過払い金

過払い金の対象となる条件とは?過払い金の発生と請求を徹底解説

借入金の返済として支払ったお金が戻ってくる「過払い金」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。でも、自分が過払い金の対象となっているかどうかについてはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、過払い金はどのような場合に発生するのか、過払い金が発生していても請求できないのはどんなケースなのかなど、過払い金の対象となる条件について徹底的に解説します。自分が過払い金を請求できるのかが気になっている方は参考にしてください。

目次
  1. 1. 過払い金は本来支払う必要がなかったお金
    1. 1.1. 過払い金が発生するのはどんな場合か
    2. 1.2. 過払い金が発生しているかどうかはどうすれば分かるのか
    3. 1.3. 過払い金請求を自分で行うときの注意点
    4. 1.4. 過払い金の対象となりやすい人の6つのポイント
  2. 2. 過払い金の対象となりやすい人の6つのポイントを詳説
    1. 2.1. 2010年より前に借入れをしたことがある
    2. 2.2. クレジットカードのキャッシングを利用したことがある
    3. 2.3. 2006年以前に借入をしていて、現在は完済している
    4. 2.4. 20%以上の金利で借入れをしたことがある
    5. 2.5. 過去10年以内に完済した
    6. 2.6. 借入期間が5年以上続いている
  3. 3. 取引していたときの金利がわからない場合は?
    1. 3.1. 過払い金対象かどうかは借入期間が目安となる
  4. 4. 過払い金対象かどうか確認したい業者の名前がわからない場合
    1. 4.1. 過払い金請求できるのはこんな場合
    2. 4.2. 既に完済している場合の注意点
    3. 4.3. まだ返済中の場合の注意点
  5. 5. 過払い金請求ができないのはこんな場合
    1. 5.1. 完済してから10年以上が経っている
    2. 5.2. グレーゾーン金利で借り入れたことがない
    3. 5.3. 借入を繰り返していても過払い金が発生しない業者をご紹介
    4. 5.4. 2010年の出資法改正以降に借り入れた
    5. 5.5. クレジットカードでショッピング機能を利用した
    6. 5.6. 銀行のカードローンで借り入れた
    7. 5.7. 車のローンや住宅ローンを利用した
    8. 5.8. 過払い金が発生した貸金業者が倒産した
  6. 6. 借入先の業者から起こされた裁判を経て支払った
  7. 7. 過払い金請求できないと思っても実は請求できるケースがある
    1. 7.1. 契約書類をなくしてしまった場合
    2. 7.2. 裁判外で業者と和解した場合
    3. 7.3. クレジットカードでキャッシングをした場合
  8. 8. リボ払いをした場合も過払い金請求できるか?
    1. 8.1. リボ払いでもショッピングについては過払い金は発生しない
    2. 8.2. リボ払いによる過払い金の返還を請求するときは注意が必要
  9. 9. 自己破産などで債務を整理した場合も過払い金の対象になる?
    1. 9.1. 自己破産をした場合
    2. 9.2. 特定調停で債務整理をした場合
    3. 9.3. おまとめローンを利用した場合
    4. 9.4. 過払い金請求を専門家に依頼する理由
  10. 10. 過払い金請求のデメリットに要注意
    1. 10.1. 過払い金請求の対象となっているかどうか分からないときの対処法
    2. 10.2. 過払い金請求が可能な貸金業者をご紹介

過払い金は本来支払う必要がなかったお金

過払い金とは、本来支払う必要がないのに貸金業者に支払ったお金のことです。以前、多くの貸金業者が本来の金利より高い金利を債務者から取っていたことがありました。

本来の金利は借入額に応じて15~20%と利息制限法で決められています。ただ、2010年6月までは出資法という法律で29.2%までは金利を受け取っても貸金業者が処罰されることはありませんでした。

そのため、多くの貸金業者が29.2%またはそれに近い金利を受け取っていたのです。しかし、利息制限法の金利を超える部分は本来支払う必要がなかったお金になります。これが過払い金です。過払い金は貸金業者から取り戻すことができます。

