自己破産

免責審尋とは?必ず受けないといけない?裁判所によって違いはあるのか?

免責審尋とは、自己破産者と裁判官で直接面談する事を言います。この免責尋問によって、破産者に対し「免責許可」を出すかどうかを決める非常に大切な面談になります。

免責審尋は破産の状況や裁判所によって大きく異なり、破産者を集団で行うケースや個別で行うケース、さらには免責審尋自体がなく書類で行うケースもあります。

ここでは免責審尋の概要や地方裁判所事の免責尋問の違いなどを詳しくご説明します。

目次

免責審尋とは?

免責審尋の読み方は「めんせきしんじん」と言い、裁判官が破産者と面談して、免責許可を出して良いか・出せないかと判断するための面接となります。 個人による自己破産は財産の分配が終わった破産手続きの後に、裁判官が自己破産者を借金の帳消しをしても良いか免責許可を出すかの判断を行います。

免責審尋を行う事は重要か?

自己破産を行う上では、破産者が「免責許可を貰う事」が何より大切になります。免責許可が出なければ、借金の帳消しが認められないという事になります。そのため免責許可を貰う事ができれば生活の再出発を行う事ができるということになります。

しかし、借金を作ってしまった原因に免責不許可事由がある場合は「免責許可を貰う」可能性が低くなります。 免責不許可事由とは以下の要因であるとされています。

  • 競馬やパチンコ、宝くじなどのギャンブルによるもの
  • ブランド品を大量に買うなどの買い物によるもの
  • 株やFX(エフエックス)によるもの
  • 一部の債権者へ優先的に返済した場合
  • 本来申告すべき財産を隠していた場合

これらによって免責許可が出せないという可能性があります。一方で免責不許可事由に該当しない方は、免責審尋を過度に恐れる必要はありません。面接でどんな回答をしてもおおよそ免責許可をしてもらう事ができます。

上記の免責不許可事由に該当する場合はそのままですと「免責許可を貰う事」ができません。その際は裁判官に【裁量免責】を受けてもらう必要があります。

なお免責審尋の期日が独立して決められているのは同時廃止のみです。管財事件の場合は債権者集会に置いて免責判断が行われるため、独自に免責審尋を行う事がありません。

免責審尋における裁量免責とは

裁量免責とは、免責不許可事由に該当し本来は免責許可を出すことができない方が裁判官の裁量の元で特別に免責を認めてもらうことを指します。

つまり、裁判官より「本来この理由で借金を作ってしまった場合は借金の帳消しを認めることはできません。しかし、反省の色もありますし受け答えもしっかりされているので特別に借金を帳消しにすることを認めます」と特別に免責許可を受けることになります。

そのため、免責不許可事由に該当している場合は該当していない方と比べて、裁判官より突っ込まれた質問を受ける可能性が高まります。あらかじめしっかり答えを考えてから臨んだようがよいと言えます。 また、1人で考えるのではなく弁護士に相談することでより良い答えを見いだせてから臨む事ができます。

免責審尋の方法は?裁判所によって異なるのか?

免責審尋のやり方は、地方裁判所によって大きく異なります。 免責審尋を個別で行う場合や集団で行う場合、もしくは書類だけで免責審尋を行わない場合があります。 他にも免責不許可事由がある破産者のみが個別に免責審尋を行なっている裁判所もあります。

例えば地方裁判所によっては個別なのか集団なのか、書面だけなのかによるのは以下の通りになっています。

  • 東京地方裁判所の場合は全てのケースでは全て免責審尋を行なっております。
  • 名古屋地方裁判所の一部では免責審尋を基本的に実施しません。
  • 名古屋地方裁判所の本庁では、自己破産を申し立てた数十人の集団で裁判官と面接する集団審尋形式をとった免責審尋を行なっています。
  • 大阪地方裁判所は同時廃止の場合、原則的に免責審尋を実施しません。しかし、免責許可に問題がある場合は例外的に免責審尋が実施されます。
  • 他には規模が小さい裁判所は、免責審尋を実施しないケースが多いです。特に免責不許可事由がない場合は書類のみで免責許可を行う所もあります。

免責審尋の進行方法

免責審尋の進め方は同時廃止と管財事件で大きく違います。

管財事件の場合はどのように免責審尋を行うか

管財事件とは、自己破産者に財産がある場合や財産を申告しなかったなどの免責不許可事由がある場合に選択されます。

管財事件は裁判所より破産管財人が選任される事になり、自己破産者の調査・債権者へ配当等を行なっていきます。 破産管財人は自己破産者にも面談を行い、免責許可をだして良いのか裁判所に意見書を提出します。裁判所はその意見書を参考にし、免責の許可を出して良いかどうか判断を行います。多くの裁判所ではこの破産管財人の意見に即して判定がなされております。

免責審尋は、債務者や破産管財人・債権者・裁判官が集合している債権者集会が終わった後に、裁判官から債務者へ簡単な質問が行われる程度になります。そのため、免責審尋独自で行われる事は管財事件において珍しい事になります。

同時廃止の場合はどのように免責審尋を行うか

同時廃止とは、財産が殆どない方が自己破産する時に要いる簡易な破産手続になります。 この場合は、破産手続は開始と共に終結するため破産管財人の選任がありません。

そのため裁判所自身が独自に「免責許可」を出して良いのか判断する必要があります。そのため、判断材料の1つとして免責尋問を行われます。

破産手続き開始決定事に免責審尋の日にちを決める「免責審尋期日」が指定されます。そのため自己破産者は裁判所に必ず出頭する事になります。免責審尋の約1週間後に免責許可がおりるか決定します。

免責審尋を受ける際の注意点は何があるか?

