自己破産

債権者集会はどのような流れで行われるのか?

破産の申し立てをすると債権者集会が開かれ、破産に至った理由や処分して返済に充てられる資産などに関して説明が行われます。

「債権者集会=怖い」というイメージを持っているかもしれませんが、実は、スムーズに進めば1回の集会は10分程度で終了するのです。

この記事では債権者集会の流れについて説明していきます。

債権者集会の役割や内容にについて知れば、破産手続の終了まで落ち着いて行動できるでしょう。

まずは、債権者集会とは何かについて説明していきます。

目次

債権者集会とは何?最低限知っておきたい流れと内容

債権者集会とはその名前の通り、破産申請があった場合にその債権者達が集まる集会のことです。

債権者集会には事件を担当する裁判官や破産管財人も出席します。

破産管財人は債務者の資産などの調査を行い、現金に換えられるものは処分して、債権者に対して配当をする債権者側の弁護士だと考えてください。

債権者集会があるのは管財事件だけ

自己破産をすると必ず債権者集会があるのかというと、そうではありません。

一般の人が自己破産をした場合、手続きは「同時廃止」と「管財事件」に振り分けられます。このうち、債権者集会が開かれるのは管財事件によって手続きが進む場合です。

同時廃止では破産手続開始決定と同時に免責(借金の返済義務がなくなること)も決まります。

配当へ回せるような資産が債務者にないケースでは、そもそも債権者を集める意味もなく、比較的、スピーディに手続きが終了するのです。

自己破産の多くは同時廃止となっているため、破産の申し立てをしても債権者集会が開かれないという可能性も十分にあります。

一方で、20万円を超えるような財産を持っている場合には、管財事件で扱われる可能性が高いでしょう。そのような財産は現金に換えて、債権者への配当に回されます。

債権者集会は破産管財人が進めている調査の進捗状況などを債権者に対して報告する場なのです。

債権者集会は10分程度で終了する

債権者集会に要する時間はケースバイケースですが、10分程度で終了することもあります。

テレビニュースなどで債権者集会は荒れやすいイメージを持っているかも知れませんが、会場内で怒号が飛んだり、債権者が債務者に詰め寄ったりというケースは稀です。

個人(または法人)なのか、破産に至った事情にもよりますが、基本的には淡々と進んでいくでしょう

特に一般の人が自己破産をした場合、短時間で債権者集会が終了する場合が多いです。

債権者集会は複数回行われることもある

債権者集会は厳密に開かれる回数が決められているわけではありません。

3回〜4回程度というケースが多いですが、問題がなければ1回の債権者集会の中ですべての手続きが終了するということもあるのです。

法人の破産であったり、調査する財産が多かったりする場合には、3回〜4回程度になることが多いでしょう。

次回の開催もある場合には、債権者集会の終了時に日程が決められます。

債権者集会に出席する人

債権者集会には債務者も含めて、次のような人たちが出席することになります。

【債権者集会に出席する人】

  • 裁判官
  • 破産管財人
  • 債務者(法人の場合には経営者)
  • 代理人弁護士
  • 債権者

債権者集会は裁判所で開かれ、事件を担当する裁判官と破産管財人も出席します。

債務者の出席は必須であり、法人の場合には経営者が債権者集会に出ることになります。また、弁護士を代理人としているなら、債務者に加えて、代理人弁護士も出席可能です。

債権者集会では債権者からの質問もありますが、代理人弁護士に回答してもらうこともできます。

ただ、実際の債権者集会では債権者が出席しないケースもあります。債権者集会に参加しなくても配当は受けられるため、債権者が欠席するケースもあると覚えておきましょう。

債権者集会の開催が決定されるまでの流れ

ここからは、個人が自己破産の申し立てを行なった場合、どのような流れで債権者集会の開催が決定されるかを見ていきましょう。

繰り返しになりますが、個人の自己破産では同時廃止で手続きが進み、債権者集会が行われないケースもあります。

自己破産は裁判所で申し立てを行いますが、あらかじめ同時廃止か管財事件かを自分で決められるわけではありません。

弁護士に依頼をして手続きを進める場合、「おそらく同時廃止(管財事件)になります」という意見は貰えても、実際に判断をするのは裁判所です。

返済に充てられるような財産はないと思っていても、財産隠しが疑われるケース、免責に関する調査が必要なケースでは同時廃止ではなく、管財事件になります。

管財事件になった場合、第1回の債権者集会の日時が決まるのは、破産手続開始決定のタイミングです。目安としては自己破産の申し立てをしてから2ヶ月〜3ヶ月後になるでしょう。

そして、その1ヶ月後あたりに初回の債権者集会が開かれます。

そのため、個別の事情、裁判所の運用によっても異なりますが、申し立てから3ヶ月〜4ヶ月後に債権者集会が行われるということです。

債権者集会の内容と当日の流れ

次に債権者集会当日の流れとどのような内容なのかを見ていきましょう。

債権者集会では次のようなことが行われます。

【債権者集会当日の流れ】

  • 破産理由や資産の保有状況の報告
  • 換価処分の進捗状況の報告
  • 免責に関する債権者の意見申述
  • 債権者からの質問
  • 破産管財人による配当に関する説明
  • 裁判官による事件終了の決定
  • 免責審尋