過払い金が発生するのはどんな場合か

借入れをしたすべての場合で過払い金が発生するわけではありません。過払い金が発生するのは、以下の2つの要件を満たす場合です。

  • 2010年6月以前に利息制限法の金利を超える取引をしていた
  • 最後の取引から10年以内

利息制限法の上限金利は借入額に応じて段階的に決められています。借入額が10万円以下なら20%、10万円以上100万円未満で18%、100万円以上で15%です。長期間の取引をしていても、金利がこの範囲内であれば過払い金は発生しません。

2010年6月より以前は出資法の上限金利である29.2%で取引をしている貸金業者が多かったのですが、法改正によって2010年6月以降は出資法の上限金利も利息制限法と同じ20%に引き下げられました。したがって、それ以降は過払い金が発生しなくなっています。

過払い金が発生していたとしても、10年以内に請求しないと時効で消滅してしまいます。時効の進行は最後に取引したときから始まります。したがって、最後に取引してから10年以上が経過していると過払い金は消滅時効にかかり、取り戻せなくなります。

過払い金が発生しているかどうかはどうすれば分かるのか

利息制限法の金利を超える利息を支払っていたとしても、必ずしも過払い金が発生しているとは限りません。過払い金が発生しているかどうかを判断するためには、貸金業者との取引にかかった利息を計算し直す必要があります。

利息を計算し直すためには、貸金業者から取引履歴を取り寄せる必要があります。取引履歴には借入れ・返済の記録が全て載っています。ただし、利息はその貸金業者が設定した金利で計算されています。その履歴を利息制限法の金利に直して計算するのです。これを過払い金の引き直し計算といいます。

その結果、実際に支払った金額が本来支払うべきだった金額を超えていれば、その差額が過払い金となります。

貸金業者の設定した金利が利息制限法の金利を超えている場合は、過払い金が発生していない場合でも借入残高は減るはずです。既に完済している場合は、時効が完成していない限り確実に過払い金が発生しています。

過払い金請求を自分で行うときの注意点

過払い金請求を行うには弁護士や司法書士などの専門家に依頼する方法もありますが、自分で行うこともできます。

自分で行う場合は費用がかからないというメリットがありますが、その反面、手間がかかったり難しい知識が必要になるデメリットもあります。

取引履歴の取り寄せや利息の引き直し計算にはそれなりの手間がかかりますし、計算を間違ってしまうリスクもあります。正しく計算できても、貸金業者との交渉では多くの場合、難しい知識が要求されます。

十分な知識を持っていないと、本来取り戻せるはずの過払い金を減額する主張をされても反論できず、納得してしまう恐れがあります。よくあるケースとしては、「ゼロ和解」を提案されるケースです。ゼロ和解とは、残っている借金をゼロにする代わりに過払い金の請求も取り下げるという内容の和解です。

借金がゼロになるだけで喜んでしまう方も多いですが、貸金業者がゼロ和解を提案してくるときはほぼ間違いなく、借金をゼロにしてもなお過払い金が発生しているケースです。場合によっては費用を支払ってでも専門家に依頼した方が最終的には取り分が多くなることもよくあります。専門家の無料相談を利用して結果の見通しを立ててみるのも良いでしょう。

過払い金の対象となりやすい人の6つのポイント

貸金業者から取引履歴を取り寄せ、利息の引き直し計算を正確に行えば過払い金が発生しているかどうかがはっきり分かります。過払い金の正確な金額も判明します。しかし、その作業には手間もかかりますし、専門家に依頼するのであれば最初から依頼したほうが良いでしょう。

とはいえ、専門家に依頼するかどうかを検討するためにも、自分が過払い金の対象となっているのかどうかをおおよそでも知りたいところです。過払い金の対象となっている可能性が濃厚であれば、報酬を支払ってでも専門家に依頼したほうが得です。

そこで、過払い金の対象となりやすい人のポイントをご紹介します。

以下の6つのポイントのうち、該当するものが1つでもあれば過払い金の対象となっている可能性があります。

  • 2010年より前に借入れをしたことがある
  • キャッシングリボをしたことがある
  • 借入れをしたが完済した
  • 20%以上の金利で借入れをしたことがある
  • 過去10年以内に完済した
  • 借入期間が5年以上続いている

