過払い金の分断計算とは?一連計算との違いや裁判で争点になるポイントについて

何度か借金をしているという人の中には「取引終了(完済)後、また同じ消費者金融や信販会社から借金をした」というケースもあります。こんな時、2回目以降の取引をどのように扱うかで過払い金の返還額に大きな差が生じることがあります。1円でも多く取り戻すために覚えておきたい、事案をご紹介いたします。

過払い金における一連取引と取引の分断について

借金の過払い金問題に悩む人の中には、同じ業者を利用して「完済と借り入れの繰り返し」を重ねる人も見られます。完済した初回の借り入れと2回目の借り入れはもちろん別のものですが、過払い金の計算を別々に行うと返還される過払い金が少なくなってしまうことが考えられます。
1回目と2回目の取引を「一連の取引」としてみてもらえるかどうか、大きな問題になることがあります。

一連取引とは

ここで取り上げているケースのように、1回目の取引(借金)と完済後に新規に借り入れした2度目の取引を「ひとつの取引」としてとらえることを指しています。ただし、同じ業者から借り入れすることが前提条件です。

繰り返した借金を一連取引とみなすことで、当然手元に戻るべき過払い金は大きくなります。過払い金が大きくなる理由は次の2つです。

  1. ①1度目の過払い金を2度目の借り入れから相殺して2度目の過払い金額を計算するから
  2. ②1度目の完済から2度目の取引開始までの間の空白期間も過払い金の利息が発生するから

取引の分断とは

「一連取引」と逆のケースで、「1度目の取引」と「2度目の取引」はそれぞれ別のケースとして取り扱うこととする場合がこれに当たります。

なぜ取引の分断がネックになりやすいのか

先述した通り、一度目の取引と二度目の取引を「別の取引」として考えた場合は二度目の借入した金額に対して一度目の取引で発生した過払い金を充当する事が出来なくなります。そうするとどうしても二度目の取引に対する影響が少なくなってしまったりするので

  1. ①過払い金の発生金額が少なくなる。
  2. ②借入金の債務圧縮の恩恵が少なくなる。

というデメリットが発生します。

一連取引か取引の分断かは裁判の争点になりやすい

このような複数の取引に対する取り扱いは、裁判の争点になりやすいのが特徴です。貸金業者としても、現在の新法制の下での営業で、過去の貸付金利息に対する返還業務で負債を背負うのは避けたいと感じるでしょう。

このため、貸金業者は「それぞれの取引の独立性」を主張し、「取引の分断」であることを争おうとします。お互いの利害関係が成立するので、裁判で争われやすいのです。

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引き直し計算について

過払い金返還請求を行う場合は、債務者が本来支払うべき利息を計算しなおし、これまでに支払ってきた利息分との差額を「過払い金」として請求します。この利息の再計算を「引き直し計算」といいます。

通常の過払い金請求による引き直し計算

通常、という表現に関して若干語弊が生じますが、ここでは「一度限りの取引(借金)」と位置付けます。
利息の引き直し計算を行う場合には、返済開始月にさかのぼることから始まります。現行の利息制限法上の法定利率に照らし合わせ、毎月末の残高に応じて1か月分ずつの利息算定を行います。
次に、貸付当時の利率で計算された利息から、先ほど算定された利息を差し引いて「過払い金」を求めます。

月々の返済に充てると…?

毎月定額の返済が行われていますが、「元金+利息」の組み合わせで返済することが一般的です。それを5年間(60回)分割などという返済計画の下で実行されます。

引き直し計算を行うことで利息を減らせるため、その分の差額を元金返済分に充当することができます。これによって、5年間・60回の返済計画よりも短い期間で返済をすることが可能となります。

少額の返済を10年以上続けているという人やトータルすると元金(初めに借りたお金)の何倍ものお金を返済に充てているという人は、過払い金相談を依頼するとよいでしょう。

取引が複数ある場合の引き直し計算

同じ業者から何回か借り入れを繰り返している場合、これを「一連取引」とみるか「取引の分断」ととるかによって引き直し計算による過払い金残高が変わります。

一連計算

貸金業者から貸付を受けた取引それぞれの利息の引き直しを行い、過払い金が発生した場合は、一番新しい借り入れの貸付額に過払い金が充当されるため、債務残高を減らすことができます。

取引の分断による個別計算

取引ごとに引き直し計算を行いますが、それぞれの取引を一つに取りまとめることができないため、現在借り入れによる債務残高がある場合でも過払い金をそれに充当し相殺することはできません。また、完済してから10年以上経過している取引に関しては時効が成立するため過払い金の返還請求を行うことはできません。

まとめ

一連取引とするか、取引の分断とするかその判断に関しては、裁判所にゆだねられます。また、判例もそれぞれでケースバイケースという結果が大半です。

少しでも過払い金を取り戻したいというときには、過払い金返還請求訴訟を専門に行う弁護士事務所に相談をすることをおすすめします。

弁護士法人きわみ事務所 代表弁護士:増山晋哉
  • 弁護士法人きわみ事務所 代表弁護士
  • 増山晋哉

大学卒業後、大阪市内の法律事務所で経験を積み、独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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