自己破産

自己破産は裁判所への出廷が必須?

自己破産の手続きは弁護士などの専門家に依頼するケースが多いですが、裁判所へは本人が出廷しないといけないのでしょうか?

実は、本人が一度も出廷することなく、自己破産の手続きが完了する場合もあります。

ただし、弁護士を代理人としているか、債権者に配当するような資産があるかによっても異なりますし、管轄となる裁判所の運用によっても違いがあるのです。

この記事では、自己破産の手続きで裁判所に本人が出廷する場合について説明していきます。

目次

自己破産を弁護士に依頼すれば出廷しなくて良い?

自己破産などの債務整理は弁護士や司法書士に依頼するケースが多いですが、弁護士の場合には債務者の代理人として手続きを進められます。

代理人は債務者本人に代わって裁判所へ出廷することができるため、裁判所にできるだけ出廷する回数を減らしたい人は弁護士に依頼すると良いでしょう。

ただし、自己破産の手続きの中では、債務者本人の出廷が必須なケースもあるのです。

その場合には、弁護士は代理人として同席することはできても、債務者本人が欠席することはできません。

どのような場合に債務者本人が出廷するかは裁判所によっても違います。

例えば、東京地裁の場合には、「免責審尋」という自己破産によって借金の返済義務をなくすかどうかを最終決定する場には、債務者本人の出廷が必要です。

他の地方裁判所に目を向けると、書類の確認だけで免責を決定する裁判所もあるため、管轄の地方裁判所や相談する弁護士に確認するようにしてください。

自己破産の手続きで裁判所に出廷するタイミング

それでは、どのようなタイミングで裁判所に出廷するのでしょうか?

代理人を立てずに自己破産を行う場合、申し立てなども含めて、何度も裁判所に足を運ばないといけません。

そのため、今回は弁護士に依頼したケースを基本的に想定して、債務者本人が裁判所に出廷する場合について説明していきます。

【自己破産で出廷する(可能性がある)タイミング】

  • ①破産審尋(債務者審尋)
  • ②債権者集会
  • ③免責審尋

1.破産審尋(債務者審尋)

債務者側が破産の申し立てをした後、裁判所が手続きを開始するかどうかを決めます。この際に自己破産の要件を満たしているかを債務者本人から聞き取り調査することがあるのです。

これを破産審尋(債務者審尋)といいます。

ただし、ほとんどの場合、債務者審尋での出廷は不要です。

書類の確認だけで自己破産の手続開始を決定することが多いため、特別な理由がなければこのタイミングで債務者本人が出廷することはないでしょう。

2.債権者集会

債権者集会は、破産管財人が債務者の資産や債権者への配当に関する説明などを行う場です。債務者本人の出廷が必要で、ときには債権者から債務者への質問もあります。

ただ、債権者集会は淡々と進行していく場合がほとんどで、10分程度で終了するでしょう。

集会の進行などは事件を担当する裁判官、破産管財人が行ってくれるため、債務者本人が何か特別な準備をしなくてはいけないわけではありません。

債権者が欠席することも多いため、債権者から自己破産したことについて非難されるといったケースも稀です。

また、債権者集会は自己破産が「管財事件」として扱われた場合にのみ行われます。

債務者に十分な財産がなく、自己破産するために必要な費用の工面でさえも難しいようなケースでは、わざわざ破産管財人を選任して財産の調査を行わせる意味がありません。

そのような明らかに借金の返済に充てられるような資産を持っていない場合には、破産手続開始決定と同時に免責許可が下りるのです。このような自己破産を「同時廃止」といいます。

自己破産の申し立ての多くは、この同時廃止です。不動産などの資産を持っている場合は管財事件となるでしょうが、一定の価値以上の資産がなければ同時廃止になり、債権者集会は行われない可能性が高いでしょう。

