自己破産

自己破産するには何をしたら良いの?手続きは?費用は?

「自己破産をして借金をチャラにしたいけど、何から始めたら良いのかわからない」と思っている人はかなり多いのではありませんか。借金を帳消しにしたいのであれば、自己破産の知識を知ることから始めるべきです。

自己破産するには条件もあります。誰でもすぐに破産して借金をゼロにできるわけではありません。費用だってかかるのです。

当記事では、自己破産するにはどんな条件があるのか、さらには手続きの流れ、費用についてもお伝えします。

目次
  1. 1. 自己破産するには基礎知識も必要!メリットとデメリットについて
    1. 1.1. 自己破産のメリット
    2. 1.2. 自己破産のデメリット
  2. 2. 自己破産するには何が必要?条件を徹底解説
    1. 2.1. 支払いができない状態にあること
    2. 2.2. 借金を作った理由に問題がないこと
    3. 2.3. 保証人がいても自己破産できるのか?
  3. 3. 自己破産するには免責不許可事由の把握が大事!
    1. 3.1. 財産を隠した、または壊した
    2. 3.2. 違法な方法により借り入れを行った
    3. 3.3. ギャンブルや投資目的の借金である
    4. 3.4. 特定の借金相手にのみ返済している
  4. 4. 自己破産するにはどんな手続きが必要なの?
    1. 4.1. 同時廃止の手続きと流れ
    2. 4.2. 管財事件の手続きと流れ
  5. 5. 自己破産するにはどのくらい費用がかかるの?
    1. 5.1. 同時廃止にかかる費用
    2. 5.2. 少額管財事件にかかる費用
    3. 5.3. 管財事件にかかる費用
  6. 6. 自己破産するには仕事を辞めなければならないってホント?
    1. 6.1. 破産後にできなくなる仕事とは?
    2. 6.2. 仕事ができない期間とは?
    3. 6.3. 自己破産時には仕事道具は処分されるのか?
  7. 7. 自己破産するには車を処分しなければならないってホント?
    1. 7.1. 車を処分せずに済むケース
    2. 7.2. 車を処分しなければならないケース
  8. 8. 自己破産後の生活とは?
    1. 8.1. 生活保護を受けられるのか?
    2. 8.2. 携帯電話は保有できるのか?
    3. 8.3. 年金はもらえるのか?
    4. 8.4. 家族に影響はあるのか?
    5. 8.5. 会社に知られることはあるのか?
    6. 8.6. 賃貸契約はできるのか?
  9. 9. スムーズに自己破産するには弁護士のサポートが重要!
  10. 10. 弁護士の力を借りて自己破産を確実に実施しよう

自己破産するには基礎知識も必要!メリットとデメリットについて

自己破産は、債務(借金)を抱えた人が選択できる一つの権利でもあります。だからといって、デメリットがないわけではありません。

まずは基礎知識としての自己破産のメリット・デメリットを探ってみましょう。

自己破産のメリット

  • 取り立てがストップする
  • 借金の返済が不要
  • 一定の財産は残せる

自己破産の主なメリットには、以上の3つがあります。

自己破産の手続きに入るだけで、取り立てがストップします。弁護士に自己破産の続きを依頼した場合には、借金相手に対し「受任通知」と呼ばれる書面が送られます。受任通知が届くと、債権者(借金相手)の取り立ては禁止されます。

返済が遅れると毎日のように取り立てがされるので、精神的に参ってしまう人も少なくありません。自己破産手続きに入ることで、心に余裕が生まれることも考えられるのです。

自己破産の最大のメリットは、借金がゼロになることです。各種ローンの支払いが免除される「免責」と呼ばれるものが実行されると、返済義務はなくなります。500万円であろうと1,000万円であろうと、金額に関係なく借金が帳消しになるのです。

「自己破産=全財産を処分」と思っている人もいるかも知れませんが、実は少し異なります。全財産を処分されてしまえば、破産後の生活は苦しくなるでしょう。そこで一定額に関しては手元に残せる、とされているのです。ちなみに、現金の場合は99万円まで財産として保有できます(自由財産)。

