自己破産

自己破産をしたらクレジットカードはどうなる?自己破産後のクレカ事情とは?

自己破産をすれば、借金から解放されて新たな生活を踏み出すことができます。

しかし、自己破産の不安点の1つに「クレジットカード」を思い浮かべる人も多いはずです。

クレジットカードがあれば、わざわざ現金を毎回持ち歩かなくても買い物ができますし、ネット通販するときにもクレジットカードが必要になります。

だからこそクレジットカードは持っておきたいものですが、自己破産をすればクレジットカードが作れないという話を聞いたことがある人も多いでしょう。

自己破産すると、これまで使っていたクレジットカードはどうなってしまうのでしょうか?

自己破産後のカード事情について詳しく紹介していきます。

目次

自己破産をするとクレジットカードが作れなくなる仕組みとは

自己破産をすれば借金が免責されることになるので、借金の支払いから解放されます。

その代わり、さまざまな制限を受けることになります。

その制限の1つが、クレジットカードです。

自己破産をすると、一定期間はクレジットカードを新規申し込みすることができなくなります。

なぜクレジットカードが作れなくなってしまうのか、仕組みを見ていきましょう。

①自己破産するとブラックリストに載ってしまう

自己破産をすれば、クレジットカードが使えなくなるだけではなく、新規借り入れも出来ません。

なぜ全ての金融機関に自己破産したことが分かってしまうのかというと、「ブラックリスト」に自己破産をしたという情報が載ってしまうからです。

ただし、実際にブラックリストと呼ばれるリストがあるわけではありません。

自己破産をした記録が信用情報機関に登録されることになります。

このことを「ブラックリストに載る」といいます。

②信用情報機関と金融機関の関係

信用情報機関では個人の信用情報を管理しており、カードの契約状況や返済、債務整理情報なども管理されています。

日本には、「CIC(株式会社シー・アイ・シー)」「JICC(株式会社日本信用情報機構)」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つの信用情報機関があります。

そして、それぞれの信用情報機関に加盟している金融機関が照会することで、個人の信用情報を確認することができるのです。この情報共有は、個人情報の保護に関する法律第23条の例外として許容されているので、法的にも情報が共有されることに問題ありません。

カード契約の際には審査がありますが、この時に信用情報の記録確認が行われます。そのため事故情報が登録されていれば、審査に通らずにクレジットカードが作れないのです。

契約中のクレジットカードはどうなるの?

自己破産することで新規にクレジットカードは作ることが出来なくなりますが、自己破産をする前から持っているクレジットカードはどうなってしまうのでしょうか?

自己破産前から契約中のクレジットカードの自己破産後の取り扱いについて見ていきましょう。

①弁護士に依頼してから数日で使えなくなる

自己破産をするには、弁護士に依頼して手続きを進めることが多くなっています。そして、弁護士に正式に依頼をすれば、依頼をした当日中に各債権者に受任通知が送付されます。この受任通知は、これから債務整理をするという旨を債権者に伝えるものなので、受け取ったカード会社は債務者の契約中のクレジットカードを強制解約します。

そのため、弁護士に依頼してから数日でクレジットカードは使用出来なくなるのです。

自己破産をする際には、任意整理とは異なり一部の債権を選んで手続きをするということが出来ません。そのため、使用したクレジットカード全てが債務整理の対象になるのです。

②使用していないクレジットカードも申告が必要

契約しているものの、一度も使用したことがないというクレジットカードを持っているケースもあるでしょう。そういった場合でも、使用の有無は関係なく受任通知はカード会社に送付されます。

もし弁護士に申告をしないで自己破産手続きをしている中で使用すると、自己破産は認めてもらえなくなる可能性が高まります。

そのため、使用の有無は関係なしに必ず弁護士に申告してください。

大半は、弁護士が依頼を受けた時に全てのクレジットカードを預かって、ハサミで切って使用できないようにします。

③契約中のクレジットカードは必ず使えなくなる

かなり少数派にはなりますが、弁護士に依頼せずに自身で自己破産の手続きを行うというケースもあるでしょう。そういった場合でも、弁護士に依頼するケースと同様に契約しているクレジットカードは全て使用出来なくなります。

