自己破産

会社にばれたくない!勤務先に知られずに自己破産する方法とは?

自己破産は、借金を帳消しにしてもらえるものであり、手続きが完了すると返済義務がなくなります。何百万や何千万円の借金があったとしても、支払いが法的に免除されるのです。

しかし自己破産にはデメリットもあります。財産が差し押さえの対象になってしまう恐れもあるのです。

当記事では、自己破産が勤務先にばれるのかを徹底解説します。自己破産したら会社に連絡されてしまうのでしょうか。勤務先をやめなければならないのでしょうか。

目次

裁判所から勤務先に自己破産の連絡はされない!

裁判所から勤務先に自己破産の連絡をされることはありません。弁護士からも連絡がされるわけではありませんし、貸金業者から会社へ連絡がいくこともありません。つまり、自己破産は会社にばれずに行えるのです。

破産開始が決定された時と免責(借金の帳消し)が決定された時に、官報に破産者の指名が掲載されます。官報とは、国が毎日発行している機関紙です。自己破産などの債務整理を行った人の氏名が掲載されています。

官報を確認すると破産したことがわかってしまいますが、そもそも目を通している人はほとんどいません。官報を購読している会社自体が、極めて稀(まれ)だからです。官報を購読していたとしても、中身まで確認していることはほとんどないと考えられます。ですから、自己破産をしても周囲に知られることは基本的にありません。

自己破産はばれないので、同僚に変な噂をたてられる心配もありません。昇進や昇給に悪影響が出ることもありません。もちろん会社をクビになることもないわけです。

ただし100%勤務先に自己破産の事実が発覚しないわけではありません。一定条件をクリアしてしまうと、会社にも自己破産したことがわかってしまいます。

ではもう少し詳しく、自己破産の職場への影響について確認していきましょう。

勤務先に自己破産がばれるケースとばれないケース

職場に自己破産が発覚するケースと発覚しないケースがあります。あなた自身がどちらに分類されるのか確かめてみてください。

会社に自己破産がばれるケース

  • 会社から借り入れ中である
  • 勤務先からの紹介で借り入れ中である
  • 退職金証明書を取得した(ばれないケースあり)
  • 給与の差し押さえからの推測

会社に自己破産が発覚する可能性が高いのが、以上の4つのパターンです。

会社の借り入れ中に自己破産を行うと、100%発覚してしまいます。自己破産は借金を帳消しにする免責が実施されるので、勤務先から借り入れがあると裁判所から会社に通知が届いてしまいます。会社としては、融資したお金が返ってこないことになるわけです。

「自己破産から会社からの借り入れを除外したい」と考えている人もいるかも知れませんが、認められていません。自己破産では、すべての債務(借金)を平等に取り扱わなければならないのです。「債権者平等の原則」と呼ばれるものであり、特定の債権者(借金相手)のみを優遇することは認められていません。

勤務先が仲介した借り入れの返済が残っている場合も、会社にばれる可能性があります。会社の労働組合を通して、金融機関から借り入れをしていることもあるでしょう。公務員であれば、共済組合からの借り入れを行うこともあるはずです。

自己破産時には仲介先にも裁判所から通知されることがあり、結果として会社にばれてしまうわけです。

自己破産時には退職金も資産としてカウントされます。よって退職金がある人は、金額を証明しなければなりません。退職金の額を証明するために会社に対して退職金証明書を請求するのですが、その手続き上で破産がばれてしまうのです。

しかし退職金証明書については、会社に請求しない方法もあり、必ずしも破産がばれるわけではありません。次の項目で詳しくお伝えします。

給与の差し押さえから、会社に破産がばれることもあります。借金の返済ができないと、債権者(借金相手)から裁判を越されるかもしれません。裁判を起こされると、給料を差し押さえられる可能性が出てきてしまうのです。

給料の差し押さえが決定知ると、裁判所から「債権差押決定書」が届きます。その結果、給料の一部が天引きされてしまうのです。

「債権差押決定書」が届くということは、会社に借金がばれるということです。「そのうち自己破産するのではないか」などと、勘ぐられてしまうことも考えられます。できれば給料の差し押さえが行われる前に、自己破産手続きを済ませましょう。

会社に自己破産がばれないケース

  • 会社に関わる借り入れを一切行っていない
  • 退職金計算書を自分で作成する

会社から借り入れをおこなっていないケース、会社に紹介された借入先を利用していないケースに該当していれば、とりあえず自己破産が勤務先にばれることはありません。裁判所から会社に自己破産に関わる通知が来ないからです。

問題となるのが退職金証明書ですが、退職金の計算方法が就業規則に掲載されている場合は自分で計算できるはずです。自分で計算したものを退職金計算書として提出すれば、退職金証明書の代わりになります。

また「退職金証明書」の取得理由を、「住宅ローン申込みのため」などと会社に伝えるのも有効です。実際に、住宅ローンを組む時に銀行から退職金証明書を求められることがあります。「自己破産のため」と言わなければ、会社にばれることはないでしょう。

自己破産がばれたら会社をやめなければだめ?

