自己破産

借金をゼロに!自己破産で免責が許可される条件とは?

自己破産の目的は免責を受けて、借金の支払いをゼロにすることです。免責が認められれば、借金返済の義務を負う必要がなくなります。

しかし誰でも自己破産ができるわけではありません。当然ですが、免責が認められないこともあります。

当記事では、自己破産で免責が認められる条件についてお伝えします。あわせて、免責が認められないケースについてもお伝えするので参考にしてもらえたら幸いです。

目次

自己破産における「免責」とは?

「免責」と言われると難しく感じてしまうかもしれませんが、簡単に説明すると「返済をしなくて良い」ことを指しています。消費者金融や銀行カードローンなどの各種借金の返済が免除されるのです。

①「自己破産=免責」ではない

自己破産をすると借金がゼロになる、と思われがちですが真実は異なります。自己破産をしただけでは、借金の支払い義務はなくなりません。

借金額をゼロにするためには、裁判所から免責決定をもらう必要があります。自己破産手続きにおいて免責をもらえると、晴れて借金が帳消しになるのです。

②なぜ免責制度があるのか?

本来であれば、借りたものは返さなければなりません。自己破産をされて免責が認められてしまえば、貸金業者や銀行からすると損失が出ることになります。

免責制度の趣旨は、人間らしい生活を営む機会の提供および経済的更生を図ろうとするものです。多額の借金を背負ってしまい、財産がない場合には働くことによって返済するしかありません。しかし何十年かかっても、返済しきれないような借金額を背負ってしまうこともあるでしょう。

働いても、働いても借金が返し終わらない状況に絶望を感じ、労働意欲をなくしてしまうことも考えられます。多額の借金を背負っている家庭の子供は、貧しさの影響で教育の機会までも失われるかもしれません。

免責制度があることにより、返済しきれない借金を背負った人にも再び社会に復帰できる機会が与えられるわけです。

自己破産で免責が許可される条件を徹底解説

自己破産をしただけでは、免責が認められたことになりません。裁判所に免責を認めてもらい、借金を帳消しにしてもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。

これから紹介する、2つの条件を両方ともクリアしなければ免責は認められません。免責条件を一つずつ確認していきましょう。

①条件1つ目|借金の返済が不可能である

  • 収入が著しく低い、または無収入である
  • 財産がほとんどない

以上の2つに該当する場合には、返済ができない状態である、と認定される可能性が高いです。

収入については、借金額にも影響を受けます。借金が高額であれば、一定の収入があったとしても返済が難しいと考えられ、認められる可能性が出てきます。一方で、無職であり無収入である場合は、返済不能状態と認められる確率が高いです。

財産も免責条件に深く関わっており、不動産や車などの財産を保有している場合には、免責できない可能性が高まってきます。財産がある場合には、処分すれば一定額は返済できる、と判断されるからです。

自動車も保有しておらず賃貸に住んでおり、ブランド品などの財産もない、というケースであれば、財産に関わる免責条件はクリアしています。

②条件2つ目|免責不許可事由に該当しない

支払えないほどの借金を背負っているからといって、裁判所がすべての自己破産者に免責を認めるわけではありません。「免責不許可事由」と呼ばれるものがあり、「一定条件に当てはまる人には免責を認めません」としているのです。

仮に「免責不許可事由」に該当してしまうと、免責は認められないので返済をしなければなりません。

「免責不許可事由」は極めて大事なテーマであり、「自己破産しても免責が認められない!?免責不許可事由とは?」で詳しく解説します。

③免責の許可される確率とは?

免責申立の結果 許可 不許可 その他(申立取り下げなど)
2008年調査 97.85% 0.17% 1.98%
2011年調査 96.67% 0.08% 3.25%
2014年調査 96.44% 0% 3.56%

参考:「2014年破産事件及び個人再生事件記録調査」日本弁護士連合会 消費者問題対策委員会

パーセンテージ(%)を見てもらえれば分かると思いますが、許可される確率が圧倒的に高いことがわかります。2014年の調査に至っては、不許可件数が0件なので不許可の確率は0%です。

免責の申立件数は、年間で10万件前後です。そのうち不許可になるのは毎年100件から200件前後とされており、極めて少ないことがわかります(日弁連の調査より)。
つまり免責を裁判所に申し立てれば、高い確率で認められると考えられます。

自己破産しても免責が認められない!?免責不許可事由とは?