弁護士に依頼するわけではないので受任通知が送付されるわけではありませんが、少しでも債務のあるカード会社には取引履歴の開示を請求することになるので、カード会社には自己破産をすることが伝わります。

また、使用していないクレジットカードがあり、そのまま何も通知しないでいても、いずれは強制解約されてしまうものです。

それは、定期的にカード会社が信用情報を紹介して、顧客の信用情報を確認しているからです。

このことを与信と言いますが、与信の確認後には解約されることになります。

クレジットカードのポイントやETCに注意!!

自己破産すれば、これまで使用していたクレジットカードは使えなくなります。

そこで、注意したい点がクレジットカードのポイントやETCカードの取り扱いです。クレジットカードによって貯めていたポイントや、ETCカードはどのようになるのでしょうか?

①貯めていたポイントは消滅する

自己破産をすることで契約しているクレジットカードは、強制的に解約になります。そうすれば、カード会社独自のポイントを貯めていたとしても、そのポイントは消滅することになります。

ポイントをこれまで貯めていたのに消滅するのは勿体ないと考える人も多いでしょう。そういった場合には、自己破産を弁護士に依頼する前にポイントを利用してしまいましょう。ポイントを使用することは特に自己破産手続きで不利になるようなことはありません。

ただし、注意したい点が1つあります。それは、ポイントで購入する際に、ポイントの不足分を追加で直前利用してしまうことです。手続き前に借り入れをしたと判断される可能性もあるので、自己破産手続きで不利になってしまう可能性もあります。

ポイントを使用するのであれば、ポイントの範囲内で収まるようにしましょう。

②ETCカードが使えても、使用しない

クレジットカードが自己破産の手続き開始によって解約になったとしても、ETCカードは少しの期間利用できるといったようなケースがあります。

基本的には、クレジットカードの解約と同時にETCカードも解約されます。

しかし、カード会社によっては手続きの関係でETCカードが使用出来なくなるまで一定の期間があいてしまうようなケースもあるのです。

そういった場合には、ETCカードがまだ使用できるからと使ってしまわないように注意しましょう。もし使用してしまえば、自己破産が認めらなくなる可能性もあります。

誤って使用してしないようにするためにも、自己破産を弁護士に依頼する前に車からETCカードは抜いておくようにしましょう。

どれくらいの期間クレジットカードを作ることができないのか?

自己破産によってこれまで使用していたクレジットカードは使用出来なくなり、新たにクレジットカードを作ることも出来なくなります。

しかし、一生クレジットカードを持つことが出来なくなるというわけではありません。

一定の期間が経てば、再びクレジットカードを作ることができるようになるのです。

ブラックリストに載るのは一定期間だけなので、その期間が過ぎれば事故情報が消えます。

そうすれば、クレジットカードを申し込んだときの審査でカード会社が信用情報を照会しても、自己破産をしたという経歴は残っていません。

ただし、事故情報が記録される年数はそれぞれの信用情報期間によって異なります。

信用情報機関 事故情報の記録年数
CIC 5年
JICC 5年
KSC 10年

カード会社によって登録している信用情報機関は異なるので、事故情報の記録年数が10年と長いKSCを避ければ5年でクレジットカードが作成できるのです。

KSCは全国の銀行が加盟しているので、銀行系のカードが該当します。

主にCICであれば信販会社、JICCは消費者金融が加盟しています。

自己破産後にクレジットカードを作る前に確認しておきたいこと

自己破産をした後にクレジットカードを新しく作るには、5~10年後でなければカード申し込み後の審査に通ることは難しいものです。しかし、事故情報が消えてしまえば新しく発行することが可能になります。

自己破産をしてから5~10年が過ぎ、クレジットカードが作れるようになった時に、カードも仕込みをする前にまずは以下のことを確認しておきましょう。

①事故情報が消えたか確認する

クレジットカードを申し込むにあたり最初にしておきたいことは、事故情報が消えているのか確認することです。

もし事故情報がまだ登録されている期間であれば、申し込みをしても審査で落ちてしまいます。

事故情報の確認は、信用情報機関に情報の開示請求を行うことで可能になります。インターネットで開示請求することもできるので、それぞれの信用情報機関へ開示請求を行って確認しましょう。

