自己破産

自己破産が認められる条件って?免責事由とは?

不況やインフレが加速する昨今において、自己破産の件数も年々増加傾向にあります。

いまや自己破産は決して珍しいことではなく、今現在借金に苦しんでいる方の中には自己破産をしようか悩んでいる方もいるかもしれません。

とはいえ、自己破産の手続きや具体的な内容について、きちんと理解している人がほとんどいないのもまた事実。

そこで今回は自己破産が認められるための条件はもちろん、免責についてわかりやすくまとめました。

さっそく見ていきましょう。

目次

そもそも自己破産とは

「自己破産」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、そもそも自己破産とはどういった状態を指すのでしょう。

自己破産は債務整理のひとつで、借金の返済が苦しい人が裁判所にその旨を申し立てることによって開始する、破産手続きのことです。

自己破産の開始決定がなされ、免責許可が認められると現に負っている債務が帳消しとなります。

そのため、免責が認められたあとはもう借金の取り立てに合うこともなければ、強制執行をされるのではないかとビクビクする必要もありません。

とはいえ、自己破産をすることにより手元にある財産(不動産や一定額を超える預貯金等)は差し出す必要があります。

なお、すべての債務に免責が認められるわけではなく、一部の債務はそのまま残ることになります。この免責が認められるか否かの判断基準については、追って説明します。

自己破産が認められるための2つの条件

借金の返済が苦しいからといって、すべての人に必ずしも自己破産が認められるわけではありません。

自己破産をするためには、以下2つの条件を認めてもらう必要があります。

  • 借金を支払うことのできない状態(支払不能状態)にあること
  • 借金をした経緯や理由が正当であること

借金を支払うことのできない状態にあること

裁判所に、「この人はどう頑張っても残りの借金を返済できそうにない」と判断された状態を「支払不能状態」といいます。

あなたが本当に支払不能といえる状況にあるかどうかを、

  • 借金をした理由や総額
  • 現在の資産額
  • 収入や月の収支状況
  • 年齢及び家族構成

などといったことを踏まえ、総合的かつ客観的に判断します。

そのため、今現在一時的に借金の返済が難しいだけであって、今後収入があれば徐々にでも返済が可能だといった場合には、支払不能にあると判断されることは難しいでしょう。

また、手持ち現金や預貯金が少ないだけで、換価価値のある財産(不動産や貴金属など)を十分に有している場合も同様です。

あくまで一般的な目安となりますが、支払不能と認められるためには借金を3年かかっても返済することが難しい状態だと考えておくと良いでしょう。

借金をした経緯や理由が正当であること

あなたが確かに支払不能の状態にあり、借金の返済が困難であると認められた場合には免責手続へと進みます。

基本的に自己破産申請が認められた人のうち90%以上の人が、免責手続も問題なく認められています。

しかし、「免責不許可事由」と呼ばれるものに該当してしまうと、場合によっては免責を得ることができません。

免責不許可事由については、次で詳しく説明します。

免責不許可事由に気をつけよう

「免責不許可事由」とは言葉のとおり、免責を認めることができないと判断されてしまう事情のことで、破産法で該当するケースが定められています。

免責不許可事由に該当する例としては、詐欺行為を働いて虚偽の申告をしたり、返済する気がないのに新たに借り入れをしたりする例などが挙げられます。

とはいえ、免責不許可事由に該当するからといって、必ずしも免責が認められないわけではありません。

免責不許可事由に該当しても免責が認められるケースとは

自己破産の手続きにおいては、免責不許可事由に該当する場合であっても「裁量免責」が認められる場合があります。

裁量免責とは、自己破産手続きにかかる一連の裁判を担当した裁判官が、自身の判断で免責決定を下すことを指します。

免責決定が認められやすくなる方法として、

  • 借金で首が回らなくなってしまった事実を深く反省している態度を示す
  • 自己破産後の生活をしっかりと建て直す意欲を見せる

などといったことが挙げられるでしょう。

そもそも破産手続き自体、多額の借金を抱え路頭に迷う寸前となっている債務者を救うための制度です。

そのため、借金に困っていることは周知の事実であることから、そのことに対しきちんと向き合い、今後をやり直す意欲が十分に認められる場合には裁量免責が認められやすくなるでしょう。

