過払い金

過払い金請求のリスクを徹底解説!安心して過払い金を取り戻そう

過払い金が発生していても、その返還を請求することには何らかのリスクがあるのではないかと不安に思って、過払い金返還請求に踏み切れないでいる方も多いのではないでしょうか。

過払い金返還請求をすることに基本的にはリスクはありませんが、それでも請求する人の状況によっては注意しなければならないこともいろいろあります。

ここでは、安心して過払い金を取り戻すことができるよう、過払い金返還請求に潜むリスクについて徹底解説します。

目次
  1. 1. 過払い金返還請求をするとブラックリストに載るリスクがある?
    1. 1.1. ブラックリストとは何か?
    2. 1.2. ブラックリストに載るかどうかをケースごとに解説
    3. 1.3. ブラックリストに載るとどうなるのか?
  2. 2. ブラックリストに載らないように過払い金返還請求をする方法
    1. 2.1. 場合によってはブラックリストに載るリスクを覚悟で過払い金返還請求を
  3. 3. 相手の貸金業者からはもう借りられなくなるリスク
    1. 3.1. クレジットカードが使えなくなるリスク
  4. 4. 系列会社のクレジットカードが使えなくなるリスク
    1. 4.1. 系列会社のカードは全て使えなくなる
    2. 4.2. 会社の合併によって同一会社となったカードも使えなくなる
    3. 4.3. ブラックリストに載らなくても過払い金請求したカードは使えなくなる
  5. 5. 借金をしていたことが家族にばれるリスク
    1. 5.1. 相手の貸金業者との連絡
    2. 5.2. 裁判所からの連絡
    3. 5.3. 弁護士や司法書士の事務所からの連絡
    4. 5.4. 家族に内緒で過払い金返還請求をする方法
  6. 6. 過払い金返還請求をした相手の貸金業者は今後利用できなくなるリスク
  7. 7. 過払い金が発生していても取り戻せなくなるリスク
    1. 7.1. 消滅時効が完成した場合
    2. 7.2. 貸金業者が倒産した場合
    3. 7.3. 過払い金を取り戻せなくなるリスクを回避するには
  8. 8. 過払い金の返還額が減ってしまうリスク
    1. 8.1. 過払い金返還請求をする意図を業者に知られてしまう
    2. 8.2. 過払い金の計算を間違えてしまう
    3. 8.3. 貸金業者との交渉が適切にできない
    4. 8.4. 依頼した専門家が原因で過払い金の返還額が減ってしまうリスク
    5. 8.5. 少しでも多くの過払い金を取り戻すために大切なこと
  9. 9. 過払い金請求の4大リスクの不安を解消しよう
    1. 9.1. 過払い金返還請求をするとブラックリストに載るリスクはあるか?
    2. 9.2. 過払い金返還請求をすると職場にばれるリスクはあるか?
    3. 9.3. 過払い金返還請求をして家族に借金がばれるリスクはないのか?
  10. 10. 生活保護受給者に特有の過払い金返還請求のリスク
  11. 11. どうしても過払い金返還請求のリスクの不安が拭えない方へ

過払い金返還請求をするとブラックリストに載るリスクがある?

過払い金返還請求をしたいけれど、リスクが気になっている方も多いことでしょう。特に、ブラックリストに載るのではないかと心配している方が多くいらっしゃいます。

そこで、ブラックリストとはいったい何なのか、過払い金返還請求をするとブラックリストに載るリスクがあるのかを解説します。

ブラックリストとは何か?

借金やローン、クレジットカードなどを利用すると、信用情報機関で債務者ごとに信用情報のリストが作成されます。このリストには契約内容や利用額、返済状況、残高などさまざまな信用に関する情報が登録されます。

返済を延滞したり、債務整理をしたなどの情報もこのリストに登録されます。借りたお金を約束どおりに返済できなかった事実を信用情報のリストに登録されることを、俗に「ブラックリストに載る」と表現しています。

ブラックリストに載るかどうかをケースごとに解説

気になるのは、過払い金返還請求をすることによってブラックリストに載るのかどうかということです。実は、過払い金返還請求をすることでブラックリストに載るかどうかは、ケースごとに異なります。そこで、ケースごとに解説します。

