自己破産

自己破産は家族にどんな影響を与える?家や車のローンは?

家や車、教育ローンなどが重なり、借金の返済が困難になった場合、解決方法として「自己破産」を挙げることができます。

しかし、自己破産は借金の返済義務から解放されるとはいえ、家族や子供に何らかの影響を与えるのではないかと考えるため、なかなか決断することができない人も多いものです。

しかも、家のローンなどが残っている場合には、自宅を手放さなくてはいけなくなるのではないかと不安になるでしょう。

そこで、自己破産によって家族やローンにどのような影響を与えるのか解説していきます。

目次

自己破産によって自分はどんな影響を受ける?

自己破産は、裁判所にて認められれば借金を返済しなくてもよくなるという債務整理方法です。借金返済が困難な人にとっては大きなメリットですが、デメリットもあるものです。

自己破産をすることで、自己破産を申立てた本人はどのような影響を受けるでしょうか?

①家や車などの財産が処分されるかもしれない

自己破産では借金が免責される代わりに、自宅や車といった高額な財産は処分される可能性があります。処分対象になった財産は換価され、債権者へ平等に配当されることになるのです。この配当があるからこそ、債権者も自己破産を認めるのです。

しかし、全ての財産が処分対象になるわけではありません。

生活に必要とされる家財などは対象になりませんし、20万円以下の価値のものであれば手元に残すことができます。

そのため、家や車も査定によって20万円以下の価値であると判断された場合には処分されません。

②クレジットカード作成・新規借り入れが一定期間出来ない

自己破産をすれば、個人信用情報に事故情報として自己破産をしたことが記録されます。個人信用情報は、カード会社や消費者金融など金融機関が審査や与信の際に照会して確認する情報です。そのため、事故情報があれば、返済能力がないと判断されて審査に落ちてしまいます。

ただし、一生記録に残るわけではなく、5~10年ほどで記録は消されます。

登録期間が過ぎれば再び、クレジットカードの作成や新規借り入れが可能になります。

③一部の職業・資格に一時的な制限がある

自己破産の手続き開始から免責確定までの3~6カ月間は、制限を受ける職業や資格があります。主に国家資格に基づく法律に関わる職業であったり、財産を取り扱ったりするような職業です。

弁護士や公認会計士、税理士、宅地建物取引業、旅行業、警備員などが挙げられます。

免責が確定すれば復権するので、制限が解除されて再び仕事をすることができるようになります。

自己破産が与える家族への影響とは?

自己破産をすれば、少なからずとも家族は何らかの影響を受ける可能性があります。

家族の財産は自己破産に関係がないとはいえ、一緒に生活をしているので影響が出てしまうものもあります。

自己破産がどういった影響が家族に与える可能性があるのか見ていきましょう。

影響があるかどうかは状況や名義次第にはなるので、ケースバイケースであると考えて下さい。

①家を失い、引っ越しが必要になるかもしれない

家族に最も大きな影響を与える可能性があるのは、やはり家でしょう。持ち家が差し押さえになれば引っ越しや転職、転校が必要になるので、大きな影響を与えることになります。

もちろん家の名義が自己破産をした本人ではなく、他の家族の名義であれば処分の対象外ですので影響はありません。また、賃貸の場合であってもそのまま住み続けることができます。

しかし、自己破産者が名義人の不動産であれば処分対象になります。住宅ローンが残っている場合も処分対象となり、売却されて住宅ローンの返済に充てられることになるのです。

もし住宅ローンの連帯保証人が家族になっている場合は、家族に対して住宅ローンの返済が請求されることになります。借金の返済が免責されるのは、あくまでも自己破産を申立てた本人のみです。そのため、住宅ローンの連帯保証人の有無を自己破産前には確認しておく必要があります。

②車を失い、生活が不便になるかもしれない

自己破産者の名義の車の場合は、査定によって20万円以上の価値があると判断されれば処分対象になります。駅から遠い場所に住んでいる、子供の送り迎えがあるなど車がなければ生活が不便になる可能性があるでしょう。

