クレジットカードの付帯機能として利用できるほか、電話やFAX・郵送申し込みなどで振り込みがなされるキャッシング。便利に利用できる反面、利息が高額に上り返済が長引いているという人も見られます。
実は、このキャッシングについても過払い金請求は可能です。
いろいろ存在するキャッシングの種類と過払い金返還請求で得られるメリットとデメリットに関してもまとめてまいります。
過去に何らかの形でキャッシングを行った人は、完済していても確認してみましょう。
キャッシングとは、広義で「お金を借りるサービス」を指しています。ニュアンスとしては、銀行などで車を購入する・家を購入するというような高額な融資を受けるものではなく、「数万円~数十万円程度、生活費の足しにするために借りる現金」と位置付けるとわかりやすいでしょう。
キャッシングサービスには、クレジットカードの利用枠内で現金借り入れができるキャッシング付帯サービスのほか、電話やwebによる申し込みをすることで指定口座にお金が振り込まれるようなフリーキャッシングなどの種類があります。もちろん、カードローンもキャッシングサービスのひとつと言えるでしょう。
キャッシングの返済もクレジットカードのように翌月一括払いや、融資期間を設け返済計画に基づいた月々の返済を行う方法などがあります。
ここで、過払い金の対象となる事案に関して再度確認いたします。
簡単にまとめると、これらの条件が必要になります。
さて、過去もしくは現在進行形のキャッシングが過払い金の対象になるかどうかといった事案ですが、「キャッシング取引でも、利息制限法で定められた年利以上の利息で借り入れを行っていた場合は過払い金返還請求の対象になる」と言えます。
つまり、完済から10年経過していない取引であればキャッシングであっても過払い金請求はできます。
キャッシング取引の中でも、銀行カードローンは利息制限法の上限に当たらないためその対象ではありません。「電話でキャッシング」というような商品や、消費者金融系のカードローンのキャッシング、クレジットカード付帯のキャッシングサービスを利用した場合には過払い金の対象となります。
過去にキャッシングを行っていた事実があれば、キャッシングした会社・時期・金額やその金利を把握する必要があります。これはキャッシングに関する契約書があれば事足ります。けれど、クレジット付帯のキャッシングや、すでに完済したキャッシングなどという場合は手元に契約書がない場合があります。
その時は、キャッシングした会社が分かれば大丈夫です。その情報をもとに、キャッシングを行った会社へ照会を行うことや、取引履歴の取り寄せなどによってキャッシングの過払い金の対象であるか否かを確認できます。取引履歴の取り寄せによって、完済の時期なども知ることができます。情報照会の手続きは個人ではなかなか難しい場合がありますので、弁護士へ相談されることをおすすめします。
しかし、キャッシングした会社すら分からない場合では過払い金請求できないのでしょうか?会社名が具体的に分からない場合であってもカードの色やなんとなくの社名からキャッシングした会社を割り出すことができる場合もあります。
きわみ事務所では相談は何度でも無料で全国対応させていただいております。キャッシングについて少しでも気掛かりな部分があればお気軽にお問い合わせください。
ここからは過払い金請求の対象となるかもしれないキャッシングの種類に関して説明いたします。
消費者金融とは、担保を取らない・保証人を立てないというように、消費者の信用ありきで個人に対して融資を行うキャッシングサービスです。かつては「サラ金(サラリーマン金融)」などと言われることもありました。
無担保・無保証人であるため、融資できる金額は1万円~100万円程度となることが一般的です。
消費者金融の代表的な企業をいくつかご紹介します。ただし現状での企業名であり、合併や倒産・廃業に至った企業も含まれているかもしれません。
このほかにも、その地域だけで営業していた消費者金融業者なども存在しています。
貸金業法が改正される前は、利息制限法の上限金利が年15%~20%、出資法の上限金利が29.2%(2010年改正前)と定められていました。本来ならば、貸付金に対する利息は年20%を上限とすべきところでした。
ただし、消費者金融などに代表される貸金業者の場合、一定の要件を満たすことで出資法上の金利を適用することができるとされていたため、「20%~29.2%の金利」をグレーゾーン金利と位置づけられるようになったのです。このグレーゾーン金利に当てはまる分が、過払い金の返還請求の対象となるのです。
貸金業法の改正前に金利20%以上で借り入れを行っていた場合は、企業名問わず過払い金が発生しているといえます。完済後10年以内であれば返還請求が可能です。
もし、今では営業していないようだけど、かつて借り入れを行っていたことがあるという場合は泣き寝入りせずに弁護士に相談をしてみましょう。
