自己破産

自己破産の手続きでかかる期間と流れはどのように進むか?

自己破産を検討している方は、「早く借金から解放されたい…」「資格制限があるため早く終えるようにしたい」と気にされている方が多いと思います。

しかし期間がどれくらいかかるかイメージしにくいと思います。

さらに自己破産を行うまでの期間とは別に自己破産後の信用情報が回復するまでもどれくらいかかるか気になると思います。

そこで、ここでは自己破産が決定されるまでの期間やブラックリストから回復するまでの期間を詳しくご説明します!

目次

自己破産における免責許可の確定

自己破産における免責とは、借金などの債務の支払義務をやめることです。つまり、借金などの支払いが帳消しになり払う必要がなくなるということになります。

自己破産を行う最大の目的は、この【免責の許可】をもらうことになります。免責許可が貰えると生活苦からリセットを行うことができ、再スタートを切ることができます。

免責許可を得るためには、自己破産を申し立てて、破産手続きを行う事で、裁判所に免責の許可をもらう必要があります。

しかし、免責の許可を貰うだけではすぐに免責の効果が発生するものではありません。免責効果が発生した時は、免責許可が「確定」した場合です。

免責許可が確定した日は、免責許可が出た日から約2週間後に、官報より公告される事になります。お金の貸し手である債権者の不服申し立てがないまま、公告日の翌日から2週間経過すると、免責の許可決定が確定します。その時点で借金の返済がなくなる事が確定します。

そのため、免責許可を得るためには、破産手続きの申立てから長い時間がかかることになります。

自己破産の方法によって期間は異なる

自己破産を行うためには、弁護士に相談して管財事件で行なっていくか同時廃止で行なっていくかによって期間は大きく変わっていきます。ここでは管財事件・同時廃止の流れを確認していきます。

初回相談・申立てをする

まずは債務整理を行うために弁護士もしくは司法書士に相談します。相談し即日に正式に自己破産への依頼することがありますが、正式な依頼までは時間がかかることが多いです。

時間がかかる要因としては以下の資産があるか確認する必要があります。

  • 不動産を所有している。
  • 退職金の見込みがある。
  • 生命保険の解約返戻金額がある。
  • 何らかの保証人になっている。等

これらがあると正式に依頼する前に、資産の調査を行い状況によっては自己破産ではなく他の任意整理の方法を行うようになります。

相談によって正式に自己破産を行う事になると、弁護士・司法書士は各債権者に自己破産に入ると報告するために受任通知を送ることになります。また、受任通知とは別に借金の詳細を債権者から送るよう依頼します。ここから各債権者から詳細が送られてくるようになり、借金状況の詳細を調べていく事になります。

しかし、弁護士に依頼したとしてもすぐに裁判所へ申立てを行うわけではありません。 裁判所に申し立てを行うためには、裁判所が「この方は借金を支払うだけの能力がない」「この状況下では負債を返せるのは難しい」と納得させるだけの資料をまとめた申告書を作成・提出を行う必要があります。

相談から申立てまでには、3ヶ月程度がかかります。中には複雑な資産状況によって必要な資料が集まらずに申立てを行うのに半年以上の期間を要してしまう方も珍しくありません。

借金が帳消しにできる制度は債務者にとってみれば嬉しい制度ですが、債権者(債務者にお金を貸している人)から見れば借金を回収できないことになります。そのため、簡単に借金が帳消しできないように集めなければいけない資料や書類も多くなってしまいます。

自己破産の申し立てを行う

自己破産の申し立てを行うと、管財事件として扱われるか同時廃止として扱われるようになります。期間もどちらかで対処されるかによって大きく変わっています。

管財事件の場合

管財事件の場合は、裁判所から破産管財人が選任されます。破産管財人は破産する人の調査・資産の換金作業・債権者に配当を行う人のことをさし、破産者を監督する立場でもあります。

自己破産手続きが終了後、裁判所より免責許可(借金の帳消しを認めた)が出た場合、破産者は借金を返済する必要がなくなります。一方で、債権者の立場から見るとただただ回収出来るはずだったお金が無くなってしまうことになります。 そのため、破産管財人・裁判所は債権者に渡すことができる資産・財産はないか、本当に破産者に免責許可を与えて問題ないかを慎重に判断する必要があります。

自己破産者が裁判所に申立てを行うと申立書の確認がされます。裁判所は破産者に対して、不足事項に対する説明の促しや不足資料の提出を求めます。そして、裁判所が破産管財人を選出します。

裁判所は資料が揃ったことと破産管財人が決まると、裁判所が破産手続き開始決定を通知します。自己破産時の額や資産状況・地方裁判所によっても大きく変わってきますが、期間としては申し立てから約2週間から1ヶ月程度がかかるようになります。