破産管財人による破産理由や資産の保有・換価処分の進捗状況の説明

債権者集会では、最初に管財人から破産に至った理由、債務者の資産の保有状況などが説明されます。このような目的で行われる債権者集会を「財産状況報告集会」と呼びます。

自己破産の申し立てがあってから、債権者集会が開かれるまでには期間があるため、その間に資産の調査などが進められるのです。

また、換価処分が進んでいる場合には、その進捗についても債権者に報告されます。

免責に関する債権者の意見申述

債権者集会では、債権者が発言をする場面もあります。免責をさせるべきかなどについて債権者は意見を述べることができるのです。

また、配当するのに十分な財産がないと判明した場合、自己破産の手続きを維持すべきか、廃止すべきかなどについても債権者は意見を聞かれることになります。

債権者からの質問

債権者から質問がある場合には、破産管財人、債務者、代理人弁護士らが回答することになります。

弁護士に依頼しているのであれば、基本的な事実確認などへの回答は弁護士に任せて問題ないでしょう。

破産管財人による配当に関する説明

破産管財人による調査が終わり、配当に関する計算が済んだ場合、その結果が債権者集会にて報告されます。

ただし、これで配当が完全に完了するわけではありません。その後、計算報告に対して異論を述べることができる期間が設けられているのです。

その期間内に何も異論がなければ、計算結果が正式に承認されたことになります。

裁判官による事件終了の決定

滞りなく進み、次回の開催が不要であれば裁判官によって事件終了が決定され、債権者集会は終了です。

先ほども説明した通り、継続の必要がある場合には次回の債権者集会日が決められます。

債権者集会に加えて免責審尋も行われる

債権者集会と同日に「免責審尋」が行われることもあります。

免責審尋とは、裁判所による債務者への面接だと思ってください。

自己破産は免責をもって借金の返済義務がなくなるため、この免責審尋で最終的な結論が出るのです。

ただし、あまり身構える必要はなく、弁護士が代理人であるなら事実確認などの数分で終わるケースもあります。

また、手続き内容や裁判所の運用によっては、免責審尋を書類のみで判断する場合もありますし、個別ではなく集団で面接が行われるケースもあるのです。

詳しくは弁護士などの専門家に確認しておくと安心でしょう。

債権者集会に出席する際の注意点

債務者の場合には債権者集会への参加が必須です。進行などは裁判官や破産管財人が中心に進めてくれるため、債務者本人への負担はとても小さいでしょう。

ただし、債権者集会は免責の判断に大きな影響を与えるものです。債権者集会に出席する際には、以下の点に注意してください。

【債権者集会に出席する際の注意点】

  • 日時や場所をしっかりと確認しておく
  • 常識的な服装で参加をする
  • 質疑応答には誠実に回答する

日時や場所をしっかりと確認しておく

債権者集会の当日に遅刻する、無断欠席をするというのは、裁判官や破産管財人、債権者へのイメージをとても悪くします。

債権者集会は平日に行われるのが通常なので、仕事を休まないといけないかもしれませんが、日時、場所をしっかりと確認して、予定を空けておき当日は早めに行動しましょう。

常識的な服装で参加をする

債権者集会では代理人の弁護士だけでなく、裁判官、破産管財人、債権者といった人たちとも会います。

特に決まりがあるわけではありませんが、常識的な服装で参考した方が印象は良いでしょう。

悪い印象を与えることは損しかないので、ある程度、綺麗な格好で参加することをおすすめします。

もし迷う部分があるなら、弁護士に確認しておくと確実です。

質疑応答には誠実に回答する

債権者が出席している場合には、質問されることもあります。その際には、分かる範囲で構わないので誠実に回答するように心がけてください。

代理人弁護士が同席しているなら安心ですが、自分の頭でも事実、状況を整理しておき、落ち着いて答えられるようにしましょう。

法人と個人の債権者集会では流れが違う?

法人の破産であっても大まかな流れは一緒ですが、債務の規模などは大きく異なるでしょう。最後に法人の場合の債権者集会についても簡単に説明していきます。

法人の破産手続では債権者集会が必ず行われる

個人の自己破産では同時廃止になることで債権者集会は開かれませんでしたが、法人の場合には同時廃止がありません。

必ず破産管財人が選任されることになり、債権者集会も開かれるのです。

調査対象が増えれば手続きに時間がかかり、複数回の債権者集会が開かれるでしょう。

法人の場合も債権者が集会に欠席するケースがある

意外かもしれませんが、法人破産での債権者集会でも債権者が欠席するケースはあるようです。

破産したのが中小企業の場合には、債権者に分配できるような資産がないケースも多く、出席する意味がないと思えば、債権者欠席で手続きが進みます。

一方で大企業であったり、破産申請に至った理由に疑問があったりする場合には、多くの債権者が出席して、債権者集会が紛糾するケースもあるようです。

債権者集会の流れは弁護士に確認しておくと安心!

債権者集会はとても時間がかかるというイメージを持っていたかもしれませんが、10分程度で終了するケースも多いです。

債権者は出席しないこともあり、実際にはかなりスムーズに進みます。

ただ、債務者に関しては出席が必須で、個別の状況によっては長引くこともあるため、詳しくは依頼している弁護士などに確認しておくと良いでしょう。

弁護士は代理人として債権者集会やその後の免責審尋にも同席できます。

債権者集会は免責許可 / 不許可にも影響を与えるので、十分な準備をして当日に臨んでください。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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