また、車のローンが残っている状態で自己破産した場合には、ローン会社に車を回収されます。ローンの返済まではローン会社に所有権があるので、第三者によって一括返済されない限りは車を失うことになります。

③学資保険を解約しなければいけなくなるかもしれない

子供の進学のために学資保険を積み立てていたとしても、学資保険は貯金と同じように考えられることから財産扱いになります。そして、子供名義であったとしても、実際に積み立てをしているのは両親なので、子供の財産とは考えられないのです。

学資保険は解約すれば返戻金が戻ってくる仕組みなので、返戻金が債権者に配当されることになります。

ただし、積み立てしている金額が少ない場合には、自己破産した後も保有し続けられるようなケースもあります。

④子供の奨学金の保証人に一定期間はなれない

大学の費用などに用いられる奨学金は、子供名義なので保証人が必要になります。そのため、多くの場合は親が保証人になります。

しかし、自己破産をしていると事故情報の記録が5~10年は残っているので、保証人として審査に通りません。こういった場合には、別の親族に保証人をお願いするなど対策が必要です。

自己破産で注意したい点

自己破産で影響が出るものは、基本的に自己破産申し立て者の名義の財産です。

つまり、家族名義のものは守ることができるのです。

自己破産によって家族の名義の財産なども処分されてしまうということはありませんが、いくつか注意したい点があります。

①連帯保証人には迷惑がかかる

借金によっては連帯保証人つきのものもあるでしょう。

とくに住宅ローンは夫が主債務者であり、妻が連帯保証人になっていることも多いものです。

自己破産をすれば、自己破産を申立てた本人は返済義務がなくなります。

しかし、連帯保証人の返済義務は残ったままになるので、連帯保証人に請求がいくことになります。

家族であっても関係はなく、連帯保証人として借金を返済しなくてはなりません。

もし返済できなければ家族まで自己破産を検討しなければならなくなるので、注意が必要です。

②共有名義の財産も影響を受ける

自己破産をしても、配偶者や子供名義の財産であれば処分されるようなことはありません。

しかし、家族と共有名義の財産の場合は自己破産の影響を受けることになります。

もし配偶者とペアローンで住宅ローンを組んでいる場合も対象になりますし、不動産の所有権を家族と共有している場合も同様です。

共有名義の不動産であれば、共有している家族に相談のもとで売却されることが多いでしょう。

いずれにしても、どのように処分対応すべきか最終的に決めるのは裁判所になります。共有名義の財産は何らかの影響が出ると考えて自己破産をするようにしましょう。

③自己破産前に預金移しや名義変更してはいけない

自己破産で処分される財産は自己破産申立者が名義のものになるので、自己破産前に名義変更や預金を移せばいいと考える人もいるでしょう。

家族の名義であれば、自己破産の処分対象になるからです。

しかし、自己破産前は自己破産申立者の名義であった預貯金を家族口座に移したり、保険などの名義を家族に変更したりすれば、裁判所に「資産隠し」と判断されてしまいます。

そうすれば、結局は自己破産申立者に名義や預貯金が戻すように指示されるので、処分されることになってしまうのです。

自己破産では、財産や預貯金の動きなども調べられるので、虚偽の申告や資産隠しをしてもいずれは知られてしまいます。

もし資産隠しが度を過ぎていると判断されれば、自己破産が認められないということも起こるので注意が必要です。

自己破産しても影響を受けないこと

自己破産をすることで、住宅や車、共有財産など家族が受ける影響も少なくはありません。そのため、自己破産をすることで影響を受けると勘違いされてしまっているようなこともあります。自己破産で家族に影響を与えてしまうと勘違いされやすいものは以下です。

①家族はローンを組めなくなる?

自己破産をすれば、自己破産をした本人は個人信用情報に記録が残ります。

そのため、5~10年はローンを組むことができません。

しかし、家族名義であれば自己破産をしてもローンを組むことは可能です。

家族の信用情報は影響を受けないので、借入やローンを組むことに問題はありません。どうしても自身の名義でローンを組みたいのであれば、事故情報が消えるまで待つしかありません。

②子供の就職や結婚に影響はある?

