クレジットカードは過払い金の対象?返還請求の注意点と業者一覧

この頃テレビCMなどで耳にすることの多い「過払い金」。完済した借金が戻ってきたり、今ある借金が減ったりするなど魅力的なものですが、自分には関係が無いと思い込んでいる方も多いのではないでしょうか?

実は、過払い金は消費者金融でお金を借りた時にのみ発生するものではなく、クレジットカードの使用でも発生するものです。

本記事では、クレジットカードで過払い金が発生する条件や、過払い金請求の際の注意点などをご説明。実際に過払い金が発生しているクレジットカード会社のリストも記載しているので、是非チェックしてみてください。

クレジットカードは過払い金請求の対象です

過払い金が発生する「借金」というと、消費者金融からお金を借りることをイメージしがちですが、実はクレジットカードでも借金は可能。そのため、クレジットカードも過払い金の対象になります。

クレジットカードで過払い金が発生する条件は、以下の2つ。当てはまるという方は、過払い金が発生している可能性が高いです。

  • 法定金利(15~20%)を超える利息を支払ったことがある
  • 2008年以前に借り入れをされたことがある

では具体的に、どのような場合に過払い金が発生するのか、以下で詳しく見ていきましょう。

クレジットカードの「キャッシング枠」が対象で「ショッピング枠」は対象外

クレジットカードを使用すると過払い金が発生することがある、と書きましたが、クレジットカードのキャッシング枠を使用すると過払い金が発生する可能性があるというのが正しい表現です。クレジットカードのショッピング枠を利用しても、過払い金が発生している可能性はありません。

ここでは、ショッピング枠とキャッシング枠は何が違うのかというところから、何故過払い金はキャッシング枠にのみ発生するのかご説明します。

クレジットカードには、キャッシング枠とショッピング枠の2つの機能がついており、日常の買い物や飲食代を支払うときに使うショッピング枠は、その場で現金を出す必要がない代わりに、翌月に使用した分がまとめてクレジットカード会社から請求されるシステムです。カード会社からお金を請求されるということから、借金しているようにも思えますが、「一時的にカード会社に立て替えてもらっている」という考え方をするため、実は「立替金」という扱い。借金ではないので発生するのは手数料のみで、過払い金に関係してくる利息は発生しません。

対してキャッシング枠は「ATMで現金を引き出して」好きなものを買うことができるので、「借金」という扱い。借りた先がクレジットカード会社というだけで、消費者金融から借りた借金と違いはありません。もちろん利息も発生します。

過払い金は借金の返済時に発生する利息によってできたものなので、そもそも借金ではないショッピング枠では絶対に発生せず、「借金」であるキャッシング枠を使用した場合にのみ発生します。自分が使用していたのはショッピング枠かキャッシング枠のどちらの枠なのか、チェックしてみてください。

リボ払いをしている人は過払い金発生の可能性が高い

クレジットカードのキャッシング枠を利用している人のなかでも、特にリボ払いをしている人は過払い金が発生している可能性が高くなるので注意が必要です。

リボ払い(リボルビング払い)は、クレジットカードの返済方法の一つ。毎月の返済額が一定なので、借入額が多い月であっても出費の変動がなく、月々の負担が少なくて済んだりお金の管理がしやすくなったりするのがメリットです。しかしその代わり、分割手数料が高く、利息や手数料の返済に追われて元本が減らず返済が長期化し、最終的に支払う利息分が高額になってしまうのがデメリットです。

毎月利用したキャッシング枠の借入額を一括で返済している場合にも過払い金は発生しますが、リボ払いをしていると、より多くの利息を支払っている可能性があるため、より高額の過払い金が発生している可能性が高いのです。

もちろん、ショッピング枠でのリボ払いには過払い金は発生しませんので、心当たりのある方はキャッシング枠のリボ払いであるかどうかを確認しておきましょう。

クレジットカードの過払い金を請求する際の注意点

お金が返ってきたり、今ある借金がなくなったりする過払い金。今すぐにでも返還請求したい!とお考えの方も多いでしょう。もちろん過払い金が発生している場合、返還請求をするのは正当な権利なので、一日も早く返還請求をするのがおすすめです。

しかし、何も考えずに過払い金請求をしてしまうと、大変な事態を招く可能性もあるので注意が必要。ここでは、クレジットカードの過払い金を請求する際の注意点を3つご紹介します。以下の3つを守らないとどのようなことになるのかも併せて説明しているので、しっかりとチェックしておいてください。

1.ショッピング枠を完済した状態で請求してください

クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠の2つの機能がついていることがほとんど、と上述しましたが、過払い金に関係してくるのはキャッシング枠のみ。しかし、ショッピング枠での立替金の支払いが終わっていない状態で過払い金請求をするのはおすすめできません