免責を裁判所に申し立てると、90%を超える高い確率で認められています。一方で、免責不可の条件も設定されています。

こちらでは裁判所が免責を認めない条件である「免責不許可事由」について、徹底解説します。

①そもそも免責不許可事由とは?

免責不許可事由とは、自己破産の申し立てをしても、免責が許されない条件を指しています。借金の支払い義務がなくならないので、返済をし続けなければなりません。

免責不許可事由は、破産法に記されています。
以下、免責不許可事由を一つずつ解説していきます。

②財産を意図的に隠した

差し押さえから逃れるために、意図的に財産を除外した場合は免責不許可事由に該当することになり、免責が許可されません。

ありがちなのが、自分名義の土地や建物などの不動産を親族名義に変更する、というものです。もちろん、意図的な名義変更も財産を隠したことになり、免責が取り消しされてしまいます。

③換金目的で商品を購入し処分(換金)した

主に、クレジットカードのショッピング枠現金化のことを指しています。クレジットカードには、キャッシング枠とショッピング枠があります。ショッピング枠では、本来はお金を借りられません。しかし専用の換金業者がおり、クレジットカード決済で商品を売り一定額でその物品を買い取る、といったサービスをしているのです。

たとえば自分の店の商品をクレジットカード決済にて10万円で販売し、8万円で買い取るわけです。業者側は2万円の利益を得ることになります。

クレジットカードのショッピング枠現金化は、クレジットカードの規約に触れる行為です。免責不許可事由にも該当するので、絶対に利用しないでください。

※カード会社にクレジットカード現金化が発覚すると、一括返済を求められることがあります。

④特定の相手にのみ返済を行った

偏った返済をすると、免責不許可事由に該当します。

貸金業者と親戚からお金を借りていた場合、親戚にのみ返済をしてから自己破産をする、という行為は免責不許可事由にあたります。借金の支払いは、あくまで平等に行われなければならないのです。

⑤ギャンブルや投資によって財産を著しく減らした

  • 競馬やパチンコといったギャンブル
  • FX取引や株取引(射幸行為)などの投資

以上の行為により、財産を著しく減らしたことで返済ができなくなった場合は免責不許可事由に該当します。

ただし少額のギャンブルや投資に関しては、免責不許可事由には該当しません。
金額は書かれていませんが、破産法には以下のように記されています。

浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

出典:e-Gov 「破産法 第252条」

「著しく財産を減少させ」と明記されており、月に数万円程度のギャンブルや投資であれば免責の許可には大きな影響を与えないと考えられるのです。ギャンブルや投資に関わる免責の不許可事由には、金額が大きく関わってくるわけです。

⑥虚偽の借り入れをした

身分を偽って借り入れを行ったような詐欺的な借金は、免責不許可事由とされてしまいます。虚偽の身分証明書や所得証明書を提出するような行為が該当します。

つまり信用を偽った借金では、免責を受けられないのです。

⑦その他

  • 裁判所が行う調査を妨害した(説明を拒否した、虚偽の説明をした)
  • 破産管財人、保全管理人、破産管財人代理、保全管理人代理の職務を妨害した
  • 7年以内に免責や再生計画の認可を受けている

以上に該当する場合も免責は受けられません。

⑧免責不許可事由に該当しても免責は認められるって本当?

裁判所の判断にもよりますが、免責不許可事由に該当しても免責が認められる可能性はあります。

破産法には、以下のように掲載されています。

前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。

出典:e-Gov 「破産法 第252条」

前項の規定とは、免責不許可事由のことを指しています。

裁判所に考慮してもらえれば、免責不許可事由に該当していても、借金が免除される可能性があるのです。

ただし明確な言い訳(主張)をしなければなりません。たとえばFX取引や株取引を行っていたのであれば、金額が低いことを証明しましょう。最近は取引を行っていないことを明らかにするのも、有効な手段の一つです。

免責不許可事由に該当する場合は、弁護士への事前の相談がおすすめです。裁判所に考慮してもらうためには、どのような書類が必要であるかも教えてくれるので免責される確率がグンとアップします。

免責の手続きの流れとは?

