自己破産

退職金で借金返済する方法とは?退職金証明書の取得方法とは?

「退職金で借金返済ができたらなぁ」と思ったことはありませんか。退職金であれば、まとまった金額になりますし、完済できるかもしれません。しかし退職金で借金返済するためには、どういったことが必要なのか分からない、という人がほとんどでしょう。

当記事では、退職金で借金を返済するためには何が必要なのかを明らかにします。また退職金で借金返済するための基礎知識についてもお伝えします。借金が返済できなくて困っている、という人は必見です。

目次

退職金で借金返済する2つの方法

退職金によるローン返済ですが、大きく分けると2つの方法に分かれます。

会社をやめて退職金を受け取った上で返済する方法、および定年をまって退職金で返済する方法の2つです。一つずつ解説していきます。

会社を辞めて退職金を受け取り返済する

退職金が発生している状態であれば、会社を辞めれば受け取れます。退職金の支払い日に関しては、会社によって異なる可能性があり、返済目的があるのであれば事前に確認しておきましょう。

ちなみに独立行政法人福祉医療機構であれば、2ヶ月程度が支払いの目安です。中小企業退職金共済事業本部については、約4週間が退職機の支払い目安とされています。

退職金の支払いは、請求を受け付けてから通常のケースで約4週間の支払いをしています。ただし、退職金は退職された月までの掛金の入金を確認してからお支払いすることになりますので、事業所の掛金の納付方法等によっては2か月以上かかることもあります。
(引用元:中小企業退職金共済事業本部 「8.退職金について」)

退職金は1ヶ月から2ヶ月程度で支払われる、と覚えておけば問題ありません。ただし請求する必要があります。退職金には請求期限があり、退職してから5年以内に請求しなければ時効を迎えてしまいます。もちろん時効を迎えてしまえば、退職金は請求できません。

支給される退職金の期限ですが、退職日から1ヶ月から2ヶ月以内ではありません。請求日から1ヶ月から2ヶ月なので、退職金で借金返済をする予定であればすぐに請求しましょう。

定年まで働き退職金を受け取る

定年退職によって退職金を受け取り、借金を返済する方法です。返済能力に余裕がある人や、退職まで間近な人でなければこちらの方法は採用できません。

定年まで働いた上での退職金の受け取りには、メリットもあります。退職金を満額受け取れるのです。定年に達するまでに退職してしまうと、退職金は減ってしまうので注意しましょう。

退職まで待てない!でも仕事は辞めたくない!

返済のめどがたたず切羽詰まっている状況であり、仕事も辞めたくない、といった状況であれば会社に相談しましょう。借金があることも伝えると、会社が何かしらの対応をしてくれる可能性もあります。

たとえば、経営者がお金を貸してくれることもあります。退職金を担保に、無利子でお金を貸してくれた事例もあります。会社に退職金を買い取ってもらうことも可能です。

特に退職金を担保にした無利子融資や退職金の買取は、会社に迷惑をかけるわけではありません。あなたの受け取る権利がある退職金を利用してお金を借りるだけです。仮に会社にあなたが返済できなかったとしても、会社は一定の退職金を支払わなければ良いだけです。大きなダメージは受けません。

会社をやめて退職金でローン返済できたとしても、その後の生活はあります。転職するにもすぐに新しい職場が決まるとは限りません。転職に時間がかかると、その間の生活費にも困るような状況も十分に考えられるわけです。

上司に事情を話し、上層部と掛け合ってもらうのも一つの選択肢として頭の中に入れておきましょう。

退職金で借金返済するための基礎知識

退職金で借金返済をするために、事前に知っておいてほしいことがいくつかあります。そもそもあなたの会社に退職金制度はあるでしょうか。会社を途中でやめた場合は、退職金の額はどのくらい下がるのでしょうか。

こちらでは、退職金でローン返済するために最低限必要な知識をお教えします。

退職金が発生しない会社もある

正社員として働いていれば退職金は必ず貰える、と思っていませんか。実は退職金の支給は法律で定められているものではありません。つまり退職金制度を設けていない会社も一定数存在しているわけです。

