クレジットカードの過払い金請求ができる条件と注意点
過払い金請求ができるのは消費者金融で借入した場合のみと思っている方が多いのではないでしょうか。消費者金融での借入だけでなく、クレジットカードでの借入も過払い金請求ができる場合があります。
クレジットカードの過払い金請求ができる条件は、クレジットカードのキャッシング枠を利用していることです。
ここでは、クレジットカードの過払い金請求できる条件と注意点をご説明いたします。
クレジットカードは過払い金が発生する?
クレジットカードには、キャッシング枠とショッピング枠の2つの機能があります。
キャッシング枠を利用している場合は、過払い金が発生している可能性があります。しかし、ショッピング枠は過払い金が発生しません。
なぜなら、ショッピング枠は借金ではなく“立替金”になるからです。
過払い金とは、クレジットカード会社などに対して払いすぎていた利息のことです。クレジットカードのショッピング枠は立替金のため、分割手数料やリボ払い手数料は「利息」ではなく、「手数料」になるのです。そのため、クレジットカードのショッピング枠は過払い金が発生しません。
クレジットカードで過払い金が発生するのは、“グレーゾーン金利”でキャッシングを利用していた場合です。2010年に貸金業法が法改正される前までは、多くのクレジットカード会社で利息制限法の上限金利(15%~20%)を超えるグレーゾーン金利で取引がされていました。
しかし、クレジットカード会社によって上限金利を見直した時期が異なりますが、2010年に貸金業法が法改正されることが決定したため、2007年頃からクレジットカード会社や消費者金融が金利の見直しを行っています。
そのため、2007年以前にクレジットカードのキャッシング枠を利用していれば、過払い金が発生している可能性が高いです。
クレジットカードの過払い金請求ができる条件
クレジットカードの過払い金請求ができる条件は、グレーゾーン金利でクレジットカードのキャッシング枠を利用していたことです。
クレジットカードのキャッシング枠を利用していれば、キャッシングを完済・返済中に関わらず過払い金請求をすることができます。また一括払い、分割払い、リボルビング払いなど、どの支払い方法をしていたかは関係ありません。グレーゾーン金利でクレジットカードのキャッシング枠を利用していれば、過払い金請求をすることができます。
特にクレジットカードのリボ払い(リボルビング払い)を利用していた場合は、過払い金が高額に発生している可能性が高いです。リボ払いは、毎月の返済額が一定のため返済額の変動がなく月々の負担が少ないですが、元本がなかなか減らないため返済が長期化してしまいます。返済が長期化すると、その分支払っている利息も多いため過払い金が多くなるのです。
過払い金請求できる主なクレジットカード会社
過払い金請求できる主なクレジットカード会社は、次の通りです。
- ニコス
- オリコ
- セディナ
- エポス
- セゾン
- イオン
- アプラス
- ライフカード
上記に記載がないクレジットカード会社でも、過払い金請求できる場合があります。
きわみ事務所では、過払い金請求ができるか無料でお調べすることができます。相談は何度でも無料で受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
主なクレジットカード会社の過払い金の発生条件
主なクレジットカード会社の過払い金の発生条件は、次の通りです。
- ニコス:2007年までの借入
- オリコ:2007年3月31日までの借入
- セディナ:2007年までの借入
- エポス:2007年3月までの借入
- セゾン:2007年7月までの借入
- イオン:2007年3月10日までの借入
- アプラス:2007年までまでの借入
- ライフカード:2006年までの借入
上記に当てはまる場合は、過払い金が発生している可能性が高いです。そのため、一日でもはやく弁護士や司法書士に相談することをおすすめいたします。
クレジットカードの過払い金請求ができない条件
クレジットカードの過払い金請求ができない条件は、次の通りです。
- クレジットカード会社が倒産している
- キャッシングを完済してから10年経っている(時効になっている)
- ショッピング枠のみ利用している
それぞれ詳しくご説明いたします。
クレジットカード会社が倒産している