免責の許可は、破産手続きとは別のものです。

こちらでは免責手続きの具体的な流れについてお伝えします。

①免責手続きの開始

免責手続きは、免責許可の申し立てが行われると開始されます。基本的には破産手続きの開始の申し立てと免責許可の申し立ては同時に行われます。

最初に免責許可の申立書を作成します。氏名・住所・申立ての趣旨などを記載し、添付資料とともに裁判所に提出します。添付資料については、借金相手の名簿および借り入れの証拠書類(金額が記されている明細)などです。

②免責調査

免責不許可事由の有無を調査します。

免責不許可事由に該当しないと判断された場合は、手続きがスムーズに進みます。一方で免責不許可事由が確認された場合には、裁判所側がさらに調査を実施するのです。

③免責審尋

免責審尋とは、裁判官が破産者に対して質問を行うことを指しています。つまり免責を与えるのが適切であるかを確認するために行われるものです。

破産者は免責審尋の当日に裁判所に出頭し、免責にかかわるいくつかの質問を受けて終了です。質問は、「借金ができた経緯や理由」「なぜ借金してしまったのか」といった内容のものが多いとされています。

ちなみに集団審尋の場合は、裁判官から何も質問されずに済むこともあります。

次に裁判官が免責の調査をしていた破産管財人に対し、意見を聞きます。

破産管財人は、

  • 免責不許可事由なし
  • 免責不許可事由はあるが免責が妥当である
  • 免責不許可である

以上の3つのうちいずれかを述べるだけです。

以上で免責審尋は終了です。

④免責の決定

免責の調査が終了すると、免責にかかわる決定がなされます。

  • 免責許可決定
  • 免責不許可決定

免責許可決定がされれば、免責が許可されたことになり借金は帳消しです。
しかし債権者や破産管財人が免責に反対する場合もあります。即時抗告という手続により不服申し立てがされると、免責許可が適切であったかが調査されることになります。虚偽の申告等が後に発覚すれば、免責が取り消しされることもあるので要注意です。

以上で、免責手続きは完了です。

一人で悩むな!専門家のサポートを受けて免責すべき理由

裁判所から免責の許可をもらいやすくする方法の一つが、専門家(弁護士や司法書士)への依頼です。

こちらでは、専門家に依頼して免責手続きをおこなうメリットについてお伝えします。

①裁判所への印象が良くなる

免責をするかしないかの判断は、裁判所で実施されます。つまり裁判所からの印象が悪ければ、免責を許可してもらえない可能性が高くなるのです。

裁判所への印象に大きく関わってくるのが、裁判官による尋問および反省文の提出です。初めての自己破産であると、裁判官に何を聞かれるのか分からないでしょう。反省文も何を書いたら良いのか悩むと思います。

専門家に依頼することで、裁判官に何を聞かれるのかも大体わかります。どのような対応をしたら良いのかもアドバイスしてもらえるわけです。反省文についても書き方を教えてもらえます。専門家に依頼すれば、結果として裁判所側の印象を良くするために必要なサポートを受けられるのです。

②書類の書き方、必要書類の準備をサポートしてもらえる

裁判所に提出する書類に不備があると、免責の許可がおりない原因になります。債権者一覧表に記入漏れが1件あっただけでも、免責が許可されない理由になるのです。

専門家に依頼することで、書類の準備、さらに書き方までサポートしてもらえます。誤字脱字等も不受理の理由になりますが、人の目が間に入ることによってミスも防げるわけです。

③督促がストップする

自己破産を専門家に依頼した時点で、貸金業者からの督促はストップします。依頼を受けた弁護士や司法書士は、各業者に対して「受任通知」と呼ばれる書類を送ります。受任通知には、「債務整理を依頼されたので、手続きを始める」という趣旨が書かれているのです。

受任通知を受け取った業者は、督促してはならないルールとなっています。つまり業者から返済を促す連絡が来なくなります。さらに手続き中は返済する必要もありません。

専門家に依頼することで毎日のようにあった督促がストップするため、精神的にも楽になります。

免責が許可される条件を確認し専門家に自己破産を依頼しよう

借金の支払いをゼロにするためには、免責が裁判所に認められる条件を把握することが必要です。所得が低いこと、財産がないことなどの条件をクリアしていれば、免責が許可される可能性が高いです。

免責不許可事由についてもお伝えしました。ギャンブル目的の借り入れであったり、クレジットカード現金化を利用したりしていると、免責が取り消しになる恐れもあります。

免責を許可されやすくしたいのであれば、弁護士や司法書士などの専門家への依頼がおすすめです。書類や尋問に関するサポートも受けられるからです。

確実に借金をゼロにしたいのであれば、自己破産手続きおよび免責手続きを専門家へ依頼しましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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