既に借金を完済している場合はブラックリストに載らない

既に借金を完済している場合で、返済中に法定金利を超えるグレーゾーン金利で取引をしていたことがあれば、過払い金が発生しています。

そして、その過払い金の返還を請求することによってブラックリストに載ることはありません。

なぜなら、ブラックリストとは上記のように借りたお金を約束どおり返済できなかったときに載るものです。

約束どおりに返済した後に払いすぎたお金の返還を請求する場合はブラックリストに載ることはないのです。まだ完済していなくても、グレーゾーン金利での取引を法定利息で引き直し計算した結果、元金を完済したことになる場合もブラックリストに載ることはありません。

現在借金を返済中の場合

現在借金を返済中でも、グレーゾーン金利で取引をしていたことがある場合は、過払い金が発生している場合があります。

ただし、グレーゾーン金利での取引を法定利息に引き直し計算し、払いすぎた利息を元金に充当してもなお、借入元金が残る場合があります。この場合はブラックリストに載ってしまいます。

なぜなら、このような処理を行うと、貸金業者では借入元金を減額する交渉という扱いになってしまうためです。また、残った借入元金についても改めて返済方法を交渉した上で支払っていかなければなりません。

こういった一連の処理は債務整理の一種である「任意整理」として取り扱われるため、ブラックリストに載ってしまうのです。

既に完済した借金と現在返済中の借金が両方ある場合の注意点

この場合に過払い金返還請求をすると、上記のとおり完済した借金についてはブラックリストに載りませんが、返済中の借金について借入元金が残った場合はブラックリストに載ってしまいます。

ただし、過払い金返還請求をするタイミングを調整することで、ブラックリストに載ることを避けることもできます。

返済中の借金については、払いすぎた利息で借入元金を完済したり、完済した借金の過払い金で一括払いできる程度に借入元金が減るまで返済を続けてから過払い金返還請求をすることでブラックリストに載ることはなくなります。

ブラックリストに載るとどうなるのか?

ブラックリストに載ると、どのようなリスクがあるのかが気になる方も多いことでしょう。ブラックリストに載ることで受ける不利益には、主に以下の3点があります。

ローンが利用できなくなる

ブラックリストに載ってしまうと、ローンを利用することができなくなってしまいます。住宅ローンや自動車ローン、教育ローンをはじめとして、ローンを組めなくなるのです。

これは、ローンの申込をした際にローン会社が申込者の信用情報を審査するため、ブラックリストに載っていると返済が見込めないため、ローンを通してくれなくなるためです。

ただし、任意整理によるブラックリストの登録は約5年で消えると言われています(個人再生や自己破産は最大10年)。その後はまたローンを利用できるようになります。

クレジットカードを利用できなくなる

クレジットカードによるキャッシングはもちろん、ショッピングや各種の引き落としなどもブラックリストに載ってしまうと利用できなくなります。

クレジットカード会社も立て替えて支払ったお金をカードの名義人から返済してもらわなければならないため、名義人の信用情報を審査しているのです。

そのため、新規のクレジットカードを作ることはできなくなりますし、利用中のクレジットカードもしばらくすると使えなくなったり、更新できなくなる場合が多くあります。

いまはクレジットカードが使えないと不便な時代になりましたが、デビットカードで代用できる場合も多いので、必要な方は検討してみてください。

新たな借入れができなくなる

ブラックリストに載ると、新たに借金をすることはできません。まっとうな貸金業者であれば、貸付けをする際に信用情報を審査するためブラックリストに載っている人にお金を貸すことはありませんが、悪質な貸金業者や違法な業者はこの限りでないことに注意が必要です。

実は、ブラックリストに載ったからといってお金が借りられないという法律はありません。それぞれの貸金業者の審査において、ブラックリストに載っている人は返済能力が乏しいと判断して貸付けを断っているのです。

しかし、悪質な貸金業者や違法な業者はブラックリストに載っている人には借金癖があると見て狙いをつけ、高金利でお金を貸付け、返済が滞ると暴力的な取立てをすることがあります。

