自己破産

同時廃止による自己破産手続きで裁判所へ行く理由は?

自己破産を行うには管財事件で行うか同時廃止で手続きを行う方法があります。

どちらも自己破産を行うためには裁判所へ行かなくてはいけません。

裁判所へ行くと聞くと「何を聞かれるのか分からない」「弁護士も同席できないのか」と考えてしまう方もいるでしょう。

しかし、事前に弁護士に相談する事で弁護士と同席が可能になる事や、複雑な書類の準備をしてもらう事ができます。そこで、ここでは「裁判所へ行く理由」や「裁判所での手続き」についてご説明します!

目次

同時廃止の手続き

同時廃止を行うためには、最終的に裁判所へ行く必要があります。ここでは同時廃止へ繋がる自己破産の手続きを確認します。

自己破産とは

様々な諸事情によって借金の返済が著しく難しい場合は、自己破産手続きを行う事によって借金の返済義務をなくす事ができます。

自己破産は債務整理の中の1つの手段です。裁判所に申立てを行い、借金を免除してもらう手続きになります。

弁護士に依頼せずに1人で行うことも出来なくはないですが、書類が煩雑である事などによって1人で行うのは難しいです。通常は弁護士に依頼します。

手続きの流れ

弁護士に自己破産の相談を行い、正式に自己破産を行う事が決定しましたら、弁護士はお金を貸している人である債権者に受任通知を送ります。これで、債権者から返済の取り立てが止まります。一度返済もストップする様になります。

そして弁護士は自己破産へ必要な書類を自己破産者に用意してもらいます。また財産がないか・収入はどの程度なのか等の債権調査を自己破産者へ行ってきます。自己破産者は裁判所へ向けて必要な書類を集めていきます。

弁護士による債権調査と必要書類が揃った時点で、裁判所に自己破産及び免責許可をもらうための申し立て書を提出します。裁判所は申し立て書などを確認し、不備がなければ破産手続きが開始されます。その後の破産手続きとして管財事件として行われていくのか、同時廃止として行われていくのかによって対応が異なります。

管財事件とは財産が少しでも残っている人のための自己破産手続きになります。 一方で同時廃止は財産がほとんど無い人のための簡易な自己破産手続きになります。

同時廃止による自己破産手続きが決まりましたら、裁判官より借金を行なっている債務者に対して免責に関する質問(審尋)が行われます。 ここで問題なく進む事ができれば、返済義務である借金が免責となり、借金の帳消しとなります。

なお管財事件とは、破産手続き開始と同時に裁判所より破産管財人が選定されます。破産管財人とは、債務者の財産調査や債権者への財産の分配を行う人をさします。

債務者の財産調査や債権者の財産分配が終われば、破産手続は終了となります。次に免責許可をして良いかの判断が裁判所より行われます。免責許可が下りれば、同時廃止同様に借金の帳消しが決定されます。

自己破産で裁判所に行かないといけない理由と留意点

弁護士で依頼したとしても、債務者自身は行く必要はないのでしょうか?ここでは行く理由と行けなくなった時の注意点をお話しします。

自己破産でも裁判所へ行く理由

先ほどお伝えした通り、自己破産の手続きは管財事件と同時廃止の2パターンの方法があります。 どちらの手続きに関しても債務者自身が裁判所へ行く必要があります。

管財事件なら、債権者集会に債務者本人が出席する必要があります。債権者集会などで債務者が関係者に対して協力を行わない場合は、その態度がマイナス評価にされる事があります。結果として後の借金が帳消しになるかどうかの免責許可判断のマイナス材料になってしまう可能性があります。

同時廃止での「免責審尋」でも、裁判所は借金のことはもちろんのこと自己破産について債務者本人の意見・心情を確認する必要があります。

また話し合う日程が決められているのに出頭しなかった場合は、裁判所より「この人は自己破産の反省がない」と判断されてしまう可能性があります。結果として免責許可を出す場合の判断に不利に働いてしまう可能性もあります。

いずれにしても、話し合う日程(審尋)がどうしても都合が悪い場合は早急に弁護士に相談し、日程の調節を行なっていく必要があります。

裁判所で話し合う時の注意点

同時廃止で行う「免責審尋」の結果によって借金が帳消しにされる「免責許可」が認めるかどうか決定されます。そのための免責審尋での受け答えが非常に大切になります。

ポイントは【聞かれた質問に対して正直に答える】ことです。 裁判所も急な変則的な質問をされる事はありません。免責審尋の答えによって免責の許可を認められない事はほぼないため、変に神経質になる事はありません。

また、免責審尋は弁護士の同席ができる事もありますので、事前に弁護士へ相談しアドバイスをもらうことも1つの方法になります。 裁判所によっては弁護士に代理として行う事を認めているケースもあります。さらには免責審尋を行うかどうかは各裁判所に任せている事から、実際には免責審尋のないケースもあります。

管財事件の債権者集会とは?