退職金でローン返済するつもりが、退職して1円も貰えない、ということもあるので、確認した上で返済に利用するか決めましょう。

ちなみに退職金制度がある会社の割合ですが、70%ほどである事がわかっています。つまり3割の中小企業では、退職金は貰えないのです。
(参考:平成30年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果の概要)

退職金には2つある

  • 退職一時金・・・1回限り貰えるボーナスのこと
  • 退職年金制度・・・退職後一定期間に渡り支払われる年金のこと

多くの企業では、退職一時金と退職年金制度を併用しています。

退職金で借金返済を考えている人は、退職一時金が目当てとなりますが、会社の中には退職年金制度のみの採用としているところもあるので注意しましょう。

退職年金制度では、一度に多額の資金が得られるわけではありません。よって退職年金制度のみを取り入れている職場で働いている人は、退職金による借金返済は難しいでしょう。

退職金の確認方法とは?

就業規則を確認してください。年金制度がある会社であれば、就業規則に掲載されていることがほとんどです。

就業規則には退職金の計算方法も掲載されていることも多いので、自分で計算できます。

就業規則に書かれていない場合は、人事部や総務部に問い合わせましょう。

退職金の相場とは?

人によって大きく異なるので、「平成30年「中小企業の賃金・退職金事情」調査結果の概要」から退職金モデルを抽出してみました。

大卒の退職金モデル
勤続年数年齢自己都合退職 会社都合退職
1032121万5,000円157万4,000円
1537229万8,000円283万6,000円
2042373万3,000円435万8,000円
2547569万7,000円636万3,000円
3052785万2,000円852万3,000円
定年定年 1,203万4,000円

表の中で注目してほしいのは、「自己都合退職」です。退職金による借金返済をする場合は、基本的には自分から退職するからです。

10年程度勤めても100万円を超えた程度であり、それほど多く貰えないことがわかります。中小企業の退職金モデルなので、大企業とは少し異なる部分もありますが、自身の退職金のイメージができない時に役立ててもらえたら幸いです。

退職金には税金がかかる

あまり知られていないかもしれませんが、退職金にも税金が発生します。退職金は所得の一つであり、所得税と住民税が発生します。しかし通常の所得とはことなり、大幅な所得控除が認められているのも事実です。

退職金の所得は「(退職金-退職所得控除額)÷2」で計算できます。

退職所得控除額は、勤続年数が20年以下は1年あたり40万円です。勤続年数が20年を超える場合は、20年までは1年あたり40万円であり、20円を超えるものは70万円です。

仮に勤続年数が25年であり、退職金が1,500万円であった場合はどうなるのでしょうか。

まず退職所得控除ですが、(20年×40万円)+(5年×70万円)で計算できます。計算結果は1,150万円となりました。

退職金所得の計算式に当てはめると「(1,500万円-1,150万円)÷2」となり、175万円に税金がかかってきます。

退職金で借金返済!?債務整理に必要な退職金証明書を徹底解説!

債務整理による借金解決を狙っている場合には、債務整理手続き時点での退職金額を証明しなければなりません。そこで必要になってくるのが退職金証明書です。

こちらでは退職金証明書の請求方法や作成方法についてお伝えします。

退職金証明書の請求方法とは?

会社に請求すればよいだけです。使いみちを聞かれたら、「住宅ローンや教育ローンなどを組む際に銀行から求められた」といった理由で問題ありません。正直に債務整理を伝える必要はないのです。