お金に困ったからといってこのような業者から借金をしないよう、注意が必要です。

ブラックリストに載らないように過払い金返還請求をする方法

過払い金返還請求をしてもブラックリストに載らないようにする方法は先ほど少しご説明しましたが、取り戻した過払い金で他の借金も完済し、借入残高が残らないような状態で過払い金返還請求をすることです。簡単な例を挙げてみましょう。

  • A社には既に完済しており、50万円の過払い金が発生している
  • B社には返済中で、金利の引き直し計算の結果30万円の借入残高が残る

この場合は、A社から取り戻した過払い金でB社の借入残高を一括で完済することによりブラックリストには載らずにすみます。 しかし、次のケースでは注意が必要です。

  • A社には既に完済しており、50万円の過払い金が発生している
  • B社には返済中で、金利の引き直し計算の結果80万円の借入残高が残る

この場合はA社の過払い金を全額B社の返済に充てても借入残高が残るので、ブラックリストに載ってしまいます。ブラックリストに載らないようにするためには、B社の借入残高が50万円以下になるまで返済を続けてから過払い金返還請求を行うことが必要です。

ただし、過払い金返還請求権は10年で時効にかかってしまうので、A社への過払い金返還請求は早めしておく必要があります。

場合によってはブラックリストに載るリスクを覚悟で過払い金返還請求を

過払い金返還請求をするタイミングによってブラックリストに載るリスクを避けることはできますが、場合によってはブラックリストに載ってでも早めに過払い金返還請求をしたほうが良いこともあります。

上記の例では、B社の借入残高が50万円以下になるまで今までどおりに返済を続けることをおすすめしましたが、借入残高を30万円減らすことは容易ではない場合も多いでしょう。

無理をして返済を続けると、結局は延滞してブラックリストに載ってしまったり、最悪の場合は給料や預貯金口座などを差し押さえられてしまうリスクもあります。

過払い金返還請求をすれば、借入残高が残ったとしても減額することができますし、減額すれば返済月額を減らすこともできるでしょう。

ブラックリストに載ってしまい今後の借金ができなくなるということは、考え方を変えれば借金癖がある人にとってはメリットともいえます。

返済が厳しい場合は早めに過払い金返還請求や債務整理を検討することをおすすめします。

相手の貸金業者からはもう借りられなくなるリスク

ブラックリストに載らなくても、過払い金返還請求をすると、請求した相手の貸金業者からはもうお金を貸してもらえなくなるリスクがあります。

多くの貸金業者では「社内ブラック」という独自の融資基準を設けており、ブラックリストに載った人以外にも何らかの問題がある人には融資をしない場合があります。この社内ブラックに、過払い金返還請求した人を載せる貸金業者もあるのです。

ただし、社内ブラックに載せるかどうかの対応が業者ごとにまちまちです。過払い金返還請求をした人でも、その前に完済した人であれば優良顧客であるともいえるので、貸付けをする業者もあります。

一応、過払い金返還請求をするなら相手の貸金業者を今後利用できなくなっても不都合がないかどうかを確認しておく必要があります。

なお、過払い金返還請求をしたことによって貸金業者から何らかの嫌がらせを受けるのではないかという心配をする方もいますが、その心配はありません。

過払い金は法律上、支払った人に返さなければならないお金だということは貸金業者も当然わきまえています。また、過払い金返還請求をするひとはたくさんいるので、いちいち嫌がらせをするほど貸金業者も暇ではありません。

ヤミ金などの違法な業者の場合は暴利を貪るために嫌がらせをして返済を強要してくることがありますが、正規の業者であれば嫌がらせをされることはありませんので、ご安心ください。

クレジットカードが使えなくなるリスク

過払い金返還請求をすると、クレジットカードが使えなくなることがあります。ブラックリストに載った場合は全てのカードが使えなくなり、新たにカードを作ることもできなくなります。

既に持っているカードの全てがすぐに使えなくなるわけではありませんが、いずれ全てのカードが使えなくなります。

クレジットカード会社も名義人の信用情報を随時審査しています。最低限、カードを更新する際には信用情報を確認しています。そのため、ブラックリストに載ってしばらくの間は使えるカードがあったとしても、更新ができなくなるため、やがて全てのカードが使えなくなります。