自己破産のデメリット

  • 一定の財産を失う
  • 職業が制限を受ける
  • クレジットカードやローンの審査で落ちる(時効あり)
  • 連帯保証人に請求されてしまう

自己破産の主なデメリットには、以上の4つがあります。

自己破産を行うと、一定の価値(20万円を超えるもの)のある財産は処分され債権者(借金相手)に分配されます。つまり土地や建物といった不動産や、自動車やバイクなどの車両は処分される可能性が高いのです。

自己破産をすると、就ける職業が一定期間に渡り限定されてしまうのもデメリットの一つです。主に士業や警備員などの仕事ができなくなります。自己破産と職業制限については、「自己破産するには仕事を辞めなければならないってホント?」で詳しく解説します。

自己破産をすると、クレジットカードやローンの審査に一定期間通らなくなります。個人信用情報に事故情報が記録されてしまうので、自己破産したことが業者側に知られてしまうのです。個人信用情報の掲載期間は、5年から10年程度とされています。つまり、破産してから5年から10年経過すればクレジットカードやローンの審査に通過できるようになるのです。

借金の中に連帯保証人が必要なものがある場合は、自己破産をすると迷惑を掛ける恐れが出てきます。破産者からは取り立てできないので、代わりに保証人に対して取り立てを実行するのです。保証人になってくれた人には、破産手続きに入る前に前もって伝えておく必要があります。

自己破産するには何が必要?条件を徹底解説

自己破産は誰でもできるわけではありません。自己破産するには、一定の条件をクリアしている必要があるのです。

こちらでは自己破産するには、どんな条件をクリアしていればよいのかを徹底解説します。

支払いができない状態にあること

簡単に説明すると、返済ができない状況に陥っていなければなりません。例えば、収入もあり返済能力もある、と判断される場合には自己破産ができないのです。

では「支払いが出来ない状態」、とは具体的にどのような状態を指しているのでしょうか。

  • 収入が著しく低い(無収入である)
  • 返済に当てられる財産がない
  • 借金返済に当てる金銭の調達が難しい

少なくても以上の状態でなければ、自己破産は認められません。

一定の収入がある場合には、返済能力がある、と判断されます。収入を超える借金を重ねて返済に困った、といった理由だけでは自己破産するのは難しいのです。収入が一定以上あれば、自己破産ではなく任意整理や個人再生といった手段のほうが適当である、と判断されることもあります。

一方で無収入であると、返済能力はない、と判断されます。ただ無収入である理由(働けない理由)が明確でなければなりません(健康問題など)。

価値が高いと判断される財産がある場合は、自己破産ができません。財産を処分して得たお金を返済に回せば良い、と判断されるからです。例えば3,000万円の借り入れがあり、3,000万円相当の価値のある不動産を持っているのであれば、処分して売却金で返済すれば借金問題は解決します。自己破産する必要はない、と裁判所は判断するわけです。

資金調達ができると判断される場合も、自己破産はできないとされています。資金調達できるのであれば、返済ができると判断されるからです。ただ破産を考えている人が新たに資金調達するのは難しいと考えられます。よって、こちらの条件はあまり気にする必要はないでしょう。

借金を作った理由に問題がないこと

自己破産するには、借金を作った理由も明確にしなければなりません。そして正当な理由と判断される必要もあるのです。

具体的には、ギャンブル目的の借金は不適切な借金の理由とされます。「免責不許可事由」(借金の帳消しが認められないケース)とされる可能性が出てきてしまいます。「免責不許可事由」については、「自己破産するには免責不許可事由の把握が大事!」で詳しく解説します。

※ギャンブル目的の借金が原因でも、免責が認められる可能性はあります。

保証人がいても自己破産できるのか?

保証人がいる場合でも自己破産すること自体には問題はありません。しかし請求が破産者から保証人に移行することになり、保証人に迷惑を掛ける事になります。貸金業者は保証人から回収する場合には、一括での支払いを求めることが多いのです。

自己破産対象の借金に保証人がいる場合は、前もって連絡してください。保証人も支払えない場合は、保証人に債務整理(自己破産や任意整理)をすすめるのも一つの解決策です。

自己破産するには免責不許可事由の把握が大事!