過払い金の対象となりやすい人の6つのポイントを詳説

それでは、過払い金の対象となりやすい人の6つのポイントを1つずつ詳しく解説していきます。

ご自分が当てはまる項目がある方は、該当の項目をよく読んでご自分の取引を確認されることをおすすめします。

2010年より前に借入れをしたことがある

2010年より前に消費者金融やキャッシングで借入れをしたことがある=利息制限法の上限金利を超える金利で取引をしたことがあるということです。したがって、過払い金の対象となっている可能性があります。

ただし、一度でも2010年より前に借入れをしていれば、過払い金の対象になっているというわけではありません。

既に解説したとおり、2010年6月までは、それまでの出資法の上限金利であった29.2%に近い金利で取引をしていた貸金業者が多くありました。

29.2%と利息制限法の上限金利(15%~20%)の間の金利は、個人に金銭を貸し付ける際の金利としては違法ではあるものの罰則はないという意味で「グレーゾーン金利」と呼ばれています。

グレーゾーン金利による取引を長く続けていればいるほど、過払い金の対象となっている可能性が高くなります。つまり、2010年6月の時点で、消費者金融からの借入れがあった場合には過払い金の対象となっている可能性が高いといえます。

クレジットカードのキャッシングを利用したことがある

クレジットカード会社や信販会社は信用性が高いので、消費者金融とは違って違法な金利を取ることはないというイメージをお持ちの方も少なくありません。

しかし、クレジットカード会社や信販会社でも2010年以前はグレーゾーンの金利で取引をしていた会社はたくさんあります。

したがって、2010年6月の時点でクレジットカードによるキャッシングの利用をしていた場合は、過払い金の対象となっている可能性が高いです。リボ払いも対象となります。

ただし、クレジットカードのショッピングは「借金」と違って「立替金」なので利息制限法の適用はありません。そのため、ショッピングの利用については通常の分割払いもリボ払いも過払い金の対象とはならないので注意しましょう。

2006年以前に借入をしていて、現在は完済している

現在は既に借金を完済している方でも、過払い金の対象となっている方は少なくありません。2010年より前に借入れをしていた場合は過払い金の対象となっている可能性が高いことは前述しましたが、2006年より前から借入をしていた場合はさらにその可能性が高くなります。

2006年より前は、ほぼ全ての消費者金融業者が当時の出資法の上限金利である29.2%か、それに近い金利で融資をしていました。

なぜかというと、利息制限法の上限金利を超える利息の支払いでも、債務者が任意に利息の支払いと知って支払った場合は有効とされるという「みなし弁済」が認められていたからです。

しかし、2006年にみなし弁済を認めないとする判例が出ました。この判例を受けて2010年に出資法の上限金利が引き下げられたのですが、一部の消費者金融業者は2006年の時点で既に融資の際の金利を利息制限法の上限金利にまで引き下げました。

そのため、2006年以前に借入れをしていた場合は過払い金の対象となっている可能性が非常に高いといえます。

ただし、最終取引から10年以上が経過していると消滅時効が完成していることには注意が必要です。

20%以上の金利で借入れをしたことがある

2010年より前や2006年より前でも、利息制限法の上限金利を超える金利で貸付けをしていた貸金業者の全てが当時の出資法の上限金利であった29.2%で貸付けを行っていたわけではありません。

実際の金利は28%だったり25%だったり、20数%だったりと、業者ごとにまちまちでした。借入れをした人によってそのときの金利はさまざまだと思いますが、利息制限法上の金利は20%が上限です。

20%以上の金利で一度でも借入れをしたことがある場合は、過払い金請求の対象となっている可能性が非常に高いといえます。

過去10年以内に完済した

一度でも利息制限法の上限金利を超える金利で借入をしたことがあり、かつ既に完済している場合は確実に過払い金が発生しています。ただし、既にご説明したとおり、過払い金が発生していても最後の取引から10年以上が経過すると過払い金は消滅時効にかかります。