自己破産をすれば、将来的に子供の就職や結婚に影響があるかもしれないと考えるかもしれません。

しかし、心配の必要はありません。

親の自己破産が戸籍や住民票に影響を与えると勘違いされることがありますが、戸籍や住民票には何の影響もありません。一般の人が過去の自己破産歴を調べるとすれば、官報と呼ばれる国の発行する機関誌の過去を遡って調べるしかありません。

就職先の企業が官報の記録を遡って身辺調査をするようなことはありませんし、結婚に関しても同様です。自己破産情報は簡単に調べられるようなものではないのです。

自己破産をするのであれば家族に相談しよう

自己破産を家族には内緒で行いたいと考える人もいるかもしれません。裁判所からの通知などは弁護士に依頼すれば、弁護士事務所に郵送するように手配できます。

そのため、手続き自体は家族に内緒でも行えるでしょう。

しかし、自己破産をすれば家が差し押さえになるなど生活に何らかの影響はあるはずです。自己破産をする本人にとっては精神的にも辛いことなので家族に話しにくいことかもしれませんが、新しく生活をスタートさせるためには家族のサポートも必要です。

家族側の立場からしても、やはり自己破産をしてから知らされるよりも事前に知っておきたいものです。

勇気のいることかもしれませんが、自己破産をする前に家族には相談しておくことをおすすめします。

家族に影響をなるべく与えずに債務整理をするには?

自己破産をすれば、どうしても家族には多少の迷惑をかけてしまうものです。

出来る限り家族への影響を少なく借金問題を解決したいと考える場合は、自己破産以外の債務整理方法も検討してみましょう。

債務整理には、自己破産以外に「任意整理」と「個人再生」というものがあります。

①債務を選んで整理できる「任意整理」

任意整理は個人再生や自己破産とは異なり、裁判所を介さずに債権者と交渉によって解決する方法です。裁判所を介さないため、交渉する債務を選ぶことができます。そのため、連帯保証人つきの借金は避けて債務が整理でき、連帯保証人に迷惑をかけることがありません。

ただし、任意整理では大幅な借金の減額は期待出来ません。

将来利息の免除のみとなることが多いので、借金額が少ないようなケースではメリットがあるでしょう。

②自宅を守りながら借金が大幅減額される「個人再生」

どうしても自宅を守りたいという場合には、個人再生を検討してみてもいいでしょう。

個人再生では、住宅ローン特則という制度によって住宅ローンの返済は継続したまま、他の借金を債務整理することができます。

もしローン返済が終わっている場合でも、資産価値が減額された後の債務額よりも低いと判断されれば住宅を手放さなくて済みます。

そして、個人再生では借金を最大5分の1まで減らすことができます。

自己破産することに比べれば借金負担が残ることにはなりますが、住宅を残せることは大きなメリットです。

ただし、個人再生を利用するには継続した収入があり、減額された借金が返済できると裁判所に判断されなければなりません。

自己破産は家族と弁護士に相談を

自己破産は自分一人でできるものではありません。

もちろん手間と時間はかかりますが、自分自身で調べて手続きを進めることもできますし、一定の時期までは家族にも内緒で進められるでしょう。

しかし、自己破産後も共に生きていく家族にとっては重大なことなので、必ず相談しましょう。また、専門家である弁護士にもご相談ください。

弁護士に相談することで、どういった債務整理方法が向いているのかアドバイスを聞くことができます。自己破産の手続きもスムーズに進められるので、新生活のスタートも早めることができるのです。

一人で悩まずに、まずは家族と弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人きわみ事務所
代表弁護士 増山晋哉
登録番号:43737

昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。

きわみ事務所では全国から月3,500件以上の過払い・借金問題に関する相談をいただいております。過払い金請求に強い弁護士が累計7億円以上の過払い金返還実績を上げていますので、少しでもお困りのことがあれば無料相談をご利用ください。

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