破産手続き開始決定から、破産管財人による破産者への調査が開始されます。 破産管財人は初回の債権者集会(破産に関わる関係者が集まる集会)で調査終了を目指すことを目標とします。破産手続き開始から初回の債権者集会までは2ヶ月から3ヶ月の間で設定されることが多いです。しかし、破産者の状況や裁判所によっても大きく異なり、半年後に設定されることもあります。一方で破産者は少なくても1回は破産管財人との直接の面接が行われます。

無事初回の債権者集会までに調査が完了しており、債権者に配当するお金が有れば配当手続きになります。配当がない場合は債権集会で終了となり、「異時廃止」となります。配当がある場合は1~2ヶ月ほどの手続き期間が必要になります。

初回の債権者集会で調査が完了してない場合は、再度続行となりほとんどの場合はおおよそ1~2ヶ月後に設定されるが多いです。初回の債権者集会が終わらない理由としては以下のものが挙げられます。

  • 不動産などの大きな財産があり、売却まで時間がかかる。
  • 破産者から申告がなかった資産・財産が破産管財人によって発見され、調査が必要となった。

このようなケースがあると初回で債権者集会が終わることが出来ずに債権者集会が継続されます。

債権集会が終了した際に、破産管財人より免責について意見が出されます。それらを参考にして、裁判所が借金を帳消しにすることができる免責許可が下りるかどうかが判断されます。通常は1週間以内に裁判所が判決を出すようになります。

管財事件時での期間をまとめますと

  • 申立てから破産手続き開始決定で2週間~1ヶ月程度
  • 破産手続き~債権者集会で2ヶ月~半年
  • 再度債権者集会が行われる場合は1~2ヶ月程
  • 配当がある場合は別途に1~2ヶ月ほど
  • 債権者集会終了から免責許可が下りるまで1週間程度

以上のようになります。

そのため最短でも、申立てから最低でも4ヶ月程度がかかります。資産が複雑に残っている場合は半年以上かかる可能性もあります。

同時廃止の場合

同時廃止の場合は破産管財人による調査を必要としない方法となり、費用も管財事件と比べて非常に安価に済みます。さらには、調査も行わないために期間も短縮させることが出来ます。

管財事件は自己破産の手続きを行うために、最低でも20万円の費用が必要になります。しかし同時廃止の場合は1~3万円ほどの費用で済みます。

まず、管財事件と同様に申立書を提出します。裁判所で申立書を確認し、不足事項が有れば再提出を促し、資料提出を求めます。 申立てから破産手続き開始決定まで、おおよそ2週間から1ヶ月ほどかかります。

なお同時廃止は、管財事件の費用が準備できない場合に利用が可能です。他にも借金の原因が病気のため収入が落ちてしまったことや事業が失敗し会社が破産してしまった場合に適応がされます。しかし、ギャンブルや多額の浪費などの免責不許事由がある場合は、借金をなしにして良いか破産管財人に調査させる場合があります。この場合は同時廃止ではなく管財事件として扱われることになります。

しかし、どうしても同時廃止で進めていきたい場合は裁判所・弁護士に対して誠実に見せるなどの真摯に向き合う姿勢を見せることで同時廃止にて対応してくれる可能性があります。

同時廃止での期間をまとめますと

  • 申立てから破産手続き開始で2週間~1ヶ月程度
  • 破産手続きから免責審尋で約2ヶ月
  • 免責審尋から免責許可決定で約1週間

となります。そのため同時廃止の場合は破産申立てからは3ヶ月~4ヶ月ほどにかかるようになります。

自己破産の手続きを早く終わらせるためには

自己破産の手続き期間は後ほど詳しく書きますが、資格や職業の制限がかかり仕事に支障が出てしまう事もあります。また、免責許可がおりない限りは借金の返済が無くなったわけではないので、精神的に落ち着かない日々が続きます。自己破産の手続き期間を短くするためには以下の準備が必要になります。

書類を正確に早く集める

弁護士への相談時から裁判所の免責決定が最短で下りるまでには、書類の収集が非常に大切になります。 書類が揃う事がなければ、裁判所で申立てを行う事ができませんので、手続きがストップしてしまいます。また申立てした後にも、裁判所や破産管財人より追加の書類提出を求められる事が多いです。これらに応じないと自己破産の終結、免責許可がおりません。

書類は取得したが内容が整っていないために、再度取り直しになる事もあります。弁護士や裁判所などから求められた書類が【なぜ必要なのか】を意識して取得することで、取り直しを行なってしまう事は減ってきます。

期間短縮のために必要となる書類

手続きによって異なることはありますが、以下が必要になる書類になります。

  • 与明細書(申し立て直前の2~3ヶ月)
  • 賞与明細書(過去1年分)
  • 源泉徴収票(1~2年分)
  • 課税証明書(1~2年分)
  • 確定申告書類(1~2年分)
  • 退職金に関する資料
  • 保有している銀行口座全ての利用履歴(2年分)
  • 保険に関する書類(解約返戻金が書いてある書類、保険証券など)
  • 自動車に関する資料(車検証など)
  • 不動産に関わる資料(登記簿謄本、固定資産税証明書など)
  • 賃貸借証明書
  • 他20万以上を持っていると思われる財産