自分で退職金証明書を作成する方法

会社に請求しても対応してもらえなかったら、自分で計算して裁判所に提出しましょう。

就業規則に退職金の計算方法が書かれているのが一般的です。掲載されている計算方法で計算し、計算書を裁判所に提出してください。

※就業規則に書かれている退職金の計算方法をコピーする必要もあります。退職金計算書に添付して提出しましょう。

債務整理と退職金で借金返済を徹底比較

借金が返済できなくなった時には、債務整理という手段もあります。自己破産や個人再生をおこなうことで、借金をゼロにしたり減らしたりできます。

債務整理をおこなうときですが、状況によって退職金の取り扱いが大きく異なるのも事実です。

こちらでは「債務整理」と「退職金による借金返済」を徹底的に比較します。どちらを採用したほうが良いのでしょうか。

財産を比較

  • 債務整理・・・一定の財産が差し押さえられてしまう
  • 退職金で借金返済・・・財産は保有できる

債務整理に関しては、借金をゼロにしたり減らしたりできますが、代わりに一定の財産は処分の対象になってしまいます。20万円を超える財産、99万円を超える現金は差し押さえられてしまうのです。

退職金で借金返済する場合には、債務整理ではないので財産には影響は出ません。その代わりに、借金自体は減らないので退職金の多くが借金の返済に回ると考えられます。

退職金の使いみち

  • 債務整理・・・退職金見込額の8分の1または4分の1が差し押さえの対象になる可能性あり
  • 退職金で借金返済・・・多くが借金の返済に利用される可能性大

退職金の使いみちは、債務整理と借金返済で大きく異なります。

債務整理の場合は、退職金の見込額のうち8分の1または4分の1が差し押さえの対象ですが、残りは影響を受けません。つまり退職金の4分の3または8分の7を維持したままで債務整理ができるのです。

※もうすぐ退職する予定がある場合は、退職金見込額の4分の1が差し押さえの対象になります(資産に計上される)。一方で、退職の予定がない場合には退職金見込額の8分の1が差し押さえされる可能性があります。

退職金で債務整理した場合は、借金額にもよりますが大半を返済に使うはずです。よって退職金は手元にほとんど残らない、と考えられるわけです。

仕事を比較

  • 債務整理・・・退職する必要なし
  • 退職金で借金返済・・・退職する必要あり

債務整理をしたとしても解雇されることはありません。一部、資格を停止される職業もありますが、大半の仕事は継続して働けるのです。

退職金でローン返済を行うのであれば、仕事は基本的には辞めなければなりません。退職金は職場を辞めるから支払われるわけです。辞めたら転職活動もしなければなりません。

もちろん退職金を担保にして会社から融資をうけ、ローン返済をする方法もあります。「債務整理はしたくないし、仕事も辞めたくない」といった気持ちが強い人は、会社に相談してみましょう。

ローンやクレジットカード契約を比較

  • 債務整理・・・一定期間契約できない(ブラックリスト入り)
  • 退職金で借金返済・・・契約できる可能性あり

債務整理を行うと、個人信用情報に事故情報として債務整理の事実が掲載されてしまいます(ブラックリスト)。つまり借金を踏み倒したことになり、ローンやクレジットカードの契約ができなくなってしまうのです。

※事故情報の掲載期間は5年から10年とされ、掲載が解除されればローンやクレジットカードの審査に通過できるようになります。

退職金で借金返済をおこなった場合には、個人信用情報に事故情報は記載されません。つまりローン契約もクレジットカード契約もできるのです。

ただしローン返済で長期間滞納していた場合には、すでにブラックリストに近い状況になっている可能性もあります。返済の遅れが続いていた場合には、ローン・クレジットカード契約が2年ほど難しくなる事も考えられます。

退職金で借金返済が難しかったら専門家に頼ろう!

退職金による借金返済は、「返済」というテーマで考えると最後の手段に近いものがあります。本来は数十年後に受け取れるものを、減ってしまったとしても現時点で受け取ろうとするものだからです。

退職金に手を付けるのは極めてリスクが高い、と言わざるを得ません。退職金が減るのはもちろんですが、会社を辞める必要も出てくるのです。転職活動の手間などを考えると、一歩をなかなか踏み出せない人も多いのではありませんか。

一方で自己破産などの債務整理であれば、一部の退職金が資産として計上されるだけで、大半は処分されません。退職金の大部分を保持したままで、しかも働き続けられます。

ただ債務整理には専門知識も必要であり、手間もかかります。自己破産や個人再生をする場合には、専門家(弁護士)にサポートしてもらいましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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