過払い金請求をしたいクレジットカード会社が倒産してしまっている場合は、過払い金が発生していても過払い金を取り戻すことが難しいです。しかし、例外的に債権譲渡が合った場合は過払い金が取り戻すことができることもあります。
また、倒産していないものの経営状況が不安定な貸金業者は、取り戻せる過払い金が減ってしまう場合があります。
大手貸金業者でも倒産してしまう可能性があります。過去に大手貸金業者として有名だった武富士が倒産しています。過払い金請求をしたいクレジットカード会社などの貸金業者がいつ倒産してしまうかわかりません。そのため、過払い金が発生していれば一日でもはやく過払い金請求をするべきです。
キャッシングを完済してから10年経っている(時効になっている)
過払い金請求には時効があります。時効は、キャッシングを完済してから10年です。キャッシングを完済してから10年経っている場合は、過払い金を取り戻すことが難しくなります。そのため、時効を迎える前に過払い金請求をしましょう。
また、クレジットカードの場合はキャッシングを完済した後でも、クレジットカードの年会費を支払い続けている場合があります。そのため、完済した後でもクレジットカードの年会費を支払っていることにより取引が継続していると判断され、完済してから10年経っていても過払い金を取り戻すことができる場合があります。
クレジットカードのキャッシング枠の時効は、個人で判断することが難しいです。そのため、弁護士や司法書士に相談することをおすすめいたします。
ショッピング枠のみ利用している
クレジットカードにはキャッシング枠とショッピング枠の2つの機能がありますが、ショッピング枠は過払い金が発生しません。
ショッピング枠は借金ではなく“立替金”になるため、発生しているのは利息ではなく手数料になるのです。そのため、ショッピング枠のみ利用している場合は過払い金が発生していません。
しかし、クレジットカードのショッピング枠の返済が難しい場合は、“任意整理”をすることで毎月の返済額を減額することができます。任意整理をするとブラックリストに載ってしまいますが、支払いを滞納してしまう前に任意整理を検討するのもいいでしょう。クレジットカードの過払い金請求をするときの注意点
クレジットカードショッピング枠の支払いが残っている場合は、キャッシング枠で発生した過払い金よりショッピング枠の支払い残高が多いとブラックリストに載ってしまう可能性があります。
また、過払い金請求をしたクレジットカード会社のカードは解約となるので、公共料金などの支払いに過払い金請求をしたクレジットカードを利用していた場合は注意が必要です。
クレジットカードの過払い金請求をするときの注意点を詳しくご説明いたします。
ショッピング枠の支払いが残っている
クレジットカードのショッピング枠の支払いが残っている場合、キャッシング枠で発生した過払い金はショッピング枠の支払いにあてられます。
ショッピング枠の支払い残高より過払い金が多い場合は、過払い金をショッピング枠の支払い残高にあてることによって支払い残高をゼロにできます。過払い金でショッピング枠の支払い残高がゼロなるため、ブラックリストに載ることはありません。
しかし、過払い金よりショッピング枠の支払い残高が多い場合は、ショッピング枠の支払い残高を減額する手続きの“任意整理”の扱いになります。任意整理になると、ブラックリストに載ってしまうのです。
ブラックリストに載りたくない場合は、過払い金請求をする前にショッピング枠の支払いが残っていないか確認しましょう。
過払い金請求をしたクレジットカードは解約になる
過払い金請求をすると、過払い金請求をしたクレジットカードは解約になり利用することができなくなります。また、過払い金請求をしたクレジットカードのみならず、同じ系列のクレジットカードも利用することができなくなり新規発行もできなくなる場合があります。
しかし、クレジットカード会社によっては過払い金請求でブラックリストに載らなければ、過払い金請求をした後に再度申込をすることで新規発行できることもあります。
過払い金請求をしたクレジットカードは解約になり利用できなくなりますが、他のクレジットカード会社のカードを新規発行することは可能です。また、公共料金などの支払いに過払い金請求をしたクレジットカードを利用していた場合は、事前に支払いのクレジットカードを変更するなどの準備が必要になるので注意しましょう。
クレジットカードの過払い金請求は時効の判断が難しい