したがって、現在、過払い金請求の対象となるのは借金を完済してからまだ10年が経過していない場合に限られます。

借入期間が5年以上続いている

借入れと返済の繰り返しが長期間に及べば及ぶほど、高金利で利息を支払う機会が多くなるため、トータルで計算すると過払い金が発生する可能性が高くなります。目安として、過払い金の対象となるのは借入期間が5年以上続いている場合です。

ただし、これはあくまでも目安であり、借入れより返済の方が頻度が高い場合は5年よりも短い期間で過払い金の対象となる可能性もあります。

借入れが一度のみで、あとは分割弁済しているだけの場合は、借入れの金利が利息制限法の上限金利を超える金利であれば確実に過払い金の対象となっています。

取引していたときの金利がわからない場合は?

ご自分が過払い金の対象になっているかどうかを判断するには、取引していた当時の金利が何%だったのかが非常に重要なポイントになります。利息は借り入れた際の書類に書いてあるはずなので、書類を全て保管している場合は書類を見返すことで、いつ、何%の金利で取引していたのかが分かります。

しかし、書類をすぐに捨ててしまう方も少なくないでしょう。すぐに捨てなくても完済してから何年も経つ書類を保管している方のほうが少ないかもしれません。そんなときは、具体的に金利を覚えていなくても、取引をしていた会社名さえ覚えていれば調べることができます。

電話で問い合わせて本人確認ができれば、自分の契約に関することなら調査して教えてくれる会社もあります。教えてくれない会社の場合は、取引履歴を取り寄せればいいのです。取引履歴には全ての借入れと返済の年月日、取引金額、利息が記載されています。これによって過払い金の有無と金額を正確に計算することができるので、心配はいりません。

過払い金対象かどうかは借入期間が目安となる

取引履歴を取り寄せるのに遠慮はいりません。自分の契約に基づく債権債務の内容を確認することには何の問題もありませんし、取引履歴を取り寄せたことによるデメリットは何もありません。

最近はどこの貸金業者でも、取引履歴を送ってほしいと連絡すれば送ってくれます。ただ、それでも貸金業者に連絡をするのは何となく億劫なので、できれば取引履歴を見なくても過払い金の対象となっているかどうかのおおよその目安を知りたい方も少なくないでしょう。

過払い金の対象となっているかどうかについては、借入期間を目安とすることができます。内容は既にご説明しましたが、ここにポイントをまとめておきます。

まず、過払い金の対象となるためには、次の2点の要件をいずれも満たす必要があります。

  • 2010年以前から借入れがあること
  • 完済してから10年が経過していないこと

2010年6月以降は全ての貸金業者が利息制限法の上限金利を超える金利での貸し出しはしなくなったので、それ以降の借入れは過払い金の対象とはなりません。

過払い金対象かどうか確認したい業者の名前がわからない場合

借り入れ先が数社程度なら業者名を覚えていても、何件も借り入れた中の1社について、それも何年も前に完済した場合であれば業者名を覚えていないこともよくあるでしょう。

業者名を覚えていなくても書類も残していないという場合は弁護士などの専門家に相談したところで調べる方法はないので、自分で思い出すか調べる必要があります。思い出す方法としては、契約したきっかけの記憶をたどってみるのが有効なことがあります。

例えば、無人契約機で契約したとか、よく行くデパートやショッピングモールで勧められて契約したとか、ガソリンスタンドで契約したなどのきっかけです。これらのきっかけを思い出すことができれば、少なくとも対象となる業者が数社に絞られるので、業者名を思い出しやすくなります。

また、口座引落で返済していた場合は通帳の記載から、ATMからの振込によって返済していた場合は、振込明細票の記載から業者名が分かることもあります。

以上のヒントが何もない場合でも、自分の信用情報を取り寄せることで業者名が判明することもあります。

シー・アイ・シー(CIC)や日本信用情報機構(JICC)などの信用情報機関には、金融機関からの借入れなど各自の信用情報が登録されており、自分の信用情報は取り寄せることができるようになっています。

