過払い金

自己破産の前後で過払い金請求はできる?

自己破産の前後で、過払い金の存在が把握されることがあります。特に平成18年の最高裁判決前は、過払い金のチェックはしていません。そのため、過払い金の存在を知らないまま自己破産をしている人も少なくないでしょう。

自己破産で、財産がないため同時廃止とされた場合は過払い金請求が可能です。しかし、実際には自己破産後10年経過していたら時効でできなくなります。過払い金の請求は可能ですが、貸金業者との交渉は大変です。弁護士への相談は欠かせません。

目次

自己破産する前に過払い金があるかどうかチェック!

過払い金があるかないかを確認する際、まずは今までの借金に関する取引履歴を確認することが一般的です。その際に、過払い金があることが判明したとします。

このように、過払い金があると分かったタイミングが、自己破産しようとしたときは、どうなるのでしょうか?この場合、過払い金を請求することができます。むしろ、過払い金があるかないを確認することが、大切なのです。

理由は、過払い金の金額が仮に数百万円以上など多額に上った場合に、そもそも自己破産をしなくてもよくなる可能性があるからです。「自己破産するしかない」と思う前に、まずは過払い金があるかどうか、チェックするようにしましょう。

自己破産は、弁護士などの専門家に依頼することになるでしょう。弁護士は、自己破産の前に過払い金の有無をチェックしてくれることが一般的です。

自己破産前に過払い金があったときは?

それでは、もし自己破産前に過払い金があった場合、具体的にどうすればよいでしょうか。

まず、過払い金の請求で戻ってきたお金がいくらになるかを確認し、借金返済に充てられるかどうかを確認します。例えば借金が100万円あるのにたいし、過払い金が200万円あるとしたら、過払い金請求で戻ってきたお金を、借金の返済金とすれば良いのです。

自己破産後も過払い金請求は可能

自己破産後に過払い金が発覚することがあります。今は、弁護士に自己破産を依頼すれば必ずチェックするので、こんな事はまず起こらないでしょう。
また、自分で自己破産をしてしまう人もいますが、この場合もあるかもしれません。逆に過払い金請求をしていれば、自己破産を回避できるケースもあった可能性もあります。

いずれの場合であっても、自己破産と過払い金請求は別のものです。もっとも、過払い金には10年という時効がある点には注意が必要でしょう。
また、自己破産のうち、管財事件ならチェックをしているので問題は起きません。自己破産後に過払い金の問題が生じえるのは、財産がない同時廃止のパターンです。

昔は過払い金をチェックしていなかった

自己破産をする人は今も昔も少なくありません。特にグレーゾーン金利がまかり通っていた時代は返済不能になる人が多かったのです。これが原因で自己破産に陥ったとも少なくないでしょう。

しかし、過払い金が問題視される前には弁護士はチェックをしていませんでした。問題にならない論点をいちいちチェックするはずがないので当然です。

もっとも、現在は過払い金の問題があることは広く知られています。弁護士も自己破産を検討する前に必ず過払い金のチェックをしているはずです。

自己破産でも同時廃止なら過払い金の可能性がある

過去に自己破産をしても、過払い金の可能性があるとは限りません。なぜなら、破産管財人が選任される管財事件では資産と負債のチェックをしているからです。平成18年の最高裁判決以後はこのチェックをしているでしょう。

しかし、このようなことをせず破産終結してしまう同時廃止であればわかりません。確かに、最近は弁護士が必ずチェックしています。しかし、過払い金の問題が生じた頃は対応には、弁護士によりばらつきがあったのです。

このように自己破産のうち同時廃止の場合は、過払い金が潜んでいる可能性があります。

時効の壁があるので過払い金請求は難しい

もっとも、同時廃止をした自己破産後に過払い金請求ができるかは別問題でしょう。なぜなら、自己破産には時効の壁があるからです。

貸金業者の利率が、貸金業法で完全に適正化されたのは平成22年とかなり昔になります。確かに、時効の考え方はいろいろあり、時効の開始時期がもっと遅れる場合もあるでしょう。もっとも、自己破産をしている人であればその時にすべて解約しているはずです。その時点から時効の算定期間はスタートしています。

つまり、10年以上前に自己破産をしていた人は、事実上過払い金の請求はできません。

過払い金請求の時効は原則10年

過払い金があるのにもかかわらず、請求しないでいるとします。一定の期間以上過払い金を請求しないと、その権利は失われてしまい、これを時効といいます。

併せてチェック!