クレジットカードが使えなくなると、困ることがいろいろあります。過払い金返還請求をする前に、次の5点については必ず確認しておきましょう。

ショッピング枠の残高が残っていないか

ブラックリストに載ってカードの利用が停止になると、ショッピング枠の残高を一括で返済されるように請求されることがあります。ショッピング枠の残高は事前に完済しておきましょう。

公共料金など各種引き落としを利用していないか

クレジットカードで各種引き落としを利用していると、カードの利用停止後は引き落とされなくなり、さまざまな料金を延滞してしまうことになります。早めに各種料金の支払い方法を変更しておきましょう。

カード会社のポイントが残っていないか

せっかくカードでポイントが貯まっていても、利用停止になると無効になる場合が多いです。過払い金返還請求をする前にポイントは全部使っておいたほうが良いでしょう。

ブラックリストに載らなくてもカードが使えなくなる

あとで詳しく説明しますが、ブラックリストに載らなくても、過払い金返還請求をしたそのカードは使えなくなります。クレジットカードを使う必要がある場合は、早めに他者のカードを発行しておきましょう。

ETCカードを利用していないか

カードが利用停止になるとETCカードも使えなくなります。ブラックリストに載っていない場合は他社のカードは使えるので、早めに他社のETCカードに変更しましょう。

ショッピング枠が使えなくなることにはくれぐれも要注意

上記でも指摘しましたが、クレジットカードの利用が停止になるとキャッシング枠だけではなく、ショッピング枠も使えなくなります。

多くのクレジットカードにはキャッシング枠とショッピング枠がありますが、過払い金返還請求の対象となるのはキャッシング利用分だけです。

しかし、キャッシング利用分についてだけ過払い金返還請求をして、ショッピング枠を使い続けるということはできません。カードそのものが解約扱いになるので注意してください。

系列会社のクレジットカードが使えなくなるリスク

ブラックリストに載らない場合は、使えなくなるカードは請求した相手のクレジットカード会社のものだけです。他社のカードは問題なく使えます。

しかし、別のカードではあっても系列会社が発行している場合も多いことから、注意しなければならない点がいくつかあります。

系列会社のカードは全て使えなくなる

別々に発行されたカードでも、系列会社が発行したカードは全て使えなくなります。

例えば、三菱UFJ-VISA、MUFGカード、DCカード、NICOSカード、VIASOカード、リクルートカードなどは三菱UFJ銀行が発行したものもあれば三菱UFJニコスが発行したものもありますが、系列会社なのでひとつのカードについて過払い金返還請求をすると全てのカードが使えなくなるので注意が必要です。

会社の合併によって同一会社となったカードも使えなくなる

クレジットカード会社や消費者金融業者は合併することがあります。以前は他社のカードであっても合併後は同一会社のカードになるので、全て使えなくなります。

例えば、クレジットカード会社のセディナはOMCとセントラルファイナンス、クオークの3社が合併してできた会社です。合併前からそれぞれの会社のカードを持っていたとしても、合併後に過払い金返還請求をすれば全てが使えなくなります。

その他にも影響を受けることがある

同一会社や系列会社のカードでなくても、金融業者の繋がりによって影響が出ることがあります。

例えば、オリコカードに対して過払い金返還請求をした場合、オリコはみずほ銀行の貸付けの保証を行っているため、みずほ銀行のカードローンが利用できなくなります。このような例は他にもあるので、注意が必要です。

ブラックリストに載らなくても過払い金請求したカードは使えなくなる

先にもご説明しましたが、ブラックリストに載らなくても、過払い金返還請求をしたカードは使えなくなります。

この点は貸金業者での取扱いと同じで、過払い金返還請求をした人は「社内ブラック」に登録され、その時点でカードは解約扱いになってしまいます。それ以降、その人は利用を断られることになるのです。