3.免責審尋

先ほども少しだけふれましたが、自己破産によって借金の返済義務をなくすべきかを最終決定するのが免責審尋です。

破産審尋は書類のみで判断されるケースが多い一方で、免責審尋では債務者本人の出廷が必要なケースもあります。

ただし、免責審尋は形式的な内容で終わることも多いです。

答えるのが難しいような質問をされるということはほぼありません。

氏名、住所、申立内容などに間違いがないか確認され、自己破産の手続きに関する簡単な質問が行われ、15分前後で終了します。

また、東京地裁の場合には債務者と裁判官の1対1(個別審尋)ではなく、複数人の債務者が出席する集団審尋という方式を採用しています。

免責審尋の内容が大きく変わるわけではありませんが、裁判所によっても違いがあるため、どのような質問をされるのかなどを含めて弁護士に相談しておくと良いでしょう。

自己破産で裁判所に出廷するときの注意点

免責審尋では債務者本人が出廷するケースが多いため、自己破産を弁護士に依頼していても少なくても1回は裁判所に出廷することになるでしょう。

その際には、以下の3点について注意してください。

【裁判所に出廷する際の注意点】

  • 遅刻して出廷すると免責されないことがある
  • 出廷する際はきちんとした服装をする
  • 必要な持ち物がないかを弁護士に確認しておく

遅刻して出廷すると免責されないことがある

自己破産は免責許可を貰うことで借金の返済義務が無くなります。

つまり、自己破産をしても免責されないケースもあるのです。

免責は裁判官が決定するため、指定の期日に出廷しない無断欠席はもちろん、指定の時間に遅刻して出廷するのも絶対にだめです。

自己破産をすれば借金をなくせると甘く考えている、手続きに対して協力的ではないと裁判官に悪い印象を与えてしまうでしょう。

当日に何かしらのトラブルが起こり遅れてしまう、出席するのが難しいというときはできるだけ早く依頼している弁護士や管轄の裁判所に連絡をしてください。

出廷する際はきちんとした服装をする

先ほどの話とも関連しますが、出廷するときはそれなりにきちんとした服装した方が良いでしょう。

服装にルールがあるわけではありませんが、あまりにもだらしない格好では裁判官への印象が悪くなります。

不要なアクセサリーなどは身につけずに、派手ではない服装で出廷してください。

必要な持ち物がないかを弁護士に確認しておく

裁判所に出廷する際には必要な持ち物がないかを確認しておきましょう。

弁護士に依頼しているのであれば、事前に聞いておけば安心です。

特に必要な持ち物はないというケースもありますが、本人確認書類などは持っていた方が良いと思います。

また、裁判所から出頭者カードが届いている場合には、それも忘れずに持参してください。

自己破産の手続きで出廷するかどうか裁判所によって異なる

実際に自己破産をする場合に裁判所への出廷が必要か、必要な場合には何回出廷することになるのかは、裁判所によっても異なります。

自己破産が管財事件になるケースでは、どの裁判所でも債権者集会のために出廷する必要がありますが、同時廃止であれば裁判所による差が出るでしょう。

この記事内でも例に出している東京地方裁判所では、弁護士に依頼していて同時廃止で手続きが進む場合でも、免責審尋の1回は出廷することになります。

個人が自己破産をする場合には、住んでいる場所を管轄する地方裁判所で申し立てをします。

そのため、自己破産を検討している方は、管轄となる裁判所や依頼する弁護士などに確認しておくと正確です。

自己破産で出廷を回避したり、期日を変更したりはできる?

「どうしても裁判所に行きたくない」、「呼出があった期日は都合が悪いという」という人もいるかもしれませんが、出廷を回避したり、出廷する期日を変更したりはできるのでしょうか?

まず、行きたくないという理由だけで出廷しないことは認められません。

正当な理由なく欠席すれば、免責されない可能性が高いでしょう。

例外は病気などで出廷が難しいというケースです。

その場合には、代理人の弁護士が裁判所に対して上申書を提出し、許可されれば債務者本人が欠席していても手続きを進めてくれます。

また、期日の変更に関しては、早い段階で連絡をすれば調整してくれるでしょう。

出廷のスケジュールは裁判所だけでなく、代理人の弁護士側の都合も加味していくつかの候補の中から決められます。そのため、出廷が難しい日程があるなら、あらかじめ弁護士に伝えておくことをおすすめします。

自己破産で出廷するかは裁判所によって違う!弁護士に問い合わせるのが確実

自己破産で債務者本人が出廷する必要があるかどうかは裁判所によってルールが異なります。そのため、自己破産を依頼する弁護士に詳細を確認しておくと安心でしょう。

代理人を立てないで自分で申し立てをする場合、管財事件になる場合には必ず裁判所に行かないといけませんが、弁護士に依頼していて同時廃止で自己破産が進むのであれば出廷回数は1回で済むことも多いです。

裁判では事件を担当する裁判官から質問されることになるため、事前に弁護士との打ち合わせ、相談を十分にしておきましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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