自己破産後の過払い金請求は免責との関係に注意

自己破産後の過払い金請求には大きな問題があります。自己破産なので既に免責を受けていますが、過払い金を意図的に隠していると言われるのです。

考えようによっては、過払い金がわかれば自己破産を免れたかもしれません。しかし、債権者である貸金業者は1社ではありません。他の貸金業者は過払い金があれば債権回収ができたかもしれません。それがわかっていれば免責にはならない可能性が高いので不満のはずです。

最悪の場合、免責をひっくり返されるかもしれません。免責と過払い金の返金は立場が違うと主張が大きく変わるのです。

自己破産後の過払い金請求の注意点①意図的な財産隠しと言われかねない

過払い金請求は、時効の問題は別とすれば、いつでもできます。時効にひっかからないと判断し、自己破産を先にすることもできるでしょう。免責を受けてから同じ弁護士に過払い金の相談をすれば、いいとこ取りです。しかし、それでは債権者たる貸金業者としては納得できないでしょう。

貸金業者は意外とネットワークがあります。過払い金を払うことになった貸金業者は相手の身元調査をすることもあるでしょう。自己破産は官報に載るのでチェックは可能です。他の貸金業者に情報を流すことだって考えられます。

そして、自己破産で貸倒れとなった貸金業者が意図的な財産隠しだと訴訟を起こすのです。

自己破産後の過払い金請求の注意点②信販会社は免責済の債権と相殺される

過払い金請求を貸金業者に起こす場合、免責になった貸金業者も対象になりえます。ただ、債務はもうなくなっていますから結果として返金されるだけです。

面倒なのが信販会社です。クレジットカードのキャッシングサービスで過払い金が発生することがあります。この場合、ショッピング枠の支払を免責にしていると過払い金は免責分と相殺です。同じ信販会社なので貸倒金の取り戻しとして処理されます。

自己破産後の過払い金請求の注意点③最高裁判決前の自己破産なら問題にならない

このように自己破産後の過払い金請求にはいろいろな論点があります。ただ、問題の所在は「自己破産の時に知っていたのではないか」ということです。

この観点からすると、最高裁で過払い金の支払を認めた判例の前なら問題ありません。最高裁の前には過払い金の事を知る余地はないので問題にはならないのです。

過払い金を請求するときのポイント

自己破産前・後の過払い金請求について、ここまで解説してきました。それでは、過払い金を実際に請求する際に、注意しなければいけないことはあるのでしょうか。過払い金請求でチェックしておきたいことをこれから説明します。

過払い金の返還請求ができない場合もある

過払い金の請求は、借金をしていたといっても必ず過払い金が発生するというわけではありません。貸金業者の状況によって、過払い金が請求できない場合もあります。

過払い金が発生しない場合とは?

2007年に、貸金業者の大半は金利を改定しました。具体的には、出資法と呼ばれる法律が改定され、金利の上限が利息制限法と同じ程度に引き下げられたのです。こうした経緯もあり、過払い金はそれ以降で発生する可能性が低くなっているのです。

また、借金を金利が変わる前にしていたとしても、利息制限法と同じ程度でお金を借り入れていた場合は、過払い金は発生しないでしょう。

貸金業者がすでになくなって過払い金が請求できないケースも

先に述べた方改定などにより、過払い金を請求する人が一気に増えました。その結果、過払い金請求も増加し、過払い金の支払いが滞ってしまった貸金業者も増加しました。それにより、倒産する会社も多かったのです。

このため、過払い金を請求しようにも、請求先がそもそも存在しないケースもあるのです。過払い金を請求する前に、お金を借りていた業者が今もあるのかチェックするようにしましょう。

自己破産後の過払い金請求は弁護士に相談しよう

自己破産後に過払い金を請求すると貸金業者からかなり強い反発があります。貸金業者としては全ての債権債務がなくなったと思っているからです。

そのため、貸金業者側は権利の濫用であると主張します。意図的な財産隠しだと主張することもあるでしょう。このような主張があると払い戻しを受けることが困難です。そのため、自己破産の時には過払い金があるとは知らなかったと主張する必要があります。

しかし、自分に非がないと主張することは簡単ではありません。最高裁の判決以前であれば主張は難しくないでしょう。しかし、それ以後であれば「わかっていただろう」と言われます。

こんな時は弁護士に依頼するのが一番です。自分だけで解決しようとせず、まずは弁護士に相談しましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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