自己破産

自己破産で「反省文」は必要?書き方のコツや陳述書との違いは?

自己破産では様々な書類を裁判所に提出しなければいけませんが、ほとんどの書類は手続きを依頼している弁護士が作成してくれるため、債務者本人の負担はとても小さいです。

ただし、「反省文」の提出が必要になったときは、自分自身で作成するように指示されるケースもあるので注意してください。

反省文は絶対に必要というわけではなく、提出不要で手続きが進むことも多いです。

この記事では反省文がどのような場合に必要になるのか、どうやって書けば良いのか、陳述書との違いは何かついて説明していきます。

目次

自己破産の申し立てに必要な反省文とは?

自己破産の手続きで提出する反省文とは、その名前の通り、返せないほどの借金を抱えてしまったことに対する反省の態度を示す文章です。

反省文の用紙に所定のものはありませんが、A4用紙や一般的な原稿用紙で作成することが多いです。大切なのは中身ですし、弁護士に依頼しているなら用紙などは指示に従えば間違いありません。

自己破産で反省文の提出が必要なケース

また、反省文はすべてのケースで必要というわけでもないです。反省文が必要になることが多いのは、免責不許可事由に該当する場合だと思ってください。

自己破産は申し立てをしただけでは借金の返済義務はなくならず、免責許可(借金の返済義務を免除してもらうこと)を裁判所で受ける必要があります。

ただし、免責不許可事由というものがあり、それに該当するようなケースでは申し立てをしても免責されないかもしれないのです。

例えば、多額の負債を負った理由がギャンブル、浪費などの場合には免責不許可事由に該当します。

自己破産で反省文を提出することが多い免責不許可事由(ギャンブルなど)とは?

ギャンブルが原因で借金を増やしてしまった場合でも、担当する裁判官が認めれば免責になります。このような形での免責を「裁量免責」というのです。

たとえ多額の負債を抱えていても、債務者本人に反省の態度が見られないケースでは、免責を認めてもまた同じような理由で借金をしてしまう可能性があるでしょう。

そのため、本当に反省しているのか、免責によって生活の再建はできるのかをより慎重に判断するので反省文が必要なのです。

自己破産は返せない額の借金を整理して生活を再建するのが目的の1つになります。ギャンブルなどの免責不許可事由がある場合でも、裁量免責によって返済義務が免除される可能性はあるものの、通常よりも慎重に判断されると覚悟してください。

自己破産の反省文は何を書けば良いの?

自己破産は弁護士に依頼すればすべて手続きしてくれると考えていたかもしれませんが、反省文のように自分自身の言葉で作成しなければいけないものもあるのです。

ただ、いきなり「反省文を書いてください。」といわれても困りますよね。

反省文は免責が得られるかどうかにも関係するためとても重要なものですが、反省文に盛り込む内容はだいたい決まっているため安心してください。

自己破産で反省文に盛り込む内容

自己破産の反省文では、主に次のような内容について書いていきます。

【反省文に書く主な内容】

  • 借金を作った理由
  • 自己破産に至った状況
  • 反省の態度
  • 生活を立て直す展望

反省文に決まった書式があるわけではありません。インターネット上で「雛形(テンプレート)」や「サンプル」などと検索すれば例文は出てくると思いますが、必ず同じように書かなければいけないということはないのです。

ただし、反省文なので、その文章で反省していることを裁判官に分かってもらう必要があります。そのためには、最低限、以上のような内容を盛り込むと良いでしょう。

この記事でも反省文の例文を掲載していますが、その前にそれぞれの内容について簡単に説明していきます。

自己破産で反省文に盛り込む内容①借金を作った理由

前述の通り自己破産で反省文が必要になるのは免責不許可事由に該当するようなケースです。そのため、反省文にはどのような理由で借金を作ってしまったのかをしっかりと書きましょう。

「借金の理由を詳細に書いてしまうと印象が悪くなるのでは?」と思うかもしれませんが、それは逆です。反省文が必要ということは、反省の態度によっては免責されない可能性もあるということだと思ってください。