自己破産するには、借金の理由や自己破産手続きに問題がない状態でなければなりません。つまり「免責不許可事由」(借金の帳消しが認められないケース)に該当しなければよいのです。

では免責不許可事由とは、具体的にどのようなことを指しているのでしょうか。

財産を隠した、または壊した

自己破産するときに、一定以上の価値(20万円を超える価値)がある財産は処分されます。処分されて換金化された財産は、債権者(借金相手)に分配されるのです。

処分されるのを嫌い自己破産時に財産を隠してしまうと、免責不許可事由に該当する事になり免責は認められません。当然財産を意図的に壊した場合も、免責の対象から外れてしまいます。

違法な方法により借り入れを行った

  • 借金の申込みに虚偽の書類を利用した
  • 他人名義で借金を申し込んだ
  • 虚偽の情報で借金をした(無職なのに就業している、とした場合など)

詐欺的な借り入れを行った場合は、借金の帳消しが認められないこともあります。ちなみに収入を少し高くして申し込みをおこなう程度のことは問題ありません。年収280万円の人が年収300万円で申し込んだとしても、免責不許可事由には該当しないので安心してください。

ギャンブルや投資目的の借金である

借金した目的が、競馬やパチンコ、ボートレースであった場合は免責不許可事由に該当してしまいます。さらに株式投資やFX取引などの投資に関する借金も、免責不許可事由に該当します。

ただ常識の範囲内の金額であれば、ただちに免責不許可事由になるわけではありません。収入の10分の1や5分の1程度であれば、免責が許可されると考えられます。一方で収入の半分以上をギャンブルや投資に突っ込んでいるケースは、免責が認められない可能性が出てきます。

ギャンブルや投資目的の借金は裁判官の判断がおおきく影響する部分なので、論理的に説明し現在の苦境をアピールしましょう。

特定の借金相手にのみ返済している

自己破産する際は、借金額に応じて必ず平等に配当(返済)されなければなりません。なのに、自己破産前に特定の借金相手にのみ返済をすると、「平等」の原則から離れてしまいます。他の借金相手が不利益を生じることになるのです。

借金を帳消しにしたいのであれば、自己破産前も借金相手に対して平等に返済をしなければなりません。

自己破産するにはどんな手続きが必要なの?

借金を帳消しにするためには、自己破産の申し立てを行わなければなりません。自己破産には、「同時廃止」と「管財事件」と呼ばれる2つがあります。

「同時廃止」と「管財事件」と呼ばれる2つの自己破産の手続きと流れについて解説します。

同時廃止の手続きと流れ

同時廃止の自己破産をするには、20万円未満の財産しか持っていない必要があります。つまり財産が少ない人であれば同時廃止になるのです。

まず実施されるのが弁護士への依頼や相談です。破産者本人が行わなければなりません。弁護士事務所によっても料金が異なる可能性があるため、比較検討しましょう。

弁護士に正式に破産手続きを依頼すると、取り立てがストップします。破断手続きを依頼すると、必要書類の準備に取りかかります。書類の準備に関しては、弁護士が基本的に対応してくれます。自分が用意しなければならない書類も指示してもらえるので安心してください。

【破産時に必要になる書類例】

  • 破産申立書
  • 免責申立書
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 所得証明書・・・源泉徴収票または課税証明書など
  • 戸籍謄本、住民票
  • 賃貸借契約書または登記簿謄本
  • 給与明細書
  • 車を持っている場合・・・車検証の写しまたは査定書
  • 保有している資産の目録
  • 家計の状態が把握できる書類・・・家計簿など

手続きの書類が揃ったら、破産手続きの申し立てを地方裁判所に対して実施します。申立後、1ヶ月程度で裁判所に出廷し、裁判官から破産に関する質問を受けます。

次に、破産手続きが開始されます。この時点で、同時廃止か管財事件になるかが判断されます。同時廃止の場合は、少額なので基本的に財産の処分は行われません。免責審尋(めんせきじんしん)が実施されます。免責審尋とは、裁判所に出廷し面談を行うことを指しています。借金をした経緯などを伝えることになるでしょう。

