過払い金

過払い金請求は裁判すべき?裁判にかかる費用と返金額を徹底解説!

過払い金を取り戻す方法として、話し合いによる任意交渉と裁判があります。貸金業者によっては話し合いだけで過払い金を取り戻せますが、裁判を行わなければ厳しい業者もありますね。

「裁判は面倒なので避けたい」と思われるかもしれませんが、弁護士事務所に依頼すれば代理人として行ってもらえます。消費者金融・クレジットカード会社の過払い対応も、昔より厳しい傾向にありますので、早期に過払い金を取り戻すには、「最初から裁判を想定する必要がある」という見解の弁護士事務所もあります。

そのような過払い金の裁判について、当ページで詳しく解説していきます。

目次

過払い金の請求で裁判をする時とは…?

裁判で過払い金を請求する時とは、示談では満足のいく金額がもらえない、和解がまとまらない、過払い金に利息をつけて請求したいなどといった理由があります。過払い金の利息とは、カード会社が過払い金を返さなければいけなかった時点から、依頼人が過払い金を請求する時点までの利息というものが請求できるようになっています。過払い金の利息の支払いを受けるには、貸金業者が「過払い金を今まで返さないことに悪意があってその利益をカード会社のものにしていたこと」を証明し、裁判所の判断でこれを認めてもらう必要があります。 その為、過払い金請求のゴールを「裁判で利息付の過払い金を請求する」または、「裁判までではなく払いすぎた金額だけを求める」のどちらかを決めて行うようにしましょう。

過払い金裁判の流れ

過払い金返還請求の裁判の流れは以下です。

  • 訴訟提起
  • 期日の主張(裁判日の指定)
  • 判決
  • 過払い金の回収

訴訟提起

まずは訴訟の提起が必要になります。過払い金の額が140万円以下なら簡易裁判所、140万円を超えれば地方裁判所に提起します。

弁護士は簡易裁判所、地方裁判所の双方に対応していますが、司法書士は140万未満の簡易裁判所以外に代理権を認められていないので注意して下さい。

貸金業者との取引期間が長く、過払い金が140万円を超えそうな場合は、初めから弁護士事務所に相談する方が良いでしょう。

実際に裁判を起こすには「訴状」という書類を作成し、添付書類を添えて提出します。「訴状」のサンプルは裁判所の窓口や、公式ホームページに載っていますが、弁護士に依頼すれば作成してもらえます。

添付書類としては、「取引の履歴書」、「引き直し計算書」、「証拠説明書」が必要です。「取引の履歴書」は貸金業者から取り寄せる書類、「引き直し計算書」は現在の利息で計算した書類、「証拠説明書」はそのような証拠を説明するための書類です。

他に裁判費用を納める必要がありますが、費用については後ほど解説します。

期日の主張(裁判日の指定)

訴訟を提起した後、裁判所から第1回口頭弁論の日付が指定されます。期日は裁判所によっても異なりますが、訴状を提出した後、1~2ヵ月後が多いようです。

土日祝ではなく、平日が指定日となり、あらかじめ決められた時間に法定へ行くことになります。第1回目はお互いの主張確認がメインのため、争点が複雑化しなければ短時間で終わります。

その後は約1ヵ月に1回のペースで裁判が行われ、お互いの主張が展開されます。条件が整えば、裁判中の和解で終了することもあります。

その場合、裁判前の話し合いよりも過払い金が増えたり、過払い金の支払い期限を短縮してもらえたりするなど、有利な条件で和解できることが多いようです。

なお、裁判所への出廷や書類提出に関しては、全て弁護士に任せることが出来ます。

判決

裁判中に和解条件が整わなければ、裁判官が判決を下します。その後に貸金業者が控訴しなければ裁判は終了となりますが、判決を不服として控訴されれば、再び裁判で争うことになります。

貸金業者が控訴を行う理由は以下です。

貸金業者の控訴理由1【時間稼ぎ】

まずは「時間稼ぎ」のために控訴するケースがあります。最初の裁判が簡易裁判所なら地方裁判所、地方裁判所なら高等裁判所です。消費者金融の中には、たとえ判決は変わらなくても、時間稼ぎのために控訴する業者があると言われています。