信販会社とは、販売信用取引(いわゆるクレジット取引)を行う企業です。消費者は商品などを購入した際に、信販会社が立替え払いを行い、その代金の相当額を後日請求するという仕組みです。クレジットカードを提供する企業がそれにあたります。
信販会社ではクレジットカードにキャッシング機能をサービス付帯し、気軽にキャッシングを提供していました。
などが、一例に挙げられます。かつて存在したけれど、企業再編を行った信販会社も存在しています。
信販会社が提供するキャッシングに関しても、現在は上限金利が年18.00%程度となっていますが、過去のキャッシングでは先述のグレーゾーン金利が適用されていました。このため、キャッシングであっても年利20%を超えた部分が過払い金請求対象となります。
クレジット払いを選択した分に関する手数料は店舗側が負担します。クレジット代金を遅延させずに支払いが済んだ場合は利息や遅延損害金の発生はありません。その中でも、キャッシング利用分に対してのみ過払い金が発生しますので過去にクレジットカードのキャッシング機能を利用していた場合は、弁護士に相談してみましょう。
キャッシングを行ったことがある人の中には、過払い金返還請求の対象となる取引がある場合も考えられます。ここで、過払い金を請求するメリットやデメリットに関して確認していきましょう。
キャッシングで過払い金返還請求を行うメリットがいくつかあります。ひとつは、過払い金に当たる利息を現在進行形の借り入れと相殺をすることで、現在の債務(借金)を減額することができます。場合によっては、債務がゼロになったうえ、過払い金が手元に戻ってくるということもあるほどです。
また、先ほど触れた「減額」によって、毎月の返済負担を軽くすることができます。債務者側の収支バランスの改善に一役買います。
かつて借り入れをしており、過払い金返還請求を行いたいのに、すでに会社が存在しないということもあります。そんな場合でも泣き寝入りすることはありません。合併などを経て存続会社が現存する場合は、その会社へ過払い金返還請求を行うことが出来る場合があります。
ただし、「武富士」のように会社更生法の適用を受けた会社に関しては、「会社更生手続」に対し過払い債権者として届け出なければいけません。なお、武富士への債権届け出書の提出は2011年2月末に終了しています。こういった企業に対しては、泣き寝入りということになるでしょう。
しかし、今は会社がなくなっていても債権譲渡などによって過払い金を請求できることもあります。2010年以前にキャッシングをされたことがあるという方は一度弁護士などの専門家に相談されることをおすすめいたします。
もちろん、キャッシングで過払い金返還請求を行うデメリットもあります。過払い金返還請求は1つの貸金業者に対して1度しか起こすことができません。また、過払い金返還請求を行った信販会社や消費者金融とは、新規の借り入れや取引ができなくなります。 過払い金返還を行ったために、クレジットカードが使えなくなるほか、今後のキャッシングや融資枠をなくす可能性もありますので注意が必要です。
多くの方が気になる信用情報上の登録(いわゆるブラックリストのこと)ですが、完済後に過払金請求を行えば事故情報などが載ることは一切ありません。
借金返済中に過払い金返還請求を行う場合、過払い金を計算した結果、借金を相殺できる場合はこれで完済となりますが、過払い金よりも残債が多い場合、単純な過払い金請求ではなく「任意整理」とみなされます。
先ほどはメリットとして「毎月の返済負担が減る」と記しましたが、任意整理を行うことで信用情報機関に事故情報として登録されますので、そのリスクも考えていく必要があります。
しかし、逆に過払い金返還請求を行い、戻ってきたお金の金額が借金の残りよりも多い場合には信用情報機関に登録されません。そのため、キャッシングの借金を返済中だからといってブラックリストに載るとは限りません。
デメリットの影響についてもどこまでかを完全に把握することは難しいことです。2010年以前にキャッシングをされたことがある方は、デメリットや今後の生活への影響も含め弁護士にご相談ください。
過去に行っていたキャッシングの利息が年20%を超える部分に関しては、過払い金が発生することがあります。過去にキャッシングによる借り入れがあれば過払い金返還請求を行いましょう。
ただし、条件によっては債務整理(任意整理)となってしまい、ブラックリスト(信用情報登録)がなされることや、過払い金請求先との取引が今後できなくなるために、クレジットカードの申し込みができなくなるということもあるので、請求を行う前に「手もとに戻る過払い金」の額などを確認しておくとよいでしょう。
昭和59年大阪府豊中市生まれ。平成21年神戸大学法科大学院卒業後、大阪市内の法律事務所で交通事故、個別労働紛争事件、債務整理事件、慰謝料請求事件などの経験を積み、平成29年2月独立開業。
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