自己破産

少額管財手続きとは?免責までどれくらいの期間が必要か?

少額管財手続きは自己破産手続きの1種類です。

自己破産は裁判所の面談などを経て免責が認められますが、自己破産の手続き方法によって手続きに必要となる期間は異なります。

早く新しい生活をスタートさせたいと考える人にとってどれくらいの期間で手続きを終えることができるのか気になるものです。少額管財手続きではどれくらいの期間がかかるのか、少額管財について詳しく説明していきます。

目次

少額管財はどんな手続きなのか?

借金が全額免責される自己破産では、「同時廃止手続き」と「管財事件手続き」の2種類があります。

高額な財産を所有しておらず、免責に問題がなければ同時廃止手続きとして、破産手続き開始決定と手続きが終了されるという簡単な方法になります。

一方で、管財手続きになると同時廃止手続きよりも複雑化することになりますが、少額管財手続きになれば管財事件よりも簡略化することができます。

少額管財手続きとはどういった手続きなのか見ていきましょう。

少額管財手続きとは

自己破産をするにあたり、20万円以上の財産や99万円以上の現金を所有しているような場合や、債権者が多数いるような場合には管財事件として手続きが行われるようになります。

裁判所によって選定された破産管財人によって財産が調査され、換価されれば債権者に分配される手続きが行われるので、同時廃止手続きよりも時間がかかってしまいます。

しかも、管財手続きはこれまで費用として50万円以上が必要となっていたので、債務者にとっては時間だけではなく費用面でも負担が大きいものでした。

そこで、手続きを簡略化して、費用負担も下げられた「少額管財手続き」が平成11年より導入されるようになりました。 これによって、債務者は手続きの期間や費用面における負担が軽減され、自己破産を利用しやすくなったのです。

少額管財手続きを利用できる条件

少額管財手続き自体が全国の裁判所で取り扱われているわけではないので、まずは取り扱いがあるのかを調べておく必要があります。そして、少額管財手続きの取り扱いがあったとしても利用条件があります。

  • 弁護士を代理人としていること
  • 3カ月で手続きが終わる見込みがあること

少額管財手続きは管財事件を簡略化することを目的に導入されているので、迅速に手続きが行われる必要があります。そのためには、破産管財人の仕事の手間を省略化できるように弁護士に依頼をして、事前に財産調査などを済ませておく必要があります。

また、3カ月で手続きが終えられることも必須の条件です。売却や回収に時間のかかる債権がある場合や、財産が多すぎる場合には利用できない可能性が高いです。

少額管財手続きで必要な期間とは?

自己破産の中でも同時廃止手続きであれば、手続きの開始決定と同時に手続きを終えることができるので3カ月ほどで終えることができます。

一方で、管財事件は財産調査や換価など多くの手続きが必要なので、半年くらい期間が必要になってしまいます。時間のかかるケースでは1年を超えるようなこともあります。

この管財事件を簡略化したものが少額管財手続きとなるので、破産手続き開始決定が裁判所より出されてから4カ月ほどで手続きを終えることができるのです。

少額管財手続きをするメリットとは?

少額管財手続きをするメリットは、財産を所有していても破産手続きが行いやすくなるということが大きいと言えます。なぜ少額管財手続きでは破産手続きが行いやすくなるのか、メリットを見ていきましょう。

予納金額が抑えられる

予納金は、申立を行うにあたって手続きに必要な費用です。この予納金は破産管財人への報酬や郵送代金、官報広告費などが含まれており、支払えなければ手続きを行えません。

通常の管財手続きであれば、破産手続きとはいえ予納金が高額であるという点がデメリットでした。最低でも債務額が5000万円未満で予納金が50万円となり、債務者にとっては予納金の支払いが苦しいものです。