ただし、延滞なく完済した後で過払い金返還請求をした人は優良顧客ともいえるので、再審査の上、改めてカードが発行される場合もあります。

ブラックリストに載らなければ、他社のカードはそのまま問題なく使えますし、新規発行も受けることができます。

借金をしていたことが家族にばれるリスク

過払い金返還請求をすると、さまざまな連絡を取る必要があるため、借金をしていたことが家族にばれるリスクがあります。

専門家に依頼することでこのリスクをかなりの部分避けることができますが、自分で過払い金返還請求をする場合は高いリスクがあることを覚悟しなければなりません。

借金をしたことは、ときに離婚の原因となることもあるので、過払い金返還請求をする前に家族にばれるリスクについては十分に検討しておく必要があります。

相手の貸金業者との連絡

自分で過払い金返還請求をすると、当然ですが相手の貸金業者との交渉を自分でやる必要があります。したがって、業者からの連絡が自宅に来るようになります。

連絡は携帯電話でのやりとりですむ部分も多いですが、郵便が自宅に届くこともありますう。特に、話し合いがまとまったときの和解書は郵送でやりとりすることになり、業者の社名入りの封筒が自宅に届けられ、それがきっかけで借金をしていたことが家族にバレることがあります。

裁判所からの連絡

過払い金返還請求訴訟は一般の方が提起しても世間が注目するような裁判ではないので、新聞に載ったりするようなことはありません。

ただし、裁判所からの連絡は郵便で自宅に届けられます。相手の業者から答弁書などの裁判書面が提出された場合や、和解をしたり判決が出たりした場合は和解調書や判決書が自宅に郵送されます。

郵便物には裁判所名が印刷されているので、それがきっかけで借金をしていたことがばれることもあります。

弁護士や司法書士の事務所からの連絡

弁護士に依頼すれば借金が家族にばれるリスクをかなり減らすことができます。まず、相手の業者との交渉や裁判は全て弁護士が代行してくれるので、業者や裁判所からの連絡は全て弁護士の事務所になされます。

ただし、過払い金返還請求に慣れていない事務所の場合は要注意です。事務所からの連絡が電話や郵便で自宅に届くと、やはり借金が家族にばれるリスクがあります。

また、司法書士の場合は請求額が140万円を超えると代行することができません。その場合も業者や裁判所からの連絡は自宅に届くので要注意です。

家族に内緒で過払い金返還請求をする方法

家族に内緒で過払い金返還請求をするためには、専門家に依頼するのが一番です。

専門家に依頼すれば、上記のとおり、業者や裁判所からの連絡は専門家の事務所が窓口になります。

過払い金返還請求に慣れた事務所であれば、依頼者との連絡は携帯電話での通話のみとして、書類を受け取る必要がある場合は携帯電話で連絡を受けた上で事務所に取りに行くように配慮してくれます。

また、弁護士や司法書士などの専門家には法律上の守秘義務が課されているので、例え家族であっても依頼を受けたことをばらされる心配はありません。

過払い金返還請求をした相手の貸金業者は今後利用できなくなるリスク

既にご説明したとおり、過払い金返還請求をすると「社内ブラック」に登録されるため、今後はその貸金業者を利用することはできなくなります。

ただし、どのような場合に社内ブラックに登録するかは業者ごとに対応がまちまちなので、完済後に過払い金返還請求をした場合など返済に問題がなかった場合はまた利用できる場合があることも既に解説したとおりです。

過払い金返還請求をした貸金業者から再度お金を借りたい場合は、一度完済してから過払い金返還請求をするようにしましょう。

過払い金が発生していても取り戻せなくなるリスク

過払い金が発生している人の中には、いつでも請求できると思って、現在お金に困っていなければ過払い金返還請求を後回しにしている人もいます。しかし、以下のような場合は過払い金が発生していても取り戻せなくなるリスクがあるので要注意です。

消滅時効が完成した場合

過払い金の返還請求権は、最後の取引から10年で消滅時効が完成します。消滅時効が完成すると、過払い金返還請求をしても業者に時効を援用されると請求権が消滅してしまうので、過払い金を取り戻すことができなくなってしまいます。

貸金業者が倒産した場合

過払い金の返還が負担となって経営が苦しくなり、倒産した貸金業者も数多くあります。倒産した貸金業者のうち、有名なところとしては以下のような業者があります。

  • 武富士
  • SFCG
  • アエル
  • SFコーポレーション
  • 丸和商事
  • クラヴィス
  • NISグループ
  • 栄光
  • ネットカード
  • 連専
  • クロスシード