そうすれば、クレジットカードを作成できるのか事前に知ることができます。

ただし、開示請求には500~1,000円ほどの手数料が必要です。

②安定した仕事・収入を得る

カード会社の審査では、事故情報の確認だけではなく、カード申し込み者の返済能力を判断します。その判断基準が、年収や職業、勤続年数など仕事や収入に関わるものです。

カード会社は審査の際に、年収や職業などの属性で点数をつけて点数化して判断をするスコアリングシステムを導入しています。収入が低い場合や、何度も転職を繰り返していればスコアリング審査で点数が低くなってしまうので、審査が通りにくくなってしまうのです。

一方で、安定した仕事や収入があれば点数が高くなり、審査が通りやすくなります。

スコアリングで高い点数を得るためにも、安定した職業や収入を得られるように自己破産後から準備をしておく必要があります。

事故情報が消えてからクレジットカードを作る時に注意したい点

信用情報機関に登録されている事故情報が消えていることも確認でき、仕事にも就いているにも関わらず、審査に通らないというケースもあるでしょう。

審査が通らない場合には、いくつかの原因が考えられます。

少しでも早くクレジットカードを作るためにも、以下のことに注意しましょう。

①過去に利用していたカード会社は避ける

再度クレジットカードを作るのであれば、以前に使用していたカード会社のものを使いたいと考える人もいるかもしれません。

しかし、過去に利用していたカード会社では、審査で落とされてしまう可能性が高いです。

信用情報機関の事故情報が消えたとしても、過去に契約していたカード会社の記録は残っているのです。

このことを社内ブラックともいいますが、自己破産をした記録はカード会社自体からは消えることがありません。

そのため、以前使用していたカード会社は避ける方が無難と言えるでしょう。

②1社ずつ申し込みをする

クレジットカードをいくつか作りたいと考えても、自己破産後は短期間に複数のカード会社に申し込みをすることは避けましょう。

複数のカード会社の審査に申し込んでいるという情報も信用情報機関には登録されるものです。

その情報をカード会社が確認すれば、お金に困っている可能性があると判断されてしまいます。

そうすると、審査で落とされてしまう可能性が高くなってしまうのです。

そのため、1社ずつクレジットカードの申し込みは行い、審査の結果を待つようにしてください。

もし審査に落ちたとしても、すぐに他のカード会社に申し込むのではなく、期間を開けてから申し込みをしましょう。

別のカード会社で申し込みをしたとしても、信用情報機関に審査で落ちたという記録は残っているので、審査が通りにくくなってしまいます。

半年すれば審査に落ちたという記録は消えるので、再度申し込みをするのであれば半年ほどの期間を開けるようにしてください。

③利用限度額を低くする

クレジットカードには利用限度額がありますが、限度額を高く設定するほどカード会社にとってのリスクが大きくなります。

そのため、利用限度額は低めに設定している方が審査は通りやすくなります。

確実にクレジットカードの審査に通りたいと考えるのであれば、利用限度額は低く設定しておきましょう。問題なく支払いを行い、長く利用していれば途中で限度額は引き上げることが可能です。

クレジットカードが持てない期間の代替え案

自己破産をすればクレジットカードを持つことが出来なくなってしまいますが、やはりクレジットカードがないというのは不便なものです。

全てが現金で購入したり、サービスを受けられたりするかというとそうではありません。決済方法が限られているようなことも多いので、カードがなければ支払いができずに商品やサービスが購入できないといったケースもあります。