クレジットカードの過払い金請求は時効の判断が個人だと難しいです。
過払い金請求の時効は完済してから10年です。キャッシングを完済してから10年経つと、過払い金を取り戻すことが難しくなります。
キャッシングを返済中の場合は時効にはなりません。しかし、クレジットカードのキャッシング枠を完済してもクレジットカードの年会費を支払っていることで取引が継続している(返済中)と判断されることがあります。この場合、キャッシングを完済してから10年経っていても過払い金を取り戻すことができる可能性があるのです。
過払い金請求の時効は裁判を行ったときに争点となりやすいです。また、個人ではいつが時効なのか判断が難しいことから、過払い金請求は弁護士や司法書士に相談することをおすすめいたします。
クレジットカード会社によっては取引履歴が一部取得できない期間がある
クレジットカード会社によっては取引履歴が一部取得できない期間があります。
例えば、オリコは1993年以前の取引履歴が保管されていないことから、取引履歴が一部取得できないことがあります。
過払い金がいくら発生しているか過払い金の引き直し計算をするのに取引履歴が必要になります。取引履歴が取得できないからといって、過払い金請求ができなくなるわけではありません。取引履歴が取得できない期間は、推定計算をすることによって過払い金請求をすることができます。
しかし、推定計算は過払い金請求のノウハウがないと難しいです。そのため、過払い金請求の実績のある弁護士や司法書士に相談するべきでしょう。
きわみ事務所では、過払い金請求に強い弁護士が累計7億以上の実績をあげています。相談を無料で受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
過払い金請求をした後にクレジットカードは使える?
クレジットカードの過払い金請求をした後、クレジットカードを使う方法はあるのでしょうか。
過払い金請求をした後にクレジットカードを使用したい場合は、過払い金請求でブラックリストに載らない場合と載る場合でクレジットカードが使用できるかが異なります。
ブラックリストに載らなければ過払い金請求後にクレジットカードを使える
過払い金請求をしてブラックリストに載らない場合は、過払い金請求をしていない他のクレジットカードは利用することができます。
過払い金請求をしたクレジットカードは解約となるので使うことはできません。また、過払い金請求をしたクレジットカード会社と同じ系列会社のクレジットカードも使うことはできません。しかし、過払い金請求をしていない他のクレジットカード会社のカードなら使うことができます。
またクレジットカード会社によって異なりますが、過払い金請求をしたクレジットカード会社のクレジットカードを再度申込することで、クレジットカードを新規発行できることもあります。
しかし、過払い金請求をしてブラックリストに載ってしまうと、過払い金請求をしたクレジットカードに限らずクレジットカードを利用することができません。
クレジットカードの過払い金請求をしてブラックリストに載ってしまう時は、キャッシング枠を返済中または、ショッピング枠の支払い残高が残っていて、過払い金よりキャッシング枠の返済額または、ショッピング枠の支払い残高が多いときです。
クレジットカードの代わりに使えるカード
もし、過払い金請求をしてブラックリストに載ってしまいクレジットカードが利用できなくなっても、代用できるカードや決済方法があります。
- デビットカード
- QRコード・バーコード決済
- 電子マネー
- 家族カード
- ETCパーソナルカード
キャッシュレス決済が進んでいる中で、クレジットカードが利用できなくて不便に思う方もいるかもしれませんが、上記のカードや決済方法を利用することができます。
デビットカードは利用したとき、銀行口座から引き落としされます。また、QRコード・バーコード決済も銀行口座を登録すればクレジットカードがなくても利用できます。そして、SuicaやPASMOなどの電子マネーは現金でチャージすることによってクレジットカードがなくても利用できるでしょう。
家族カードは自分がブラックリストに載ってしまっていても、家族名義のクレジットカードなので利用することはできます。
車を利用する方は、ブラックリストに載ってしまうとクレジットカードに紐づいたETCカードが利用できなくなりますが、ETCパーソナルカードは利用することができます。