポイントは、訴訟前、裁判前にそれぞれ書面を用意する必要があること。費用は事前に収入印紙と郵券(切手)で納めることです。

裁判自体は、長々とお互いの主張をぶつけ合い、相手を論破するようなものではなく、主張を確認しながら、法定外で和解案を模索するのが一つのパターンです。他方で回数を重ねた上で裁判官の判決が下り、それでも控訴を行い長期化を意図的に図る賃金業者もいます。

示談と裁判、どちらのほうがメリットがあるか、費用や期間もさることながら、裁判経験や相手先の賃金業者に詳しい専門家に相談をして、しっかりと見極めていきたいですね。

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