過払い金を取り戻せなくなるリスクを回避するには

過払い金を取り戻せなくなるリスクを回避するためには、早めに過払い金返還請求をすることが第一です。消滅時効が完成したり、業者が倒産したりする前に請求することが重要です。

ただ、いっけん消滅時効が完成したように思えても、実はまだ完成しておらず、請求できる場合もあります。

10年以上前に一度完済していても、その後にまた借入れ、最後の取引から10年が経過していない場合は一連の取引を連続したものと考え、過払い金返還請求ができる場合があります。

業者が倒産した場合でも、合併や債権譲渡によって新会社に過払い金返還請求ができる場合も多々あります。

過払い金を取り戻せないのではないかと不安に思う場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。

過払い金の返還額が減ってしまうリスク

自分で過払い金返還請求をする場合は、以下の点に気をつけなければ受け取る過払い金の返還額が減ってしまうリスクがあります。

過払い金返還請求をする意図を業者に知られてしまう

過払い金返還請求をするためにはまず業者から取引履歴を取り寄せることが必要です。

そのためには業者に連絡して取引履歴の送付を依頼することになりますが、その際、業者から目的を尋ねられることがあります。

そのときに、正直に過払い金を計算するという目的を答えてしまうと、法律的に取り戻せる過払い金が減ってしまうリスクがあります。

過払いになっていることを知っていて任意に返済を続けた分は利息の支払いとして有効であると業者から主張されてしまうのです。

取引履歴を取り寄せる際に目的を尋ねられたら、「今までの取引を確認して返済方法を見直したい」というように答えるようにしましょう。

過払い金の計算を間違えてしまう

取引履歴を取り寄せたら、グレーゾーン金利を法定金利に引き直し計算します。このとき、一般の方は計算を間違えてしまう恐れがあります。

特に、借入先が何社もあったり、取引の途中で何度か完済したりしているケースでは計算が複雑になり、間違いが起こりがちです。

計算を間違えて本来の過払い金より低い金額を請求しても、業者が間違いをただしてくれることはありません。

その結果、取り戻せる過払い金が減ってしまうリスクがあるのです。

貸金業者との交渉が適切にできない

貸金業者との交渉には、ある程度は専門的な知識や交渉テクニックも必要になります。

専門家に依頼せず自分で請求した個人に対して、貸金業者は専門家が介入しているケースよりも低い金額の和解案を提示して、強気の態度で和解を勧めてくることがよくあります。

そんな貸金業者に対して的確に反論することができなければ、本来取り戻せるはずの金額を取り戻せないリスクがあります。

依頼した専門家が原因で過払い金の返還額が減ってしまうリスク

過払い金返還請求をするなら、一般的には専門家に依頼したほうが早く、過払い金の返還額も多くなることが期待できます。

しかし、場合によって依頼した専門家が原因で過払い金の返還額が減ってしまうリスクもあるので注意が必要です。

過払い金返還請求の依頼を大量に受けている事務所のリスク

依頼するなら過払い金返還請求の経験が豊富な事務所のほうが望ましいことは言うまでもありませんが、頻繁に広告を出すなどして過払い金返還請求の依頼を大量に受けている事務所に依頼するのは考えものです。

このような事務所では案件の処理が機械的になりがちで、依頼者の希望や質問にはなかなか答えられないケースもあります。

また、大量に案件を受けているため処理も滞りがちです。処理が滞るとその分、過払い金を取り戻せるまでに期間がかかりますし、時間に追われているために不当に低い金額で和解してしまっているケースも見受けられます。

過払い金返還請求のノウハウが乏しい事務所のリスク

専門家の事務所でも、過払い金返還請求のノウハウをどのくらい持っているかについてはピンからキリまであります。

過払い金返還請求に不慣れな事務所に依頼してしまうと、過払い金を取り戻すまでの期間が長くかかってしまう上に、取り戻せる金額も少なくなってしまうリスクがあります。

過払い金の回収方針にこだわりがある事務所のリスク

過払い金を回収するためにはいくつかの方法がありますが、理想はケースバイケースでその事案に適した方法をとることです。

ところが、専門家の事務所の中には過払い金の回収方針にこだわりがある事務所もあります。

極端に言うと、「裁判はしないで話し合いで必ず解決する」「話し合いは省略して全件すぐに裁判をする」という2つの方針があります。

回収金額にこだわるのであれば、一般的にはすぐに裁判をする事務所に依頼するのがベターですが、それもケースバイケースです。場合によっては話し合いで和解した方が確実に過払い金を回収できることもあります。