最後に免責許可の決定が行われます。免責審尋から約2週間後の決定とされています。免責がおりたら、借金はすべて帳消しとなるわけです。

以上で同時廃止の自己破産の手続きは完了です。期間としては、3ヶ月から4ヶ月で終わるでしょう。

ちなみに自己破産の流れは、同時廃止も管財事件も基本的に一緒です。

管財事件の手続きと流れ

管財事件には、通常管財と少額管財があります。

おおむね20万円以上の財産を持っている場合には、管財事件の取り扱いになります。弁護士に依頼して自己破産する場合や財産の種類が少ないケースは、少額管財事件に該当します。弁護士に依頼しなかった場合や財産の種類が多い場合は、通常管財事件です。

少額管財事件と通常管財事件では、費用と期間に違いがあります。特に期間については、通常管財事件のほうが少額管財事件に比べ倍以上かかる恐れもあります。

管財事件の手続きは同時廃止と似通っていますが、財産の処分をしなければなりません。特に通常管財事件になると、財産の把握や債権者(借金相手)への分配も必要になるため、時間がかかってしまうのです。

通常管財事件にかかる期間は半年から1年程度、少額管財事件は3ヶ月から4ヶ月程度とされています。少額管財事件であれば、手続きの期間においては同時廃止と特に大きな違いはありません。

自己破産するにはどのくらい費用がかかるの?

自己破産するには、どのくらいの予算が必要になってくるのでしょうか。

破産するということは、資産はほとんどないと考えられます。弁護士事務所に支払うお金は基本的には分割払いになるものの、高額のコストがかかるとなると破産後の生活に大きな影響が出てくるはずです。

こちらでは自己破産の費用について、同時廃止のケース・少額管財事件のケース・管財事件のケースの3つに分けてお伝えします。

同時廃止にかかる費用

  • 収入印紙代・・・1,500円
  • 予納郵券代(切手代)・・・3,000円から15,000円
  • 予納金・官報公告費・・・10,000円から 20,000円程度

同時廃止にかかる実費は、15,000円程度から40,000円弱となります。ただ予納郵券代(切手代)は借金相手が多ければ多いほどかかってくるので、10社や20社から借り入れている、という人は少し多めに見積もっていたほうが良いでしょう。

※予納金は債務総額によって変動することがありますが、同時廃止の場合は手続きが簡単に済むので、10,000円から20,000円程度の定額に設定されています。

弁護士への依頼コストに関しては、20万円から40万円が相場とされています。

少額管財事件にかかる費用

  • 収入印紙代・・・1,500円
  • 予納郵券代(切手代)・・・3,000円から15,000円
  • 予納金・官報公告費・・・最低でも20万円程度

少額管財事件にかかる実費ですが、20万円から22万円程度が目安です。

収入印紙代と予納郵券代(切手代)は同時廃止と同じですが、大きく異なるのが予納金・官報公告費です。少額管財事件は財産があるため、手続きが増えます。よって債務総額に比例して予納金・官報公告費が増える仕組みになっているのです。

ちなみに東京地方裁判所のように、弁護士に依頼している破産管財事件については予納金が20万円に統一されているケースもあります。

※予納金は分割で裁判所へ支払うことも可能です。

弁護士に依頼した場合のコストは、20万円から40万円程度です。つまり少額管財事件にかかるコストの総額は、40万円から60万円前後になります。

管財事件にかかる費用

  • 収入印紙代・・・1,500円
  • 予納郵券代(切手代)・・・3,000円から15,000円
  • 予納金・官報公告費・・・最低でも50万円程度

管財事件にかかる実費ですが、50万円からとなっています。

管財事件に関しては、比較的高額な財産があると考えられ、手続きが比較的多くなるのでコストも高くなりやすいわけです。財産の処分をするためには、裁判所が専任する破産管財人が関わってきます。破産管財人が必要になる自己破産には、高額費用が発生するのです。

弁護士費用は、同時廃止や少額管財事件と同様に20万円から40万円が相場です。実費と合わせると100万円前後の費用がかかることもあるので注意しましょう。

管財事件はコストが高額化しやすいですが、民事法律扶助制度を利用する手もあります。

民事法律扶助業務とは、経済的に余裕のない方などが法的トラブルにあったときに、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、必要な場合、弁護士・司法書士の費用等の立替え(「代理援助」、「書類作成援助」)を行う業務です。
出典:法テラス 「民事法律扶助」

民事法律扶助制度は収入と資産が基準以下と判断される人が対象となるので、破産者が利用できる可能性は高いです。

自己破産するには仕事を辞めなければならないってホント?