しかし、少額管財手続きであれば、予納金が最低20万円にまで抑えることができるようになるのです。そのため、自己破産がより利用しやすくなっています。

期間の短縮化

前述したように、通常の管財手続きは半年~1年ほど解決までに時間が必要であったものの、少額管財手続きでは4カ月ほどで手続きを終えることができます。

多額の債務を背負っていると、少しでも早く解決したいと考えることは当然です。また、手続き期間中は引っ越しや旅行などは自由にできないですし、一時的に弁護士や公認会計士などの一部の職業には就くことが出来ません。

そのため、少額管財手続きによって手続きが簡略化されることによって、免責までの期間を少しでも短縮できることは非常に大きなメリットと言えます。

少額管財手続きにおける手続きの流れ

少額管財手続きは、4カ月ほどの期間で手続きを終えることができます。

裁判所ごとに手続きの流れは異なりますが、少額管財手続きはどのような流れで進んでいくのでしょうか?少額管財手続きの流れを簡単に見ていきましょう。

弁護士へ依頼

少額管財手続きでは弁護士への依頼が条件となるので、まずは弁護士に破産手続きの依頼を行います。依頼すると、債権者へ受任通知が発送されます。受任通知を受けた債権者は、債務者と直接連絡することが禁止されます。

債権・資産調査

受任通知と同時に取引履歴の開示も請求するので、債権者から提出された債権届をもとに債務額などを調査します。これと同時に資産状況を確認し、換価処分の対象になるものがあるかどうかを調べていきます。

申立手続き、申立

自己破産を行うための破産手続き開始・免責許可の申立書を作成し、管轄の地方裁判所へ提出します。受理されれば、東京地方裁判所の場合は即日面接が運用されます。

破産手続き開始決定・破産管財人の選任

裁判所によって返済不可能であることが認められれば、破産手続き開始決定がなされます。即日面接を行っている場合であれば、即日面接をした翌週には決定がなされることになっています。

そして、破産手続き開始決定と同時に、裁判所より破産管財人が選任されます。

破産管財人と打ち合わせ、予納金納付

破産管財人が選任されれば、すみやかに破産管財人と代理人弁護士、債務者の三者による打ち合わせが行われます。そして、破産管財人が債務者名義の専用預金口座を作成するので、引継ぎ予納金を振り込みます。引継ぎ予納金は原則として20万円となっており、裁判所によっては分割払いも可能です。

債権者集会

裁判所にて債権者集会と呼ばれるものが行われ、破産管財人による管財業務の報告が行われます。債権者集会までに破産管財人が財産状況や債券調査などを行っているため、その報告が行われるのです。そして、この集会には債権者も参加できます。

免責許可・不許可決定

債権者集会を終えて1週間ほどで免責許可・不許可が決定します。免責許可が決定されれば2週間ほどで官報公告へ掲載され、その後2週間ほどで免責確定となります。

少額管財手続きにおける注意点

少額管財手続きは、財産を所有していながらも破産手続きを行いたい人にとっては簡略化されているので、スピーディーかつ費用も抑えて手続きを行えることからメリットが大きいと言えます。

しかし、少額管財手続きを行うにあたり、注意しておきたい点がいくつかあります。

裁判所によっては少額管財手続きが導入されていない

少額管財手続きは管財手続きを簡略化できるようにと東京地方裁判所より導入が始まったものですが、法律で定められている制度ではありません。そのため、全ての地方裁判所で行われているわけではないのです。

管轄している地域では少額管財手続きを運用していないようなケースもありますし、類似した手続きを運用しているケースもあります。 手続きの名称は裁判所によって異なるため、事前に申立てを行う予定の裁判所にどういった手続きがあるのか確認しておきましょう。

債権者集会は一度で終わるとは限らない

破産管財人が調査した結果などを裁判所において債権者の前で報告を行う集会である債権者集会は、開催された後に債務の免責許可の決定がなされます。

ただし、集会は1回限りで済むケースもあれば、何度か開催が必要なケースもあります。集会期日の間隔は基本的には3カ月になるので、1回で終了しなければ解決までに3カ月さらに時間が費やされることになってしまうのです。

債権者集会が1回で終わらない原因は、換価作業であることが多くなっています。未回収の売掛金が残っているようなケースや、不動産の売却があった場合などは集会が続行されることになります。

また、裁判所が調査不十分であると判断したような場合にも、調査を続行するために集会が引き続き行われることになります。

少額管財手続きを早く終わらせるためにできることは?