依頼した事務所の変更は容易ではないリスク

ある事務所に過払い金返還請求を依頼しても、途中で信頼できないと感じた場合は解約して他の事務所に変更することはできます。

ただしその場合、最初に依頼した事務所に支払った着手金等は返してもらえない場合もあります。そうなると、実質的には取り戻した過払い金の手取りが減ってしまいます。

また、新たに依頼した事務所でも手続を一からやり直す必要が場合もあり、過払い金を取り戻すまでの期間も長期化してしまいます。

悪徳専門家に依頼してしまうリスク

専門家に依頼すると、全ての手続をその専門家に任せることになります。そのため、手続がどのように進んだのかを確認する方法は、その専門家からの報告を受けることしかありません。

依頼した専門家が悪徳であれば、本当は100万円の過払い金を回収したのに依頼者には80万円しか回収できなかったと報告し、差額の20万円を着服するような例も実際にありました。

このような悪徳なケースはそうそうあるものではありませんが、弁護士の懲戒処分歴などは公表されているので、問題のありそうな専門家には依頼しないほうが良いでしょう。

悪徳業者に紹介されて依頼してしまうリスク

過払い金返還請求を承る業者を名乗って弁護士や司法書士を紹介する悪徳業者もいます。このような業者は弁護士や司法書士への着手金に紹介料を上乗せして稼いでいるのです。

しかし、弁護士や司法書士への紹介料を徴収すること自体が違法なので、このような業者の紹介で専門家に依頼してはいけません。

このような業者が紹介する専門家も悪徳であったり、場合によっては偽者であることも少なくありません。したがって、適切に過払い金を取り戻せる保証は何もありません。

余計な費用を徴収される上に、取り戻せる過払い金も少なくなってしまうので、悪徳業者の紹介には乗らないようにくれぐれもご注意ください。

依頼者の意向を無視する専門家に依頼してしまうリスク

まっとうな専門家であれば、依頼者の意向を確認して、その意向に沿った方針で案件を処理するものです。

しかし、なかには依頼者の意向を無視してしまう専門家もいます。簡単な手続で解決できる方針にこだわったり、逆にどんなに長期間を要しても少しでも多くの金額を回収することにこだわる専門家もいるのです。

自分が裁判をしてでも満額の過払い金を取り戻すことを望んで依頼しても、専門家がこちらの意向を無視して業者との話し合いで簡単に和解してしまえば、取り戻せる過払い金が少なくなってしまうリスクがあります。

高額の費用を請求する専門家に依頼してしまうリスク

専門家の報酬基準は事務所ごとに異なります。なかには高額の費用を請求する専門家もいます。

過払い金返還請求の事案については、依頼者が多かった5年前は着手金が無料だったのに、依頼者が減少した今では高額の着手金を請求する事務所も増えています。

専門家に依頼する前の相談の時点で、費用についても必ず確認しておきましょう。

なお、費用を調べるためにインターネットでいろんな事務所のサイトを見ることもあると思います。インターネットにはさまざまな口コミや評判が投稿されていますが、それらを鵜呑みにするのは考えものです。

ネットの口コミや評判はあくまでも個人の感想にすぎず、場合によってはサクラが投稿している可能性もあります。

依頼する専門家の信頼性は、実際に相談して判断することが大切です。

少しでも多くの過払い金を取り戻すために大切なこと

過払い金を少しでも多く取り戻すためには、やはり専門家に依頼するのがおすすめです。

ただし、上記のように依頼する専門家を間違うと大きなリスクもあります。過払い金返還請求の経験が豊富で、依頼者の意向をよく聞いてくれて、料金の設定も適切な良心的な専門家を探すことが重要です。

専門家に依頼して裁判をすれば、満額の過払い金に年5%の利息も付けて取り戻すことも可能です。

話し合いによる和解で解決する場合でも、経験豊富な専門家に任せたほうが取り戻せる過払い金は多くなるのが一般的です。

専門家はくれぐれも慎重に選んだ上で、信頼できる専門家に依頼しましょう。

過払い金請求の4大リスクの不安を解消しよう

ここでは、過払い金返還請求をする際に不安に感じる方が多い4大リスクについて解説します。以下のリスクに不安を感じている方は参考にしてください。

過払い金返還請求をするとブラックリストに載るリスクはあるか?