自己破産は、仕事に一定の影響を与える可能性があります。実は一定期間、働けない仕事が設定されているのです。

こちらでは、破産後に働けない仕事と働けない期間についてお伝えします。

破産後にできなくなる仕事とは?

  • 士業
  • 宅地建物取引業者
  • 貸金業者
  • 警備員
  • 建設業者
  • 風俗営業者
  • 生命保険募集員
  • 法律行為に関わる仕事・・・代理人、後見人など

かなり専門性の高い仕事をしている人が影響を受けることになります。よって一般の会社員の人であれば、基本的に自己破産をしたことで仕事ができなくなるわけではありません。

自己破産時に仕事ができなくなる士業ですが、多岐にわたります。

  • 弁護士
  • 弁理士
  • 司法書士
  • 土地家屋調査士
  • 不動産鑑定士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 通関士
  • 宅地建物取引士

などの士業が該当し、一定期間仕事ができなくなります。しかし資格が剥奪されるわけではありません。それぞれの資格が一旦停止されるだけで、再び登録できます(復権)。

自己破産時につけない仕事に関して、統一感のなさを感じるかもしれません。士業と警備員の仕事は、かなり離れている印象を受けるでしょう。

大きな見方をすると、自己破産でできなくなる仕事には「金銭や資産などが絡む」ケースが多いのです。士業と同じ国家資格が必要である医師や看護師、介護士などは、金銭や資産には絡んでいないとされるので影響は受けません。

仕事ができない期間とは?

破産の申し立てをしてから、3ヶ月から6ヶ月程度で職業制限の解除がされます。

自己破産による職業制限を受けたからと行って、一生その仕事につけないわけではありません。自己破産手続きが完了し免責許可を受けたら、制限を受けていた仕事ができるのです。

一方で、破産手続きをしたものの免責がおりないケースも当然あります。その後何も手続きせず破産詐欺罪の罪にも該当しなかったのであれば、破産申し立てから10年で職業制限は解除されます。ただ10年はあまりにも長い期間なので、免責の許可がおりなかった場合は弁護士と相談し対策を練りましょう。

免責不許事由(免責が認められないケース)に該当する場合でも、裁判所を説得できれば免責が下りることもあります。専門家(弁護士)に頼ることで、免責が許可される確率もアップします。

自己破産時には仕事道具は処分されるのか?

自己破産をしたとしても、仕事道具は処分されません。

財産であっても生活に必要不可欠とされるものは、「自由財産」として認められ処分されることはありません。保有したままの状態で自己破産できるのです。

民事執行法には以下のように記載されています。

第百三十一条 次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。
(中略)
四 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
五 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
六 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)

引用元:e-Gov 「民事執行法」 第131条

ただし自己破産後に仕事を辞める予定である場合には、仕事道具であったとしても処分されてしまうことがあります。つまり破産後も継続して仕事を続ける意志があれば、仕事道具は処分されないのです。

自己破産するには車を処分しなければならないってホント?

自己破産しても、車を処分せずに済むケースもあります。一方で、手放さなければならないケースもあるのです。

車を処分せずに済むケース

ローンが残っていない車であり、価値が低いと考えられる場合は自家用車を処分しないで済みます。

ローンが残っていないということは、その車の所有者は破産者となります。車に価値がある場合には、処分され債権者(借金相手)に分配されますが、価値がなければ分配できません。よって破産後も車を保持できるわけです。

車を処分しなければならないケース

  • ローンが残っている
  • 車に価値がある

以上のいずれかに該当する場合には、車を処分しなければなりません。

ローンが残っているということは、車の名義はローン会社またはディーラーとなっています。そもそも破産者の車とは認められていません。自動車ローンが残っている状態で破産をすると、確実にローン会社やディーラーに引き上げられてしまうのです。

車に価値がある場合には、資産として計上されてしまいます。自家用車の場合は、自由財産(生活上必要な財産)に組み込まれる可能性は低いです。よって売却できると判断されてしまえば、車を手元に残すのは難しいでしょう。

自己破産後の生活とは?