管財事件における債権者集会とは、お金を貸している側である債権者に対して破産手続きの情報を公開することと、債権者の意見を反映させるために集会のことを言います。裁判所の管理下のもと開催されます。

出席者は債務者・債務者の弁護士・裁判官・破産管財人弁護士・債権者となっております。しかし、債権者は出席しないことが多いです。

同時廃止での免責審尋とは?

免責審尋とは、裁判官と破産者が直接会い面接を行う事を言います。 質問される内容は裁判所によっても異なります。東京地裁では人も多いために「氏名や住所・本籍に間違いはないか?」「免責不許可事由はないか?」「書類は間違いないか」などの簡単な質問がなされる事になります。

同時廃止(自己破産)をしたけど裁判所から免責許可されないことも

自己破産を行う場合は「免責許可」をもらう事が何より大事になります。免責許可がなければ【借金が帳消しなる事ができないから】です。

しかし、自己破産を申請したのにも関わらずに裁判所から免責許可を貰えないケースがあります。その理由についてお伝えします。

免責不許可事由があると認められると裁判所が認められない

免責不許可事由とは、事情によっては免責許可決定をしてもらえなくなる事情をさします。 具体的には以下のものが挙げられます。

  • 競馬やパチンコ、宝くじなどによるギャンブル
  • ブランド品など過度の買い物
  • 株やFX(エフエックス)などの投資で生じたもの

これらのものがあると、免責許可が下りずに借金の帳消しに行う事ができない可能性があります。

さらには、裁判所に対して正直に債権者や資産状況を報告しなかった事や、裁判官や破産管財人に対して破産手続の協力をしなかった場合も免責不許可事由に該当する可能性が高まります。

一方で事情によって、ギャンブルなどの免責不許可事由に該当しうるものに合っても今後の生活を改めることや裁判官などの対応に誠実に答える事で、免責許可が下りる可能性もあります。そのため、裁判所に対しては誠実に質問の受け答えを行う事や定められた提出・面接期日を必ず守る必要があります。

免責不許可事由に該当する場合がある場合は、事前に弁護士に相談する必要があります。弁護士とどのように対応していくか検討してみましょう。

免責不許可事由によって同時廃止による自己破産が認められない場合

免責許可が下りないと【借金が帳消しにならない】事になります。 そうなると、債権者から借金の督促が来ます。この状態で放っておくと、裁判所から財産差し押さえをされる事も考えなくてはいけません。

免責許可が下りない場合は、地方裁判所ではなく高等裁判所に異議申し立てを行う事も検討する必要があります。 高等裁判所に「もう一度免責許可ができるのではないか検討して欲しい」と申し立てを行う事になります。 その場合は再度高等裁判所が債務者や弁護士などと話し合いの場がもたれます。ここで高等裁判所が免責許可を下りるか免責不許可事由に該当するため、免責許可を出さないなどの判断を下す事になります。

しかし、それでも難しい場合は他の債務整理手続きを行う事を検討する必要があります。 サラリーマンの場合で有れば、毎月の安定した収入が見込める場合個人再生を利用して債務整理を行なっていく事も可能です。

個人再生は借金がなくなるわけではありませんが、金額を減らす方法になります。この場合でも借金のトラブルを小さくすることが可能になります。

また、債務整理の中では任意整理という方法もあります。任意整理は裁判所を経由せずに債権者と直接話し合いの場が持つことができます。これによって借金額の減額や貸付金利の低下・返済方法を決め直すことができます。

このように自己破産が使えない場合でも、様々な方法を活用し借金の金額を減らす事が可能になります。

まとめ

債務者にとってみれば、自己破産は借金が帳消しになる方法であります。さらに自己破産の方法は管財事件と同時廃止の2つの方法があります。債務者からみれば同時廃止の方が費用は非常に安価で収まりますし、期間も管財事件よりも早く終わります。

同時廃止でも管財事件でも債務者は裁判所へ行く必要があります。 同時廃止の場合は免責審尋が行われ、裁判官と面接を行います。面接で聞かれる事によって免責許可に必ずしも影響するわけではありませんが、誠実に答えない・面接日を欠席する事で免責許可が下りない可能性があります。

このように自己破産を1人で行うことは非常に煩雑になります。 自己破産を行う際は債務整理に強い弁護士へ相談することでスムーズな手続きを行う事ができます。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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