ただし、信用情報の保有期間は5年程度と言われており、それより前に完済して取引が終了している場合は自分の信用情報を取り寄せても知りたい業者名は記載されていないことになります。

以上のヒントを頼りにしてもどうしても業者名を思い出せない場合は、可能な限り可能性のある業者名をピックアップして、それぞれの業者に問い合わせてみることです。

該当のない業者であれば「該当なし」という回答が返ってきますし、該当する業者であれば問い合わせに対応してくれます。

過払い金請求できるのはこんな場合

過払い金請求できる場合をまとめると、以下のとおりとなります。

  • 利息制限法の上限金利を超える金利で借り入れたことがある
  • 最後の取引から10年が経過していない

以上の条件を満たしていれば、既に借金を完済済みでも、まだ返済中でも過払い金請求できる可能性が高いです。ただし、既に完済済みの場合とまだ返済中の場合では異なる点に注意が必要です。

既に完済している場合の注意点

利息制限法の上限金利を超える金利で借り入れたことがある以上は、既に完済していれば確実に過払い金が発生していますが、消滅時効に注意が必要です。

最後の取引から10年以上が経過すると過払い金返還請求権が時効消滅してしまい、1円も過払い金を取り戻すことができなくなってしまいます。完済してから年数が経過している場合は、早めに過払い金請求を行う必要があります。

まだ返済中の場合の注意点

借金を継続して返済中の場合は過払い金返還請求権が時効消滅することはありません。しかし、過払い金請求を行うことで不利益を受けることもあるので注意が必要です。

過払い金が発生していても、まずは借入金残高の返済に過払い金が充当されます。その結果、借入金残高がゼロにならずに借金が残った場合は手続としては任意整理を行ったという扱いになります。

そのため、ブラックリストに載せられてしまい、数年間は新たな借入れをしたり、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることはできなくなってしまいます。

一方、発生した過払い金を債務残高に全て充当しても余りが出る場合はブラックリストに載せられることはありません。

ブラックリストに載せられてでも早めに過払い金請求を行うか、過払い金の金額が債務残高を上回るようになるまで待ってからは過払い金請求を行うかは十分に検討する必要があります。

過払い金請求ができないのはこんな場合

過払い金請求ができない場合の中には、過払い金が発生していない場合と、過払い金が発生してはいても請求することができない場合があります。 さまざまなケースがあるので、順次解説します。

完済してから10年以上が経っている

過払い金の返還請求権は、最後の取引から10年で消滅時効が完成します。したがって、取引中に過払い金が発生していても、完済してから10年以上が経っている場合は過払い金請求はできなくなります。正確にいうと、請求はできますが貸金業者が時効を援用すると1年も過払い金を取り戻すことはできないので、請求しても無駄になってしまうということです。

グレーゾーン金利で借り入れたことがない

借入れが長期間に及んでいる場合でも、グレーゾーン金利での借入れたことがなく、全ての借入れが利息制限法に定められている範囲内の金利によるものであれば過払い金は発生しません。2010年6月以降はグレーゾーン金利で貸付を行う業者はなくなったので、それ以降の借入れでは過払い金が発生することはなくなっています。

借入を繰り返していても過払い金が発生しない業者をご紹介

2010年より前、特に2006年より前はグレーゾーン金利で貸付を行っていた消費者金融業者が多かったのですが、当時から適法金利でのみ貸付を行っていた消費者金融業者もあります。 そういった業者からの借入れについては、たとえ長期間の借入れであっても過払い金が発生することはありません。 従来から適法金利でのみ貸付を行っていた消費者金融業者としては、以下のような業者があります。

  • モビット
  • オリックスローン
  • キャッシュワン
  • アットローン(現SMBC)
  • ダイレクトワン

ジャックスも1997年2月以降は適法金利での貸付のみとなっています。

2010年の出資法改正以降に借り入れた

出資法の上限金利を29.2%に引き下げる改正法が2010年6月18日から施行されています。この日以降の借入れについては、過払い金が発生することはありません。

クレジットカードでショッピング機能を利用した

クレジットカードの利用には「キャッシング機能」と「ショッピング機能」の2種類があります。このうち、ショッピングの利用は法的には借金ではなく立替金に該当します。そのため利息制限法は適用されません。したがって、クレジットカードでショッピングを利用して分割払いやリボ払いで支払った場合は、金利が20%を超えていても過払い金は発生しません。