そこで、クレジットカードの代替えになるようなものを利用すれば、クレジットカードが作れない期間でも不便さを解消することができます。

どういった代替え案があるのか紹介していきます。

①デビットカード

デビットカードは、利用と同時に銀行の預金口座から代金が引き落とされるという仕組みのカードです。

つまり、現金払いに近い形式の支払い方法になります。

クレジットカードの場合は、使用するとカード会社が代金を立て替えて、毎月代金を請求するという形になります。

そのため、カード会社にとっては代金を回収できないかもしれないというリスクがあるため、審査が必要になります。

しかし、デビットカードは預金口座から引き落とされるので、カード会社にとってのリスクはありません。

そのため、審査をせずにカードを作ることができるのです。

預金口座にある金額が限度額となるので、利用者も計画的に利用しやすくなっています。しかも、デビットカードは国内だけではなく海外でも加盟店であれば利用できますし、インターネット通販などでも対応ショップであれば利用できます。

ただし、デビットカードを作るには、引き落とし先となる銀行口座を持っていなければいけません。自己破産をした際に免責対象の銀行では口座が作れないので、それ以外の銀行で口座を作りましょう。

免責対象以外の銀行であれば、口座は自由に作ることができます。

②プリペイドカード

プリペイドカードは、事前にお金をチャージしておくことで利用できるカードです。チャージしている金額が利用限度となるので、前払い式のカードと言えるでしょう。そのため、チャージ分しか利用はできませんが、お金を使いすぎてしまうことを防げます。

プリペイドカードもクレジットカードのような審査はないので、自己破産後に作ることができます。プリペイドカードもデビットカードのように利用範囲は広いので、対応している店舗であれば利用可能です。

ただし、分割払いはできず、支払いは全て一括です。

また、公共料金や保険料の支払いなどには対応していません。

③ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードは、ETCシステムや買い物に利用することができます。

クレジット機能はなく、利用料金は1ヵ月毎に銀行口座からの引き落としになります。

ETCカードであれば作成時に審査がありますが、ETCパーソナルカードには審査がないので自己破産後でも作ることができるのです。ただし、2~4万円の保証金が必要となり、年会費も発生します。

④家族カード

家族カードは、クレジットカードの主契約者の家族に対して追加カードとして発行されるカードです。クレジットカードの一種であり、クレジットカードと同じ機能を持っています。

なぜクレジットカードであるにも関わらず家族カードが発行できるのかというと、主契約者の信用で発行しているからです。

自己破産をした債務者本人は個人信用情報に事故情報の記録が登録されますが、その家族は影響を受けません。

そのため、家族の名義のクレジットカードであれば、家族カードとして発行すれば自己破産をしてもカードを持つことが出来るのです。

ただし、主契約者に支払いが一括して請求されるので、カードの名義人に支払い能力がなくてはなりません。再び使いすぎれば家族が借金をするということにもなり兼ねないので注意が必要です。

自己破産後に絶対にしてはいけないこと

自己破産をしたら新規借り入れはできませんし、クレジットカードも持つことができないのでどうしてもお金が必要な時に困ってしまうというケースもあるでしょう。そういった時に注意しなくてはならないのが、闇金の融資です。

自己破産をしたことで事故情報の記録があるので大手消費者金融からのキャッシングは出来ません。しかし、貸金業者として登録せずに違法営業している闇金であれば、自己破産に関係なく融資してくれます。

ただし、闇金は貸金業法を無視して違法営業しているので、返済できない場合には強引な取り立てなどが行われます。

しかも、法に基づいていないので賃金契約自体が無効になるので、再び自己破産をすることも出来ません。

せっかく自己破産をして新しい人生をスタートさせているのですから、自分の収入や預金の範囲内で生活をできるようにしましょう。

間違っても闇金に手を出すことのないよう、自分の自己破産の原因ともう一度向き合ってください。

自己破産をしてクレジットカードが使えないのは一定期間だけ

自己破産によってクレジットカードが使えなくなってしまうことは大きなデメリットのように感じますが、一生使えないわけではありません。

最低でも5年が過ぎれば新たに作れますし、それまでの期間にはデビットカードやプリペイドカードなどを代わりに利用することができます。

クレジットカードが使えない期間だからこそ、自身のお金の使い方や管理方法が明確になります。自分の生活を立て直せるチャンスですので、再び借金をしてしまわないようにお金のことを見直してみましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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