免責審尋を受ける際にはどのような点に気を付ける必要があるのでしょうか?

  • 持ち物
  • 時間、場所
  • 服装

について書いていきます。

持ち物

裁判所より出頭者カードを受け取っていたら、持参していきます。他に必要な持ち物はありませんが、身分を証明するために身分証明書を持参していきます。

時間、場所

免責審尋を受けることになりますと、事前に時間と場所が指定されます。 場所は地方裁判所内の部屋になります。 弁護士から連絡を受けるため、指定された時間・場所に間違いなく出頭していきます。

遅れると「この人はいい加減な人だ」と心証が悪くなる可能性が高くなります。欠席は持ってのほかです。弁護士を代理出席させることは基本的に不可能です。遅れること・欠席することによって免責不許可事由にされてしまう可能性があります。 必ず間に合うように出頭しましょう。

例外的に、病気や事故などで入院している場合などで出頭が既に困難な場合はやむを得ない事情ということで欠席が許されることがあります。医師の診断書などで書類を提出する必要があります。 しかし、仕事の都合で休むことは許されることではありません。

服装

免責審尋に出頭する場合は特に服装の決まりはありません。服装によって免責許可が決まる基準にはなりません。

しかし、奇抜な服装ではなくシャツと長ズボンなどの清潔感のある服装をした方が良い印象を与えられる可能性が高まります。

免責審尋で何を聞かれるのか?

免責審尋では、ケースによって様々ですがこのような内容を聞かれるケースが多いです。

  • 破産や免責許可の意味は?
  • 氏名、住所などの基本事項の確認
  • 借金ができてしまった経緯は?
  • 借金をしてしまった事に対してどう考えているのか?
  • 借金ができた事に反省しているか?
  • 借金の要因は何か?
  • 今後借金をしないような生活はどのように送るつもりか?
  • 免責不許可事由がある場合、なぜその行動をとってしまったのか?
  • 今後はギャンブルや浪費を辞める事ができるか?
  • ギャンブルや浪費を辞める工夫はどのように考えているのか?

特に免責不許可事由に該当している方は裁判官より【裁量免責】を受ける必要があります。本来は免責許可を出すことが出来ず、裁判官の心証が免責許可に対して大きな割合を持ちます。 落ち着いて誠実に答えていく必要があります。

免責審尋当日はどのように進むのか?

免責審尋には個別審尋と集団審尋、書類で確認するパターンがあります。 ここでは個人審尋と集団審尋の違い・流れをお伝えします。

共通としては時間前に弁護士と待ち合わせし、弁護士同席の元免責審尋が行われます。管財事件の場合は債権者集会後にそのまま引き継いで行われます。

免責終了後は約1週間後に免責許可をするかどうか決定がなされます。

個別審尋の場合

その名の通り、破産者1人ひとり個別に行われる免責審尋となります。 上記にも記載されている通り、かならず質問が来ることが予想されます。そのため事前に弁護士を打ち合わせする必要があります。 管財事件の場合は破産管財人の意見を元に裁判所が免責を行うかどうかの決定を行います。

集団審尋に場合

複数の自己破産者と同じ部屋に集め、まとめて審尋する方法になります。 大きい裁判所になると、破産者の数も大きくなるため、個別審尋では追いつかないため。という理由が挙げられます。

集団審尋の場合は「住所・氏名に変更がないか」「書類に記載されている内容に間違いはないか」と簡単な質問で終了することが多いです。 しかし、免責不許可事由が見つかった・債権者から免責の異議がある場合は、突っ込んだ質問がされる事もあります。

まとめ

免責審尋は破産者と裁判官が話す面接のような形になります。裁判官が最終的に借金の帳消しを認める免責許可を出すかどうかを判断することになりますので、免責審尋は非常に大切になります。 特に、破産管財人がいない同時廃止ではより免責審尋の重要性が増してきます。

実際に免責審尋が行われる場合は、過度に緊張せずに裁判官の質問に対して誠実に答えていく事が必要になります。特に遅刻や欠席はもってのほかで、免責許可がおりない可能性もあります。

このように自己破産の手続きは非常に煩雑で、1人では対応することが非常に難しいです。債務整理に強い弁護士がおりますので、居住地に住む弁護士に相談される事が債務整理の近道になると思います。ぜひご相談してみると良いのではないでしょうか。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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