自己破産

100万円の借金で自己破産は可能?

「どう考えても借金を返せる目処がつきそうにないけれど、債務が100万円程度と少額な場合は自己破産が認められないのではないか」と悩んではいませんか。

先に結論から述べてしまうと、債務額に関わらず自己破産をすることは可能です。

自己破産を裁判所に認めてもらう上で大切なことは、債務額の大きさではなく、あなたが「支払不能」状態にあるかどうかです。

そこで今回は、自己破産手続きが認められる条件や自己破産を選択することによるデメリット等について、まとめてみました。

目次

自己破産が認められるための条件とは

自己破産が認められる条件は主に以下の2つです。

  • 支払不能状態にあること
  • 借金をした理由や経緯が正当であること

それぞれ見ていきましょう。

支払不能状態にあること

「支払不能」とは債務者が支払い能力を著しく欠いており、履行期の到来した債務を一般的・継続的に返済することが不可能であると判断された状態のことを指します。

裁判所は支払不能の状態にあるかどうかを判断するために、

  • 借金の総額とそこまでに至った背景
  • 手持ちの資産額(換金が可能な不動産も含む)
  • 収入
  • 年齢や家族構成
  • 一ヶ月の生活費を含む収支状況

などを踏まえ、客観的に判断を下します。

そのため、一時的に借金が返済できないだけの話であって、今後返済が可能であると判断されれば当然ながら支払不能状態にあるとはいえません。

また現在収入が少なくても、借金を返すために必要な財産(土地、貴金属、不動産など)を有していれば、こちらも同じく支払不能であるとはいえませんよね。

つまり支払不能かどうかは債務額の大小で決まるのではなく、支払い能力があるかどうかによって判断されます。

仮に借金が100万円であったとしても、持病の悪化で一切働くことができずにいたり、もともと生活保護を受給してやりくりしているといった場合には認められるケースもあるでしょう。

借金をした理由や経緯が正当であること

上記で支払不能にあると判断されると、「破産手続開始の決定」がなされ、破産者となります。

ですが、破産者となっただけでは債務が帳消しになることはなく、借金をゼロにするためには「免責許可決定」を得なければなりません。

この免責許可を得るために、借金をした理由や経緯が正当であるかどうかを判断されることになります。

とはいえ、破産手続開始が決まれば、9割以上の人は免責許可を得られているので安心してくださいね。

免責不許可事由に気をつけよう

破産開始手続きを得たあとで免責許可を得ることになりますが、その際に「免責不許可事由」に該当すると免責許可が一旦据え置きとなってしまいます。

免責不許可事由に該当する例としては、身の丈に合わないギャンブルが原因で借金額がかさんだ場合や、免責後の財産没収を恐れて故意に財産を隠匿したケースなどが該当します。

ギャンブルや隠匿によって免責が得られないというわけではありませんが、あくまでも自己破産を申請する上で疑問を抱かれるよう行動は慎むべきでしょう。

破産費用がなければ自己破産できない

そもそもの話とはなってしまいますが、破産法30条において次のように規定されています。

第三十条 裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。
一 破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)。
二 不当な目的で破産手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。
(出典元:電子政府の総合窓口

このうち第三十条の一において、破産手続き費用の予納がないとき、つまり破産費用を支払えないときも自己破産の申し立てが認められないということになります。

しかし、破産手続き費用については裁判所によって分割払いが認められているケースもありますので、あらかじめ専門家も交えた上で相談してみるとよいでしょう。

破産手続きの費用がないからといって、すぐに諦めてしまうのは尚早です。

自己破産におけるデメリットについて

自己破産をすることで借金がなくなる一方で、デメリットも存在します。 そこでここでは、デメリットについてまとめてみました。

ブラックリストに載ってしまう

自己破産におけるデメリットの中でも影響が大きいのが、このブラックリストに載ってしまうことだといえるでしょう。

自己破産をすると、あなたが破産したという事実が信用情報機関のデータベースに登録されてしまいます。

破産情報がデータベースに登録されることを、世間一般では「ブラックリストに載る」などと呼んでいます。

銀行や消費者金融をはじめとした信用情報機関は、このデータベースを利用してローンの審査等を行うことから、ここに事故情報が載っていると当面の間は借り入れが難しくなります。

おおよそ7年ほどは、新たな借り入れが難しいと考えておいてください。

一部の職業では職業制限がかかる

自己破産の申し立てが受理され、手続きが開始されると一部の職業において職務を行うことができなくなります。

具体的には司法書士や宅建士、保険の外交員など公的資格のもとに業務に就いている人が対象です。

とはいえ、上記に該当する人が破産手続きを行ったからといって職を失うわけではなく、自己破産手続きが終わりさえすれば通常通りまた職務に戻ることができます。

氏名や住所が官報に載る

自己破産をすると、あなたの氏名や住所が「官報」と呼ばれる政府発行の機関誌に掲載されます。

氏名や住所が載ることに加え、官報への掲載を拒否することができないので、不安を抱いてしまう方も多いかもしれません。

しかし、官報はコンビニや書店といった普段よく訪れるところでは手にすることができず、閲覧場所が限られていることから周囲に気づかれる可能性は低いといえるでしょう。

自己破産以外で借金問題を解決するには

借金問題で苦しんでいるときに利用できる手段は、自己破産だけに限りません。

自己破産以外にもさまざまな債務整理の方法があります。

ここでは自己破産以外の債務整理方法として、「任意整理」と「個人再生」についてお伝えします。

任意整理

任意整理は弁護士などの専門家を交えた上で債権者と話し合いを行い、利子を減らしてもらったり、弁済期間を延長してもらったりと現在よりも緩い返済計画を目指す方法のことをさします。

任意整理においては、間に入る弁護士の実力次第で返済計画が変わってくるため、任意整理に強い弁護士を探すようにするとよいでしょう。

個人再生

個人再生は自己破産と同じく、裁判所に申し立てを行う任意整理方法を指します。

自己破産のように債務が免除になることはありませんが、返済額を大幅に減らすことが可能です。

もちろん、減らした後の債務についてはきちんと弁済していく必要があることから、弁済能力の有無については厳しく判断されます。

個人再生であれば土地や車といった価値のある財産を差し出す必要がなくなりますので、自己破産とよく比較検討した上で考えるようにしましょう。

自己破産の前に過払い金チェックも忘れずに

自己破産を裁判所に申し出る前に、過払い金が発生していないかどうかチェックするとよいでしょう。

過払い金とは、キャッシングやローンをはじめとした金銭の借り入れに際し、支払いすぎた利息のことを指します。

払いすぎた利息については返金してもらうことができ、実際にこの過払い金で借金の返済にめどがついた方も大勢います。

具体的には2010年以前に借金をしたことのある人が対象となるため、もし該当している場合にはぜひ調べてみてくださいね。

まとめ

自己破産の手続きが認められるか否かは借金の総額ではなく、支払い能力の有無が重要だとお伝えしてきました。

そのため、いま100万円しか借金がないから無理だと結論付けるのではなく、一度専門家に相談してみてください。

その際、月の収入がいくらあって生活費にいくら使い、固定費でいくらかかっているのかなど月の収支を細かく調べておくと話が早いでしょう。

100万円の借金であっても月々の返済に余裕がなく、利息やその他もろもろで今にも破綻しそうだという場合には自己破産が認められるケースも多々存在します。

一歩踏み出さなければ状況はなにも変わりません。ぜひこの機会に、信頼できる専門家に相談してみましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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