会社に自己破産がばれてしまったとしても、退職する必要は全くありません。解雇されることもありません。

法律上、自己破産は解雇事由に当たらないので、自己破産をしても、通常は会社をクビになったりしません。仮に、会社の規則に、自己破産を理由に解雇する旨の記載があったとしても、それは規則自体が無効になります。
(引用元:法律の窓口 「自己破産したのが上司にばれて、会社をクビになりそう…」)

自己破産は、誰にでも認められた権利の一つです。会社の就業規則に書かれていたとしても、個人に認められた権利は否定されません。

自己破産すると給料やボーナスはどうなるの?

会社に関わる借金がなかったり、退職金証明書の取得理由を工夫したりすれば勤務先にばれずに自己破産できます。安心した人が多いと思いますが、次に気になってくるのは自己破産後でしょう。

自己破産後の給料やボーナスはどうなるのでしょうか。差し押さえをされてしまうことはあるのでしょうか。

すでに受け取っている給料・ボーナスは差し押さえ対象

勤務先から給料やボーナスをすでに受け取っているものは、資産として取り扱われてしまいます。つまり差し押さえの対象となる恐れもあるのです。

もちろん、全額を差し押さえされるわけではありません。資産として20万円を超える場合には、没収される可能性があります。しかし現金(預金は含まず)については、99万円までは自由財産(没収されない財産)とされます。よって給料やボーナスを現金として保有しており、その額が99万円以下であれば差し押さえられることはありません。

まだ受け取っていない給料・ボーナスは金額による

まだ受け取っていない給料やボーナスは、差し押さえをされない可能性が高いです。破産手続開始決定時点で発生している給料・ボーナスのみが、差し押さえの対象となるからです。

資産については、20万円以下であれば保有したうえで自己破産できます。そして、給与等の債権は4分の3が差し押さえ禁止とされています。つまり破産手続開始時点で発生している給料・ボーナスがあわせて30万円であったとしても、差し押さえ対象になる可能性のある金額は「7万5,000円(30万円÷4)」に過ぎません。よって給与・ボーナスが差し押さえの対象になる可能性は、極めて低いわけです。

ただし給料とボーナスが高額である人は、差し押さえの可能性が出てきます。破産手続開始時点で発生している給与・ボーナスが100万円であれば、その4分の1で25万円であり、給与債権だけで20万円の基準をオーバーしています。

ちなみに、手続き開始後に発生する給料やボーナスは差し押さえの対象とはなりません。

自己破産における日常生活への悪影響とは?

自己破産しても仕事は基本的に続けられます。解雇されることもありません。

一方で、自己破産をすると日常生活には多少なりとも影響が出てきます。こちらでは自己破産後の日常生活に対する悪影響についてお伝えします。

闇金から連絡が来る

自己破産を行うと官報に氏名や住所が掲載されますが、闇金がチェックしています。彼らはダイレクトメール等で、融資の誘いをかけてくるのです。

自己破産後は資産もほとんどなくなり、厳しい生活が続くかもしれません。しかし闇金を利用すると、法外な利息を取られてしまいます。非合法な取り立てをされてしまうかもしれません。

自己破産後の闇金からの誘いには無視を貫いてください。

借金ができない

個人信用情報に自己破産の情報が掲載されてしまい、消費者金融や銀行カードローン、住宅ローンなどの借り入れができなくなってしまいます。貸金業者間で個人信用情報は共有されているものであり、どこでも一律で審査落ちになるのです。

自己破産の個人信用情報への掲載期間は10年とされています。つまり10年間はローンを組めません。

クレジットカードが作れない

借金と同様の理由でクレジットカードが作成できません。クレジットカードの審査でも個人信用情報がチェックされてしまうのです。

デビットカードについては、破産者でも作成可能です。デビットカードは預金口座と連動しており、使ったら即座に引き落としされるシステムとなっています。、デビットカードとクレジットカードに、使い勝手に関する大きな差はありません。

会社に借り入れがなければ勤務先に自己破産はばれない!

勤務先に知られずに自己破産する方法をお伝えしました。

特に重要なのが、会社に関わる借金(会社からの借り入れ、または会社の関連先からの借り入れ)をしてるのか、という部分です。会社に関わる借金をしていなければ、勤務先に裁判所からの通知はきません。よって会社、および会社関連先からの借り入れがなければ、自己破産がばれることはありません。

自己破産時に退職金が発生する条件(勤続期間など)を満たしている場合には、退職金証明書が必要になります。会社に退職金証明書を請求することになりますが、「住宅ローンを組むために必要」などの理由をつけておけば良いでしょう。

勤務先に自己破産が知られたとしても、解雇されることはありません。仮に破産が発覚して立場が危うくなったら、弁護士に相談するのも一つの方法です。自己破産による不当な扱いは、労働基準法でも禁止されています。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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