  • 控訴することで精神的な揺さぶりを掛けてくる
  • 少しでも有利な条件で和解に持って行く
  • 過払い金請求が難しい業者という印象を与える

などの理由でしょうか。

特に3つ目の「過払い金請求が難しい業者という印象を与える」が大きいかもしれません。必ず控訴する消費者金融という情報が広がれば、「裁判しても時間が掛かる面倒な業者」という印象を弁護士や司法書士に与えることになります。

そうなれば、過払い金回収のプロセスを見直す必要が生じるかもしれません。あまりに長い時間が掛かるなら、「過払い金の5割~6割の回収で手を打とう」という方針に変わる可能性もあるでしょう。

貸金業者の控訴理由2【取引の分断】

次に「取引の分断」を訴えるケースがあります。

過払い金の消滅時効は、最後の返済日から10年なので、たとえば平成23年に完済していれば、平成33年まで時効になりません。その場合、最初の借入日を平成15年とすれば、過払い金が発生している可能性は高いですね。

しかし平成19年に一旦完済し、2年後の平成21年に同じ消費者金融を利用していれば複雑化します。

つまり、一連の借入れと見なされず、平成19年に完済した分は時効になっている(すでに10年が経っている)、という見解もあるわけです。

それを「取引の分断」と言いますが、一連と分断の判断は非常に難しく、個人で状況によっても変わる部分です。

過払い金の回収

裁判中に和解した場合は、2~4ヵ月後に過払い金が戻るケースが多いです。

判決が出ても貸金業者が控訴しない場合は、判決内容に沿った期限までに戻ります。

弁護士事務所に過払い金返還を依頼した場合は、一旦その事務所の口座に振り込まれた後、弁護士費用が引かれた金額が入金されるでしょう。

裁判によって変わる過払い金の返金額

裁判をしないで和解した場合

裁判をしないで和解をするという場合は、貸金業者の交渉担当者との話し合いによって返還額を決めることになります。この場合、利息付きで過払い金を返金することは、難しいと言えます。つまり、裁判をしない場合は払いすぎた分だけの返金をするということになります。 専門家に依頼するほか、過払い金請求は、自分で交渉することも可能です。その場合、過払い金請求や法律に関する知識がなければ貸金業者に都合の良い内容で和解成立となってしまうことが多いです。交渉よる和解では、発生している過払い金よりも少ない返還金額で決定することが多く見られます。貸金業者の交渉担当者は、過払い金の交渉に慣れていますので、こちらが専門家でないとわかったり、経験の浅い専門家だと判断したら、強気な条件を提示してくるからです。貸金業者が提案してくる条件の一例としては、「これまでの借金を清算しましょう」などといってゼロ和解を提案してくることがあります。

このように、「ゼロ和解」のメリットは、ほとんどありませんので、この和解を受けないようにしましょう。納得がいくまで交渉を続けて、どうしても和解できない場合は、妥協せずに裁判をおこなうべきです。

裁判中に和解した場合

裁判をしない場合は、貸金業者の交渉担当者が窓口になります。しかし、裁判で決着を目指すとなれば、裁判担当者との交渉が必要となります。裁判前の交渉担当者と交渉していた過払い金額より多い額で交渉することができますこの場合、「支払期限を早くするから〇割で和解してほしい」などと提案されるケースが多く見られます。もちろん、納得できる金額でなければ、ここで和解に応じる必要はありません。専門家と相談しながら納得のいく金額を目指して、粘り強く交渉していきましょう。

裁判による判決の場合

裁判中に和解が成立しなければ、最終的には判決によって過払い金の額が決定します。返還額は貸金業者の経営状況によりますが、過払い金の満額回収や5%の利息を付けた金額を受け取れる可能性が高くなります。過払い金に対して利息を求められるのは裁判をしたときだけなので、最も高い返還額を求められる方法といえるでしょう。 また判決が出た場合のみ、貸金業者が判決内容に従わなかったときは裁判後に強制執行が可能です。

弁護士や司法書士に裁判を依頼した場合の費用

相談料・着手金

専門家に相談するとなれば、相談料がかかることがあります。 多くの事務所では相談料を無料に設定していますが、なかには相談だけで費用がかかる事務所もあるので事前にチェックしておくと良いでしょう。 専門家に過払い金請求を依頼する場合、着手金が発生します。