本来、過払い金の返還請求は、払いすぎた利息をクレジットカード会社に返還してもらう、という作業です。正当な権利なので、信用情報に傷がつくなどのデメリットは全くありません。

しかし、ショッピング枠の支払い残高が1円でも残っていると、過払い金を返還額と支払残高が相殺されます。ここでショッピング枠の支払い残高よりも過払い金の方が多ければ問題ないのですが、支払い残高の方が多い場合は要注意。「クレジットカード会社に借金を減らす交渉=債務整理をした」と見なされてしまいます。クレジットカード会社からすると、ショッピング枠の利用であろうがキャッシング枠の利用であろうが、利用者にお金を貸している、という点は変わらないと考えると納得がいきますよね。

債務整理をすると信用情報に傷がつき、俗に言う「ブラックリストに載ってしまう」可能性があります。信用情報に傷がつくと、同じクレジットカード会社はもちろん、違うクレジットカード会社でもカードを作るのが難しくなったり銀行でローンが組めなくなったりします。

ただし、万が一信用情報に傷がついていたとしても、信用情報に事故情報が載っている(ブラックリストに載っている)のは約5年。その期間が過ぎれば違うカード会社でのクレジットカードの作成や銀行でのローンは可能になるので、メリット・デメリットを考えた上で過払い金請求をしましょう。

過払い金には直接関わってはいませんが、過払い金請求をする場合はショッピング枠の利用状況もしっかりと確認し、残高が残っている場合は全て支払っておくか、過払い金と相殺した際に残高がゼロになるかどうかを確認しておくのが大切です。

2.定期的な引き落としがある場合は引き落とし先の変更が必須

クレジットカードを利用している方の中には、ポイントのために月々の光熱費や携帯電話の料金などをカードのショッピング枠で支払っている方も多くいるでしょう。そんな方々は、過払い金請求をする前に引き落とし先の変更をしておかなければなりません。

過払い金請求をすると、その時点でそのクレジットカードは使用できなくなります。カード会社が利用状況などを確認したりするために、利用をストップさせるのです。

もし定期的な引き落とし先としてクレジットカードを指定している場合には、変更しておかないと引き落としができなくなり、電気が止められてしまう、なんてことになり得ます。

更には、過払い金請求の間に電気会社などからクレジットカード会社に請求が行くことで、過払い金請求の和解交渉がスムーズに進まない可能性も。

クレジットカードが止められても問題が起こらないように、事前にカードを何に使用しているのかを確認し、必要があればクレジットカードを変更しておきましょう。

3.過払い金を請求したカード会社のクレジットカードは利用不可になる

過払い金請求はあくまで「払いすぎた利息」なので、返還請求は至極まっとうな話です。しかし、クレジットカード会社の立場になって考えると、「一度払ったものを返せと言ってくる要注意人物」であり、会社に不利益を与える可能性がある存在ともとれます。

そのため、過払い金請求をしたカード会社のクレジットカードは今後、使用も作成もできないと考えておきましょう。

また、過払い金請求をしたカード会社に関連会社がある場合は、情報を共有している可能性もあるので要注意。過払い金請求をした会社でなくても、クレジットカードの作成ができなかったり、ローン審査が通らなくなったりする可能性があります。

ただし利用不可になるのは、過払い金請求を行ったクレジットカード会社とその関連会社のみ。上述したようにショッピング枠の支払残高が残っているにも関わらず過払い金請求をして、相殺しきれなかった、ということではない限り信用情報に傷はつきません。

金融庁も「完済後の過払い金返還請求は正当な権利であり、信用情報とは関係しない」と方針づけているので、他のカード会社であればクレジットカードの作成は充分可能です。安心して過払い金請求を行ってください。

過払い金請求でクレジットカードの時効は判断が難しい

完済した借金であっても過払い金請求はできる、とテレビCMや広告で耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?その通りで、借金を完済して時間が経っていても、過払い金の請求は可能です。

しかし、「完済してから10年」という時効が設けられているので要注意。10年を1日でもすぎると過払い金請求はできなくなってしまいます。ここで注意しておきたいのが、“完済してから”という部分。借入を始めた時ではなく、最後に取引をした日が基準になります。例えば2010年2月1日に完済した場合、過払い金の返還請求時効期限は2020年1月31日です。

クレジットカードの過払い金請求においても10年という時効は変わりませんが、「いつを最終返済日にするか」という点で判断が難しいといわれています。何故判断が難しいのか、以下で詳しく見ていきましょう。

過払い金請求の時効は裁判で争点になりやすい

過払い金の時効は10年と定められていますが、同じ金融機関から何回も借入をしている場合、いくつかの取引を分断された取引ではなく1つの大きな取引として捉えるケース(取引の一連性)があります。その場合、時効は最初の取引の最終返済日ではなく、最後の取引の最終返済日を基準とするため、10年を過ぎていても過払い金請求は可能です。