自己破産を行うための手続きは、現在の資産状況と今後の収入によって借金の返済ができない場合に、「このままでは返済が不可能です」と自ら裁判所に申し出ることになります。生活に必要最低限のものは残して、不動産などの財産を差し出すことになります。財産は無くなりますが、全ての借金の返済義務がなくす手続きになります。しかし、税金などの支払いが免除されないケースもあります。

手続きを行う中で、どのような財産があるのか吟味する必要があります。吟味した上で、一覧表を作成する必要があります。財産がある場合は、財産の資料や査定書が必要になります。

また、数年以内に大きな財産を処分したことや譲渡した際も処分・譲渡した資料(売買契約書・領収書など)も必要になります。他にも負債を作ってしまった要因の調査をするための資料が必要となることもあります。

裁判所によっては本人に関わる資料だけでなく、同居人の資料を要する事もあります。必要になるものとしては給与明細書、保険証券、自動車車検証、不動産登記簿謄本などを提出することがあります。

これだけの資料を自分で調べて提出することは非常に煩雑です。相談している弁護士より自己破産の種類によっては必要書類の一覧を作ってくれる場合があります。依頼した弁護士の指示に従いながら臨機応援に対応していくことが必要になります。

管財事件と同時廃止の違い

以上のように管財事件と同時廃止には期間が異なり、同時廃止の方が早く終わることが多いです。管財事件と同時廃止は他にも費用面で大きな違いがあります。

手続き費用が異なる

個人の管財事件は少額管財で行われる事が多いです。少額とは言っても、管財事件の場合は裁判所より破産管財人を選出するために、破産管財人の報酬を払う必要があります。個人の自己破産手続きの場合は20万程度になっている事が多いです。

一方で同時廃止の条件は、少額管財事件の費用である20万を払えるだけの財産がない場合に適応されます。費用は非常に安価となっており、裁判所によっても異なりますが、1~3万程となっている事が多いです。

弁護士費用が異なる

自己破産の手続きを行う場合は、弁護士に依頼することがほとんどです。同時廃止の場合は、裁判所に自己破産の手続きの申立てを行った時点で仕事を終えたと言えます。

一方で、管財事件の場合は破産管財人による調査などが入るため、破産管財人への協力する必要があります。

結果として、同時廃止の場合は20万~30万円ほどがかかります。 少額管財事件の場合は30万~40万円ほどかかると言われています。 また、弁護士費用は裁判所に払う手続き費用と異なり、分割に応じてくれる事もあります。裁判所へ支払う費用は原則として分割ができない事となっています。

自己破産期間中できないこと

自己破産を行うと、様々な影響がでますが一定期間は【ブラックリスト】に登録されることになります。ブラックリストとは信用情報期間の個人情報に事故情報が登録されてしまうことです。自己破産の手続き中は資格や職業制限を受ける事になります。他には少額管財手続き中は海外旅行の制限がかかります。

ブラックリストに関わる期間

自己破産をするとブラックリストに登録されるため、ローンが組めなくなったりクレジットカードが作れなくなったりします。 登録される期間は金融機関によって異なりますが、5~10年間が登録されることになります。信用情報機関のCICによる記録期間は5年、JICCも5年、KSCは10年の記録年数となっております。

このように信用情報機関によってはブラックリストに載る期間が異なります。

ただし、ブラックリストから回復する期間は多少前後することもあります。そのため自己破産後から7~10年程度と表現されることになります。ブラックリストから回復しても、ローンを組む銀行やクレジットカード会社各々の判断でローンを通す・クレジットカード発行を許可することになります。そのため、あくまでもブラックリストから回復しても会社によっては通らない可能性があります。

そのためクレジットカードによる買い物は長い期間できない事を考えておく必要があります。

職業や資格制限を受ける期間

破産開始決定から免責許可が下りる期間に就ける職業や資格に制限が加わります。制限がかかるという事はその間仕事を行う事が出来なくなるという事を指します。

制限がかかる資格は以下の通りです。

  • 士業:弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、司法書士、行政書士など
  • 一部の公務員:人事院の人事館、国家公安委員会委員、都道府県公安委員会委員、検察審査員など
  • 関わる仕事:代理人、後見人、後見監督人、警備員、保険外交員、遺言執行員など

破産開始決定から免責許可を受けるまでが制限を受ける事になります。そのため管財事件であれば最低4ヶ月程度~、同時廃止であれば3~4ヶ月が制限をかかる事になります。

まとめ

自己破産の手続きは一概に決まった期間は言えません。しかし、管財事件で申立てから最低でも4ヶ月程度、同時廃止の場合は破産申立てからは3ヶ月~4ヶ月ほどかかるようになります。さらには書類の準備も含めると期間は長期に渡る可能性が高いです。自分で自己破産の手続きはやるのは非常に難しいです。債務整理に強い弁護士に相談するとよいでしょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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