過払い金請求ができない場合とは?請求できないと思いがちな過払い金請求できるケース

過払い金とは過去に払い過ぎた金利ですから、払い戻しを請求することは当然の権利です。しかしながら、いくつかの条件のもとでは過払い金請求ができません。また、過払い金請求できないと思っていても、実は請求できるというケースもあります

素人判断では難しい過払い金請求の可否、過払い金請求できる・できない・できないかもしれないけれど可能性は残されている、などのケースについて解説していきます。

過払い金請求ができない・取り戻せない場合

過払い金の請求は、請求するタイミングや貸金業者の状況によっては請求ができなかったり、取り戻せなかったりします。過払い金請求する場合には、そのような状況をよく踏まえたうえで手続きをしなければなりません。また、できないと思っていてもできるケースもあるので、まずは専門家に相談してみましょう。

請求できないケース1.過払い金請求の時効を迎えた

過払い金の請求は時効を迎えると請求する権利を失います。その根拠は民法167条1項。「債権の消滅時効」として「債権は10年間行使しなければ、その権利が消滅する」と規定されていることによります。つまり、借金を請求する権利があるのに10年間何もしないということは権利を放棄したとみなされるのです。10年の起点は債務における最後の取引、すでに完済した借金であれば完済日を指します。

そのため、借金完済後10年を経過すると時効となり、過払い金請求はできなくなります。

請求できないケース2.利息制限法の範囲内で返済していた

過払い金とは払い過ぎた利息のことであり、払い過ぎた利息とは利息制限法に定められている上限利息を超えた金利のことです。利息制限法では元本10万円未満で20%、100万円未満が18%、100万円以上で15%と規定されています。すなわち、過去の支払いに関して、これらの上限利息を超える支払いがあれば過払い金の請求ができるということです。

では、上限金利が定められているのに、なぜ貸金業者は超過金利による違法な貸し付けをしていたのでしょう?

それは、貸金業法には利息制限法の他に出資法という法律があり、出資法の上限金利が29.2%とされていたからです。出資法にはその上限金利を超えてしまうと刑事罰の対象とはなりますが、それ以内であればそのような刑罰はありませんでした。なので、貸金業者は罰則のある出資法を基準として貸し付けを行ってきました。いわゆるグレーゾーン金利による貸し付け、これが過払い金です。

その後、2010年に貸金業法が改正され、利息制限法と出資法の利率は20%を上限として統一されました。したがって、ほとんどの過払い金は2010年の法改正以前に発生していることになります。ただし、法改正の2010年以前、以後にかかわらず、利息制限法の上限利息の範囲内であれば、過払い金の発生はありません

請求できないケース3.クレジットカードのショッピング枠しか利用していない

クレジットカードにはキャッシング機能とショッピング機能とがあります。このうち、過払い金請求の対象となるのはキャッシングでの利用のみ。ショッピングにおいて、商品代金にどれだけの金利が加算されようと対象外となります。なぜならば、加算される金額は利息ではなく、手数料だからです。加算される金額が利息でなく手数料として処理される理由は、キャッシングが借金であることに対し、ショッピングを立替金と規定していることによります。

キャッシングを規制する法律は貸金業法。貸金業法における、利息制限法の上限利息を超えた利率が過払い金になります。これに対し、ショッピングは立替金ですから適用される法律は割賦販売法(かっぷはんばいほう)という法律。割賦販売法には上限利息が定められていません。よって、クレジットカードのショッピング枠は過払い金請求の対象外となります。

そのため、クレジットカードのショッピング枠の利用の際には過払い金請求はできません。

請求できないケース4.貸金業者が倒産してしまった

過払い金の払い戻しが負担となり、経営悪化や倒産に追い込まれた貸金業者が少なくありません。

倒産とは、経営悪化のため借金の減額や免除の手続きをすることです。倒産には民事再生・会社更生といった企業存続を目的とする手続きと、会社を消滅させてしまう破産とがあります。民事再生・会社更生の場合、軽減された債務負担への返済計画が練られますが、破産すると借金のすべてが帳消しになり、かろうじて、会社の資産からの配当金が支払われるくらいです。

2012年に破産したクラヴィスによる、過払い金請求者を含む債務者への配当はわずか1.7%でした。貸金業者が経営悪化に陥る前に、手続きを進めておく必要があります。

このように、倒産した貸金業者に対しては基本的に過払い金請求できないとお考えください。

倒産した金融業者一覧

倒産した金融業者の一覧です。基本的に下記の業者からは過払い金を取り戻すことができません。

しかし、例外的に債権譲渡があった場合は過払い金請求できることがあります。

手遅れになる前にご相談ください。きわみ事務所では過払い金・債務整理の相談は何度でも無料、全国対応です。

  • アエル2008年倒産
    エヌシーキャピタル・日立信販
  • SFCG2009年倒産
  • 武富士2010年倒産
  • SFコーポレーション2011年倒産
    三和ファイナンス
  • 丸和商事2011年倒産
    ニコニコクレジット、アイリス、e-NIKO
  • クラヴィス2012年倒産
  • NISグループ2012年倒産
    ニッシン
  • クロスシード2014年倒産
    ネオラインキャピタル、かざかファイナンス、ライブドアクレジット、リッチ、ぷらっと、クオークローン、タンポート、ロイヤル信販
  • 栄光2016年倒産
  • ネットカード2017年倒産
    オリエント信販、GMOネットカード、ベティローン
  • 連専2018年倒産

民事再生は行ったが、過払い金請求できる金融業者

一般的に倒産といえば民事再生、会社更生、破産の3つがあります。倒産すると会社そのものがなくなるので、その金融業者に対して過払い金請求はできません。

しかし、民事再生は経済的窮地に立たされた事業を再生する手続きです。クレディア(旧フロックス、スタッフィ、プリーパ)は上記の倒産した会社とは異なり、現在でも存続しています。

そのため、クレディアに対しては現在でも過払い金請求できる可能性があります

借りた金融会社が民事再生されていたとしても過払い金を取り戻せることがあります。諦めずにご相談ください。弁護士法人きわみ事務所なら過払い金については何度でも相談無料、全国対応です。

過払い金請求は上記に該当しなければ請求することが可能です

過払い金の請求ができないケースとして上記4項目、すなわち、これらに該当しなければ過払い金請求できるということになります。けれども、これらはあくまでも基本的な事項ですので、完全に請求できないというわけではありません。

たとえば、最後の取引から10年を過ぎると過払い金請求の権利を失うのですが、貸金業者が応じてくれる場合もありますし、債務において債権者の取り立てに違法性が認められた場合、不法行為として損害賠償請求する方法もあります。

過払い金の請求は、債務の状況やさまざまな法律の適用によってケースバイケースで対応することが可能です。上記の、請求できない項目に該当するからと諦めないでください。まずは、ご自分の取引履歴を確認し、法律を熟知している専門家へ相談してみることをお勧めします。

まとめ

いかがでしたか?過払い金の請求ができないケースについて、

  • 最後の取引から10年を過ぎている
  • 利息上限の範囲内の金利
  • クレジットカードのショッピング利用
  • 貸金業者の倒産

という4つの項目を提示させて戴きました。

これらは過払い金請求できるかどうかの大まかな基準にはなりますが、取引の確認とすみやかな対処によって、請求できる可能性が残されていることも確かです。可能性を探るためには弁護士に相談することが一番でしょう。

弁護士法人きわみ事務所 代表弁護士:増山晋哉
  • 弁護士法人きわみ事務所 代表弁護士
  • 増山晋哉

大学卒業後、大阪市内の法律事務所で経験を積み、独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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