反省していることを分かってもらうためにも、正直に借金の理由を書くことが重要です。

自己破産で反省文に盛り込む内容②自己破産に至った状況

自己破産は借金の返済に困ったときの最終手段です。繰り返しになりますが、自己破産をしても免責されなければ借金の返済義務は残ります。

もし返せる見込みが十分にあるなら自己破産は難しいでしょう。そのため、反省文では「なぜ自己破産するに至ったのか」も書いてください。

「自己破産しなくてもどうにかなるのでは?」と思われてしまうと、免責されない可能性が高いです。

自己破産で反省文に盛り込む内容③反省の態度

反省文の一番の目的は、反省の態度を示すことです。借金や自己破産するに至った理由も反省していることを示すための要素といえます。

ただし、「反省しています。」というだけでは、反省文を読んだ裁判官に「本当に反省しているの?」と疑われてしまうでしょう。

そこで、借金や自己破産の理由を振り返り、そのときの心情とともにまとめることで、もう同じ過ちを繰り返さないことを信じてもらうのです。

自己破産で反省文に盛り込む内容④生活を立て直す展望

反省文にはどのように生活を立て直そうと思っているのか、実際に行なっていることなども書きましょう。返済義務が免除されたとしても、生活を立て直す展望がない場合には自己破産の本来の目的は達成されません。

例えば、リストラにあった人なら就活をしている、ギャンブルが原因ならギャンブル依存症から脱却するためのサポートを受けているなどです。

単に「反省しています。もう借金はしません。」というだけでは信用されません。そのため、どうやって借金をしない環境を作ろうと思っているかを具体的に書いてください。

自己破産の反省文の文字数・量

先ほども少しだけふれましたが、反省文の用紙に決まりはありませんので、文字数やどのくらいの量を書けば良いのかも決まっていません。

あまりにも量が少ないと反省の態度は伝わりませんし、量が多すぎても要領を得ない文章になりやすいです。

そこで、あくまでも目安ですが400字詰の原稿用紙なら3枚前後、A4原稿用紙なら1枚〜2枚くらいにまとめると良いでしょう。

ちなみに、この記事で紹介している例文では、要点だけをまとめ、文章の量は少なめにしています。

実際に反省文を提出する際には、具体的にできるところはより詳細にし、そのときの感情なども盛り込んでいくと良いです。

自己破産の反省文の例文・テンプレート

反省文の内容によって免責許可・不許可に影響が出ると思うと不安になるかもしれませんが、そこまで難しく考える必要はないです。

先ほど説明したような内容を順序立てて書いていけば問題ありません。

以下はあくまでも例文なので、この通りに書けば大丈夫ということではないので注意してください。

反省文の例文

私、◯◯は、金融機関からの借り入れを繰り返し、多額の負債を抱えてしまい自力での返済ができなくなってしまったことを深く反省しております。

借り入れをしたきっかけは会社を解雇されたことです。

すぐに新たな職場を探したのですが、正社員としての採用がなかなか決まらずに、しばらくはアルバイトによって生計を立てることにしました。

しかし、収入が減ったにも関わらず、以前と同じ生活水準を維持するために金融機関から無計画にお金を借りるようになり、この計画性のなさが非常に甘かったと後悔しております。

大学時代からの友人には会社を解雇されたことを打ち明けられず、それを隠すためにも以前と同じように付き合いをしておりました。

その結果として、収入に見合わない出費を重ね、不足した分は金融機関から借りるという行為を繰り返してしまったのです。

すぐに良い仕事が見つかるだろうという甘い考えもあり、いつの間にか返せないほどに借り入れを増やしてしまいました。

現在は友人にも会社を解雇されてしまったこと、自己破産の手続きを進めていることを打ち明けることができました。

とても勇気がいりましたが、友人の紹介により新しい職場に就職することもでき、徐々にではありますが生活の立て直しのために前進できています。

二度と同じ過ちを繰り返すことがないように、今後は生活を立て直すべく仕事面での努力をするとともに、収入に見合った生活を心がけたいと思います。

以上

誠意が伝わりやすい自己破産の反省文を作成するポイント

次に反省文で裁判官に誠意を伝えるためのポイントを紹介していきます。

反省文を作成するときには、以下のポイントを押さえておきましょう。

【反省文を作成するときのポイント】

  • 内容は具体的にする
  • 免責で不利になるような事実も書く
  • 被害を被った債権者への謝罪も入れる
  • 今後の展望を書く
  • 自分の思いを言葉にする