自己破産申請をするのであれば、少しでも手続きを早く終えて新しいスタートを切りたいと考える人が多いのは当然です。

少額管財手続きにおいて、手続きを早く終えるにはどうすればいいのでしょうか?少額管財手続きを早く終えるためにできることを紹介します。

書類を正確に事前に準備する

自己破産手続きだけではなく個人再生でも言えることですが、裁判所に申立てをするには事前に書類などを収集して調査した上で申立書が申請されます。 どれだけの債務があり、現在の資産状況や収入、そして生活に最低限必要な金額などを調査した上で債務の返済が無理であることを申し立てる必要があるのです。そのためには、給与明細や源泉徴収、通帳、賃貸借契約書など収入状況や家計、資産の分かる書類の準備が必要です。

もちろん弁護士に依頼することでどういった書類が必要か教えてもらうことはできますが、弁護士に聞いてから準備をすれば時間がかかってしまいます。 少しでも早く手続きを進めるには、予め正確な内容の必要な書類を準備しておきましょう。

即日免責はスムーズに手続きを進められる

東京地方裁判所では毎日多くの案件を抱えているため、弁護士に依頼している場合に限り「即日面接制度」を利用することができます。

通常では自己破産の申し立てを行えば、破産手続き開始決定は数週間~1ヵ月ほどの時間を要します。 しかし即日面接は、申立から3日以内に裁判官と代理人である弁護士が面接を行うことができるので、効率的かつ短期間で手続きを進めることができるのです。

即日面接は東京地方裁判所のみの運用ですが、他の裁判所でも3日以内に面接に応じているようなケースもあります。いずれにしても、専門家である弁護士が調査をした上で申立てをしているからこそ成り立つ制度であるといえます。

弁護士に依頼する

給与明細や家計簿など必要な書類を集めることは自分自身で行うことになりますが、それ以外のことは弁護士に依頼をすれば全て任せることができます。 専門家の知識を持って、書類作成や面接などスムーズに手続きを進めることができるのです。

しかも、少額管財手続きは弁護士に依頼してこそ運用される手続きです。もちろん絶対に依頼しなければいけないといったようなルールはありませんが、管財手続きを簡略化するために運用されているので、弁護士と破産管財人が連携することでスムーズに手続きを進めることができます。そのため、弁護士に依頼しているケースで少額管財手続きが運用さるようになっているのです。

弁護士ではなく司法書士に依頼すれば、書類作成などを任せることができます。 司法書士の方が弁護士よりも依頼費用が安いからと依頼する人もいるでしょう。 しかし、司法書士に依頼すると即日面接制度は適用されませんし、少額管財手続きも運用されません。

確実に少額管財手続きとして進め、スムーズに手続きをするのであれば弁護士に依頼することをおすすめします。

少額管財手続きは専門家に相談を!

自己破産をしたいけれど、財産を所有していることで手続きが長引くことや、費用が高額になってしまうと悩んでいる人にとって、少額管財手続きは費用を抑えながら短い期間で債務が免責できるというメリットの大きい手続きです。

手続きは4カ月ほどで終えることができますし、そこから新しい生活を始めることができます。

ただし、少額管財手続きを行うには、専門家である弁護士への依頼がなければ進めることができません。弁護士に依頼すれば手続きはスムーズに進めることができますし、面倒な書類作成や資産などの調査も任せることができます。

まずは一人で悩まずに、専門家に相談してみましょう。初回の相談は無料である弁護士事務所も多いので、少額管財手続きに自身が向きか不向きなのか、管轄の裁判所で運用しているのかなど話を聞いてみるという一歩を踏み出してみてください。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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