免責不許可事由に該当する項目があったとしても簡単に諦めてしまうのではなく、専門家等と相談しながらまずは行動してみることをおすすめします。

偏頗弁済は免責不許可事由に該当する

「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とは、ある特定の人にだけ借金を弁済することを指します。

一見なにも問題ないような気がするのですが、免責手続きが終わるまではこのような行為が免責不許可事由に該当してしまいます。

そのため、借金の中でこの人にだけは先に返しておきたいと勝手に返済を進めてしまうことは避けるようにしましょう。

なお、免責が認められた後の特定の人に対する弁済は、偏頗弁済に該当しませんのでおさえておいてください。

税金など一部のものは免責が認められない

自己破産手続きならびに免責手続きが認められると、晴れて借金から開放されますが、全ての債務がなくなるわけではありません。

税金など一部のものについては免責が認められず、このように免責の対象とならないものを「非免責債権」と呼んでいます。

非免責債権には主に以下のようなものが該当します

  • 国民健康保険料や税金など公的なもの
  • 債務者が悪意で行った不法行為に基づく損害賠償金
  • 債務者が故意または重大な過失によって人に危害を加えた場合の損害賠償請求権
  • 子どもの養育費や、婚姻における費用など
  • 各種罰金など

このように税金をはじめ、子どもの養育費や婚約に係る費用など、免責の対象とならないものがありますので気をつけましょう。

自己破産はまず弁護士に相談しよう

自己破産の申し出は個人で行うことができますが、ひとりですべてを進めるにはとても骨の折れる手続きだといえます。

そのため、基本的には専門家である弁護士に前もって相談するとよいでしょう。

弁護士に相談することで、時間や手間が大幅に削減できるだけでなく、いくつかのメリットを享受することができます。

ここではどんなメリットがあるのか、見ていきましょう。

自己破産手続きのすべてを委任できる

自己破産の手続き自体は、弁護士に限らず司法書士でも行うことができます。

しかし、あまり知られていない事実として司法書士は代理人となることができません。

そのため、各種手続書類の作成や相談業務には応じてもらえるものの、実際に裁判が始まったときに裁判官とやり取りをおこなうことが不可能です。

その反面、弁護士であれば書類の作成や相談業務はもちろんのこと、裁判が始まってからもすべてを一任することができます。

また相談業務において、借金問題のことだけでなく今後のことなど幅広く対応してもらうことができるでしょう。

自己破産の手続きはかなり複雑でややこしいところがあることから、最初の時点で弁護士にお願いすることをおすすめします。

弁護士にお願いした時点で取立てに追われずに済む

基本的には自己破産をはじめとした債務整理に関する手続きを弁護士に依頼すると、依頼した時点で借金の取立てに追われずに済むでしょう。

つまり、弁護士にお願いしたことにより借金返済の督促や、強制執行に怯えなくてすむことになります。

そのため、弁護士にお願いすることにより借金に追われない日々を得ることができる点もメリットだといえますね。

免責を認めてもらいやすくなる

自己破産において、もっとも大切であるといっても過言ではないのが免責手続き。

自己破産の手続きにおいて免責が認められるのは、税金や罰金等を除いた債権に限りますが、その債権を特定するための手続きがかなり大変なものとなっています。

万が一、免責可能なはずの債務が残ってしまったらと考えると恐ろしいですよね。

弁護士に依頼することで、そうした免責請求漏れを防ぐことができるとともに、免責不許可事由がある債務についても免責を得られるように最善をつくしてくれるでしょう。

上記のことを踏まえても、自己破産の際は弁護士に依頼することをおすすめします。

まとめ

今回は自己破産における概要について説明した後、免責を得るまでの流れや免責が認められる債権等についてお伝えしました。

すべての債務が帳消しになるわけではありませんが、自己破産および免責が認められることによって、いままでの生活が大きく変わることはいうまでもありません。

そのため自己破産が認められるか不安な場合であっても、最初から無理だと諦めるのではなく、一度専門家に相談してみてください。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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