クレジットカードのキャッシング枠を利用した場合にも同じようなケースがあり、完済して10年以上経っていても年会費を払い続けていたために、“取引が継続している”と認識されて過払い金請求ができる可能性があります。

ただし通常の借金において、分断された取引か1つの大きな取引になるかは取引の内容や返済期間、完済してから次の借入までの期間によって変わりはしますが、判断は比較的簡単に行うことができるのに対し、クレジットカードの場合は明確な基準がないために裁判官によって判断が分かれることもあります。

1つ1つの小さな取引と考えるよりも、1つの大きな取引として考えた方が過払い金は多くなるので、クレジットカード会社側は一連の取引ではない、と主張してくることは多々あります。裁判所でも争点となりやすいので、個人で判断せずに弁護士に相談してみるのが良いでしょう。

過払い金が発生している金融業者一覧

過払い金が発生しているかどうかは、カード会社が金利をいくらに設定していたかによるので、全てのクレジットカードにおいて過払い金が発生しているわけではありません。

実際に過払い金が発生している主なクレジットカード会社をご紹介するので、自分がキャッシング枠を利用しているクレジットカード会社があるかどうか、チェックしてみましょう。

  • 三菱UFJニコス
    2007年以前にキャッシングをしていた場合は要注意。19~29%前後の金利が設定されていた可能性があります。
  • JCB
    2007年頃まで、金利が27.8%前後に設定されていた可能性が高いです。
  • クレディセゾン(セゾンカード)
    2007年以前にキャッシングしたことのある方は要注意。金利が24〜29%に設定されていた可能性があります。
  • セディナ(旧セントラルファイナンス、OMCカード、クオーク)
    旧OMC・旧セントラルファイナンス・旧クオークのカードも対象。2007年以前に金利が28%に設定されていた可能性が高いです。
  • イオンクレジットサービス(イオンカード)
    2007年以前にキャッシングしたことのある方は要注意。金利が29%に設定されていた可能性が高いです。
  • オリエントコーポレーション(オリコ)
    2007年以前にキャッシングしたことのある方は要注意。27.6%前後の金利に設定されていた可能性があります。
  • アプラス
    2007年以前、金利が21〜29%に設定されていた可能性が高いです。キャッシング専用のアプラスパーソナルローンも、過払い金を請求できます。
  • ライフカード
    2007年以前にキャッシングしたことのある方は要注意。金利が27%前後に設定されていた可能性が高いです。
  • エポスカード
    2007年以前にキャッシングしたことのある方は要注意。金利が27%に設定されていた可能性が高いです。
  • ジャックス
    1997年以前にキャッシングしたことのある方は要注意。金利が29%程度に設定されていた可能性が高いです。

クレジットカードの過払い金請求で迷ったら専門家の意見を聞こう!

そもそも、過払い金の請求はとても大変。会社に当時の取引履歴を請求するところから始まり、過払い金の計算、クレジットカード会社との和解交渉など、必要な作業が多岐に渡ります。

スムーズに話し合いに応じてくれる会社であれば、時間と労力が必要なだけで特に問題はありませんが、個人で過払い金請求をすると、不当に低い金額を提示してきたり話し合いに応じてくれなかったりと、「弁護士ではない」という理由で舐められたりしてしまうことも。それが理由で裁判にまで発展してしまうと、訴状の用意なども必要になり、ますます時間と労力がかかります。

さらに、クレジットカードのキャッシング枠の場合は取引を一連のものとして捉えられるか、などの問題もあり、とても複雑。概要をしっかりと把握するだけでも一苦労です。

弁護士に相談すれば、概要を把握することはもちろん、作業のほとんどが不要。最初に相談に来るだけで、後の取引履歴の請求などは全て弁護士事務所が行ってくれます。

また、クレジットカード会社との和解交渉がスムーズに進み、個人で過払い金請求を行うよりも多くの返還金額が見込めるのも弁護士に頼む大きなメリットです。過払い金の入金予定日に振り込みがなかった…なんてトラブルにも対処してくれるので、安心して過払い金請求を行うことができます。

まとめ

消費者金融からの借金にのみ発生するというイメージの強い過払い金ですが、実はクレジットカードのキャッシング枠を利用した場合にも発生します。特にリボ払いをしている方は、過払い金が発生していないか確認してみましょう。

完済してから10年以内であれば過払い金請求は可能ですし、10年以上経っていても請求できる可能性があります。ただしその判断は自身では難しいので、弁護士事務所に依頼するのがおすすめ。プロに依頼して、効率よく、より多くの過払い金を受け取りましょう。

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