銀行のカードローンで借り入れた

銀行の多くも消費者金融と同じようにカードローンを取り扱っていますが、金利は消費者金融よりも低くなっています。 銀行のカードローンの金利は何十年前でも適法な金利のみが適用されており、グレーゾーン金利が適用されたことはありません。 したがって、銀行のカードローンによって過払い金が発生することはありません。

車のローンや住宅ローンを利用した

車のローンや住宅ローンもグレーゾーン金利が適用されることはありません。これらのローンを組むと多額の利息を支払わなければならないため、過払い金が発生するのではないかと考える方も中にはいます。しかし、これらのローンを組む場合は元金が大きいために利息も大きくなるだけであり、グレーゾーン金利が適用されることはないので過払い金が発生することはありません。

過払い金が発生した貸金業者が倒産した

過払い金が発生していて、過払い金請求が時効で消滅していない場合でも、その借入れをしていた貸金業者が倒産した場合は過払い金請求をすることはできません。2000年を過ぎた頃から過払い金請求をする人が増えたため、消費者金融業者やクレジットカード会社の多くは過払い金の支払いのために経営が苦しくなり、現在までに倒産した業者も多くあります。さらに数年前には総量規制が導入され、一人あたりへの貸付可能額が制限されたために経営が苦しくなってきている業者はたくさんあります。まだ倒産していない業者でも、経営不振に陥っている業者から過払い金を全額取り戻すことは難しく、一部の金額した取り戻すことができない場合もあります。

借入先の業者から起こされた裁判を経て支払った

借金の返済が滞ると、借入先の業者から裁判を起こされることがあります。裁判を経た後に改めて借金を支払った場合は、過払い金は発生しません。裁判ではグレーゾーン金利の適用を主張しても認められないので、貸金業者が裁判を起こす段階で適法な金利に引き直されています。したがって、裁判を経た借金について過払い金が発生することはありません。

過払い金請求できないと思っても実は請求できるケースがある

過払い金請求ができる場合とできない場合を解説してきました。

ただ、多くの方が過払い金請求できないと思いがちなケースの中にも、実は過払い金請求できるケースがあります。

実際には請求できるのに、請求できないと思い込んで請求しないのは非常にもったいないので、正しく理解しておきましょう。

契約書類をなくしてしまった場合

借入先の業者との契約書類をなくしてしまった場合は過払い金の有無と金額を計算することができず、過払い金請求ができないと思ってしまう方が多くいらっしゃいます。しかし、契約書類がなくても借入先の業者名さえ分かれば過払い金請求はできます。過払い金の有無と金額は、その業者から取引履歴を取り寄せることによって計算することができるので、心配はいりません。

さらにいえば、業者名を忘れたとしても特定できることがございますので弁護士に相談するようにしましょう。

裁判外で業者と和解した場合

借入先の業者と裁判外で和解した場合は、取引経過を利息制限法の上限金利に引き直す計算がされていない場合が多いので、過払い金が発生している可能性が高いです。

弁護士を通じて和解した場合は別ですが、業者と債務者本人との間で和解する場合は取引履歴すら開示することなく和解している場合が大半です。いったん和解しているのに過払い金請求ができるのかと疑問に思われるかもしれませんが、債務者は過払い金の有無や本来の債務残高の金額を知らないままに行われた和解なので、改めて過払い金請求することに問題はありません。

クレジットカードでキャッシングをした場合

クレジットカード会社や信販会社は消費者金融とは異なり、金利が低いと考えて過払い金が発生しないと思ってしまう方も少なくありません。しかし、クレジットカードのキャッシングでも2006年より前にはグレーゾーン金利が適用されていることはよくありました。

したがって、借入れをした時期と借入期間にもよりますが、クレジットカードでキャッシングをした場合にも過払い金が発生しているケースがあり、その場合には過払い金請求できます。なお、クレジットカードによるショッピングについては、既にご説明したとおり過払い金が発生することはありません。

リボ払いをした場合も過払い金請求できるか?