自己破産の反省文のポイント①内容は具体的にする

反省文はできるだけ具体的に書くことが重要です。

反省文は書式さえあっていれば良いという種類のものではありません。そのため、誰のケースにでも当てはまるような反省文では意味がないのです。

具体的に書くことで反省の態度も伝わりやすくなるでしょう。

自己破産の反省文のポイント②免責で不利になるような事実も書く

先ほども説明しましたが、反省文では免責の判断をするのに不利になるような事実も書かなければいけないこともあります。

もちろん、書かなくても良いこともありますが、何かを隠しているような文章になったり、重要なことにふれていなかったりすると印象が悪いです。「免責されないかも…」という気持ちは一度捨て、反省の態度を示すことに集中しましょう。

自己破産の反省文のポイント③被害を被った債権者への謝罪も入れる

反省文では、どうしても内容が自分のことだけになりやすいです。ただ、自己破産によって被害を受けたのは銀行や消費者金融などの債権者になります。

そのため、自己破産をすることで債権者に迷惑をかけてしまうことを申し訳なく思っているという旨も記載すると良いでしょう。

自己破産の反省文のポイント④今後の展望を書く

反省文では自己破産後、どのように生活を立て直すのかという展望も書くようにしてください。

生活再建の目処が立っていないという場合、借金に対する反省が足りない、見通しが甘いと思われてしまうかもしれません。

特に免責不許可事由に該当するようなケースでは、その点にもふれて、生活を立て直すための方法も書くと良いです。

自己破産の反省文のポイント⑤自分の思いを言葉にする

反省文の書き方について色々と説明してきましたが、何よりも重要なのは自分の思いを言葉にすることです。

楽して免責許可を受けたいと思い、どこにでもあるような例文を少しだけ変えて提出するのは意味がありません。

少しだけ時間がかかるかもしれませんが、しっかりと自分の思いを文章にまとめるようにしてください。

自己破産の反省文と陳述書の違い

自己破産をする場合、反省文は必須ではありませんが、陳述書は提出することになります。もしかしたら反省文と陳述書を一緒のものと勘違いしている人もいるかもしれませんが、それらは別のものです。

陳述書は多額の負債を抱えて、自己破産を選択するに至った経緯をまとめたものになります。反省文と違い、陳述書は事実を淡々と記していくようなイメージになるでしょう。

ただ、陳述書の中に反省している旨を記載するケースもあるので、弁護士からの指示に従うようにしてください。

自己破産の反省文は弁護士に作成してもらえる?

弁護士に自己破産を依頼する場合、「反省文の作成もしてもらえる?」と考えると思います。先ほど説明した陳述書については弁護士が代理人として作成してくれるのが通常ですが、反省文は弁護士によって方針が異なります。

弁護士が反省文を作成してくれることもありますが、依頼人との面談内容をもとに作成することになると思ってください。

しかし、反省文は依頼人が作成するというケースもあり、その場合には弁護士からアドバイスを貰いながら自分自身で反省文を書かなければいけません。

反省文は免責許可(不許可)に影響するので、債務者が書いた文章をそのまま裁判所に提出するということはないでしょう。

自分で反省文を書かなければいけないとしても、しっかりと弁護士からのサポートは受けられるため、あまり難しく考えなくて大丈夫です。

自己破産の反省文は弁護士に相談しながら書くのがおすすめ

意外かもしれませんが、自己破産で反省文を提出するケースは少ないです。そのため、自己破産をするからといって、反省文の書き方をマスターしないといけないわけではありません。

ただ、反省文は免責許可に影響するため、提出を求められたなら自分の言葉でしっかりと書いてください。自己破産を弁護士に依頼している場合には、反省文の書き方のアドバイスを貰えますし、書いた文章のチェックもしてくれるでしょう。

この記事でも反省文の例文を紹介しましたが、大切なのは反省文を作成する過程でこれまでの行いをしっかりと見つめ直し、自分の言葉で文章をまとめることです。

分からないことや悩むことは弁護士に相談できるので、免責を認めてもらい生活再建できるようにしっかりとした反省文を作りましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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