弁護士によっては最初に相談料が掛かりますが、過払い金や任意整理の相談に関しては、初回無料の法律事務所が多いようです。相談料が掛かる場合は、30分~1時間の相談で5,000円が相場でしょうか。そのような情報は弁護士事務所のホームページに掲載されているので確認して下さい。また着手金とは、弁護士への依頼時に発生する費用です。裁判の結果に関係なく掛かりますが、過払い金裁判は期間が短いケースが多いため、着手金なしの法律事務所も見られます。着手金が掛かる場合は、貸金業者1社につき1万円~2万円が相場と言われています。

基本報酬

過払い金請求の手続きのための費用です。着手金の代わりに基本報酬を設定している弁護士事務所もありますが、着手金なし、基本報酬なしの事務所もあります。

また、弁護士事務所の場合は、着手金と基本報酬のどちらもかかるケースもあるでしょう。司法書士会では、司法書士の着手金・基本報酬・解決報酬を含めて最大5万円と決められています。貸金業者1社に対して2~3万円程度が相場です。相談料や着手金と同様に、過払い金請求にかかる費用を抑えるためには基本報酬額も比較してみましょう。

成功報酬

成功報酬とは、過払い金の回収に成功した場合に掛かる費用です。着手金なし、基本報酬なしの事務所でも成り立つのは、成功報酬が設定されているからです。

回収した過払い金に対して、一定の割合をかけるのが基本ですね。裁判なしで和解すれば「回収金額×20%」、裁判の場合は「回収金額×25%」が相場と言われていますが、その辺りも法律事務所によって異なります。この範囲内であれば成功報酬額はそれぞれの事務所で決めることができるので、複数の事務所を比較してみるのも良いでしょう。

訴訟手数料・日当交通費等

訴訟手数料と日当交通費は、必ずかかる費用ではありません。 裁判を進めるなかで必要となる交通費や諸費用を請求する費目で、過払い金請求の裁判をする際に別途費用として計上されることも考えられるでしょう。

弁護士事務所によっては、裁判所までの交通費が掛かることがあります。「出廷手当」と呼ばれる費用ですが、やはり弁護士事務所によっては扱いは様々です。

無料の事務所もあれば、数万円かかる事務所もあります。

過払い金請求の裁判後の流れ

過払い金の入金期間

裁判中に和解に至った場合、過払い金が返還される期間は約2~4カ月後になることがほとんどです。 判決が出た場合は、判決内容の期限までに過払い金が返還されます。 専門家に依頼して裁判をする際は、事務所の口座に過払い金が振り込まれた後に自分の口座へ振り込まれる仕組みです。 ただし、事務所へ支払う費用を差し引いた金額が振り込まれるので、判決で提示された金額がすべて振り込まれるというわけではありません。

過払い金裁判は弁護士に依頼する

繰り返しになりますが、過払い金の裁判は弁護士事務所に依頼する方が良いと思います。

任意整理、個人再生、自己破産含めて、借金解決の実績が豊富な弁護士事務所なら、適切に過払い金裁判を進めてもらえるでしょう。

過払い金裁判のポイントの一つが「貸金業者ごとの情報」です。消費者金融A社は裁判で回収額アップが見込める、などの内部情報が蓄積されていれば、安心して任せることが出来ます。

まとめ

以上、過払い金裁判に関して解説してきました。

過払い金返還請求の裁判は訴訟の提起から始まり、和解、もしくは判決によって終了します。

どちらにしても裁判を行う方が過払い金を回収できる可能性が高いと言われていますが、場合によっては裁判ではなく、任意交渉の方が有利なケースもあるようです。

その辺りの方針は、経験豊富な弁護士事務所に頼ることで明確になるでしょう。

裁判に掛かる費用は、過払い金の額によって異なりますが、実費で数万円以下が多いです。

弁護士に依頼すれば別途費用が発生しますが、回収した過払い金の中から支払えるケースもありますので、そこまで重たい負担には感じないと思います。それでも費用が苦しい、という場合は法テラスを利用する方法もあるので検討して下さい。

裁判で判決が出た後、上訴する消費者金融、クレジットカード会社もあるので、書類が自宅に届くことにより、家族に知られてしまう可能性もありますが、そのような問題に関しても、しっかり法律事務所と相談する必要があるでしょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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