クレジットカードでキャッシングの返済をリボ払いで行った方も多いでしょう。リボ払いの場合でも年利がグレーゾーン金利であれば、過払い金が発生します。 むしろ、リボ払いをしている場合は完済までに長期間を要するケースが多いので、通常の分割払いで返済したケースよりも過払い金が発生している可能性が高く、過払い金の金額も高額になっている傾向にあります。ただし、クレジットカード会社や信販会社のほとんどは2008年以降は適法な金利を適用するようになっているので、リボ払いによる返済で過払い金が発生するのは2008年よりも前のキャッシングに関するものに限られます。

リボ払いでもショッピングについては過払い金は発生しない

クレジットカードではキャッシングとショッピングを利用することができ、どちらも返済方法としてリボ払いを利用することができます。ただし、過払い金が発生するのはキャッシングを利用した場合のみです。ショッピングは借入金ではなく立替金なので利息制限法が適用されず、そのため過払い金が発生することはないのです。

リボ払いによる過払い金の返還を請求するときは注意が必要

以上にご説明したとおり、キャッシングをリボ払いで返済した場合は過払い金が発生している可能性がありますが、その過払い金の返還を請求するときには以下の点に注意が必要です。

過払い金請求をするとそのカードは使えなくなる

クレジットカードについて過払い金請求をすると、残債務がゼロであってもカード会社の規約によりカードは解約扱いとなって使えなくなります。キャッシング枠だけではなく、ショッピング枠も含めて全てが利用できなくなります。過払い金請求をしたいカードをさまざまな支払いや引き落としに利用している場合は、請求する前に支払い方法や引き落とし方法を変更しておかなければ困る場合があります。

キャッシングでの過払いはショッピングの残債務に自動的に充当される

キャッシングについて発生した過払い金の返還を請求すると、ショッピング利用分の支払いが残っていれば、その返済に過払い金が自動的に充当されます。この場合は過払い金の全額は手元に戻ってこないことになります。さらに注意が必要なのは、過払い金がショッピングの残債務に充当されると、それがたとえ1円であっても任意整理をしたという扱いになります。そのため、そのカードを使えなくなるだけでなく、ブラックリストに載せられてしまいます。

ショッピング枠を完済してから過払い金請求をすればブラックリストに載らない

ブラックリストに載せられた情報は全ての金融機関が見ることができるので、その後5年程度は新たにカードを作ったり、借入れを行ったりすることはできなくなってしまいます。このような自体を避けるためには、過払い金請求をする前にショッピング枠を完済しておくことです。発生している過払い金で残債務を支払うという形にならなければ任意整理をした扱いにはならないので、ブラックリストに載せられることはありません。

自己破産などで債務を整理した場合も過払い金の対象になる?

自己破産などで債務を整理した場合でも、グレーゾーン金利で借入れをしていた場合は過払い金の対象になるケースがあります。

自己破産をした場合

自己破産を申し立てるときには、全ての借入先の債務残高を裁判所に申告します。以前は適法な金利に引き直し計算を行う前の債務残高を申告していたため、過払い金が発生しているケースがたくさんありました。

しかし、2006年頃から全国の裁判所で自己破産申し立ての段階で適法な金利に引き直し計算を行った上で債務残高を申告することが求められるようになりました。したがって、現在では自己破産をした場合で過払い金が発生しているケースは原則としてありません。ただ、引き直し計算の結果まで裁判所が確認するわけではないので、引き直し計算をしないまま債務残高が申告され、自己破産に至ったケースもないとは言いきれません。

ご自分の場合がどうだったかを確認の上、分からない場合は弁護士などの専門家に相談した方がいいでしょう。

なお、過払い金請求権は最後の取引から10年で消滅時効にかかります。2006年からは既に10年以上が経過しているので、この点からも自己破産した場合で過払い金の対象となるケースは現在ではほとんどないといえます。