自己破産をすると、借金はなくなりますが、財産のほとんどを失うこともあります。

自己破産するには、破産後の生活をシミュレーションすることも大事です。 こちらでは破産後の生活で、特に気になる部分を解説します。

生活保護を受けられるのか?

自己破産後でも生活保護は受けられます。

自己破産は借金をなくすものであり、生活保護は健康で文化的な生活を保障するためのものです。つまり借金がなくなったものの収入がなかったり収入が極めて少なかったりする場合には、破産直後に生活保護を申請しても受理してもらえます。

携帯電話は保有できるのか?

携帯電話の契約は可能です。

ただし自己破産前に携帯電話を使っており、端末の分割代金を完済しておらず滞納している場合には解約されてしまいます。さらにその携帯電話会社のブラックリスト状態になってしまうのです。ブラックリスト状態になると、その携帯会社の携帯は今後利用できなくなります。

年金はもらえるのか?

年金はもらえます。

自己破産しても年金が差し押さえられることはありません。法律によって、年金は差し押さえを禁止されています。すでも年金をもらっている人が自己破産しても、年金は支給され続けます。

家族に影響はあるのか?

連帯保証人に家族がなっていない場合は、金銭的な影響はありません。

しかし破産者名義の不動産に家族で住んでいる場合には処分対象となるので、家族も引っ越しをしなければなりません。

会社に知られることはあるのか?

基本的に知られることはありません。仮に知られたとしても、職業制限の対象外であれば自己破産を理由に解雇されることはありません。

自己破産すると、官報と呼ばれる国の公告文書に掲載されます。しかし官報を見ている人はほとんどいません。よって自分から言わなければ、周囲に破産の事実が知られることは基本的にないのです。

賃貸契約はできるのか?

自己破産をしても賃貸契約は結べます。

しかし賃貸契約をする時に保証会社を利用してしまうと、審査で自己破産の事実は明るみに出て契約できない可能性もあります。保証人になって貰える人がいれば破産後でも賃貸契約ができる可能性は高い、と覚えておきましょう。

スムーズに自己破産するには弁護士のサポートが重要!

自己破産は手続きが複雑になるケースもあります。個人で対応するのは、かなり困難なのです。

そこでおすすめしたいのが専門家である弁護士の利用です。

弁護士を利用することで、自己破産以外の方法も検討できます。債務整理には自己破産以外にも任意整理や個人再生、そして特定調停などがあります。自己破産では財産を失ってしまう可能性は高いですが、その他の債務整理であれば財産を保持できることもあります。

弁護士は自己破産の専門家でもあり、スムーズな手続きを実施してくれます。破産後の生活におけるアドバイスも行ってくれるなど、費用以上の貢献をしてくれることも事実です。

自己破産を確実に成功させいたいのであれば、弁護士のサポートを受けましょう。

弁護士の力を借りて自己破産を確実に実施しよう

自己破産の手続き、および費用を中心にお伝えしました。 自己破産するには、裁判所とのやり取りが必要になります。申し立てを行い、実際に裁判所に出向き、裁判官から質問を受けることもあるのです。

自己破産の費用相場は、

  • 同時廃止のケース・・・1万5,000円から4万円+弁護士費用
  • 少額管財事件のケース・・・20万円から22万円+弁護士費用
  • 管財事件のケース・・・50万円から+弁護士費用

となっています。安くはありませんが、分割などの対応もしてもらえるケースが有るため、弁護士事務所などに相談してみましょう。

自己破産は借金を帳消しにする免責を目的として実施されるわけですが、必ずしも認められるわけではありません。免責の決定を受けやすくするためにも弁護士の力が必要です。

ギャンブルや浪費が原因で借金をしていると、免責が認められないこともあります。しかし弁護士が裁判所を説得してくれれば、ギャンブルや浪費が自己破産の原因であったとしても免責が認められることもあるのです。

一人で裁判所と立ち向かうのは勇気がいるでしょう。弁護士のサポートを受けて、裁判所に立ち向かってみませんか。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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