この点は既に解説したとおり、過払い金返還請求をすること自体によってブラックリストに載ることはありません。ただし、払いすぎた利息を元金に充当しても借入元金が残る場合はブラックリストに載ってしまいます。

複数の借入先があったりして計算が複雑になる場合は、専門家に相談して判断してもらったほうが安心できるでしょう。

過払い金返還請求をすると職場にばれるリスクはあるか?

このリスクはありません。心配はいりません。過払い金返還請求をすると、業者を連絡を取る必要があるため自宅に電話や郵便物が届くことはありますが、職場に連絡が来ることはありません。

悪質な貸金業者やヤミ金などの違法な業者から借金をして返済が滞った場合には職場に連絡が来ることもありますが、正当な貸金業者に過払い金返還請求をしたことで職場に連絡が来ることはありませんので、安心してください。

過払い金返還請求をして家族に借金がばれるリスクはないのか?

自分で過払い金返還請求をすると貸金業者からの連絡や裁判所からの通知が自宅に届くことがあり、それきっかけとして借金が家族にばれるリスクはあります。

弁護士や司法書士に依頼すれば業者や裁判所からの連絡は専門家の事務所が窓口となるため、借金が家族にばれるリスクがほとんどなくなります。

過払い金返還請求をすると住宅ローンに影響するリスクはあるか?

過払い金返還請求をしても借入残高が残り、ブラックリストに載ってしまった場合は、その後5年程度は住宅ローンが組めなくなります。ただし、既に契約して延滞することなく返済中の住宅ローンに影響が出ることはありません。

ブラックリストに載らない場合は、基本的には住宅ローンへの影響はありません。自由に住宅ローンを組むことができます。

ただし、過払い金返還請求をした相手の貸金業者やクレジットカード会社が銀行などの住宅ローンの保証を行っているケースがあります。その場合は、保証の審査が通らないために住宅ローンが組めないこともあり得ます。不安な場合は、専門家に相談することをおすすめします。

生活保護受給者に特有の過払い金返還請求のリスク

生活保護受給者も過払い金が発生していれば、もちろん過払い金返還請求をして取り戻すことができます。ただし、まとまった金額の過払い金を取り戻すと、生活保護の支給がストップする可能性があります。

生活費に使えるお金があるのなら、まずは過払い金を生活費にあてて、そのお金がなくなればまた生活保護が支給されるようになります。したがって、生活保護の受給を続けながら過払い金を取り戻しても、そのお金を自由に使うことはできないので注意が必要です。

どうしても過払い金返還請求のリスクの不安が拭えない方へ

過払い金が発生しているのなら、過払い金返還請求することによって取り戻すことができます。

それでもなお、何らかのリスクに対する不安が拭えなかったり、過払い金返還請求をすることに罪悪感を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、過払い金というのは元々あなたが払いすぎたお金です。貸金業者が保有しておく権利はなく、あなたに返還されるべきお金なのです。返還を請求することに罪悪感を感じる必要は全くありません。

何らかのリスクに対する不安をどうしても拭えない場合は、無料相談を利用して一度専門家に相談してみるのもいいでしょう。

まずは取引履歴を取り寄せて、過払い金がいくら発生しているのかを確認してから、実際に返還を請求するかどうかを検討しても良いです。

専門家に依頼するための費用が気になる方も多いと思いますが、回収した過払い金の範囲内でのみ費用を請求し、手出しの費用は請求しない事務所もたくさんあります。そういった事務所に依頼すれば、費用だけかかって過払い金を取り戻せなかったというリスクはありません。リスクを回避するためにも、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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