特定調停で債務整理をした場合

債務整理の方法のひとつとして「特定調停」という手続があります。これは簡易裁判所の調停の一種で、債務者の申し立てによって貸金業者と簡易裁判所で話し合いを行い、返済額や返済方法を新たに取り決める手続です。

この手続は業者が起こす訴訟とは異なり、話し合いの手続なので適法な金利に引き直す前の債務残高が前提になっている場合が多くあります。

引き直し計算されていなければ過払い金の対象となっている可能性は十分にあります。

おまとめローンを利用した場合

専門家に依頼したり裁判手続を利用したりする債務整理方法ではなく、金利の低いおまとめローンを利用して高金利の借入れを一括で返済した方も多いことでしょう。

このようにおまとめローンで他社の借入れを返済する場合に、適法な金利に引き直し計算をするケースはほとんどありません。

したがって、おまとめローンを利用して一括返済した業者との取引がグレーゾーン金利で合った場合は、過払い金の対象となっている可能性が非常に高いです。

過払い金請求を専門家に依頼する理由

過払い金請求は自分でもできますが、多くの手間と専門的な知識が必要になります。取引履歴を取り寄せるにも自分で貸金業者に連絡する必要がありますし、金利の引き直し計算も自分でやらなければなりません。

過払い金の計算が正しくできたとしても、取り戻すためには業者と交渉したり、場合によっては裁判をする必要もあります。

弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば、これらの手続を全て代行してやってもらえます。

交渉や裁判手続で失敗すると、本来取り戻せるはずの過払い金を取り戻せなくなってしまいますが、プロである専門家に依頼することによって自分で行う場合よりも多くの過払い金を取り戻すことが期待できます。

また、依頼した時点で業者からの支払い催促が止まり、家族に秘密で過払い金請求ができることも大きなメリットといえるでしょう。

過払い金請求のデメリットに要注意

過払い金請求には以下のようなデメリットもあるので、要注意です。過払い金請求を行う前にチェックしておきましょう。

デメリットとしては、まず、ブラックリストに載せられることもあるということです。ブラックリストに載せられると、その後の約5年間は新たな借入れやローンの利用、クレジットカードの作成などはできなくなってしまいます。

ただし、ブラックリストに載せられるのは返済中の残債務に過払い金を充当してもなお債務が残る場合だけです。過払い金を充当した結果、残債務を完済する形になる場合はブラックリストに載せられることはありません。

二つ目のデメリットとしては、過払い金請求を行った業者からは新たな借入れができなくなる可能性が高いことです。

ブラックリストに載せられなくても、過払い金請求を受けた業者は、規約によって今後、請求した人に対しては貸し出しをしてくれなくなる場合が多いのです。

借入れはしないに越したことはありませんが、その業者から借入れができなくなっても生活に支障が出ないかどうかをよく検討しておく必要があります。

過払い金請求の対象となっているかどうか分からないときの対処法

借入れをした業者との契約書類を残していなくても、業者名さえ分かれば取引履歴を取り寄せることによって過払い金の対象となっているかどうかを調べることができます。

ただし、貸金業者も無制限に取引履歴を保管しているわけではなく、何十年も前の取引履歴は廃棄している場合があります。

そのような場合でも、専門家であれば他の資料から取引を推測するなどして過払い金請求をするノウハウを持っています。

自分が過払い金の対象となっているのかどうかがどうしても分からない場合は、専門家に相談することをおすすめします。

過払い金請求が可能な貸金業者をご紹介

以下の業者は、利用者数が多く、かつ、過払い金の回収が期待できる主な業者をピックアップしたものです。これ以外の業者の中にも、過払い金の回収が期待できる業者はたくさんあります。

ここに書いていない業者について過払い金請求をしたいとお考えの方は、専門家に相談してみることをおすすめします。

  • アコム
  • アイフル
  • プロミス
  • CFJ
  • レイク
  • シンキ
  • セゾン
  • オリコ
  • ニコス
  • セディナ
弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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